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総合評価

184件)
3.8
41
68
56
7
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    先が気になるし、文章が読みやすいのでどんどん進む。 読んでいる間はそれなりに面白かったと思う。 しかし島根の桐原老人に手紙を書くあたりから、今西が気付いたこと、考えていることを文章にしなくなり、種明かしを最後まで引き延ばそうとしていることが明らかになってきたので飽きてきてしまった。 戸籍が重要な鍵になっているが、誰が何年にどこで生まれたと書かれていたかなんて覚えてないですしね。 殺しのトリックはちょっと無理がありすぎた。映像化された際には変更されたというのにも納得できる。

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    面白かった。 昔読んだことがあるというのは覚えていたが、ここまでその読んだ記憶が残っていないことに驚いた。 主人公の老?刑事が丁寧で時間を掛けた捜査は今の何でも起こり得る事件でAI技術を駆使しても忙しくしている捜査とのギャップにも驚いたが、着実にリファレンス情報を集め着実に犯人を追い込んでいく作業は見事だ。 更に科学技術による人体への影響についの捜査も、もしかしたらこの当時は最先端の警察の法科学なのかもしれない。 当時は科学捜査研究所はないだろうから、科学に疎い刑事の苦悩も分かる気がする。 最後の空港での犯人逮捕は痛快だったね。 地道な操作が報われて良かった。

    1
    投稿日: 2025.09.24
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    蒲田駅で身元不明の殺害事件が発生、わずかな手がかりをもとに捜査が開始される。その糸口を辿っていくが被疑者の特定には至らず捜査は打ち切られる。しかし、熟練刑事の今西は諦める事なく文字通り足を使って独自に事件を追い続ける。 派手で切れ味鋭い推理なんかはみられないが、忍耐と執念で真実を手繰り寄せるところや、犯行の背景として戦後日本に根強く残っていた差別や偏見など社会問題に深く踏み込んでいるところは、さすが社会派ミステリー。 でも…犯行に使われたある道具、、当時の科学技術力を考えても本当にできるの?不確実性が高いんじゃない?と思ってしまった。ちょっと不自然で違和感を感じる、、別にこんな奇抜なトリックを無理に入れなくてもいいのに… 次は、社会派のもう一人の巨匠『宮部みゆき』の作品も読んでみたいと思った。

    1
    投稿日: 2025.09.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今日仕事終わりに図書館で借りてきたんだけど 続きが気になりすぎて一気に読んだわ! 松本清張ははじめましてだったんだけどすげえな〜、方言とか地名とか、要素が面白すぎる。 今西さんの機転や執念がすごいし、後輩吉村がそもそも素直で可愛げのある人間性でめちゃいいやつなのが癒し要素だったな〜、こういう作品に1人はいてほしいタイプだよね。あと算盤おじいちゃんもよかった! アホなのでリエ子が紙吹雪と思しきものを車窓から投げ捨ててる〜みたいなやつ、なんだろ?とおもってたけどあれ犯行の時に来てた血濡れの服ね?!わかったときホェー!って思わず声出ましたわ!すご!紙だと思ってた、先入観!!!あと最初の方は関川が犯人だと思ってた!!! 最後の連行シーンなんかはなんだか美しいなぁと思ったけど、フィクションだとしてもやっぱりあんないい人が凄惨な殺され方をしたのは悲しすぎてめそめそします。 でも昔のハンセン病に対する差別や風評被害はきっと今ふつうにすごしてる我々じゃ決して理解できないことなんだろうなぁとも思った。 砂の器、どんなに綺麗に作っても近づいてちょっと触ったら壊れそう。そういうことですか〜。

    2
    投稿日: 2025.09.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今西刑事の執念がすごく、和賀のトリック、犯行に至る動機、また犯人と考えられる裏どりなどの地道な捜査が犯人特定に至った。 超音波の殺害方法は、いまいちリアリティが湧かないが、今西刑事の捜査に対しては現実味というか大変さを感じられた。  犯人の動向や、犯人へのミスリードの為仕方ないが、個人的にヌーボーグループ主体の章は 本を読む手が遅くなり、退屈に感じた。 映画から原作に入った為、違いを感じて楽しめました。  

    2
    投稿日: 2025.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私が子供の頃に見たのは中居くんのドラマなので、印象がだいぶ違う。 戸籍の件はありそうだけど、それ以外はちょっと突飛な仕掛けだなと思った。『日本の黒い霧』ほどの衝撃を受けられずにいるので、もしかして清張ミステリーと相性良くないのだろうかと不安になる。 加藤剛の映画が素晴らしいらしいので見てみたい。

    4
    投稿日: 2025.08.31
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    ポスターなどで見た親子遍路のイメージから戦後日本社会の人間ドラマみたいな話と思っていたのですが、読んでみたらバリバリの推理小説でもありました。『砂の器』というタイトルと、西口司郎さんのイラストだけでご飯三杯はいける永久保存版。

    2
    投稿日: 2025.08.25
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    オーディブルにて。 警察側にとって運の要素が強すぎるご都合主義ではあるものの、当時のアナログな捜査手法を考えると警察の目なんて簡単に掻い潜れてしまうのではないかと感じた。

    3
    投稿日: 2025.08.14
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    下巻は今西刑事が各地に訪れて淡々と事件を追う物語でした。果たして、電波は兵器になるのでしょうか?犯人と事件のあらましが明かされるのは終盤も終盤。読んでいて残り頁が僅かになってきてどきどきしました。昔の映画(未視聴)のCMで人間ドラマ云々と謳っていた記憶があったのでその辺りを期待していたので肩透かしを食らった感がありました。ただ、若者同士の嫉妬や羨望が入り混じった関係は読みごたえがありました。読書中は事件の方向はこっちの方かと思ってました。映画を観ようと思います。

    1
    投稿日: 2025.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すでに犯人がわかっていてそれを証拠固めしていくというあらすじである。らい病が解説だけに掲載されていると最初に読んだときには思っていたが、ライという言葉が最後の方に出てきていた。映画ではそのらい病で親子がさすらう姿が強調されていた。

    1
    投稿日: 2025.08.03
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    時代を感じる小説でした。名作と言われているので読んでみました。なかなか読み応えのある、やはり名作でした。島根がたくさん出てくるかと期待していましたがあまりでてこなくて残念でした。

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    操車場で発見された扼殺死体。今西と吉村は捜査本部が解散されてからも、任意捜査という形で連絡を取り合い少しずつ犯人に迫っていく。少しずつ明らかになるヌーボーグループ。これまでにない殺人の方法が明らかになる。 描かれ方が結構昔風味。殺害方法もなかなかに独特。現代でもこれは難しそうだなと感じる。まあそれでも警察ものとしては結構練られている感じするので、どのような思考で犯人を追いかけているか非常にわかりやすい。

    1
    投稿日: 2025.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これを当時新聞連載で読んでいた読者のことを思うと、羨ましいような可哀想なような。先の展開が気になり過ぎてもどかしかっただろうな。 被害者の無残な殺し方から、幼少期に自分の父親と引き離されたことを犯人は恨んでいたのかな…と思っていたら全然違った。 「原作を超えた映画といえば」みたいなトピックを探している時に興味を持って読んだ小説だったけれど、まずは原作を読めてよかった。 映画の方もいつか。

