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猫を抱いて象と泳ぐ
猫を抱いて象と泳ぐ
小川洋子/文藝春秋
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総合評価

570件)
4.2
214
199
82
14
4
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    小川洋子先生の文章は本当に、何を食べて何を見て何を考えて生きていたらこんな繊細で心を打つ表現をできるのだろうかと思わされるが、一方でちょっと信じられないくらい残酷でグロテスクだなとも感じる。 手足がちぎれるだとか拷問されるだとか、そういう直接的に痛いグロさは皆無なんだけど、あとに尾を引くような本能的なグロさが常にあって、(多分先生はそういうものがそもそも好きなんだろう、美しさを見出してるんだろう)と勝手に思っている。 私はものすごく怖いです。 成長しないことも成長しすぎることも屋上から出られないことも隙間に押し込められることも長年洗われない布巾も生きてるみたいに漂う脇毛も狭い人形の中に潜めるよう変わっていく関節の形も全部怖かった。 この小説が長く胸に残る間違いなく素晴らしい小説であることは疑いようもないが、それはそれとして本当にグロテスクで恐ろしいので、私は向こう五十年は再読しないだろうと思う。

    0
    投稿日: 2026.01.12
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    主人公は、幼少期の中でデパート屋上で死んだ象のインディラ、バスのマスター、そしてミイラとの関わりを通じ、「大きくなること」への恐怖を感じ、成長を止めた。 そこから、からくり人形「リトルアリョーヒン」の中でチェスを指すようになっていき。。 主人公含め、全ての登場人物に名前があてられてないが、それが気にならないほど丁寧な作品だった。 様々な登場人物との出会いの中でも、主人公のチェスへの思いは、「その人自身」で、「海を泳ぐ」と比喩されているのは、とても印象的だ。 山崎努氏の解説にもある通り、静かで優しい世界だった。

    0
    投稿日: 2026.01.01
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    初めて登場人物の名前が出てこない小説を読んだ 途中で気づいたので何か物凄いどんでん返しものかと思いながら読んでたら普通に終わった 主人公が何かサヴァン症候群的なのを持っており人間を上手く把握できないからこうなってるのかなぜこの作りなのか気になった 人間に興味を持ってない訳ではないし? チェスで人間の深い魂と会話をするから名前なんて上っ面なもの関係ないみたいな事もあるのか インディラとビショップのつながり 同じ色(インディラにとっては屋上)でしか動けないから 総婦長のゴンドラでリトルアリョーヒンを掲げて行動以外全て外さず当たって嬉しかった リトルアリョーヒンの頬が薄ピンク色に染まっていたのはミイラとのHな事を考えているみたいでめちゃくちゃ雄みがあって良かった 途中中弛みを感じたが終盤持ち返した 人間はいづれ死ぬが温かい意志は脈々と繋がれる それをこの本で学べた

    0
    投稿日: 2025.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リトル・アリョーヒンには、チェスがあってよかった。 彼にとってチェスは、単なるゲームではなく、人生そのものだった。勝ち負けが存在するのはもちろんだけれど、彼が本当に大切にしていたのは、どんな「棋譜」が生まれるかということ、そしてそれを通じて誰かと交わされる「会話」だったのだと思う。 チェスは人生のように、対峙する相手や盤を挟む場所によって、まったく違う表情を見せる。汚い手を使ってでも勝ちを急ぐ者もいれば、報酬のために勝ち方にはこだわらない者もいる。そこには、その人がどんな人生を生きてきたかが、そのまま染み出している。 象徴的なのが、マスターがアリョーヒンを叱る場面だ。橋のたもとで賭けチェスに参加したとき、「そういう対局はするな」と彼は言う。 それは「賭けなんかに関わって自分の価値を下げるな」という忠告以上に、「そういう生き方をするな」「自分の人生をそんな場所に落とすな」というメッセージだったのだと思う。 深海クラブでは、アリョーヒンはアリョーヒンの中に入り、リトル・アリョーヒンとなる。あの場面は、彼が自分のアイデンティティをアリョーヒンに重ね合わせ、「自分」という器をそっと載せ替えるような行為に見えた。チェスの才能だけでなく、生きる姿勢そのものを借り受けるような、静かな変身の儀式だったのではないだろうか。 物語の終盤、老人ホームでひっそりとチェスを指し続けた後、アリョーヒンは静かに亡くなる。 それは、棋譜を求めて、会話としてのチェスを続け、人生とチェスを重ね合わせたまま、その「盤面」の中で息を引き取るような、美しい最期だったと感じた。 彼の顔や姿をはっきりと覚えている人は少ないかもしれない。でも、彼の存在や思い、そして彼が残した棋譜は、「ミイラ」という形で後世へと引き継がれていく。 たとえ名前を忘れられても、「確かにここに生きていた誰か」がいたという事実だけは、物語と記憶の中に残り続ける。 なもなき存在になったとしても、その人が生きていたという事実、その人が生き抜いたということを忘れないでいたい。 この物語は、そんなささやかな決意のような気持ちを、自分の中にもそっと灯してくれる作品だった。

    1
    投稿日: 2025.12.07
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    “静かな革命”みたいな言葉が似合う小説だなと思った。主人公の少年は自分の大切なものと平穏を守るために、残酷な現実と向き合い、時には対峙し、時には逃げ出す。その現実の残酷さにすら気がついていない時もあり、意味がわからないまま大人の世界に翻弄されてしまうけれど、実際生きていてもそんなことは起こりうる。少年の優しさと信念は、自分を変化させながら、時には変化しないことを目標にしながら、ゆるやかに人生を包み込んでいく。小川洋子さん初読みだけど、すっごいわ。 とにかく序盤から話がどう転がっていくか全く予想できない。先に背表紙を見ていたからチェスの話と知っていて読んだけれど、少年とチェスとの出会いの前にも数え切れないくらいたくさんのことがある。自分の頭の中に似た物語が存在しないから、情報をキャッチするのが新鮮で、全部が重くて、体力のいる読書だったけど、読後の穏やかな気持ちは何事にも変えがたいものがあった。 とにかく濃厚。上質なココアくらい濃厚。面白え。

    1
    投稿日: 2025.12.02
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    静かに力強く前に進んでいく物語 名前の明かされない登場人物たちはみんな魅力的で、少し不穏さを纏わせている。 遠い国の話のようでいて、すぐ近くにあるようなお話。 幸福ではないかもしれない。でもきっと不幸でもない。その言葉が似合う小説です。

    8
    投稿日: 2025.11.14
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    小川洋子さんらしい、静かで美しく少し残酷で、季節で言えば晩秋。でもなぜか温かみを感じるお話でした。 手元にずっと置いておきたい小説です。

    4
    投稿日: 2025.11.13
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    一見暗いと思える出来事を少年はまるで違う見方をして見ている 思えばそれはチェスに出会うための布石 盤上の表現がほんとにユニークかつ美しかった。 チェスを通じて出会い、会話し、感情を味わう。 チェスは昔良くやっていたけど、もちろん弱い(笑) 少年と一緒に盤上を旅しているみたいでわくわくした。

    12
    投稿日: 2025.10.08
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    最後まで読み終わるのが本当に嫌だった。この優しくて静かな物語が終わってしまうのが寂しくて寂しくて、残り数ページを捲るのが躊躇われた。 私はチェスのルールなんてこれっぽっちも知らなかったけれど、だからこそチェスの宇宙をその広さを存分に味わえたのかもしれない。 カツカツと音を立てながら敵陣に攻め入っていくチェスというゲームはただただかっこいいものだと思っていた。こんなに優しさに満ちているなんて知らなかった。 物語に出てくる彼らが特別に不幸とか幸せ者だとかではない。なのに満ち足りた気持ちとまだ何か物足りなさと、二つの空気が一緒にあって今までにない読書体験でした。 特にエチュードでS氏とみんなでチェスを指すシーンは読者をも緊張で張り詰めたあの空間に閉じ込めてくれたことが何よりも嬉しかった。嵐の騒ぎさえも気づかないほどの集中を一緒に味わえた。 またもう一度読もうと思う。

