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定年ゴジラ
定年ゴジラ
重松清/講談社
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総合評価

159件)
3.9
38
64
39
6
1
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    元々涙腺緩いけど、途中で涙が溢れた。 『定年ゴジラ』は、定年という人生の節目を、単なる終わりではなく「もう一つの始まり」として描いた作品です。家族や自分自身との関係を見つめ直すきっかけとなる、優しくも鋭い物語でした。現代の日本社会において、多くの人が直面する「定年後の人生」というテーマに対し、重松清は真摯かつユーモラスに向き合っています

    3
    投稿日: 2025.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    重松清さんの24年前の作品を読みました。タイトルまま。東京郊外のニュータウンで定年を迎えた4人のおじさんを軸に、さまざまなストーリーが描かれています。とはいっても、おじさん達だけの内容ではありません。それぞれの家族とのやり取りが丁寧に描かれていて、パートナーや子どもとのコミュニケーションについて考えさせたり、共感するシーンも多いです。特に、主人公である山崎さんと奥さん、2人の娘さんとのやり取りは心に響きました。4人のうちの1人、野村さんの破天荒なキャラも大好き。ふうまん、雪かきのシーンも印象的でした。

    3
    投稿日: 2025.05.12
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    定年を迎えたニュータウンで暮らすおっちゃんの日常を描いた小説。自分も数十年後にはこんな感じになるのかと思いながら読んだ。 まぁまぁ面白い。男性の方が読んでいて共感できて面白いかもしれない

    1
    投稿日: 2025.05.01
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    定年後を描いた小説。 読んだ時にはまだ先の話かと思ったが、その年代になってしまった。 ドラマ化され、主人公は長塚京三が演じている。

    7
    投稿日: 2025.03.21
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    なんだか心に沁みました。 世代的にも年代的にもちょっと前の頃のお話にはなるんだけど、、、自分にもいずれそういうことが起こるのかなぁとか、親の世代はそういう気持ちだったのかなぁとか。切なくなる場面もありましたが、でも最後には元気が出てくる1冊でした。

    0
    投稿日: 2024.11.03
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    目次 ・定年ゴジラ ・ふうまん ・きのうのジョー ・夢はいまもめぐりて ・憂々自適 ・くぬぎ台ツアー ・家族写真 ・帰ってきた定年ゴジラ この本を手に取った時、既読の本じゃないかと思った。 カバー裏に書かれたあらすじの「ジャージは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」は確かに記憶にある。 でも、中身ではなく、そこだけを読んだのかもしれないしなあ。 パラパラと中身を眺めても、なんとなく覚えがあるようなないような。 そもそも重松清の本は、たいていが同じような読後感になるのだから。 一応ブログや読メに感想を記録していないか検索してみた。 どちらにも登録記録がない。 ということは、やっぱり未読なんだ。 と思って読んだのだけど、やっぱり既読でしたわ。 最初の一編だけなら、アンソロジーで読んだのかと思ったけど、最後まで全部読んでた。 記憶にあった。 ただの登録漏れだと思われます。やれやれ。 感想は、自分が定年退職したことによって少し変わったかもしれない。 でも私は、主人公の山崎さんのように暇を持て余してはいない。 作中、町内会長が、「余生っていやな言葉だ。余った人生ってなんだよ。余るくらいなら、働いているときにその分時間を使いたかった」という部分があるのですが、私は余生って、おまけというか、頑張ったご褒美くらいに思っています。 頑張らなかったから早死にをするということではなく。 定年まで勤めあげたらお疲れさん。 あとは自分のために時間を使っていいよ、って。 でも解説の鷺沢恵が、「木口小平よ、ラッパを放せ!」って書いてて、どちらかというと私も木口小平のように死んでもラッパを放さないタイプかもなあ、なんて思ってしまった。 「頑張らない」ができない。 だって、普通「頑張る」でしょう。 この作品は、定年を迎えた主人公たちの日常を描いたもので、いかにも私にはタイムリーな作品でしたが、実は古い作品なので、主人公たちは私の親世代。 高度経済成長を支えてきた世代の人たち。 高齢化が進むニュータウンの中に自分の居場所を見つけられないもどかしさは、頭では理解できる。 でもまだ私には、実感できない。 自分の居場所って、自分がいたい場所のことじゃないのかな。 自分がいても許される場所のことってわけじゃあ、ないと思うのだけど。

    2
    投稿日: 2024.07.25
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    定年してからも読みたいけど、それを覚えているかどうか・・・◆四人のゴジラたちの気持ちがわからないでもなかった。わかっていたのかもしれないけれど、それは微妙なところだったかな。娘たちとの話には引き込まれた。