    1
    投稿日: 2025.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻に入ってもなかなか事件は解決しない。今西はさらに三重県伊勢市・石川県・大阪へ事件解決の手がかりを掴むために駆け回る。 しかし事件の全貌が明らかになると想像もつかない出来事が待っていた。特に事件解決の鍵を握ったのは「電波」や「音」。スマホや携帯電話すらない時代に音や電波といった科学的なものを使って殺害を行なっていた。 犯人は和賀英良。しかも、当初は本浦秀夫であり、被害者である三木謙一と関わり合いがあったのだ。 今西も立派な警察官である。

    1
    投稿日: 2025.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全国各地を鉄路で移動して捜査を進め(当時は新幹線など無い)、少しずつ謎が解けていくのは面白かった。戦災やハンセン病患者への差別が事件の鍵になっていることは、当時の時代背景を感じられる。

    2
    投稿日: 2025.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても面白かった。はじめ上下巻合わせての分厚さに読み終えれるか不安になったけれど、いざ読み始めると読みやすくあっという間だった。 はじめは繋がりの見えない点と点が後半に向かうにつれて徐々に繋がっていく様があまりに鮮やかで呑み込まれた。 途中何度も真実かと思えば異なる、の繰り返しで一見無駄足にみえる所も全て繋がっていくのが衝撃だった。 また途中の登場人物の何気ない行動が、そのキャラクターの人間性をありありと浮かび上がらせてくる。描き方の巧さに圧倒された。そこが冗長に感じて苦手な人もいるかもしれないけれど、私はとても好きだった。 犯人の動機、そしてトリックは今の作家さんでは書くことが出来ないだろう、当時だからこそ活かせる方法だったのが本当に衝撃でした。松本清張さんをよく現代作家だと言われても違和感のない読み易さ、と表現されているのを聞くけれど、現代作家では思いつかないだろう、あの当時に生きた人だからこその表現だなと強く感じる作品だった。

    2
    投稿日: 2025.03.10
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    良く練られたトリックですが、現実にあり得るのでしょうか…? 途中途中、話が複雑になってきたかな、と思った辺りで、他の人に説明する形でおさらいしてくれるのは有り難かったです。 会話や描写に時代を感じますね。

    1
    投稿日: 2024.12.23
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    一度読んであったものを、映画を見たあとに再読。 犯人を追い詰めていく様はスリリングだが、映画版ほどの情緒はなかった。 映画版とセットで楽しむと良いと思う。

    2
    投稿日: 2024.12.03
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    阻害された孤独な人物を主人公として、その深淵を覗いた、深く深刻な問題を含んだ小説 母との別れ、父との別れ、病気による差別、浮浪児としての孤独と恐怖、戦争、そして孤独、主人公の人生がどれだけ辛くて苦しいものだったのか、私の未熟な想像力では計り知れない。 戦後、浮浪児が恥ずべきもの、差別されるものだったと妻にも言えず隠し通していた元浮浪児の方の手記を読んだことがある。 すごい時代、信じられない。秀雄には何重にも苦しいことの連続、自分のせいではない、まさに人生に翻弄される哀れさが、想像しただけで痛々しく刺さる。 秀雄の人生を軽くのぞく程度で、この小説は終わっている。秀雄についての文章はわずか数ページのみで、あとはひたすらに事件真相を追い求める話。出てくるのは偽りのわがえいりょうのみ。 その質量の差が、逆に強烈な読後感をもたらす。 自分のせいじゃないのに、この辛さはどうしようもない。誰に当たっても仕方がない。懸命に人生を生きて、立て直しをしていた秀雄は本当に強く逞しい。 巡査が、人の良く素晴らしい人物だと理解していれば、殺人まではしなかったんだろうな。 そしてこの人なら、絶対漏らさないだろうし。 驚愕、苦悶は言語で絶するものがあったと想像される。まさにこの表現通り、命をかけて人生の立て直しをしていただろうから… 人生なんて、ちょいとしたきっかけで運命が変わるということがよくわかりますよ  どんなに努力しても、ほんの些細なかけ違いで崩れ落ちてしまう、まさに「砂の器」このタイトルにも深みがあり、唸らせられた。 過去に戻ったとして、やり直したい運命のかけ違いは、主人公にとってどこなんだろう ドラマ、映画も見たくなったなー

    1
    投稿日: 2024.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃよかった。今回この小説を読むにあたって、私の中で松本清張作品が生々しく感じる小説なのかということを考えながら読んでみた。思うに、一つは真相を追求するにあたって、探偵役(今作だと今西刑事)が「推理の失敗」を重ねているからだと思う。松本清張において「名探偵」はあまり登場しないように思われる。(勿論全てを読んでいるわけではないので必ずしもというわけではないだろうけど)しかし、推理を百発百中で的中させる名探偵がいないからこそ、「この推測も違った、こっちはどうだろう」と悩みながら真相を追い求めていくその過程が、作品にリアリティを産んでいるのかな、などと考えた。 また、解説にもあるが、事件解決後の事後の話を描いている作品はあまりないようにも思われる。だからこそ正義が勝ってよかったねという大団円のハッピーエンドではなく、あくまで切り取られた日常の一場面に過ぎない、と言っているように感じて、そこがまたリアリティを産んでいるようにも思われる。 松本清張といえば社会派。特に今回の作品は、個人的に他作品よりも色々と考えさせられることが多かった。それは、「ハンセン病(作中ではらい病)」が今作品のテーマの一つになっているからだと思う。 この作品は、ひた隠しにしている過去が暴かれようとしているところから話が始まる。令和を生きている私たちにとってハンセン病という病気は、良くも悪くも過去の話になってしまっているなと感じる。何より私自身がハンセン病についてあまり詳しく知っていない。だからこそ、当時この病がもたらした差別や偏見の怖さについて残念ながら深く理解することができなかった。ふと、数年まえのコロナ禍真っ盛りの時、コロナ感染者が誹謗中傷されたりしたり感染したことをひた隠しにしたりする動きがあったことを思い出した。それよりもうんと深い問題だと考えると、この作品の背景のハンセン病差別の問題の闇の深さが断片的にわかる。もっと深く知っていれば、もっともっと自分の心に訴えてくる作品になると思う。深く知らなかったこと、それが何より悔しいなと思う。

    8
    投稿日: 2024.11.18
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    刑事がミスリードされているように感じながら、まんまと犯行動機を想像し読み進める。読み易く全てにおいて納得のいく展開。今西刑事がまわり道する過程も無駄に感じず、犯人の過去が分かった場面は思わず唸らせられる。