    1
    投稿日: 2025.09.09
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    小学生の頃にチェスクラブに入っていたこともあり、とても楽しく読めた。チェスは好きだけど、そこまで奥深いものとは思っていなかったので、小川洋子さんの筆致によって「こんなに可能性のある世界なんだ」と新鮮な発見をした。久しぶりにまたチェスをやってみたいと思った。 駒の中では特にルークが好き!最初は地味に思えるけど終盤になると一気に強さを発揮するところが魅力的。ビショップは使い方が少し難しいからこそ憧れもある。ナイトも独特で面白い駒だけどこの作品ではあまり目立たなかったなぁ。 小川洋子さんらしい独特な世界観とゆったりとした文体で、最初はページがすらすら進むタイプの本ではなかった。それでも「慌てるな坊や」というフレーズの繰り返しや、物語の中で先の展開を暗示するような構成は印象的で、読み進めるほどに心に残った。 結末はハッピーエンドを期待していただけに、あまりにも切なくて胸が痛む、、でも悲しいだけじゃない、読後にじんわりと余韻が残る感じ。結果として私にとって大切な一冊になった。

    2
    投稿日: 2025.09.09
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    友人の好きな本だと聞いて一読 静かで優しくて寂しくて綺麗な作品だった。 チェスを知っていたらもっと楽しめそうだなと思った。 小説もそこまで読んだことがなく活字への体力がない状態で読んだので、小川ワールドに浸かりきれなかった。少し難しかった。 またいつか読み直したい。

    7
    投稿日: 2025.08.31
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    書店で目について読んでみました。暖かくほろりとした物語でした。チェスにはまるで知識はありませんが興味が湧きました。さてどうしたものかなぁと。

    0
    投稿日: 2025.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の方までなかなか読書スピードが上がらず、読者の感受性が試される作品だと思った。自分は感受性が鈍い方と認識しているが、最後の急展開には引き込まれてページをめくる手が止まらなかった。 また何年後かに読み直したくなる作品だと思う。その時の感じ方も違いも楽しめると思う

    2
    投稿日: 2025.08.02
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    5年ぐらい読みたいリストに入れていた1冊 これが小川洋子ワールドか…! しっとりして繊細な世界観だ! 解説にあった『読み手にも相当のエネルギーを要する』は読みながら私も感じていて、睡眠不足の時や退勤後の疲れた時に読むとすぐ眠ってしまった… ボックスベッドや海底チェス倶楽部など、使われる単語のひとつひとつがお洒落だなと思った タイトルのセンスもすごくいいなあと思う チェスに興味がなくてルールも全く知らなかったけど、チェスの面白さを知れたのも良かったな 読書で広がる世界である スマホにチェスのアプリ入れてみようかな

    24
    投稿日: 2025.07.19
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    勝敗ではなく、宇宙を描くように、リトル・アリョーヒンにとってチェスとはどんなものかに焦点を当てていて素敵でした。 「慌てるな、坊や」という言葉が印象的なマスターと素敵な丁度品とおやつの甘い匂いの中過ごした日々が好きです。 最近から最後まで美しいお話でした。

    3
    投稿日: 2025.07.13
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    控えめながら一歩ずつ前進するポーンになぞらえて、謙虚に自分の役割を全うすることの尊さが繰り返し描かれており、まるで主人公のようだと感じた。 登場人物は善人ばかりではなく、だからこそマスターや老婆令嬢などの素敵な大人が際立った印象を残している。 マスターと過ごした日々は陽だまりのように温かく、老婆令嬢との邂逅は心臓を掴まれたように切なく、読了後は涙が止まらなかった。 自分も主人公と一緒に水中に揺蕩っているような感覚に陥る、ひっそりと美しい作品だった。

    6
    投稿日: 2025.07.12
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    小川洋子さん作品って本当にスキ。 大きくなることが不安。小さいことに安心する。いつも海をたゆたっている、インディラとミイラと共に。 大きな海の中に身を置くことで余計に自分は小さくなれるんだと思う。 最後の棺にぴったりと収まるリトル・アリョーヒン。その生き方を棋譜に残し、多くを語らないミイラが彼の生き方を尊重してくれたと思った。

    8
    投稿日: 2025.07.12
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    序盤、次の文章に触れ、そうだった自分は小川洋子さんの文章が好きなんだ、と思い出した。久しぶりに一気読みした。「少年は生涯を通し、その日曜日の出来事を繰り返し思い返すことになる。他の思い出たちとは違う別格の小箱に仕舞い、何度でも開けてそっと慈しむことになる。チェスに裏切られたと感じるほどに傷ついた時、マスターとの思い出に浸って涙ぐんでしまう時、あの柔らかい冬の日差しに包まれた回送バスでの一局をよみがえらせ、マスターが教えてくれたチェスの喜びに救いを見出すことになる。」

    2
    投稿日: 2025.07.10
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    とっても切ないのにあたたかい。 さくらのうたを聴きながら読んだ。 チェスっていいなと思った。 優しい人がたくさん溢れてほしい

    1
    投稿日: 2025.07.02
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    駒の制約ある不自由さと、スーパーの屋上や回送バス、盤の下や壁の間で身動きの取れなくなった登場人物達の不自由さが重なって見える。だがチェスは10の120乗もパターンがあるとされており、登場人物たちにも無限の可能性があると思える。 作中181ページのセリフで 「どうしてだろう。自分から望んだわけでもないのに、ふと気がついたら皆、そうなっていたんだ。でも誰もじたばたしなかった。不平を言わなかった。そうか、自分に与えられた場所はここか、と無言で納得して、そこに身体を収めたんだ」 この言葉にあるように静かに受け入れて次の一手を打つ、そんな生き方が出来れば幸せだろうなと感じた。 また賭けチェスや人間チェスなど、醜い部分も描かれており、純粋で美しくあるだけでは通用しない現実世界の厳しさや、破壊行為や酔客などの秩序の外からやってくる凶暴性、理不尽さが美しい世界観の中で際立って見えた。 チェスのルール知ってて良かった

    1
    投稿日: 2025.06.30
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    相変わらず美しい文章でいらっしゃる…(ほんまに好き)こういう、文字でしか表せない幻想的な本でしか味わえない物語がほんとに大好きなんですよ!!!!!!!!!(大声) 個人的には序盤のバスの中でチェス打ってるシーンが凄い好きだったなぁ。私もその場にいるような、居させてくれるような温かい感じ。誰も置いていかないくらい繊細な描写………。 もうちょっとチェスに詳しかったらさらに面白く読めたかな…歳をとった時にもう一度読みたい! ラストの物悲しさも含め残り香がほのかに香る感じがいいですね。

    5
    投稿日: 2025.06.17
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    狭く閉じられた場所が自分の居場所であることを受け入れ、一方で目の前の8×8のチェスの盤から広がる無限のような世界で勝つためでなく美しく進もうとした主人公の軌跡。チェスの醸し出す将棋とはまた違う色合いも新鮮。

    1
    投稿日: 2025.05.30
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    「猫を抱いて象と泳ぐ」 #読了 チェスに投影される差し手の価値観。マスターが教えてくれた2人で奏でる美しい棋譜。言葉は交わさなくともチェスを通して対話がされ、心が響き合う。タイトルを眺めると、いつまでも静かな情景が物語の余韻に合わせて蘇る。

    11
    投稿日: 2025.05.28
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    一般的にはマイナスや負のイメージを抱くような対象に対しても、温かく、親しげに描写する点に 感銘を受けた。ひだまりのような本だと思った。

    1
    投稿日: 2025.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々の小川洋子。なぜだか短編集の海を思い出す。 言葉にするのが難しいけれど、悲劇と括るのも違う気がするし、最後はあっけない結末だったけれど、でもバス運転手もマスターも祖母も、そうやって前触れなく劇的でもなくいなくなっていったもんなあ。 失われていくのは悲しいことだけど、それを不幸と呼ぶのも違う気がする。そしてそれが主題でもないんだろうなと。 成長を拒むって言うのは、ある意味生きること自体への抵抗ともとれるけど、でもミイラを特別に思っていたり、令嬢や婦長への親しみもあったり、別に厭世的だったわけでもないのよね。 ただただ何となく生きてることが嫌だと思う気持ちを主人公も抱えてたんだろうか。 本筋と関係ないけど、読んでいて途中まで当たり前のように現代か少し前の日本が舞台だと思い込んでて、自分のバイアスに驚き。年代も場所も明言されてないのよね、実は。