    1
    投稿日: 2024.07.15
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    都内から2時間のニュータウンにマイホームを持つ主人公が、定年退職後の生き方に悩み、葛藤と試行錯誤を繰り返しながら、自身の生きがいを探す物語。 本書は小説でありながら、主人公目線の記述になっていないところがユニークでした。 会話以外の記述においても主人公のことを「山﨑さん」と終始「さん」付けで書かれている等、ストーリーを少し俯瞰した立場から眺めているような、不思議な錯覚を覚えます。 無事に定年まで勤め上げ、自宅のローンも完済。娘2人は元気に巣立ち孫にも恵まれている。 一見すると幸せな60歳、悠々自適な第二の人生の始まりだが、作中では『平凡なサラリーマン生活を終え、残ったのモノは都心から2時間の古くなったマイホームだけ』というやや陰りのある雰囲気が漂います。 間違った選択はしていないけれど、何故だか虚無感がある。 自分は何者なのか? 残りの人生をどう過ごすべきなのか? 同じニュータウンに住む定年仲間や家族との交流の中で、その答えを見つけていく。 ・共感できる! ・自分はこうはなりたくない ・とは言え、幸せな人生じゃん 等々、読者の年齢や立場よって多様な捉え方・感じ方ができるユニークな作品でした。 ぜひ読んでみては。

    5
    投稿日: 2024.05.26
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    60歳になり、定年を迎えた男として、夫として、また父親として。そして、家族とは。 山崎さん、町内会長、野村さん、藤田さんが教えてくれた。 定年はまだ先てすが、私ももうすぐ60歳を迎えます。

    2
    投稿日: 2024.03.17
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    作者はおやじ殺しだ。おやじの機微に触れる数々の場面と交差する思い。読みながらつい相槌を打ってしまう私。 一般サラリーマンの多くは、会社勤めが終わると新たなコミュニティで自分の在り処を探すことになる。いわゆる第二の人生のスタートなのだが、コミュニティの最小単位である家族からしてなかなかに厄介だ。 家族を想い、がむしゃらに頑張ってきたはずなのに、気付けば家族の輪から疎外されてる感ありあり。周りに悪気がないから始末に困る。することもなく家でゴロゴロ、行くあてもなく外をブラブラ。 定年おやじの背中から漂う哀愁は、身の置き場を探し求める心の放浪の象徴だ。 定年ゴジラ達が踏み潰した我が街のジオラマはこれまでの人生の縮図だったのか。 ご家族の皆様、お父さんは頑張りました。定年したら居場所を作ってあげてください。 本作、楽しく読ませていただきました。

    2
    投稿日: 2023.12.26
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    少し前の昭和のお父さんが仕事を定年で引退した後のお話。 出てくるお父さん達皆さん60で引退されてて現在からすると、ある意味羨ましく思える時代。 仕事一筋で生きてきた人たちの哀愁を感じます。 お父さんファイト!って思いました(╹◡╹)♡

    24
    投稿日: 2023.11.22
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    神本だと思う。2000年代前のニュータウンを舞台にしているが、その,心の動きは今と同じ。35歳でこれを書いた重松清の凄さも感じる。あとがきも良い。

    4
    投稿日: 2023.02.18
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    定年のおじさん、一人一人に人生がある。その人生が丁寧に描かれていて、感情移入しやすい。安定の重松作品。

    0
    投稿日: 2023.01.14
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    年老いたニュータウンを舞台にした作品です。 高齢化や世代の違いなどの課題はあるが、そのなかでも定年を迎えた人々が“自分”を見つける温かい物語です。若い頃には分からない(感じない)こともあり、世代を超えて新しい発見ができる作品だと思います(*^^*)

    10
    投稿日: 2022.09.30
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    定年を迎え、第二の人生を歩み出す…なんて華々しいものではなくて、もっと現実的な定年後の生活の短編連作。 家族のために、職場まで近いとは言い難い郊外にマイホームを構え一生懸命頑張ってきたお父さん4人。定年まで頑張ってきた達成感と仕事を離れた一抹の寂しさと、これからの不安と、各々の夫婦、家族の問題やら…日々色んな事があるけど、定年ゴジラは今日も頑張って生きている。 定年は大きな節目だけど、そんな事で何かが全く変わってしまう訳じゃないですよ。と言われた気分になった。

    9
    投稿日: 2022.09.19
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    大人になっても幼馴染みとつるんでいるのっていいなあ、と思っている。転校とかあってホントに小さい頃からの友だちっていない。ガキたちにはこの家で長く付き合える友だちがたくさんできるといいなあ、と思っていた。二人ともあまり友だちを連れてきたことはないけど、まあ地元で遊んでいるところをみるといるんだと思っている。娘も学校を卒業してもここにいるのかわからないし。あと数年で夫婦二人暮しになる。きっとガキたちが帰ってくるのが楽しみで仕方ないんじゃないかな。自分が定年を迎える歳に近づいてることもピンとこないけど、心は輝かしていたい。オイラは簡単に定年退職できる余裕はないからまだまだ働かないといけない。だから山崎さんたちの愁いを知るのは彼らの年齢よりもあとになる。その時のオイラのココロとカラダがピンピンしていますように!