    1
    投稿日: 2024.10.20
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    上下巻の感想です。 ミステリーの名作でググるとでてくる作品の一つ。 約60年前のものなので読めるか心配だったけど時代のギャップも楽しめて面白い。 例えば大阪への移動が夜行だったり、男女の上下関係、個人情報がダダ漏れ、2人で飲んで750円などなど、それに人々の付き合いも密だったんですなと。 内容も前半は刑事と関係者が近所だったり、ちょっと強引だなと思ったりしたけど、これも時代背景かなと。 所々、他の本(当作品より後のもの)を連想させるものがあり、色々な作家に影響を与えてるのかなと思いました。

    28
    投稿日: 2024.09.30
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    想像してたよりも怖くなかったけど、ぞわっとする場面が何個かあって、刑事が徐々にヒントから解決に導いていく過程が読んでいてとても面白かった。 殺害された理由は想像してたものとはかなり違って驚いたけど、三木謙一さん、とても良いひとだったんだな。 たしかに、昭和の話だから、令和っ子の自分からするとあっさりとしてて実感が湧きづらい。けど当時の人だともっとぞわっと来るものがあったのかな

    1
    投稿日: 2024.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻に続いて、14~15年振りの再読。 結末を知っているのに、夢中になって読んでしまった。さすが松本清張。 今では耳にすることのないハンセン病や、戦時中の戸籍の焼失。 当時としては読者側も実感をもって読めたんだろうけど、私に知識がないばかりに少しあっさりな感じもした。 できたら和賀英良側からの話も読んでみたかった。 しかし、超音波で殺人なんてガリレオみたいな話だったんだな。すっかり忘れていた。 また15年位経ったら再々読しよう。

    1
    投稿日: 2024.07.31
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    【おすすめポイント】映画やドラマにもなった有名な長編推理小説ですが、事件の大きな要素として感染症であるハンセン病が絡んできます。この病気や罹患者がどのように扱われてきたのか、どのような目で見られていたのか、一緒に展示している歴史の本も読んで考えてみてください。 【請求記号】910.26:Ma:2 【配置場所】1階新書庫右 【URL】https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28227631

    1
    投稿日: 2024.07.05
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    私が生まれる前に出版された本で、時代背景が異なりものの考え方が違うので面白かった。 様々な土地のことについて知ることができた また方言を使ったミステリー要素があり、そのミステリーから新たな教養を得ることができた

    1
    投稿日: 2024.02.11
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    平成生まれの私にとってまずは社会的背景から勉強しなければいけない。 映画を観て本作を読みました。 いろいろ考えさせられます。 映画の方が犯人目線の内容多いのかな?

    2
    投稿日: 2024.02.02
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    読み応えがありぐんぐん引き込まれた。初めて読んだ松本清張さんの作品ですが、とても良かったです。主人公の刑事がかっこいい。昭和ハードボイルド、今の時代だこそ余計にいい。

    1
    投稿日: 2023.12.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    悲しい話、という事前情報を聞いていたからもっと悲しい話かと思っていたけど、そうでもなかった。それは、私がハンセン病患者が受けていた差別について何も知らないからである。また「悲しい話」と評した人はドラマ版を見ていたのだけど、おそらくドラマ版の方がよりその辺りの描写が鮮烈だったんだろうなと思った。考えてみれば病気して離婚されるとか結構最悪なんだけど、作中では割とサラッと流されているので思ったほど心は震えず、水のように読み終わってしまった。関川じゃなかったんだ〜という感じはある。実はドラマ版について調べてたらあらすじでいきなり真犯人書かれてるという強烈なネタバレを喰らってたので、驚きがないのはそのせいもある。あと超音波で人は……殺せるんだろうか?モスキート音は確かに不愉快だけど……。 今西警部の奮闘ぶりが凄まじかったな。全容が思ったよりあっけなくて、推理中が一番ハラハラして面白かったな、と思った。うーむ。

    1
    投稿日: 2023.09.25
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    最高…圧巻の内容でした。 全ての些細な事も全てしっかりした伏線で、一字一句見落とせない、無駄な情報が一つもなく、迎えた結末、興奮が抑えられなかった。 綾辻行人先生、横溝正史先生、そして松本清張先生恐るべし。

    1
    投稿日: 2023.09.25
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    上巻はミステリーにしては淡々としてゆったりな空気感だった。 下巻まで読み進めるとサスペンス色が見え始め、登場人物たちのつながりが紐解かれていく。いよいよ緊張感が高まってきた。 事件のトリックは意外にも技術的な描写が目立った。 だけど正直物足りなかったかな。上記技術的トリックも裏付けが弱いし、主人公刑事による犯行動機の推察も「え、そんな程度で人殺す?」って感じだった。犯人確保の後は描かれないので、動機の掘り下げやそもそもそれが合っていたのかの検証はなされない。 あと上下巻通してなんだけど、刑事の周りに運よくキーマンが現れたり、事件のつながりを刑事の思い付きレベルで解き明かしていく場面があったり、ご都合主義を感じてちょっと興ざめ。 文体や世界観の古さも感じさせず、凝った設定だっただけに残念だなー

    1
    投稿日: 2023.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミスリードに騙されたーーー!!! トリックが凝っていて、終盤まで全く分からなかった。ただ、音は放射状に広がっていくから、和賀さんが無事なのは説明つかなくないか? 今西刑事の中で解決してから、あっさりと終わったように感じたが、そのあっさり加減が読後に効いてきた。秀夫少年と三木さんの関係、心情描写が全く無いから、むしろそれを想像してしまって、余計に悲しくなった。やりきれないなぁ。 個人的に、読了直後は★3、読後数時間後★5って感じです。

    1
    投稿日: 2023.06.06
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    やっと最後の方で渡米前に犯人が逮捕された。まさか超音波を使っているとは。昭和の時代を感じる作品だった。

    1
    投稿日: 2023.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    超音波兵器も斬新な取組みと思うので、一度映像化してほしい。 あと、戸籍詐称のくだりは良いのだが、高校の話がどう問題なのかがよくわからなかった

    1
    投稿日: 2023.05.06
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    もう読むのは5回目くらいだけどやっぱりやっぱり大好きな作品!どこが繋がってくるんだっけ?ってなって定期的に読みたくなる。 読み終わった後本当に悲しい気持ちになるけども。 殺す必要なかったんじゃないかな?話せば絶対分かってくれるのに、和賀がそう思えなかったのは時代と経験からだろうなぁ。 松本清張はどこでこんなネタを得るのだろうか。こう繋がるのか!と本当おもしろい。

    2
    投稿日: 2023.05.05
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    今西刑事の事件解決への執念深さと、小さな出来事や気付きや言動から少しづつ正解の糸へと紐解いていく様子が面白く見入りました。

    2
    投稿日: 2023.04.07
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    経歴カモフラージュや捜査撹乱の入念さが際立つ一方で、加害に至る動機やトリックはさすがに突飛で違和感がある。 しかしハンセン病差別や戦争を経た混乱等、この時代じゃないと描けない新鮮なテーマの中で動いてるという感。