    2
    投稿日: 2025.04.20
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    主人公の閉ざされた世界の中に広がる深く青い海原を共に泳いだ感覚。読み進めるのにエネルギーがいるという感想を目にしていたが納得。小波は一緒に漂い、荒波は飲まこまれてしまうような、本のパワーを体感できた作品。

    3
    投稿日: 2025.04.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まだ読み始めて数ページだけど早くも引き込まれている ミイラの女の子の話 それだけでぞっとするような展開にもなりそうなのにそこには静かな時間だけが流れている 少年の唇の話や象のインディラの話だって決して明るくはないのにどこにも悲壮感がなく自然とページを巡りただただ物語の中に吸い込まれていく マスターが出てきたところでストーリーが少しずつ核心へと近づいていってて、今までのインディラやミイラが優しく彼を包み込んでる様子が伝わってくる あぁそうか そうなんだ 最後まるで予期してなかった終わり方で幕を閉じた 生と死 象と猫 チェスの海を渡る人々の話 いい本だった ゆっくりゆっくり少しずつ余韻に浸るように読んだ

    1
    投稿日: 2025.04.12
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    「ああ、これは書きながらさぞかし興奮しただろうな。」と思わされる調った美しい1冊。 枝葉末節まで拘られた緻密さ/読んでいて夢の海を泳いでいるような雄大さ。静謐で/力強い。嬉しくて/悲しい。希望的で/絶望的。理性的で/感情的。モノトーンで/カラフル。そのバランスたるや!完璧としか言いようがなかった。 読み手も大分エネルギーを求められる分、なんだかキョウソウ(共創/協奏/競争)してるなあと思わされる。旅か漂流か、読んでいてどこか遠くへ連れて行かれる。 彼らはずっと「そこ」にいるのに。

    1
    投稿日: 2025.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    少年 リトル・アリョーヒン。チェスプレーヤー。 祖母 祖父 弟 インディラ 象。三十七年間、デパートの屋上で子供たちに愛嬌を振りまきながら一生を終えた。 ミイラ ボックス・ベッドの壁と壁に挟まって出られなくなった少女。 マスター バスの中に住む男。 ポーン マスターが飼っている猫。 アレクサンドル・アリョーヒン 伝記上のプレーヤー。ロシアのグランドマスター。 事務局長 パトロンの令嬢 ミイラ 広い額に尖った顎、黒々とした瞳とカールした睫毛、潤んだ唇、真珠色の肌、耳の脇で二つに結ばれた真っ直ぐな髪。パシフィックホテル専属の手品師の娘。 総婦長 キャリーバッグ老人 老婦人 S氏 国際マスターの称号を持つ。 キング 決して追い詰められてはならない長老。全方向に1マスずつ、思慮深く。 クイーン 縦、横、斜め、どこへでも。最強の自由の象徴。 ビショップ 斜め移動の孤独な賢者。祖先に象を戴く。 ナイト 敵味方をくの字に飛び越えてゆくペガサス。 ルーク 縦横に突進する戦車。 ポーン 決して後退しない、小さな勇者。

    0
    投稿日: 2025.03.26
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    唇が閉じられた状態で生まれた少年が、バスの中に住む"マスター"からチェスを教わり、やがて、からくり人形の中でリトル•アリョーヒンとしてチェスを指すようになる。 マスターの死や、デパートの屋上に展示されていた像のインディラが大きくなり過ぎて降りられなくなった逸話などから、大きくなることに恐怖を覚え、自分は小さいままでいることを望んだリトル•アリョーヒン。 その人生は謙虚で静かだったが、相手に姿は見せなくても、その棋譜は美しく、相手の記憶に残るものだった。 不思議な設定ながら、心に染みたストーリー。チェスをやってみたくなった。

    38
    投稿日: 2025.03.25
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    ◼️ 小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」 予想外の内容だった。さる著名作家によく似ている。こんな人日本にいたのかと。 柔らかな、しかし、ん?象と?となるタイトル。おそらくプールで泳ぐ時なんらか象に関係した夢想があるのかな、穏やかな現代小説か児童小説っぽいものかなというイメージのまま入ったら、まったく違った。短編集「アンジェリーナ」は読んだことがあったけどこんな幻想的な長編だとは。 途中からこれはポール・オースターにそっくりだ、という気がしてならなかった。最後まで。 リトル・アリョーヒンとのちに呼ばれる少年は成長して巨大化したためデパートの屋上から降りることができず一生をそこで過ごしたいう象の話、壁に押し込められて抜け出せなくなり、ミイラとして塗り込められてしまった少女の話に強い印象を受け、象とミイラを友人として考えるようになる。 少年はプールでバス運転手の水死体を発見し、バス会社の寮を訪ね、庭のバスに住んでいる寮の巨躯の管理人(マスター)にチェスを習う。マスターはスイーツを作り食べるのが趣味で、バスの入り口から出れなくなるのではと少年は危惧していた。やがてチェスに熱中した少年はチェス版の下に潜り込み、マスターが飼っていた猫のポーンを抱いてチェスを指すスタイルになっていった。運命は容赦なく降りかかり、やがて少年は人形に潜みチェスをするようになるー。 チェスを習熟した少年、喪失、大きな傷、旅立ち・・成り行きに任せる中で少年は自らのありたい道を見つけ、家族と、とりまくり人々の善意に辿り着く。 特殊な設定を組み上げ、大人の作為や避けられない別離をベースに、微妙でまっすぐな少年の心を浮き立たせて描写している。また、チェスの世界を掘り下げて物語の重要な背骨としてときにユーモラスに活用しているさまは小憎らしいほどだ。リトル・アリョーヒンにとっての大事なもの、が言葉を超えて実感できる。 妖しさ、怪しさの海底から自然豊かで辺鄙な土地で織りなされる心のケアへ。異世界にも見える舞台装置の転換も鮮やかだ。少年の決断がより映えて見える。 ちょっと離れて見ると、奇妙にも見える少年の人生と判断。しかしそこに描かれているのは理解されなさ、誰にもある、自分にとっての宝物の体験〜それは多くの場合消えてなくなってしまう〜、初恋と傷、人生のハイライト的な生活と、心で感じる善意という、一般的な経験値に敷衍化されている。 哀しく小さな、しかし確かに価値のある、短い人生。幻想的な仕掛けもGOOD。良い読書でした。

    2
    投稿日: 2025.03.19
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    チェスの詩人とゆうワードだけで楽しそうな本だが、途中から何がなんだかわからなくなり、一応最後まで読んだものの、物語の把握までは断念。もう一度読んだら楽しくなるのかなー、と淡い期待を抱いて、今回は終了。