    2
    投稿日: 2022.07.04
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    購入後に奥付を見ると21年前だった。当時の定年は60才。まだまだカラダが充分元気な頃と思う。 孫にブラブラしていると言われるとショックを受けると思う。作者もまだ若く、自分の父親世代を書いたとのこと。戸建のニュータウンは建て替え等あり、まだマシかも知れない。古い団地などは老年の家庭が増え、建て替え出来ずにゴーストタウン化しているとも聞く。内容的には、良くあるホームドラマに近い。 都会の割に緑があり、数年前に男性長寿日本一になったところに住んでいて、私も主人公達と近い世代だが、どこの集まりに行っても60代の男性に会わない。定年すぐ後、皆んなは何処で何をしているのだろう?

    31
    投稿日: 2022.04.09
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    1.著者;重松氏は、出版社勤務を経て、フリーライターとして活躍。ドラマ・映画・雑誌等で手広く活動した後、執筆活動に入りました。「ビフォア・ラン」でデビュー。「ビタミンF」で直木賞・「エイジ」で山本周五郎賞・「十字架」で吉川英治文学賞等を受賞、他にも著書多数。矢沢永吉(歌手)、広島カープのファン。 2.本書;郊外のニュータウンで定年を迎えた山崎さん(主人公)が朝の散歩を通じて、知り合った地域の定年仲間4人と共に自分の居場所を探す日々の哀歓を綴った小説。七章構成(第一章;定年ゴジラ~第七章;家族写真)。仲間達(元広告営業マンで世話好きな町内会長の古葉さん、元転勤族で今は物産巡りを趣味とする野村さん等)と交流する中で、それぞれの人生がリアルに語られています。人間描写の機微に好感。定年ゴジラは、用済みのニュータウン模型を踏み潰していく様子が由来。 3.私の個別感想(心に残った記述を3点に絞り込み、感想と共に記述); (1)『第二章;ふうまん』より、「本人達にはそんなつもりはないのかもしれないが、山崎さんにはきっと野村さんにも、わかる。現場の第一線で働く若手の冷ややかな視線にさらされてきた。考え方が古いんですよ、時代が違うんですよ、もうあんた達の仕事は通用しないんです・・まなざしに乗って、声のない言葉がいつも聞こえていた」 ●感想(1)⇒私も若い頃には、先輩に仕事のやり方を否定されると、「考え方が古いんですよ、時代が違うんですよ、もうあんた達の仕事は通用しない」と、心の中で反芻したものです。所で、良い仕事をするには、ハード面とソフト面の技術が必要と考えます。ハード面は道具、ソフト面はやり方です。パソコン等の道具は訓練である程度修得できます。しかし、仕事の進め方等の道理は書物だけでは難しいと思います。やり方・考え方は、先輩が実務を通じて身に付けたノウハウを伝授して貰うのが一番です。私も、“現地現物第一”、“気を見て森を見ず”・・などを体験事例を交え、仕事のコツを沢山教えて貰いました。若い時には感情に走る時もあるでしょうが、「人皆師匠(学ぶ)」の気持ちが大切です。 (2)『第五章;憂々自適』より、「定年退職後、暇を持て余し人恋しさを募らせて、妻の出かける先々へ用もないのについていく、車のボンネットに貼りつく濡れ落ち葉のような夫。妻にとっては最もうっとうしい存在なのだという。山崎さんも常日頃から『濡れ落ち葉にだけはならないでよ』と奥さんに釘を刺されている」 ●感想(2)⇒昭和前半生まれの定年退職者は、“月月火水木金金”状態で働いてきた人が多いと思います。会社中心の生活で、いきなり定年を迎え、自由時間が一杯出来て、さて何をやろうという人もいます。定年後の生活は、趣味なし人間には、辛いかもしれません。しかし、現役時代に思い描いた自由を手に入れた事に喜びと感謝を込めて、一日ボーと過ごしても良いと思います。五木寛之氏は言います。「孤立を恐れず、孤独を楽しむのは、人生後半期のすごく充実した生き方」だと。一方、奥さんは永年家庭を守ってきたのです。夫としては、いつまでも召使扱いせず、やりたい事をやらせてあげるのが恩返しです。自分の下着の在り処もわからない旦那さんは、言語道断。自分の事は自分でしなければなりません。 (3)『第七章;家族写真』より、「娘たちはまず最初に母親に相談した。山崎さんに対しては、いつも相談ではなく報告だった。『お母さんはいいって言っているんだけど』と前置きして、話がこじれそうになると『お母さんちょっと来てよ、もうお父さん全然話がわかってないんだから』と援軍を求め、最後は奥さんが山崎さんをなだめて納得させる、その繰り返しだった。 ●感想(3)⇒仕事人間と言われる人には厳しい話です。父親の留守がちな家での母娘関係、気持ちが通じる同性同士等の理由で、娘が母親を頼るのはもっともな話です。仕事に傾注し過ぎた父親に、積年のツケが回ってきたのです。しかし、何かしら侘しいですね。母娘も少しは父親の立場に配慮して、何でも両親に相談する素振り位して欲しいものです。男は意外と繊細かつ単純な生き物です。嘘も方便と言います。家族から、「お父さんあっての我が家だからね」の一言を期待するのは高望みでしょうか。 4.まとめ;本書は、定年後の散歩仲間との日常生活をを温かく描いています。彼らは人生の勝ち組の人達でしょう。恵まれた老後を送れる人々です。所で、私は勝者・敗者と区別するのは良くないと思います。世間には様々な生き方があるのです。身の丈に合った生活と幸福があれば、誰もがそれに感謝し、好しとすべきです。書中人物は、必死に働き、仕事の為に犠牲にしてきたものを回顧しつつ、自分の居場所を模索する日々です。しかし、先ずは定年退職で仕事・時間に追われた生活から解放された幸福感を噛みしめるべきです。そうしたくても出来ない人もいるんです。本書は、中高年だけでなく若い世代にも高評価の作品だそうです。男性の気持ちへの理解を願い、女性にも読んで欲しいと思います。