    1
    投稿日: 2023.03.04
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    善人と誰もが認める、元警官・三木謙一を殺害したのは誰か? そして、劇団の女事務員はなぜ自殺したのか? 劇団員の男は自然死だったのか? 最後まで繋がらない… 警視庁捜査一課・今西は執念で、断片的な事実をひとつひとつ、明らかにし、繋いでいく… 今西の執念はすごい… 最後まで犯人に辿りつかない… もちろんドラマで知っているのだが… 本浦秀夫が、7才から歩んだ道は、我々が想像もできない壮絶なものであっただろう。 その過去を知る三木謙一。 彼は本浦秀夫の成長、成功を喜んでいただけだろうに… そんなに恐怖だったのだろうか… 本浦秀夫にとって、三木謙一は善人ではなかったのか… そんなはずはないはずだが… なぜ⁇

    6
    投稿日: 2022.10.04
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    2022.9.13 手がかりをこつこつ探し集めるところやじわじわ真相に向かっていく描写、人間関係とか、わくわくしながら面白く読み進められた。 が、最後が駆け足な気がするし、最後のネタばらしのために情報を隠しておいてるのか途中から詳細をぼかして語られるシーンが多くて(書いた手紙の内容とか、急に本浦親子でてきたりとか)なんだかモヤモヤした。あと、ポケットマネーで休暇中に捜査したりとか、今西が勝手をしすぎじゃないかなとか思ったり、2人目と3人目の殺人方法もいまいちピンと来なかったり。可能なのかもしれないけど。あと関川がクズ

    2
    投稿日: 2022.09.13
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    一気に読みました。松本清張は初めてだったかもしれません。 下巻で一気に核心に迫っていくさまは、さすがと思いました。時代が変わっても面白さは色褪せていない!

    2
    投稿日: 2022.08.13
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    上巻はとても面白く、事件解決の手かがりを1つずつ発見していく展開に、また新進芸術家たちと彼らを取り巻く人間模様に引き込まれた。だが、下巻のラスト3分の1で感じたのは「そんなトリックは無理がある」。これだったら第3、第4の事件は必要なかったのでは? 前半が秀逸だっただけに、最後がいただけなくて残念だった。星2つ。

    1
    投稿日: 2022.08.11
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    松本清張の名作ミステリー。なのだが、今読むと時代の臭いが濃すぎてなじめなかった。トリックもまあなんだか。テーマ的に読後感もすっきりしない。

    1
    投稿日: 2022.05.18
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    「松本清張」の『砂の器』を読みました。 先日、映画を観て、とても気に入ったので、、、 原作を読んでみたくなったんですよね。 上下巻に分かれていて、なかなかのボリューム感でしたが、どんどん先が読みたくなるような展開で苦痛なく読めました。 -----story------------- <上巻> 東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。 被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の「今西」は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。 「今西」の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。 だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する……。 <下巻> 善良この上ない元巡査を殺害した犯人は誰か? そして前衛劇団の俳優と女事務員殺しの犯人は? 「今西」刑事は東北地方の聞込み先で見かけた“ヌーボー・グループ”なる新進芸術家たちの動静を興味半分で見守るうちに断片的な事実が次第に脈絡を持ち始めたことに気付く…… 新進芸術家として栄光の座につこうとする青年の暗い過去を追う刑事の艱難辛苦を描く本格的推理長編。 ----------------------- 映画版と重なる部分も多いのですが、、、 第二、第三の殺人事件が発生したり、自殺や事故にみせかけた犯行手口が使われていたりと… 映画版とは異なる設定になっている部分も多く、映画版よりもミステリー要素が強かったですね。 比べてみると、映画版は、どちらかというとヒューマンドラマ要素が強く、ミステリー要素は弱い感じです。 とういうか、、、 映画版は小説「砂の器」を素材としているものの、小説ではほんの少ししか触れられていない真犯人の生い立ちや苦しかった流浪(遍路)の日々をクローズアップする等、物語の構成に大きな変更が加えられているし、映画ならではの演出もしてあり、小説版とは別な物語って、印象を受けますね。 「今西」刑事の執念の捜査を丹念に描き、物語や背景に広がりのある小説版も好きですが、どっちかというと、映画版の方に軍配が上がるかなぁ。 音波を使った仕掛け… 黒板を爪でひっかく音が、ムッチャ嫌いな私には、物凄く効きそうです。 想像するだけで、嫌な思いになりますねぇ。

    1
    投稿日: 2022.03.31
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    さすが読み応えありの推理長編。 タイトルの意味を自分なりには解釈できたのかな。 出世欲、病気、戦争などさまざまな因が絡み合う展開、今西刑事の執念がじわじわと確証に近づくなか、意外なほど静かな結末の描写に、彼の少しの安堵を感じました。 私の「電子音楽」といったら、YMOなんですけども。。。 彼らにも影響を与えた作品だったのかな、と思ったり。 推理小説のトリックからまた一つ勉強させていただきました。

    22
    投稿日: 2022.03.21
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    島崎藤村の破壊同様、人種差別の問題。 やはり、知られたくないと言う事が根底に 潜んでいる人間の性。。

    2
    投稿日: 2022.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全国を飛び回り、断片的な手掛かりを1つの真実に結び付けていく刑事の根気強さには脱帽した。 途中、犯人の手掛かりを探しに、北陸の山村を訪ねる場面がある。私も幼少期に近くまで行ったことがあるが、山中温泉からさらに奥地であり、今はダムの底に沈んでいる場所だと思う。今回の悲劇が始まった山里の風景を思い浮かべた。 真実が明らかになり、結末を迎えるわけだが、読後には感動というよりも、空虚感が漂った。是非ともこの本を読んだ人、映画を見た方と会って議論したい気持ちになった。 恥ずかしながら、ハンセン病に関する知識が乏しく、改めてこの病気に関する差別の歴史と研究を学んでみたい。皮膚に異形の症状が現れるので、患者さんを初めて見た人は驚くのだろう。科学的根拠の無い差別が生じ、本人と関係者は本当に辛いことである。当然、時代とともに医療が進歩しているが、時代に関係なく差別をしてしまう「人間の業」を如実に描き、社会的問題を提起した名作だと思う。 ジブリの「もののけ姫」でも、「たたら場」で働くハンセン病患者の描写があり、そして舞台は奥出雲地域と思われる。地域の一致は偶然なのだが、連想してしまった。

    9
    投稿日: 2021.12.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本を読んで初めて、かつて癩病と呼ばれた病気があり、その患者が差別を受けていたと知った。出版から60年経った今でも、この作品は癩病差別の現実を伝え続けている。それは小説としてものすごい功績である。 今西刑事の推理には時々納得できなかったが、彼のひたむきな努力にはとても心惹かれた。終盤、犯人の家を訪れるシーンでは、自分の鼓動が耳で聞こえるほど緊張した。

    2
    投稿日: 2021.12.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ドラマ化や映画化されている小説なので読んでみました。超音波での殺人は今となってはとんでもトリックだし、戦争の際に戸籍が空襲で焼けたことによる名前の変更など現代ではなかなか成立しない話が沢山あります。また読んでいて唐突だったのが元浦千代吉が出てきたところ。繰り返し読みましたが、全くわかりませんでした。