    0
    投稿日: 2025.03.06
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    チェス指しからくり人形の裏でチェスを指し続けた男のお話 以下、公式のあらすじ --------------------- 「大きくなること、それは悲劇である」。 少年は唇を閉じて生まれた。手術で口を開き、唇に脛の皮膚を移植したせいで、唇に産毛が生える。そのコンプレックスから少年は寡黙で孤独であった。少年が好きだったデパートの屋上の象は、成長したため屋上から降りられぬまま生を終える。廃バスの中で猫を抱いて暮らす肥満の男から少年はチェスを習うが、その男は死ぬまでバスから出られなかった。 成長を恐れた少年は、十一歳の身体のまま成長を止め、チェス台の下に潜み、からくり人形「リトル・アリョーヒン」を操りチェスを指すようになる。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、いつしか「盤下の詩人」として奇跡のような棋譜を生み出す。静謐にして美しい、小川ワールドの到達点を示す傑作。 --------------------- 実在のチェス世界王者「盤上の詩人」と称されるアレクサンドル・アリョーヒンのような棋譜を残す少年の一生 大きくなることを拒み、毛の生える唇を閉じ、表舞台に出ることもなく、からくり人形の裏でチェスを指し続けた「リトル・アリョーヒン」 最後は、チェス好きが入居する老人専用マンション「エチュード」でその生涯を閉じる この物語は「静謐」という言葉がしっくりくる 小川洋子さんは「人質の朗読会」を読んだときも思ったけど、登場人物の置かれた状況の印象と、描写される雰囲気の乖離がある 限られた居場所の中で生きているように感じられるが、実際はチェスを通じて自由に生きていたようにも思える ミイラが更衣室に消えていくところは、読んだときには不穏な空気を描写から感じるだけだったが 後に明かされる真相に胸が痛む 服の修復をしていたし、ミイラは知ってたって事だよな エチュードで、手紙のチェスのやり取りは素敵だと思う その道の達人とも成れば、指す手によって様々な情報を読み取れるようになるのでしょうねぇ だからこそ、終局後にとったミイラの行動の後を想像すると悲しい リトル・アリョーヒンにとって棋譜は芸術品なのかもしれない 博士の愛した数式は、数学を美術品のように描写しているように感じたし 小川洋子さんはこんな表現がよく似合う 途中で気付いたけど、登場人物の名前が出てこない 他の評者の仕方にしても、特定の国や地域を類推できるような情報がないので、どこの国でも通じるものになっている 時代に関しては近代以降なのはわかる程度 これは、物語の賞味期限が長い作品だなぁと思った あと、どうでもいいけど 祖母の布巾は探偵ナイトスクープを思い浮かべた あの番組、家族が昔から愛用しているものが汚いのでという依頼がたまに来るよな

    7
    投稿日: 2025.02.25
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    小川洋子さんの世界へ。 優しく静謐でありながら、力強さも感じる世界観に、いつも静かに圧倒されている気がします。 「大きくなることは、悲劇である」 そう信じる11歳の身体のまま成長を止めた少年。 少年とマスターがチェスを指す、穏やかで濃密な時間がとても好きでした。 折に触れ、マスターの『慌てるな、坊や』の優しい声が耳によみがえって響く。 やがてリトル・アリューヒンとしてからくり人形を操るようになるが、老婆令嬢とのチェスの時間もまた特別で、文字を追いながら、息を潜め見守るような気持ちでした。 読み終えて、密やかで哀しくもありますが、誇らしく幸せにも感じる。 自分でもこの感情をうまく言い表せませんが、言葉にならない静かな感動に満たされる作品でした。 独特の世界観があるので、好みが分かれる作品かもしれません。 チェスがテーマの小説を読むのは、「エヴァーグリーンゲーム 」に続いて本作が2冊目。 前者のイメージが『動』なのに対し、本作は『静』。 どちらも心動かされる素敵な作品でした。 『よく考えるんだ。あきらめず、粘り強く、もう駄目だと思ったところから更に、考えて考え抜く。それが大事だ。』

    13
    投稿日: 2025.02.19
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    9冊目『猫を抱いて象と泳ぐ』(小川洋子 著、2011年7月、文藝春秋) チェスを題材にした長編小説で、実在したチェス指し人形「トルコ人」に着想を得たストーリーが展開される。 静謐でありながら詩情に満ちる美しい文体で綴られた不思議な世界観は唯一無二。チェス盤を彷彿とさせる二項対立構造が作品全体を貫いており、文章には整理が行き届いている。少々綺麗に均されすぎている感はあるものの、著者の筆力の高さには舌を巻いた。 〈八×八の升目の海、ボウフラが水を飲み象が水浴びをする海に、潜ってゆく冒険だ〉

    11
    投稿日: 2025.02.17
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    自分では見ることができない美しい情景がこの一冊に綴じられているのかと、読み終わったとき、本が好きになった理由がわかった。

    2
    投稿日: 2025.02.11
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    文章があんまり合わず、なおかつチェスに関する知識もないので全然スラスラは読めなかった。 ただ、派手ではないけど謙虚でささやかな幸せが、静かにそこに存在しているかのような物語だった。周りから羨まれるような人生じゃなくても、人生ってこれでいいんだと温かく肯定されているような気持ちになれた。

    1
    投稿日: 2025.02.09
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    「とにかく散歩いたしましょう」の中で、取材や執筆について書かれていたので。チェスを題材にしたお話で、試合の場面では「3月のライオン」を思い出す。本筋ではないけど人間チェスのシーンが、暗さと残酷さを孕んで、ぞくぞくする美しさ。終わりの儚さがあとを引く。

    4
    投稿日: 2025.02.05
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    https://paz-library.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=00057108

    1
    投稿日: 2025.01.29
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    11歳の身長のまま成長を止めた少年、リトル・アリョーヒン。「盤下の詩人」としてチェスを指した彼の一生が描かれる。静かで優しく力強い物語。疲れた心を癒してくれるような作品です。

    2
    投稿日: 2025.01.16
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    夢の中のような話の展開。作者の発想力の豊かさに唸らされる。 とても良い作品です。 うーん。でも同じ夢のような話なら、目覚めてからも「夢から元気をもらった」という気持ちになれるようなハッピーエンドにしていただきたかった。 ミイラが最後の手紙をリトル・アリョーヒンに手渡し物語が終わっても、伝えたいメッセージは変わらないと思うんですけど、、 ひっそりとした世界にも儚い輝きをもち生きてる人々が、最後に周りから見たらひっそりとしているかも知れないが自分たちにとってはこころ温まる幸せを手に入れ、そして人生の新たな旅立ちをしても良いのでは、、 現実でも、与えられた状況の中で人は苦労や孤独を感じるが、その中でも喜びを得られる世の中であってもらいたい。特に若者達の人生はそういうものであって欲しい。と、初老になった今日この頃の私は思わずにいられません。。 すみません。悪口ではなく、この物語が好きなので、没頭しすぎてラストに身悶えしているんです。 このお話、美しいけど悲しいんです。

    3
    投稿日: 2025.01.12
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    全体的にとても静かで、謙虚さを大事にすることが伝わってくるやさしい作品。 (チェスにまったく馴染みがない方は途中少し戸惑うかも…?) 主人公は人形を操ることでチェスをプレイする少年、その少年にチェスを教えるマスター、その少年の手助けをする少女。 少年は幼少期以来、体格自体は大きくならないまま成長していく。 そのこともあり、狭いチェス盤に潜って人形を操りながら駒をさすことになる。 成長していく過程で、体が大きくなることで不幸が訪れる大人の姿を何人か見ることになる。 また、チェスの試合を重ねるごとに、自我を捨て、沈思黙考しながらプレイすることの重要性に気付いていく。 これらのことから、少年は体だけでなく自我が大きくなって良いことはないという考えに至り、慎ましく生きていく。 少年の周囲のマスターや少女も非常に慎ましく生きており、チェスの世界にも根底には慎ましやかさがあるように思いました。 それは決して何も自分の考えがないということではなく、むしろ静の中に様々な動がある。 自分と静かに向き合ってこそ、浮かび上がってくる深い内面世界がある。 チェスの世界では、ちっぽけな自分がコントロールできることには限りがあり、自我を捨てて流れに身を任せることも必要、というあるチェス棋士の言葉がそれを物語っているように思いました。

    19
    投稿日: 2025.01.11
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    チェスの話が、ちょっとわかりづらいけど、小川洋子さん独特の世界観が味わえます。 最後の老人ホームで集大成となる主人公の幸せな人生を複雑な流れではありますが堪能してください。

    2
    投稿日: 2025.01.04
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    小さな世界の静かで儚い物語だった。心に残っているのはおばあちゃん。孫を大切に想う気持ちが主人公の心に、主人公に関わる人たちに愛として広がっていると感じた。