    73
    投稿日: 2022.03.29
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    時代背景が2000年前後くらいのかな。そう思うと今の時代では60歳で定年退職して完全リタイアって少なくなってそうな気がする。この年代の方々は急速な日本の経済成長期を生きた人達だと思うので、リタイアした後の反動も大きそう。働き盛りをもっと楽しむべきなんだろうな。

    0
    投稿日: 2022.03.09
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    時代は少々古いが、ニュータウンの定年世代のオヤジ達の物語。 自分の家を建てるという事は、現役世代で働いている時間をすべて捧げ無ければ普通の家庭には難しい。 定年まで健康で働けるか、職は失わないか。リスクだって当然あって不安にもなる。けれど家を建てたいと考えたとき「子供が伸び伸びと笑顔で暮らしてくれれば」とその一心で決断してきたのだろう。私だってそうだ。子供が思いっきり遊べて、自分の家を好きになってくれて、時に家を疎ましく思いながらも、自分が当たり前に帰れる場所と思ってほしい。物語のニュータウンに家を建てた当時のお父さん達は、皆きっとそう思って長年働き続けてきたはずだ。 ローン組んだ直後に不安で不安でどうしようもなかった時に、父が言ってたな。 土地と建物を買う為だけに、ローンを組んで莫大な負債だけ負うんじゃないんだ。家族みんなが過ごせる居場所を買うんだ。それは土地と建物以上の価値があるんだ。 ってね。家建てて良かったって今ならハッキリ言えるよ。

    8
    投稿日: 2021.08.23
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    今年から年金をもらう。この時に偶然読んだ定年ゴジラ。途中まで、ダラダラと、あとは一気に。この時期に読む最高の本

    1
    投稿日: 2021.04.28
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    今年の10月末で定年を迎える自分にとって、何か参考になることがあればと思って読んだが、ほとんど得るものはなかった。設定が約20年前とあまりにも古いことが大きな理由だ。みなさんも指摘されているように、この20年間でシニア雇用をめぐる環境は大きく変わっている。60歳で悠々自適の生活に入り、日々散歩に費やす方はほとんどいなくなったのではないか。今月からは、70歳定年を企業の努力義務とする高齢者雇用安定法が改正されたが、ますます、この小説が描いた時代は過去のものになっていくだろう。さらに、インターネットが勃興期で、主人公がPCのネットの設定に四苦八苦しているシーンも古臭さを感じた。昨年、92歳で亡くなった私の父も最後までPCで株取引をしていたが、高齢者世代へのIT機器(PC、スマホ、タブレット)への浸透の度合いは目を見張るものがある。現在なら、この小説で描かれる主人公の娘夫婦が50代前半に差し掛かるとみられる。もう少したてば、著者の重松清さんには「定年ミニラ」(笑)のようなテーマの小説を書いていただくことを切に希望する。重松さんはほぼ私と同世代。この小説は父親の世代をテーマにしていたが、同世代をテーマにするなら、どのように健筆を振るわれるだろうか。

    0
    投稿日: 2021.04.11
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    夫婦は時間を重ねて1つになっていくのではなく、1人と1人であることを自覚していく、という部分に考えさせられた。 生きてる時間の90%仕事の状態から、いきなり何もなくなるとこんな感じなのか‥と思う。