    0
    投稿日: 2021.11.27
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    ジェンダーフリーとか色々言われているけれど、いろんな意味で少しずつ時代は多様化を容認する形に変わってきていると実感した作品でした。 犯罪捜査だって、防犯カメラとか科学的な捜査とかでこの小説の時代とは全然違うし…。 良くも悪くも社会は変わっていくのだな。 この犯人は親が世間で忌み嫌われた病であるという自分ではどうしようもないことで犯罪に手を染めてしまう。 今の世だって親や兄弟が犯罪者というだけで苦労する人もいるし、犯人の婚約者のように親の地位が高いことで苦労なく生きていく人もいる。 社会って平等じゃないよな…とも感じたお話でした。

    0
    投稿日: 2021.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「砂の器」を読んだのは、多分中学の夏休み。 静岡の従兄弟の家で、その一部を読んだ記憶があるから、今頃の夏休みの頃だろう。  横溝正史に夢中になりながら、その解説で取り上げられる外国のミステリー作家の名前を覚えたり、国内の他の推理作家に少し興味を持ち始めていたのだと思う。 今回、読み返してみて、一番驚いたのは、自分の記憶力。 全くと言って良いほど、覚えていなかった。 もちろん、犯人は覚えていたが、ストーリーでは、冒頭の殺人のシーンと、若い女が電車の窓から切り刻んだシャツを捨てるシーン、それと何故か方言に関する専門書の記述の箇所。 それ以外は、まるで初めて読んだ作品のように読んだ。 確か、二度くらいテレビやDVDで映画も見た筈なのだが。 これを中学生で読んで、完全に面白いとは思えなかっただろう。 やはり、当たり前だが、読書にも個人差があり、当時は早過ぎたので、あまり夢中にならなかったのだと思う。 僕は、負け惜しみのようだが、若い頃の読書ばかり勧めるのは、どうなのだろうかと、最近思い始めた。 もちろん、活字離れと言われて久しいし、寂しいことだが、若い頃読んだ本をもう一度、或いは二度、三度読むということの方が大事だと思い始めたのだ。 この作品で、癩病のことを知り、後に北条民雄の「いのちの初夜」を読んだ。 癩病のことを知らなければ、手に取らなかったかもしれない。 超音波を使った殺人や、「亀田」と「亀嵩」の誤解、映画館での真相にたどり着くまでの経緯など、今読んでも面白いが、終わりの方が、何となく駆け足のように思えた。

    0
    投稿日: 2021.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    犯人は絶対に関川だと思ってたので見事に騙された、、! 映画館の写真から犯人を結びつけたのはちょっと強引かなと、、そこがちょっと残念。 ただ、自然死に見せかけて殺害した方法や、戸籍改竄は素直にすごいと思った。 空襲で元の戸籍が焼けてしまったから、というのもその時代ならでは。 原作を読んだ後に映画も見た。 映画では和賀の過去が詳しく描かれており、原作でももっとその部分があればよかったなーと思う。 和賀のパーソナルな部分が見えないからこそ、関川が犯人のように見える仕組みなんだろうけど。 関川は関川でとんでもない奴。

    0
    投稿日: 2021.02.06
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    トリックの精緻さ、捜査の進展の自然さ、謎解きの瞬間の快感、といった推理小説において一般的に求められる点において本作が特段優れているとは思いません。 しかし、私は間違いなく傑作だと思います。 一つの殺人事件の捜査という流れの中で、当時の社会の情勢、負の部分を、裏付けのある事実と淡々とした筆致によって克明に描き出し、終始リアリティーと重々しさのある世界観に読者を没頭させます。これは、筆力のみならず、幅広い博学知識と社会を冷静に鋭く評価できる洞察力、そして労を厭わない取材力がなければなせない技だと思います。 また、ハンセン病、戦争被害といった社会問題が当時どのような意味を持っていたのかということを考える上でも非常に参考になる作品でもあります。

    0
    投稿日: 2021.01.11
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    最後のトリックは少し意外なものでしたが、昭和の時代背景も読み取れる話で、するすると読むことができました。

    0
    投稿日: 2020.11.15
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    方言・思想・映画等、入念に調べたうえでプロット構成されている。東京から秋田、島根、大阪など、広域にまたがって物語が展開していくため、自分も主人公といっしょに出張している気分になった。 残念ながら、個人的には苦手な文体・表現方法だった。物語のキーとなる人物の背景に、作者の影がちらりとみえてしまう。関係者の心情の揺れ動きなどはほとんど描写されず、謎解きに特化していた。(推理小説だから当たり前かもしれないが・・・。) 作品が書かれた時代が、自分が生きたことのない時代であったため、感覚的につかみづらい場面も。例えば、お金の価値や、通信に要する時間、大家さんの家にお茶に呼ばれることなど…。時代が異なれば、事件の展開スピードや転機となる行動、人のふるまい方なども異なることを体感した。

    0
    投稿日: 2020.07.24
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    昭和の社会問題を背景に描く松本清張ミステリー。「砂の器」は、病気、戦争を背景にした作品。主人公の刑事が真面目に一歩ずつ犯人を追い詰めていく展開に、頁をめくる手が止まりませんでした。

    6
    投稿日: 2020.04.01
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    評論家や小説家、美術家や音楽家など前衛新鋭と自称する若手芸術家の集団。一方、戦災による戸籍の焼失により過去をすり替え、のし上がってきた犯人。クラシック音楽のように幼少期からの英才教育とは無縁の電子音楽、パラボラを使う音波による前衛的とした音楽家を仕立てるあたりも戦後の昭和、高度経済成長期を思わせつつも、戦後の暗い影を引きずった作品に仕上げているあたりが、清張のにくい演出。

    0
    投稿日: 2020.03.01
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    割と最近、とはいっても10数年前に読んだんです。さすがに名作の誉れ高いし読んでおくべきだろうと。現代とはインテリの扱いが違っていて違和感が有ったのでそんなに入り込めなかったのが残念な気がしました。これは本の問題ではなくて受け取り手(僕)の問題だと思います。

    0
    投稿日: 2019.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1.松本清張といえば、このシリーズという人も多いということで購入しました。 2.思ったとおりの手がかりが掴めずにいた今西だったが、家に帰って生活していると、ふと気づくことができた。それは、ヌーボー・グループとよばれる芸術家達のことである。興味半分でみていたところ、事件との関係性に気づいた。前半の手がかりが一気に繋がり、今西の捜査が加速していくのが後半です。 3.前半とは違い、散らばってた手がかりを一気に繋いで真相に導いたことで、疾走感のある後半でした。結論は、音波を使っての殺害という芸術家らしい殺害方法でした。 前半が丁寧に詰めて、後半はクライマックスに向けて一気に描いたので、速く感じました。そのため、今まで見てきたミステリーよりも主人公のはやる気持ちが伝わってきたところが楽しめた部分でした。

    3
    投稿日: 2019.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なかなか繋がらなかった意図がラストに向けて一気に繋がっていく。前半の伏線が見事に回収される。 当初から、どちらかが犯人だなと思わせて、やはり意外な方が犯人。あえてミスリードを誘う。 映画やドラマなら配役で犯人が、すぐわかってしまう。原作も映画も初めてだったので最後まで楽しめて良かった。 まだよくわからない点もあるので、もう一度読もう。