    3
    投稿日: 2025.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほんとうに私にとって小川洋子さんは特別な作家さんだと改めて気付かされた本。 愛おしさ、せつなさ、小川洋子さん特有の静けさと不穏さが宝箱のように詰め込まれた物語だった 私はリトル・アリョーヒンではないのに、あの時のせつなさも哀しみも愛おしさも全部自分の中にあってそれを小川洋子さんが丁寧に掬い取って美しい文章にしてくれたようでした。 心に残る場面を挙げたらキリがないです。 彼は一度でも自分の人生が不幸だと思ったことがあるでしょうか? いつも家族や周りの人を愛し、何かしてもらったらありがとう、自分が間違ったと思った時には心からごめんねを言うことができる。そして自分の置かれた状況を大切にしながらも、そこが自分には合わないと思えば自分の足で抜け出す力ももっている。そんな人柄は自然と出会う人たちも彼に対して愛情を感じていく。 いくら恵まれていても人は何かしら不満や誰かと比べて物足りないかのように思ってしまう生き物で、彼のように周りに常に感謝できる心を持った人生はきっと幸福だと私は思うのです。 最後エチュードで自分の本当の居場所を見つけたかのように、無口だった少年時代の彼では考えられないほど自分からたくさんのことを話すようになり、盤下から出てチェスの素晴らしさを教えようとする姿が描かれています。気付いたら今まで彼の成長を不安ながらに見守っていた私はその変化がとても嬉しく感じました。 明るい感動で終わる話ではないけどチェスと暖かい人たちに囲まれた彼の人生は小さい宝石のように心に残りました。 実は買ってから12年くらい読まずに本棚に放置していた本でした。こんな素敵な小説を何でもっと早く読まなかったのかと思いましたが12年前の私では分かりきれない感情があってきっと今が読むタイミングだったように思います。 「慌てるな、坊や。」

    4
    投稿日: 2024.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    異形として生まれた子どもの一生、チェスについて。 囲碁とかチェスを覚えたくなった。 最初に教えてくれる人によって打ち方が変わるってそうなんだろうな 顔を見なくてもその人がわかるっていうのも、わかる気がする、わかるようになりたい 老婆令嬢が記憶を失った後、彼にもう一度チェスを教えてもらったシーンが良かった

    2
    投稿日: 2024.12.25
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    リトル・アリョーヒンと一緒にチェスの海を泳いでいる気分だった。 ワクワクするチェスも、ハラハラするチェスも、穏やかで幸せなチェスもあった。 チェスを見れば、その人がどういう人なのかすぐに分かる。 大きくならないように、目立たないように、邪魔しないように生きていたリトル・アリョーヒン。 でもみんな彼のチェスを求めていた。 こんな素晴らしいチェス指しが、この世界のどこかにいたんだと夢見て生きていく、読んだ人の人生をロマンティックにしてくれる本。

    3
    投稿日: 2024.12.23
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    小川洋子さんの作品はどうしてこんなに静謐で美しいのだろう。 社会では生きにくそうな人たちにスポットがあたることが多いけど、それは私が生きにくそうだと勝手に決めつけてるだけで、みんな生きにくいなんて思わず自分の世界を慈しみながら生きているように感じる。 チェスのことを全然知らないので、棋譜の美しさなどは分からなかったが、もともとボードゲーム好きだからチェスに興味を持って、マグネット式の簡易セットを買ってみた(笑)

    3
    投稿日: 2024.12.17
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    喜び、怒り、哀しみ、楽しさ、それぞれ単色での表現でなく複数の色で常に何重にも重ね塗りされて表現されているような作品。 狭い空間(世界)のなかでそれぞれの登場人物は生きている。時には悲しく見えるんだけど、悲しさだけではなくて、幸せにも見えて、その狭い限られた世界がかけがけのない大切な空間になっているようにも見えてくる。 生きていても同じことが言えるかも。何が幸せなのか、それって誰かに決められるものではなく、自分自身で向き合って答えを出していきたい。そう思える作品

    4
    投稿日: 2024.12.17
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    チェスなんて知らないし難しそうだな、と思いつつ読み始めたらスルスル読める。すーっと入ってくる。最後は泣かずには読めない。

    3
    投稿日: 2024.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読後感が素晴らしい作品! タイトル買いのため、あまり内容を知らず読み進めたが、読み始めと読み終わりでかなり印象が変わった。 初めは日常の些細な話かと少し退屈していたが、主人公の少年がこの本のメインのひとつであるチェスと出会った時から少しずつ物語が加速していく。盛り上がりのあるドキドキとする場面もありつつ、現実のやるさなさや日常の些細な暖かさや冷たさがベースにあり、不思議な心地で読んでいった。確かに人との繋がりも温かさもあったはずなのに、全てを読み終えた後は、ひとりコンクリートの床で眠るような冷たさ、そして夢の中でどこまでも広大に自分の夢を繰り広げられる自由や広大さを感じられた。 良い作品でした。読めてよかったです。

    3
    投稿日: 2024.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文学という芸術作品を鑑賞させてもらった、という感じ。 文章が美しく、鮮やか。それでいて読みやすい。 モノクロで無機質なチェス盤の中で、鮮やかに彩られる海の中の景色と底から見上げる世界。小川洋子さんにしか表現できない世界観が確かにそこにあると感じた。 老婆令嬢と再会し、リトル・アリョーヒンが彼女にチェスを教える場面では胸が熱くなり、泣きそうになった。 自分がチェスの世界に詳しくないため、そこにどんな美しい宇宙が広がっているのか、実感できないのが残念だった。それ故、手放しで絶賛できるほど深く物語に入り込むことが出来なかった。

    4
    投稿日: 2024.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    正直私には合わなかった。その理由としては、何を美しいと思うか、悲しいと思うか、ロマンを感じるか、そういった感性が作者と私とで一致していないか、もしくは私の感性が未熟すぎるのが原因だろう。だから、リトル・アリョーヒンが大きくなることを恐れていたのも、インディラへの想いも、チェスの壮大さも、人々がリトル・アリョーヒンのチェスにあそこまで惹かれていたのも、あの結末も、あまり入り込むことができなくて、置いてけぼりにされたような気分だった。

    2
    投稿日: 2024.11.08
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    『博士の愛した数式』で小川洋子さんを知り衝撃を受け、次に読んだのが本作。最初こそ『博士の〜』に比べたら大人しいな、と思っていたがとんでもない。読み終わる頃には最高傑作と言われる所以が理解できた。 美しい、という言葉で語り尽くせない、透徹で慎ましやかで、あらゆる人間の魂のありようが、小川洋子さんの手にかかるとこうも美しく描かれ得るのか、と思う。そして読んでいると自分もまたその世界の一員として、慎ましく美しい魂を持ち合わせているような感覚になる。そんな体験は生まれて初めてした。静かな光に圧倒されるような作品。 なお、できれば人のいないところで読むことをお勧めしたい。私は通勤電車の中で涙を流す不審者になった(複数回)。

    4
    投稿日: 2024.11.05
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    伏線回収が綺麗。星座を作るように張られてた。個人的に1番好きな伏線は、主人公が老婆令嬢にとっての「はじめての」チェスを教えるところ。 回送バスの中でマスターとチェスをしてる時間があたたかくて好きだった。 (チェスとは、2人で1つの海に潜ること。星を一個一個旅して歩くようなもの。地球の上だけでは収まりきれないから宇宙の上まで旅すること。)

    2
    投稿日: 2024.11.03
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    やっぱり自分は小川洋子の小説が好きだ!!!と再認識させられた傑作。 文章が美しくて静か。まるで水のように自分の中に物語がすっと入ってくる。読み終えたあとは、美術館に今までずっといて、出てきたくなかったけど出てきてしまった…というような名残惜しい感覚になった。 そのくらい芸術品。

    4
    投稿日: 2024.10.27
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    読んだ後に感嘆の溜め息をついた。なんて言葉にしたらいいかわからないけど、すごいものを読んだな、て気持ちになった。 癖がある文体だけど、私は読み進めやすいと感じたしもっと読みたいと思えた。 読んだ後の余韻が長くて心地いい。 忘れたくない作品であり、何度でもよみたい作品。