    0
    投稿日: 2021.04.08
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    戦中世代が高度経済成長期においてニュータウンに家を買って、猛烈サラリーマンとして成長を担ったあと、定年で一気に居場所を失ってしまったが、同じ定年仲間や家族との日々の中で試行錯誤しながら居場所を見つけていく、という感じの話。 なんか時代設定古くない?と思ったら、実際古いんですね。90年代に書かれた本でした。定年やってきて一気にやることなくなる、というのは多少労働市場の流動性が出てきた今でもままあることだと思うけれども、インターネットやSNS、スマートフォンがここまで浸透してくると、朝起きてさて何しようかとポツネンとする人は少なくなってきてるのではないかとも思います。それでソシャゲにはまってもどうかなとは思うけれども。 しかし、30代の今はあまり懸念もないけれど、実際仕事が終わって、年金もあるよという年代になる前にちゃんと考えないといけないよね。老害になってはいけない、さりとて何もすることがなくてすぐにボケてしまうのもいやだ。適材適所を信じて、自分になにができるのか、働きながらもライフワークを見つけていかないといけないよね、という教訓か。

    0
    投稿日: 2020.08.09
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    日常ありそうでなさそうな、楽しい小説でした。山崎さんや奥さんは立派な方ですね。なかなかこういう夫婦はいないだろうなと思いながらも読んでいました。

    0
    投稿日: 2020.06.30
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    「脳裏にいまだ鮮やかな光景も、薄れつつある場面も、忘れてしまったことすら気づかない出来事も、全部含めて暮らしを紡いできたのだ」

    0
    投稿日: 2020.05.12
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    日本が経済成長期で沸いた時代、その最先端の担い手達が住む街だった郊外のニュータウン。 その街は住人と共に老いていき、その住人は定年を迎えた。 その時まで必死で仕事をしていた彼らの定年後の生活は決して華々しいとは言えなかった。 仕事という大きな責務を果たした今、労りどころか煙たがられる日々。 しかし、そんな中でも日々を生きる主人公達の姿に悲しくも、何か温かなものを感じることが出来た。 …とりあえず今から考えるのもおかしいけど、自分の定年後が心配になる作品です笑

    0
    投稿日: 2020.03.17
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    およそ20年前に書かれた本なので60歳定年のことや、家族の通信手段が家電であることなど、時代の流れを感じる内容が散見されるものの、サラリーマンが定年後の生活をどう過ごすかといった問題は未だに尽きないテーマです。 ここに登場する人物たちは 、高度成長時代に東京の郊外に造成されたニュータウンに、移り住んだ人々のその後の物語でもあります。定年後の夫、父親の典型的な悩みである家庭内の居場所を模索する過程も面白かったのですが、ニュータウンという街の在り方も一方では取り上げていて、自分たちの育った頃を思い出して感慨深いところでした。ニュータウンと言われた街がオールドタウン化していく様は、拡大から縮小していく日本という国の有り様も写し出しています。あの頃は、老いていく自分たち、そして街もそうであることに気づかないで過ごしていたのです。

    0
    投稿日: 2020.01.18
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    あらすじ 開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。「ジャージーは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」先輩の町内会長、単身赴任で浦島太郎状態のノムさん、新天地に旅立つフーさん。自分の居場所を捜す四人組の日々の哀歓を温かく描く連作。

    1
    投稿日: 2019.11.05
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    そんな日が来るんだろうなと思う 会社に行かない日々ってなんだろうな 私はいつまで働くんだろう できれば、コツコツ 地道にいつまでもと願うが そんなの無理だもんな…

    3
    投稿日: 2019.10.25
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    歳をとったら、田舎や郊外のニュータウンではなく、 人が集まる都会に住みましょう。 二世帯住宅は、やめときましょう。

    0
    投稿日: 2019.09.10
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    重松さんの小説の中の住人は皆生きている。 幸せとは胸を張って語るのではなく苦笑いとともに唇からこぼれ落ちるものなのだと、なぜかいま、知った。

    0
    投稿日: 2019.04.27
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    定年後のおじさんの、定年仲間、奥さんや子供、とのたわいもない日常、時にはちょっとした事件、を描いた作品。 人の心の機微や弱さを丁寧に表現しているので、共感しきり、また、将来への教訓と受け止めることしきり、だった。 率直に言えば、盛り上がりのない話だったので、読む速度は上がらず、ちょっと読み進めるのは大変だった。 が、終わってみればオチらしいオチはなかったのだか、人生について何か深い問いをもらったような、フランス映画のような不思議な味わい深さを感じた作品だった。 仕事に熱中している若者というより、仕事の意味、生きがい、家族について考え始めたような、そんなおっさんが読むといいと思う。まさに私、、、