    0
    投稿日: 2019.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【ネタバレあり】 下巻。 トリックが科学的なものだったのでちょっとびっくりした。 本浦千代吉の名前が突然出てきたりとか、関川と恵美子の関係にいつ気付いたのかとか、疑問に感じるところも結構あったけど、それよりも今西刑事の地道な捜査が実を結んだという達成感の方が強かった。手掛かり求めて西へ東へ奔走したのは無駄ではなかったのだなぁ。旅情ミステリの感もあり、楽しめました。 戦後昭和の世相を映した名作だと思う。

    2
    投稿日: 2019.05.31
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    すごいスピードで読めたが… 今西達の推理になかなかついていけなかった。 上巻に比べ、今西達は悩みに悩んだ印象を受けた。

    0
    投稿日: 2019.05.05
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    こういう結末でしたかね、相変わらず覚えてない、、、 さておきミステリーとしてはちょい乱暴な種明しですなぁ、残りの枚数と話の展開が噛み合っていなかったので心配してましたが、不安的中。 こうなるとやはり人間・社会描写に皆魅力を感じるのかな、この作家の作品には。ミステリーとしては疑問符がつくだけに。

    0
    投稿日: 2019.05.03
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    内容(「BOOK」データベースより) 善良この上ない元巡査を殺害した犯人は誰か?そして前衛劇団の俳優と女事務員殺しの犯人は?今西刑事は東北地方の聞込み先で見かけた“ヌーボー・グループ”なる新進芸術家たちの動静を興味半分で見守るうちに断片的な事実が次第に脈絡を持ち始めたことに気付く…新進芸術家として栄光の座につこうとする青年の暗い過去を追う刑事の艱難辛苦を描く本格的推理長編である。 平成31年4月7日~9日

    0
    投稿日: 2019.04.09
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    2019年3月20日、読み始め。 2019年3月25日、読了。 この作品は、1960年5月17日から1961年4月20日にかけて『読売新聞』夕刊に連載されたとのこと。したがって、今から58年位前に書かれた作品である。で、手元の新潮文庫は平成30年9月15日の111刷。長いこと読み継がれている作品ということになろう。 また、清張は1909年生まれなので、清張が50歳になった頃に書かれた作品になる。

    9
    投稿日: 2019.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    外傷なく殺人をする為のトリックに驚いたのは私だけではないのでは。ただ、こういうあたらしいもの、出来事に向かってとことん貪欲なのが作家松本清張なのかもしれない。

    0
    投稿日: 2019.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

     来週の研究会に向け、久しぶりの再読。やはり映画版を見たあとだと、ずいぶん印象が違って感じられる。  なぜ清張は「名探偵」を登場させず、すぐれたカンの持ち主ではあるけれど決して頭脳明晰とは言えない刑事に事件を追跡させるのか? 捜査費のことを気にして、自分のポケットマネーで任意捜査を続けるような刑事や、善意からハンセン氏病の父を「保護」し、子と引き離して施設に送った被害者の人物像を丹念に描き出したのか?  ひとつには、清張自身の反エリート主義、「額に汗して働く人」の懸命な努力をこそ称揚したい、という問題意識があるのだろう(とくに小説版では、ヌーボー・グループの鼻持ちならないエリート臭が強調されている)。加えてもう一つ挙げるとすれば、この作品での清張が、刑事をあちこち移動させ、何度も何度も回り道をさせながら、事件解決への「執念」それ自体を描こうとしている点が重要だ。  そこで想起されるのが橋本忍の映画脚本である。原作ではほんとうに最後の最後で出て来るお遍路のシーンをピックアップし、和賀英良が弾くピアノ曲とあわせ、千代吉と秀夫の「道行」を抒情たっぷりに演出してみせた映画版は、清張の物語を変改しつつ、描かれた「時間」の長さをその人物の生の時間、複雑な感情が折り畳まれた時間と読み替えることで、視点を今西や三木から千代吉と秀夫に置き換えながら、作の問題意識を引き出し、読みかえてみせたことにある(映画版では、和賀は冷徹な殺人者とのみ描かれているわけではない)。まさにアダプテーションとして理想的な事例と言えるのかも知れない。

    2
    投稿日: 2019.03.11
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    ラッキーハプニングだらけの捜査、事実から飛躍した推理、そして最後のトンデモトリック。松本清張氏の最高傑作として謳われるが出来はどうであろうか。

    2
    投稿日: 2019.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻も面白かったです。ぐいぐい読みました。 紹介してくれた先輩の通りの犯人でしたが、この情報から犯人に行き着くなんてやっぱりすごい…となりました。 悪いことは出来ないですね、必ず何処かで綻びが出て、逃げ切るなんて出来ないです。フィクションですが、そう思いました。 ハンセン病もこう繋がってくるのかー。そして自然死に見せ掛けた他殺。 読みごたえありました。 途中、近所出身の人が出て驚きましたが、よく考えたら松本清張は同じ県民でした。松本清張記念館も行ったことあります。松本清張作品、もっと読みたいです。

    0
    投稿日: 2019.01.02
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    結論としては、これはそんな歴代ミステリの名作、って程の作品じゃない。上巻で乱発されたこじつけも、さすがに出し尽くした感じで、下巻では殆ど気にならない程度。で、前半(下巻の)は謎解きに奔走する刑事の推理がメインで、本作中で一番楽しめる箇所。ただ、たどり着いた結論がまたズッコケで、それだったら呪術とかの方がまだマシだったんじゃないかとすら思っちった。文章の端正さは流石で、会話文も含め、すらすら読み通せるリーダビリティの高さは評価できるけど、物語そのものはいまひとつかも。

    0
    投稿日: 2018.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2004年のドラマを見ていたので、原作はどのように描かれているのか期待して読みましたが、かなり内容が変えられていたのですね。 「カメダ」の件は面白かったですが電子音の話はあまりピンと来ず、確かな証拠もないまま犯人にたどり着いた気がして松本清張の代表作だと思っていたのでその割には・・・でした。 いろんな出来事がうまく繋がり過ぎていて逆に疑問です。 (今西はなぜ本浦親子に目を付けたのか?とか) 和賀と父親、三木との関係性も手紙の説明だけで終わっていて物足りなかったです(予定を変えてまで会いに行きたくなる存在?と思ってしまう)。 と、いろいろ書きましたが、戸籍の再生とか戦後の昭和が色濃く残っている貴重な小説だと思います。