    3
    投稿日: 2024.10.24
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    主人公は幼い頃に出会った人物からチェスを教えてもらい、そこからチェス差し人形の中の人して生きる人生を送る。賞賛に値する芸術的な棋譜を紡ぐのに、彼がやっていることだと知っている人はわずかだ。彼は無駄なことは何一つ語らず、人形の足元に潜み、ただただチェスの一手一手に言葉を託す。そのため終始、静けさや暗闇に包まれている。彼は生涯を通して理解者たちと離れて生きている。 それなのに静けさや暗がりに暖かさや安心を感じ、豊かさを感じさせるのは、彼が常にチェスを通して理解者たちと繋がっていたからか、無私の棋士だからか。 読んでいてあまり孤独や哀しさを感じなかった。一体、孤独とはどこからくる感情なのだろう。

    7
    投稿日: 2024.10.14
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    ここ数年で1番の作品かも。 なんだろう。。感想を言語化するのが難しい作品。 小川洋子の日本語は美しい。

    2
    投稿日: 2024.10.11
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    読み終えたあと、深く息を吐いた。チェスに愛を捧げたひとりの少年の物語。チェスのルールは知らないし、初めはあまり興味をもてなかったけれど、いつの間にか読み耽っていた重厚な作品。非常に読みごたえのある一作だった。

    2
    投稿日: 2024.09.24
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    すみません、私は読み切ることができませんでした。 話は面白いんだけど、情景描写の細やかさが自分にとっては足を引っ張ってしまって、断念です、、 あの子たちはどうなったんだろうか 素晴らしいと絶賛されているからこそ、読み切りたかった、、、少し悔しい思いです

    2
    投稿日: 2024.09.22
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    「大きくなること、それは悲劇である」と唱えた主人公が、大人が作り出した暗く汚い世界から逃げて、純粋なお話のままで終わったのが良かった。「海底にだけ沈んでいる必要はないのです。」という老婆令嬢の台詞が印象に残った。 題材のチェスの様に、冒頭から出てきた人や物が後から意味を成して現れてくるのが緻密で、美しい文章だった。チェスやったことないけど。

    2
    投稿日: 2024.09.15
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    最後の1ページを読み終えた後、彼が生きた世界を想像して余韻に浸らざるを得ないような作品。 全編を通して、何となく悲しくて心細いと感じる。 しかし、私達が満ち足りてないと感じるような状況でも、リトル・アヒョーリンにはチェスという誰にも揺るがせない芯がある。 そして彼の小さな居場所はいつもチェスと人の温かさで満たされていたと読み終えて気づく。

    2
    投稿日: 2024.09.12
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    スラスラは、読めなかった。 やっと読み終えた感じ。 物静かな物語で、夢にでてきそうな想像力を掻き立てる不思議な内容。 個性的な登場人物(動物)の描写が秀逸で、独特な世界観だった。 こういう作品が純文学というのか?

    49
    投稿日: 2024.07.27
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    天使のようなリトル・アリョーヒンと悪魔のようなオスカル・マツェラート。11歳と3歳。盤下とスカート。チェスとブリキの太鼓。

    23
    投稿日: 2024.07.21
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    類稀なチェスの才能が見出され、人前に出ることなくプレイすることで、そこから醸し出される詩の美しさにひたる。そんな主人公の心情が綴られていく。 祖父母に育てられた少年リトル・アリョーヒン。デパートの屋上で出会った象、仔象のときに屋上に連れられ見せ物として活躍、成長して動物園に送られる段階になって、その大きさゆえ、エレベーターに乗せられず屋上で生涯を全うする。アリョーヒンの住む家は、隣家とわずかな隙間で接するように建っているが、そこに少女が迷い込み出られなくなってミイラと化した噂を信じ、大きくなることへの恐怖を覚える。廃車になったバスを見つけ、そこに潜りこみ、住み込んでいた肥った元運転手と出会う。この出会いが少年の人生を決める。ここでチェスを覚え、チェス盤の下に潜り、頭のなかの世界でプレイをする術を身につける。成長して大きくなることに恐れを抱きながら、自分を狭い空間に押し込めることで、小さな体を保つ。このバスの住人であり師匠であった人物はあまりにも肥り過ぎたため、亡くなってからバスを解体しないと取り出せない現場を目の当たりにして、少年はますます大きくなることの恐怖を増す。チェスの腕が買われ、チェス盤の下に隠れて姿を現さない、その奇妙なプレイスタイルとともにチェスの世界に浸っていく。小さな体と特異なスタイルは、その活躍の場が変わりながらも、決して変えることなく、彼を理解する祖父母の愛情、チェスを通して出会った老婆、少年のなかでミイラと同一視される少女との優しさ溢れる交流を通して、満たされていく。ひっそりと生き続けた少年の思いは、チェスで紡ぎ出される詩とともに、クライマックスへと導く。幸せとは何か、生き方とは何か、読後に深く余韻が残される。

    11
    投稿日: 2024.07.11
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    小川洋子さんの作品は初めて読みました。 文章もとても美しく、このままずっとこの本の海の中を漂っていたかったです。 リトル・アリョーヒン、象のインディラ、ミイラ、猫のポーン、4人で漂う小さな海底に、自分もいつしか一緒に漂っていました。マスターや総婦長、老婆令嬢など、どの登場人物も優しい空気に包まれていて、チェス盤、駒、駒袋、布巾、甘いおやつ、白衣など、その登場人物たちの大切なもの、象徴するものその全てがとても印象的でした。 また彼らと素敵な言葉の海を漂いたくなったら再読しようと思います。

    7
    投稿日: 2024.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    チェスを題材にした静かな物語。クライマックスがヘッセの『車輪の下』に似てたり、作風もどことない外国文学感があった。最後ミイラが間に合えば…と寂しく感じたけど、それも含めて、世の中に存在する仕方ない事情を受け容れることを伝えているように思った。

    2
    投稿日: 2024.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    優しい繊細さをかかえた少年の全部を見ていたものとしてあまりに切なく悲しいと思ってしまうのは私のエゴなんだろうと思いました。チェスに美しいと思える人になりたい。 彼の唇が、どんな計らいで閉じられてうまれたのか考え続けたいと思いました。

    2
    投稿日: 2024.06.21
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    チェスの才能に恵まれた少年の生涯の記録。 彼の指すチェスは勝敗の次元を超え、芸術と称されるほどにまで昇華される域に達します。 そんな彼が歩んだ道のりは、喜びや悲しみで彩られ、人によってはその濃淡の感じ方に差が出てくると思いますが、それとは別に温かさも感じてました。 私は本を読むようになって15年ぐらいが経ちますが、読みながら愛しさを感じた本は本作が初めて。 Tさんの思いの丈が書かれたコメントに惹かれて本作を手に取りましたが、とても良い出会いになりました。Tさんに感謝を。ありがとうございました。

    3
    投稿日: 2024.06.16
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    Audibleで読了。 「リトル・アリョーヒン」として生きた主人公。 作中で本名が出てこなかった。 伝説のチェス棋士にちなんで名前をもらい、 自動チェス人形の中でチェスを打つ。 「大きくなること、それは悲劇である」とある通り チェスと出会ったことで主人公の 身体、精神、世界、全てが狭いなかだった。 リトル・アリョーヒンとしてきっと幸せだったはず ただ1人の人間としてどうだったんだろう… そう思うと読みながらいろんな感情が出てきた。

    2
    投稿日: 2024.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    貧しい祖父母に育てられる幼い兄弟の楽しみは、休みの日に祖母とデパートに行くこと。お子様ランチも食べられない、おもちゃも買ってもらえない。それでも兄の楽しみは、このデパートの屋上でかつて暮らしていた象に想いを馳せること。大きくなりすぎて、屋上から降りられず、死ぬまでそこで暮らした象のインディラ。 夜眠る時にも頭の中に様々な想像を巡らせる。インディラのこと、そして家と家の狭い隙間に挟まったまま、そこから抜け出られずミイラになってしまった少女のことなど。 少年はとあるきっかけでチェスの深い世界を知るが、チェスの師に起こった出来事で、大きくなること、成長は恐ろしいことだと思うようになる。 成長することを拒んだ少年というと、一瞬「ブリキの太鼓」を思い起こさせるけれど、この少年の精神は繊細で思い遣り深く、優しい。彼は対戦相手に正体を知られずにチェスを行い、そしてミイラと共に過ごすことだけが少年の幸せだった。 彼自身がそれ以外を望まなかったのだから、それをあまりに切ないと思うのは、一読者の勝手な想いだろうか。