    2
    投稿日: 2019.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私もこの3月末で定年退職でした。 だから、手に取ったというわけではないのですが・・・ 本書の主人公たちは、60歳での退職でしたが、私は65歳になりました。 主人公たちの行動が今の自分にも近いものと思えた。 何のために、通勤時間をかけてまでマイホームのためのニュータウンに住まなければならないのか? いずれ、子供たちは、成長し、巣立ってゆくのに・・・ それでも、男たちは、家族のためそして自分の為に頑張ってきたのだ。 そんな定年ゴジラたちの日々が綴られていた。

    1
    投稿日: 2019.04.10
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    新興住宅地であったくぬぎ台に住む4人の定年退職男性の物語。特にはその中の大手都銀を退職した山崎さんの話が多い。ばつ1男性と結婚する娘への思いが強く表れている。

    1
    投稿日: 2019.03.12
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    1998年から2000年に書かれて小説。日本全国に見られるニュータウン住宅造成地。年の経過とともに、そこに住む人間も建物も古くなってくる。そんなニュータウンで定年後の暮らしを迎えるオヤジたちの話。

    0
    投稿日: 2018.09.23
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    重松清はキレイな文章を書く。そんな難しい言葉は使わずに、でも情景がディテールまで思い浮かぶ感じが好き。 "長年連れ添った夫婦が一心同体になるというのは嘘だ。夫婦は、長い年月をともにすることで、自分たちが一人と一人だということを素直に受け入れられるようになる。"

    0
    投稿日: 2018.09.04
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    定年後がテーマの小説「孤舟」、「終わった人」と読んで、3冊目。連作短編のようなひとつの長編でもある小説。 今回は郊外のニュータウンで定年後に知り合った5人のおじさんが登場。 家族や夫婦とは何か、ニュータウンや故郷とは何か、世代間の葛藤、などを考えさせる。 自分は、このようにははならないと思っている。 読書メモ: 第1章 定年ゴジラ 土地開発された郊外のニュータウンに入居し、子育ても終わり定年に。開発時の模型を見ながら、知り合った定年の先輩と飲む。入居当時は良かったが、郊外の町は定年世代には優しくなかった。町の模型をゴジラになって壊していく… 第2章 ふうまん 単身赴任していた野村さん。定年後に戻ったが、息子二人がよく育っていい大人になっていて、自分の居場所がないと感じていた。 岡山の饅頭がふうまん。 第3章 きのうのジョー 「それでいい。おまえはもう泣いてはいけない。涙を流す資格は、断ち切れられてしまった夫婦の日々を悔やむ人に譲らなければならない。」150p 第4章 夢はいまもめぐりて 「いかにいます、ちちはは、つつがなしや、ともがき、夢はいまもめぐりて、忘れがたきふるさと」 ここまでで一番ぐっとくる話だった。 第5章 憂々自適 悠々自適ではなく。 娘が妻子ある男と付き合う。「家庭」を持つ、ということとは。 この話も、渋くぐっとくる。 第6章 くぬぎ台ツアー 雑誌のニュータウンを評価する連載でくぬぎ台が取り上げられることになり、調査が始まった。 助教授は辛口だけど、話がわからない人ではなく、記事の最後にほっとさせられる。 第7章 家族写真 家族とは、夫婦とは。いろいろ話は飛んだが、これもいい話だった。 帰ってきた定年ゴジラ 本編の2年後の設定。結局、それぞれ、新しいことに歩み始めることになっていった。

    0
    投稿日: 2018.05.12
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    重松清の定年ゴジラを読みました。 主人公の山崎さんは私鉄沿線のニュータウンに持ち家を買い銀行員の仕事に明け暮れた後、60歳定年で悠々自適の生活にはいります。 仕事をやめて暇になった時間をもてあましたり、住んでいるニュータウンがゴーストタウン化の兆候を見せたり、定年後に知り合った近所の仲間に不幸があったり、次女の結婚で問題が持ち上がったり、と定年後の山崎さんの生活が描かれています。 ところで、この小説は1998年に書かれているのですが、それから20年後の自分たちは年金の受領開始が65歳になり60歳を過ぎても普通に仕事をしています。 状況の違いにちょっと複雑な気持ちになりました。

    0
    投稿日: 2018.03.18
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    1998年時点での1930年世代の還暦定年の姿を描いている。今還暦を過ぎた私とはずいぶん実感が違う。まず還暦で私たちは引退できない。子育て家事も描かれている世代より夫婦で分担している。できれば自宅で老衰で死にたいと思うのは今の方が強いのではないかと思う。この20年の間にずいぶん実感の違いが出てきたと思わせる読後感だった。

    1
    投稿日: 2018.03.01
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    高度成長期に開発されたニュータウンは、住民とともに歳をとり、現在の社会の中では時代遅れ感がある。この小説では、何十年も前に希望をもって引っ越してきた住民の人生と重ね合わせて、ニュータウンの現状をうまく描いている。現在の否定的な見解を「後出しじゃんけん」と表現している住民が印象的で、あとから批評することは概して楽であるが、問題の解決策を探るのは難しい。