    0
    投稿日: 2018.06.27
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    この作品を読んで一番印象的だったのは、主人公今西栄太郎刑事の事件解明に対する執念である。自分の休暇を使って、自費で遠方まで調査に出掛ける仕事中毒ぶりが描かれている。ちょっとした事柄から、事件の鍵になりそうなことを次々と思いつき、遠方まで出張したりするが、それがことごとく空振りに終わっている。何度も挫折を味わいながら、あきらめずにとことん突き詰めていき、真相にたどり着くまでの長い道のりは読み応えがある。所轄の蒲田署の担当刑事である吉村との友情も作品を味わい深いものにしている。 今西刑事の執念の捜査を描いた警察小説の比重の大きい作品と感じたが、事件の背景には、現代でも問題になっているらい病のことや、戸籍制度の闇の部分など、社会派推理小説としての問題点の指摘もある。 さらに、現実的に可能かどうか、疑問を感じる部分もあるが、前例のない特殊な殺人方法が示されている点にも興味を引いた。 しかしながら、列車から線路に白いものを撒く女の記事から血の付いた衣服の処分を連想したり、近くのアパートに住んでいる自殺した女を列車の女と結び付けたり、押し売り撃退の話とトリックとを結び付けたりなど、ちょっと無理がある、強引ではと感じる箇所もあった。

    0
    投稿日: 2018.04.24
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    40数年ぶりの再読。大人でないと正しく理解できない内容が多く、ずいぶん背伸びをしていたものだなと思う。 善良この上ない元巡査を殺害した犯人は誰か?そして前衛劇団の俳優と女事務員殺しの犯人は?今西刑事は東北地方の聞込み先で見かけた“ヌーボー・グループ”なる新進芸術家たちの動静を興味半分で見守るうちに断片的な事実が次第に脈絡を持ち始めたことに気付く…新進芸術家として栄光の座につこうとする青年の暗い過去を追う刑事の艱難辛苦を描く本格的推理長編である。

    0
    投稿日: 2018.04.02
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    最後まで違う人物を犯人と思って読み進めていた。当事の時代背景、社会問題を取り混ぜている作品。 最後に一気に謎解きをしている印象。犯行方法等も斬新。全体としてやや冗長なきらいもあり、それが難点かな。

    0
    投稿日: 2017.11.11
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    おもしろかった。 トリックは、東野圭吾ばりだった。 むしろ、このへんの元祖は松本清張なのだろうか。 最後がわりとあっさりだったのが、ちょっと惜しかった。

    0
    投稿日: 2017.08.02
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    松本清張さんの文章表現がとても美しい。 映像化が何度もされている作品ですが、原作の文章の美しさも評価されるべき作品であると感じました。 昭和のはじめ〜30年ごろを舞台とした作品のため、現在とはかなり時代背景が異なります。ですが、読みやすい文章であり、元々の作品の面白さ、構成が素晴らしいこともあり、違和感なく読むことができました。 後半はじりじりと真相に迫る、少しもどかしさを感じる展開に感じましたが、現代でも十分に通用する素晴らしい作品であることに、作者には尊敬の想いが尽きません。 メールやパソコンで問い合わせや情報照会ができない時代、手紙の言葉がまた、堅くて美しい日本語。そういった面が、現代において新鮮に感じられることと思います。

    0
    投稿日: 2017.07.02
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    映画化された作品を見ると、ハンセン病患者が主役のようにインパクトが大きかったが、原作はわりとサラッと触れられているだけだった。ハンセン病患者の置かれた立場については、この本が書かれた当時では常識であったのであろうが、現代の若者が読む場合には、当時の状況を一度調べてみることをお勧めしたい。久々に本当に面白い本を読んだ。 大満足。

    0
    投稿日: 2017.02.21
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    * 2017年2月5日 読了。 これもとってもおもしろかった。 最後の方まで真犯人がわからなかったし、トリックに驚いたというのはなかったけど、今西刑事がじわじわと、でも確実に真相に近づいていく様に夢中になれた。 -

    0
    投稿日: 2017.02.05
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    読み終わり。 あらかじめ犯人は分かっていましたので彼に関する描写を見ていると意外とはっきり人となりが分かる発言がちらほら。 今だとありえないんだろうなってトリック、戸籍のことも。かえって新鮮で面白かったです。また松本清張の作品を読んでいたいなと思いました。

    0
    投稿日: 2016.12.30
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    国鉄蒲田操車場で発見された遺体、身元不明、この男は誰か?なぜ殺されたのか?殺したのは誰か? ベテラン刑事が謎に挑む捜査過程は、つい引き込まれる。特に、地方まで足を運んで情報を掴むところにはスリルを感じる。 しかしながら、物語全体には陰の雰囲気が漂う。人間と社会の暗い部分がよく醸し出されている。 驚きの殺害方法、動機、人間のエゴ、時代背景、それらを表現する言葉などどれも人を引き込む魅力に溢れた物語だと思う。 ぜひご一読ください。 文学の仕事とは何なのか?

    0
    投稿日: 2016.10.06
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    相変わらず錯綜する犯人像とあちこちに散らばる手がかり。スッキリ整理されていて頭の中で経緯がゴチャゴチャにならない。終末にむけてだんだん話が加速していくところがドキドキする。 最後もなるほどなと言った感じ。 適当に照会かけまくったり、そんな気がするだけで出張に出てみたり、あとは病気の話が出てきたりと、当時の時代背景がよく分かる。今の推理小説もの(そういうジャンルなのかこの本は)からすると、さすがに古い。

    0
    投稿日: 2016.09.27
  • ラストまで一気に読みました

    ラストシーンは、映画やドラマと違い、あっけない幕切れにチョット、フラストレーションが残りました。エ、犯人との対決は無いの?って感じですが、途中までこいつが犯人かと思わせていながら、ひっくり返される感じは、心地よい逆転劇でした。清張3部作完読しました。

    0
    投稿日: 2016.08.08
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    未明の蒲田操車場で見つかった惨殺死体。手掛かりは、被害者の東北訛りと〝カメダ〟という言葉だけだった。ベテラン刑事の執念の捜査は、社会の光と闇を巡りつつ、父がハンセン病であったがゆえに家も故郷も失い、別人になりすまさねばならなかった一人の新進音楽家へと向かっていく。緻密な構成と意表を突く展開に多彩な人間模様を盛り込みながら、心に空洞を抱える青年の悲運と凶行を通じ、戦後の日本という巨大な〝砂の器〟が逆照射されていく。

    2
    投稿日: 2015.11.17
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    相変わらず粗い…。重要参考人が都合よく次々刑事の前に現れ、極めつけはたまたま読んだ文章に証拠隠滅の様子が登場し、ありえん、ザ推理小説ってかんじ。連載の時は少しずつ面白おかしく進んだのかもしれないけど、一気に読むとなんだそりゃ?!と驚く。人の心に触れそうでどんどん読んでしまうけど読み終わると意外と浅くてもっと丁寧に書けなかったのかしらと思ってしまう。だからいろいろな監督がかえってインスピレーション刺激されてうまく脚色加えて映画やドラマ化するのかな。

    2
    投稿日: 2015.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

     初めて読んだ松本清張の作品。冗長な部分はあるものの、全編に渡る描写と雰囲気の濃さに一気に読んだ。音を用いた殺人という凶器は腑に落ちなかったのだけど、その納得感の薄さを差し引いても面白く読めた。読者が今西と同じ目線に立って読めるようになっているからだろう。  レビューで「ハンセン氏病の差別について書かれていた」とあったが、ラスト近くにあっただけであまりその意図は感じられなかった。ただ、関川が恵美子との関係をひた隠しにするなど、一見華やかな人物の後ろ暗いところの隠し方など、ハンセン氏病に限らず「触れられたくないこと」に対する人間のやましさ、臆病さについてはよく書かれていると思う。