    4
    投稿日: 2024.05.13
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    流し読みすることがおおいこの頃。小川さんの作品はゆっくりと文章を味わいながら読むのが楽しかったし、小川ワールドというように、現実味より、ファンタジー色が強く楽しめた。 チェスに関する一続きのストーリーで前半後半という分け方が良いかわからないけど、前半に特にときめきあり。よかったです。

    2
    投稿日: 2024.05.11
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    人生を変えた一冊との帯がついていて読み始めたものの、今の自分にはあまり響かず。時間がたったらまた違うのかな

    2
    投稿日: 2024.05.05
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    言葉、文章、物語、世界観、全てが大好きな作品です。 ゆっくり静かに物語が展開していき、幸せな何かがあるわけじゃないんだけど、じんわり心が温かくなります。 手元において何度も読みたいなと思っています。

    2
    投稿日: 2024.05.05
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    不思議なタイトルだと思ったが話の主題でもあるチェスにかかっていた。 チェスのルールを知っていればもっと面白かったとは思うが、そうでなくても面白く、どこか物哀しい

    3
    投稿日: 2024.04.26
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    自分を、受け入れる。 そして、相手も優しく受け入れる。 好きの、気持ちが、静かな物語だけど 溢れてて、とても穏やかで、せつなくて 少年と、ミイラをぎゅっと抱きしめたい そんな感情になりました。

    3
    投稿日: 2024.04.17
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    数少ない読了済みの小川洋子の中でも一際静かな物語。 読んでいることすら、彼らに知られないようにこっそりひっそり、息を潜めてページをめくる。 早くこの世界から出たかった。 なのに心に残るあれやこれや。 チェスをようやく始めてみようというきっかけになった。

    4
    投稿日: 2024.04.17
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    初めて読んだ時、独特な世界観と作者の豊かな表現力に衝撃を受けました。私にとってこの作品は凄い!の一言につきます。 唇がくっついて生まれてきた少年に神様は並み外れた集中力とチェスの偉大な才能の仕掛けを施して下さった。しかも少年しか出来ない独特なチェスの指し方で。恵まれない環境の中でも、愛情に満ちた人々に囲まれてチェスと共に生きる少年。チェスが出来たらもっと深く少年の気持ちを理解出来るのでは?とも思いました。 常に孤独と闘いながらチェスに向き合う心根の優しい少年の生き様を感じて欲しい一冊です。

    4
    投稿日: 2024.03.13
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    リトル・アリョーヒンとして生きたチェスの名手。実在していた人物だが、いまだに謎が多いという。その彼を題材にしているが、チェス盤の下が彼の命そのものというくらい、チェスに魅了されチェスに生かされた彼の生き様が、素朴だけど奥深くて、心動かされた。彼を取り巻く、優しくて強い人物たちの存在にも勇気をもらえる。

    2
    投稿日: 2024.03.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わってしまった… もう少し浸っていたかったし、ミイラとの再会も、老人ホームを出てまた別の場所でチェスをする姿も見たかった… 洋館のような廃バスや、地下プールの更衣室など、場面が美しくどんな場所か想像しながら読むのが楽しかった 途中から、私も棋譜の美しさをわかりたいと思い、チェスを学びながら読んだので、ミイラからの手紙「e4」だけで、文通でチェスをしようとしてるんだ!とわかったりして楽しかった。初めからチェスを知っていて読んだらもっと楽しめただろうなと思う。 ストーリーがすごく面白いわけではないけれど、全体に漂う空気感が好みだった。 猫を抱いて象と泳ぐという題名も、題名先行でストーリーを考えたのかな?というくらいぴったり。

    3
    投稿日: 2024.02.28
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    世界観に引き込まれて一気に読んでしまった。チェス好きにはとっても楽しいと思う!チェスをよく知らない人にも楽しく読めます!

    2
    投稿日: 2024.02.22
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    ちらっと事前にスマホで調べた時、予測変換で「モデル」って出てきて事実ベースなのかと思ったけど違かった。 いい話だ。

    2
    投稿日: 2024.02.19
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    チェスの棋士リトル・アリョーヒンの他は人名も地名も固有名詞が出てこない無国籍で異空間な小川ワールド。 それでも豊富で緻密な表現力でどんどん引き込まれていく。 たびたび訪れる死の場面も悲しいだけではなく必然だったんだなと様々な感情に揺さぶられる。

    3
    投稿日: 2024.02.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小川さんの作品には、いつも「静謐」さを感じます。 今回もとてもしっとりした、そして味わいのある「静謐」でした。 ・・・ 話は、唇の上下が繋がって出生した少年の数奇な人生についてです。 出生の事実に呼応するかのように寡黙な少年はふとしたことからチェスにのめり込み、やがて裏チェスクラブで「リトル・アリョーヒン」として働くことになります。 ・・・ で、何が良いかというとやはり小川さんの筆致が素敵です。 チェスにのめり込む「リトル・アリョーヒン」。デパートの屋上から降りられなくなった「インディラ」に思いを致し、自室の壁の隙間に入り込んだ「ミイラ」と会話をして、落ち着いたところで眠りに落ちる。 素人の私がさらっと書くと実につかみどころのない表現になりますが、ちょっと変わった少年を優しく、静かに、幻想的に描くのです。 ・・・ また、それ以外の周囲のキャラクターもいいですね。 寡黙な家具職人のおじいさん、無条件の愛で少年を包むおばあさん、廃バスで少年にチェスをじっくり教えるマスター、長じておじいさんとともに家具職人となる弟、闇チェスクラブのパトロンの老婆令嬢、現実の世界に現れた少年のヒロイン的な「ミイラ」、養老院で年中白衣で仕事をする総婦長。 全員が全員、ちょっと優しすぎる気もしますが、セリフ繰りがどれも巧みで、また愛のある格言のようなセリフが随所に潜みます。 まあチェックするわりにはそのまんまですが笑 ・・・ ということで、久々の小川作品でした。相変わらず素晴らしい。 この静かで愛すべき作品、どう表現すればよいのでしょうか。雪のふる寒くて静かな日、外を眺めながら、ホッと一息お茶を飲むかのような気持ち?余計分かりませんね笑 暖かく、優しい、そしてちょっぴり悲しい作品でした。

    2
    投稿日: 2024.02.10
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    この本は、前からタイトルが気になっていたのですが、やっと読むことが出来ました! めちゃくちゃ良かったです。 チェスの名人リトル・アリョーヒンの生涯を描いたものです。 チェスを知らない私が読んでも、盤上の美しさが想像出来るような詩的な表現で駒の動きを描いており、とても良かったです! 読んで良かった一冊でした!