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    投稿日: 2018.02.25
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    一気に読める。重松清らしい爽やかな後読感。ちょっと出来過ぎ。沢山調べて書いたのだろうけど、やっぱり、本当に定年過ぎた人とはちょっと違うんだろうなと思わされる。重松がこの小説を書いた年齢が今の私と近いことに驚く。現実っぽいけど、現実と離れている感も半端ない。平凡な定年後の一軒家に住む夫婦っぽく書いてるけど、定年後働かずに貯金もそこそこあるなんて、平凡でなく随分と恵まれた人の老後の物語。 と、うがった見方をしてしまう。

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    投稿日: 2018.01.16
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    主人公は、かつてニュータウンと呼ばれた住宅街に住んでいる、定年したての元会社員の男性。 定年仲間と共に、既に積み上げた過去を振り返り、直面する現在と向き合うお話。 大きな買い物や決断をするときって、将来のシミュレーションはしてみたつもりになっても、実際は想定しきれない問題を抱えた未来を迎えてしまうのだろう。 それでも「これが俺たちの住む場所であり、生活だ!」と(自信がなくても)言えるような、おじいちゃんになりたいと思った。 著者が自身の実年齢より目上の主人公に「山崎さん」とさんづけの三人称を用いているのも地味に好印象。

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    投稿日: 2017.12.17
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    良いですね。 高度成長時代を必死で頑張った中年達。悲哀を感じさせながら、でもどこか毅然としています。。 悪く言えば、筋立てそのものはどこかテレビのホームドラマのような気もしますが、主人公の4人組はもちろん、山崎さんの奥さんや子供達のキャラの見事さがそれをはるかに超えさせています。 ここというポイントで頑張る中年達の姿に、不覚にも涙が出てしまいました。久しぶりの事でした。

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    投稿日: 2017.11.16
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    古い本なので図書館で借りて読みましたが、文芸春秋10月定年特集の影響か結構人気があるようです。読んで納得でした。

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    投稿日: 2017.11.10
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    ニュータウン。かつて住宅公団を先頭開発、応募が殺到、団塊世代の父親は郊外に流れ住んだ。そこには今や子供たちが家を離れ、定年を迎えた老いた人たちが多い。そこには一片の写真では語れぬ生活の歴史がある。本書では、定年後の生きがいをなにか持って過ごしてほしいという作者の願いも感じられる。文章が巧みで、随所に胸に迫るものがあるのだが、技巧が先行して大仰な感もある。著したのは作者30代はじめとのことだ。2017.10.4

    0
    投稿日: 2017.10.04
  • 自分が育った町並み

    年齢とともにやってくる定年(アメリカでは年齢差別にあたり違法だそうです)。 自分もその足音が聞こえてきました。「暇」になることは、目に見えており、自分は何者かとわれることになるでしょう。そして、同じ年代の人が一斉に押し寄せた町は、定年と子の巣立ちとが同時期にやってきて、町が一挙に老いはじめます。その光景をうまく切り取っています。 大きな感動を呼ぶ本ではありませんが、ひっそりすべてが、ハッピーエンドです。 「長年連れ添った夫婦が一心同体になるというのは嘘だ。夫婦は、長い年月をともにすることで、自分たちが一人と一人ということを素直に受け入れられるようになる」というくだりは、丸くなるってこういうことかと妙に納得。 ちょっと退屈するほど、何も起こらないことに★マイナス2です。

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    投稿日: 2017.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    わき目も振らずガムシャラに働き、子育てを終え、定年を無時に迎えた企業戦士たち。ようやくたどり着いたはずの安息のゴールのはずが、何もないすることが無いという厳然たる事実にぶつかり、もがきながらも、一生懸命に自分達らしさとは何かを模索していく。視点を変えることで、なんてことのない日々の生活の中にも小さな幸せがあることを、色々なほっこりとするストーリーが気付かせてくれる。この世界観、凄く好きだな。この本を読んでおくことで、いつか迎えるであろう老後も、きっと楽しむことができるだろうと思うのでした。オススメ! ・幸せとは胸を張って語るものではなく、苦笑いとともにこぼれ落ちるものだ ・何事もそつなくこなす。おせっかいをするのもされるのも好きではない。彼らは、おそらく、間違ってはいない。それが世代というやつか。 ・最後に最後に残るのはやっぱり夫婦。親子にだって定年があるんだ。 ・退屈という言葉は嫌いだ。妙に角ばった字面が気に入らないし、退いて、屈する、なんて情けないことばだろう。 ・負けた奴やがんばれなかった奴を許してくれる奴がいないから、勝った奴と、がんばってる奴しか住めない街になる。 ・すべてを許してくれるひとがいると進呈られる場所が、ふるさと。 ・オレタチ、ぶらぶらすることにも一生懸命になってるんじゃないかな。必死になってぶらぶらしているような気がする。 ・山崎隆之、六十歳。夏の趣味、枝豆にビール。 ・僕らはこうやって生きてきたんだよ。 ・ニッポンを支えてきたオヤジたちのお手並み拝見ですね。 ・夜、自分の部屋で寝てたら、玄関のドアが開いた音がして、あーお父さん帰って来たんだっと安心する。その時の気持ちが一番懐かしい。 ・夫婦は長い年月をともにするからことで、自分達が1人1人だということを素直に受け入れられるようになる。 ・ほんとうに大切なかけがえのないものは、フィルムのコマとコマの間に息をひそめている。