    2
    投稿日: 2015.06.30
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    最後までどんどん読んでしまったけれど、やっぱり夜中に読むには怖くなります。 この手の本は、明るいうちに。 刑事ってすごいですね。 執念です。 これだけの登場人物が出てきたのに、ごちゃごちゃしなかったのもすごいです。

    2
    投稿日: 2015.05.12
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    すでに古典となっている作家の作品なので、トリックの斬新さや構成の緻密さが他のミステリーと比べてどうなのかよく分かりませんが、今読んでも十分に面白い内容でした。 ただ、あまりにも偶然が多すぎて、その多さに読みながら笑ってしまった。物語を推進する上で偶然の発生は必要不可欠なのだろうが、ゆえにやりすぎてしまうとご都合主義に陥ってしまう、そのバランスが難しいんだろうな...。

    0
    投稿日: 2015.04.25
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    ミステリー小説の古典にして名作。下巻では何故あの人が犯行を起こしてしまったのか?事件の奥にある戦後日本の重い影が見え隠れする。連載開始時が1960年、半世紀以上も前の作品とは思えないほど筆致が瑞々しい。

    0
    投稿日: 2015.02.18
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    この動機の切実さに作品のすべてがかかっていると言っても過言ではないと思うけれど、現代の人にこれがどれだけ理解できているのだろうか。 違うテーマとして幾度ドラマ化されても、これには敵わない。この作品だけは原作が大切にされ続けてほしいと願っています。

    0
    投稿日: 2015.02.15
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    下巻は、刑事の執念がものすごく感じられた巻だった。一気に読んでしまった。僅かな手がかりを頼りに捜査するのって、本当に雲を掴む話だろうから。にしても宮田、恵美子を殺した手口が、えぇ⁉︎ってなる。そんなんで殺したの?って。ただ最後、犯人が捕まるシーン、犯行の動機があっさり終わってしまったのでちょっとだけ、物足りないかなぁ?という感じ。

    2
    投稿日: 2015.02.02
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    からまっていた糸が少しずつほぐれていくように、少しずつ、少しずつ謎が明らかになっていく。すごく丁寧に考えられた作品だなと。過去を隠して栄光をつかもうとした若者。登ってきた年月は長かっただろうが堕ちていくのはあっという間で、社会の無常さを感じる。

    0
    投稿日: 2014.11.12
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    被害者の返り血を浴びた服を電車の窓から棄てた成瀬リエ子、彼女に思いを寄せていた新劇の俳優の宮田邦郎、さらに関川と交際していたバーの女給の三浦恵美子と、今西の捜査線上に浮かぶ重要人物が、次々に奇怪な死を遂げていきます。 その一方で今西は、被害者の三木謙一が殺害される前に伊勢神宮の参拝に出かけており、その付近の映画館で何かを見たために、予定を変更して東京へと向かったことを突き止めます。 最後の、やや性急にも思える幕切れが、かえって印象的です。

    0
    投稿日: 2014.09.13
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    ドラマ版のほうがトリックに無理がなく人間ドラマに重点を置いていて面白い。 苦心惨憺して真相に辿りついたのに若手にチャンスを与える今西刑事の器のでかさに感動!

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    投稿日: 2014.07.21
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    有名である分、期待が先行して、思ってたより楽しめなかった。 中居くんのドラマはもう10年以上前かしら? あれは面白かった。どんどん追い込まれてく犯人がさ。 あれを先に見ていたから、原作はだいぶ印象が違うので驚いた。

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    投稿日: 2014.06.30
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    さすが松本清張。 何回も読んで、犯人がわかっていても、ページをめくるのが楽しみだった。 ハンセン氏病の父親との放浪の旅、そこからの脱出、そして成功。そこを思うと、胸が痛くなる。突然現れた過去を知る人物の登場にどれだけ、驚愕し絶望したか。 またその人物がなんといい人か。 なんとも言えない、気持ちになる殺人。 時代背景もいろんな意味を持っていて、現在では設定できない状況だと思う。またそこも興味深い。

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    投稿日: 2014.06.06
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    上巻程の勢いは無いものの面白さはある。松本清張の文章力は素晴らしい。ドラマと設定は違うが原作も面白い。松本清張の他作品も読んでみたい。

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    投稿日: 2014.05.19
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    大時代的なところがありますので、時代劇のつもりで読みました。 犯人の棲み家や生い立ちを突き詰めることで、事件の核心に迫っていきます。現代のミステリとはちょっと角度が違いますが、動機を明らかにすることが犯人の特定に直結していて、読後感はスッキリでした。

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    投稿日: 2014.03.09
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    上下巻読了。 少ない情報に翻弄されながらも少しずつ真相に近づいていく今西刑事の捜査は地味ながらも面白いです。 ただ、「被害者がなぜ映画を見たのか」の件は長く、中盤はやや中だるみ気味でした。 また、結末が淡白で物足りない印象。もっと犯人の心情や動向を知りたかったです。

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    投稿日: 2013.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館にて借りました。 SMAPの中居くんと松雪泰子さん主演TVドラマ化作品。 ハンセン病の差別を取り扱った作品。 最初から最後まで「差別」してどうのこうの~と云う話かとおもったら全く無く、全然ミステリー(笑) 全く「糸」が見えてこない。 だから関係ない事件が、ひとつ、ふたつ・・・と思っちゃうんだけど今西刑事にかかると・・・。 最後まで騙されました(笑) 「ヌーボーグループ」は古きを壊し新しき進出とか云ってるけど、愛人(と云ってもホステスさんでお互いが独身)作ってひた隠ししたり、中絶迫って殺したり、やってることはどう新しい!?と、突っ込みました(笑)

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    投稿日: 2013.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    マジシャンのようにネタをお客さまに一つ一つ並べて見せておきながら、しかもミスリードさせながら最後に。 時代が生んだストーリーなのでしょうね、病気、空襲。 偶然の再会が無ければ何一つ悲劇は起こらなかったのに、そう思うと第一の被害者の善意がますます哀しく感じられます。 日本各地、物見遊山させてくださって今西刑事ありがとう。 (お陰さまでゆっくりできなかったけれど) キーパーソンの一人と同郷で、何やら親近感が沸きました。 日本各地の地名を挙げてゆくとこういう効果もあるんですね、なるほど。

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    投稿日: 2013.09.20
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    初松本清張作品。 自分が生まれるだいぶ前の作品で、主人公の刑事は大正生まれ。古くて読みにくいかと思っていたが、古臭さではなく、いい意味で時代を感じさせてくれ(電車での長距離移動の大変さとか、下宿の在り方とか)、スラスラ読めた。 ただ、色々と偶然が多すぎるし、刑事の決めつけと感も多すぎ。

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    投稿日: 2013.07.28