    20
    投稿日: 2024.02.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    静かで優しい物語。 リトルアヒョーリンが主人公で、はじめ読み進めた時、なんとなく外国の本?と思ってつい作者の名前を見返してしまった、 チェスは分からず、正直描写のイメージが湧かない不足な私だったけど、この、社会の中で目立たずひっそりと生きている人たち 大きくなってしまって一生を屋上で過ごしたゾウ、大きくなってしまって廃車のバスから出られなくなってしまったマスター、そのマスターと少年が愛したポーンの猫、消えそうな透明無垢なミイラと肩に乗る鳩、 こんなキャラクターが存在している書籍に、価値があると思った。 ラストは悲しかったし衝撃だったが、きっとこれからも少年を取り囲んだ人たちがいつまでも彼を想い、一緒に生きていくんだろう。

    3
    投稿日: 2024.01.28
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    相変わらず小川洋子さんの文章が美しい。 ちょっとした仕草や情景も、言葉のチョイスでキラキラした美しさを現してくれる。 少年とチェスについてのお話。 彼の人生は複雑で、一生懸命もがいている。 夢中になれる世界を知れてどっぷり潜り込んで、居場所を変えてもなお駒を指し続ける彼の貪欲さ。 最初から最後まで静かに厳かに悲劇も交え成長していく彼に寄り添いながら読み進められた。 チェスのプレイの仕方でもこんなに個性のある物語になるんだなって、小川洋子さんの唯一無二な文章力に感服。

    45
    投稿日: 2024.01.26
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    映像的な書き口なんだけど、 言葉を深く理解していて、その効果を計算できるところは小川洋子の作品だな、と思う。 そういった意味でこれはすごく詩的だった。 最後のゴンドラのシーン。 リトルアリョーヒンと総婦長とミイラ。 キングとクイーンとポールに重なって美しく残酷な終わり。

    1
    投稿日: 2024.01.26
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    安定の小川洋子さん。読み終わったあとでも、印象に残ったシーンが絵画のように残る感じがすごく好き! 物語全体は切ない、重い雰囲気だが不思議と嫌な気持ちにはならずに最後まで読める。

    0
    投稿日: 2024.01.23
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    リトル・アリョーヒンと呼ばれる小さな男の子が、バスに住む運転手にチェスを教えてもらい、人生をチェスで過ごしていくお話。 出会いと別れがあり、場所に思い出があり、出生時の出来事がある。 彼の周りで起こる出来事はどこか悲しさの多いことばかり。 彼は人生を、リトル・アリョーヒンと名付けられた人形の中で、チェスを指して生きた。

    6
    投稿日: 2024.01.19
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    すごく引き込まれる魅力的な作品だった。文章は淡々としてるのに頭の中で情景が浮かんできて、気づいたらこの世界観にどっぷり浸かってた(私の語彙力ではこの作品の良さをうまく表現できない泣)リトルアリョーヒンの人生、きっと幸せだったと思いたい...

    0
    投稿日: 2024.01.08
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    久しぶりに心に染み渡る小説 チェスの世界の深くて広い海に浸る心地よい余韻を大切にしたいと思える物語だった 年の瀬に読めて良かった

    4
    投稿日: 2023.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とてもとても好きな書。 主人公の生まれながらの事情、家族との関係、屋上から大きくなりすぎて降りられなくなった象のインディラ、壁の間の女の子ミイラ…と静かに紡ぐ序章をへて、マスターとの出会いがある。マスターと主人公の関係、その後のチェスの世界で出会う少女や老婦人との関係、また老人マンションでの人々との関係は、独特でありながら、忘れ難い名シーンが散りばめられた珠玉の名作映画のよう。 チェスが全くわからなくても、途中の駒の運びの意味がわからなくても、大切な盤で詩を奏で、盤下にいながら宇宙を泳ぐスケールに身を置いたような気持ちになる。また次々とチェスをさしていく場面では”星雲”をみる。 私が1番好きな場面は、老婦人と工房で祖父母に見守られながらチェスをするところ。そして施設で再会してチェスをするところ。 老人マンションの章は、認知症病棟や老健施設などを回想しながら、ここは天国のような場所に思え、1人1人にとってチェスに変わる人生の大切なことを結集したこんな場所があればいいのにと思った。 これほど静かで美しい、独特でありながら波風がまるでないように思わせる物語の結末が、これかと、これ以上ない、参りましたという大波風。それでも美しい。 誰にでも、勧めたくなる一冊。

    5
    投稿日: 2023.12.22
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    あたたかくて心地よい。マスターとのバスのシーンは自分も入りたくなっちゃう。逆に、死とか何かを失うシーンが定期的に訪れるのも印象的。ただただ素直に、好きとか大切とか思えるものって素敵 大きくなること、それは悲劇である 今は大きくなっているのかなあ

    1
    投稿日: 2023.12.18
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    刷新されたカバーの文言に惹かれて購入したが、読了後に納得。 これはある青年の次への一歩を後押ししてもおかしくないな本だ。 それくらい読者の中に「何か」を残す本だと思う。   設定は少々奇天烈で、始めの方はその奇想天外ぶりに少々戸惑う。 違和感を覚える見た目に加え、内向的な少年は子供たちの社会の中で孤立していた。 しかし、彼がある事件の後に訪れた廃バスの中で人生を捧げることになるものに出会う。 それが「チェス」だった。 その後、彼は廃バスの住人である「マスター」の元でチェスの修行を積み、やがてもっと広大なチェスの世界に漕ぎ出すことになる。 物語は終始淡々と進み、いわゆる大事件は起きない。 多分映画にしてもほとんど見栄えのしないものになってしまうだろう。 しかし読み進めると、彼の経験する世界から目が離せない。 最後の最後は涙があふれてきて、彼の生き様が問うたことに思いを馳せることになった。 個人的には、慎ましい事は美しい事である。 という、現在ではあまり振り向かれる事の少なった美学を思い出せてもらえた。 こんな作品を世界に残せるなら人生の意義があるだろうなと思わせるほどの本だった。

    3
    投稿日: 2023.12.16
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    降り積もった言葉が堆積して、あたたかく柔らかく光る琥珀となる、そんな作品。 読む側も息を潜めてしまう。それでいて浮遊感もある。 読んでいるうちになんだか溺れそうだ。 どこの国の物語か、年代はいつ頃なのか、そんな具体性はゼロのまま。そのため夢の中にいるような、おとぎ話を聞かされているような感じになる。 またそれとは矛盾するかのような閉塞感が一方にはある。囲われた世界がそこかしこに散りばめられている。物語全体がチェスボードなのかもしれない。 人形を操ってチェスを指させ、チェス盤下に身体を縮こまらせて入り、駒を采配する天才棋士リトル・アリョーヒン。 大きくなることを怖がったアリョーヒンは、11歳のまま成長が止まり、生まれつき閉じられていた唇にはうぶ毛が生えている。手術で無理矢理開けられて、足の脛の肉が移植されたからだ。 チェスを教えてくれたマスターは、250kgの巨漢で脂肪の塊。かれの遺体はその大きさゆえに住処としていた廃バスから出られず、ショベルカーで吊り上げられたほどだ。 なんという奇っ怪。ふたりの奇形は、サーカスを彷彿とさせる物悲しさと滑稽さを演出し、物語の通低音となっている。歪さを超越する人とのつながり、それがこのお話の美しさだ。 デパートの上から降りることが出来なくなったほどに大きくなった象のインディラとか、壁に挟まれて死んでミイラとなった女の子とか、不遇のまま亡くなったものを友とするアリョーヒン。かれは忘れ去られてしまったものへの優しさや愛を持ち合わせているからこそ、孤独であることを選ぶ。かれにとってはチェスも、相手を負かすための戦いではなく、相手を知るための会話のようであった。 亡くなった母をはじめ不在ではあるが愛情を注ぐ対象がたくさんあったり、育ての親の祖父母をいたわったり、アリョーヒンは出会う人のほとんどに惜しみなく愛を向けることができる。人物のあたたかさに読み手は十分に心地よくなり、降ってきた突然死に傷ついてしまう。物語はレクイエムの様相を呈して幕を閉じる。 幸福というのは、短い生に愛をどれだけ注げられるかによるのではないだろうか、そんなようなことを考えた読書だった。

    11
    投稿日: 2023.12.11
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    1人の人生を過ごしたような清々しさをとてつもなく感じました。 読んでよかった。また、私にとっては読書が好きになるリハビリになりました。

    0
    投稿日: 2023.12.09
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    しん、としている。 最初から最後まで、物語は静かで、空気が冷たく澄んでいる。 当然、事件は起こるし、悲劇もある。けれど、物語はそれをすべて包み込む。 結末が気になって仕方ない、展開にドキドキする、ということはないが、読んでいてなんとなく心地が良い。そんなお話でした。

    1
    投稿日: 2023.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リトルアリョーヒンが奏でる棋譜きふは、対戦相手を包み込むような優しく温かみのあるものだったことが伝わってきた。地下での人間チェスでミイラとリトルアリョーヒンに起こった悲劇がリアルだった。終盤で2人がする手紙チェスが美しい。

    0
    投稿日: 2023.11.26