    0
    投稿日: 2017.03.24
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    すごく好み。 山崎さん、いい味出してます。 涙はこぼさずにじっと耐えている。それでいい。おまえはもう泣いてはいけない。涙を流す資格は、断ち切られてしまった日々を悔やむ人に譲らなければならない。

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    投稿日: 2016.09.11
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    日本の戦後復興をささえた企業戦士たち。 定年を迎えて「夢のマイホーム」のあるニュータウンで第二の人生を歩み始めるものの、あまりの「暇」に愕然。 自分の思う通りにならないことにいらついたり、理想とは何だったのか悩んだり、娘や息子にやきもきしたり。 主人公は山崎さんという定年直後のオジサンですが、三人称視点で描かれているのが読みやすくていい。

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    投稿日: 2016.08.23
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    郊外のニュータウンで、定年を迎えてからの日常について、応援を含めて進むストーリー。定年とニュータウンという二つの大きな柱に挟まれて、新たなコミュニティーや夫婦、親子の関係や姿が描かれている。 私はまだ定年でもないし、ニュータウンにすんでいるわけでもないが、後10年後に薔薇色の人生が開かれているという気も全くしない。定年に備えて、これから対応するべきなんだろうが、毎日の生活が精一杯でとても10年後を目指して何かをする気にならない。しかし10年前にこうしておいたら、今はもっと薔薇色だったんじゃないか?ということは確実に言えるな....

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    投稿日: 2016.07.24
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    定年ゴジラというネーミングが面白く手に取った。わたし自身ももう直ぐ定年を迎える年になり、定年という言葉の響きにどこか寂しい気持ちを持つようになった。多分、若い頃と違う感覚が目覚めているのだと思う。この定年にゴジラが着いたことで、どこか勇気をもらえる気持ちがした。読み進め、主人公が何時しか、自分と重なるように思え、元気を頂いたように感じる。何気ない普段の日常に、あるときは、不安を覚え、あるときは、喜ぶ。その連続の中で生きているわけだからこそ、気持ちを分かちあいたいと誰もが思うのだ。私も、定年ゴジラとなって、郊外のニュータウンの一人として、デビューしたいものだ。

    0
    投稿日: 2016.02.22
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     主人公は私たち世代よりちょっと上、団塊の世代あたりかしら。社会的にそれなりの地位にあり、ちょっとした小金持ち。子供のためにと環境のいい郊外に土地付き一戸建てを持ち、片道2時間の距離を毎日通う真面目なサラリーマン。 会社と家の往復で、休日には疲れ切った体と心を癒すばかり。趣味に興じる時間なんてありはしない。  そんな親父が60歳で定年を迎えたら…残ったものは古女房と、都心から遠く離れたニュータウンの我が家のみ。居酒屋もない、パチンコもない、商業施設もない、なんにもない静かな町でどうやって余生を過ごしていけばいいのか。頼みの奥さんは永年の主婦生活ですっかり町になじみ、習い事だお茶会だと毎日忙しい。  それでも主人公山崎さんの場合は、町内に友達もでき、共に散歩をしたり、たまにはお酒を飲んだり、町内会の仕事を手伝ったり、またプライベートでは娘が結婚したり、子供をつれて遊びにきたりと結構充実している。奥さんとも仲がいいし恵まれた環境だ。  つくづく感じるのは、年取ればお互いに伴侶の存在が俄然大きくなってくる。夫婦仲が良ければすべて良しでしょう。今後定年は65歳に延びるでしょうが、やはりまだまだ若い。定年して途方に暮れる前に、早いうちから時間を持て余さない準備をしておいたほうがいいかもしれない。終活ならぬ老活?

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    投稿日: 2015.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    両親と、父の故郷である小樽に旅行に行った。「定年ゴジラ」はその旅のお供。 私は旅行に行くときは小説と決めている。旅行のあの高揚感がうまい具合に小説の内容に入っていく促進剤になるからだ。 図書館の「本日返却コーナー」にあって何気なく手に取った一冊だった。重松清さんの本は久しぶり。 元銀行員で、定年を迎えた山崎さんと、同じく定年を過ぎた同じニュータウンに住む3人の中年男性と、彼らそれぞれの家族を描いた物語。 山崎さんの家族、奥さんと二人の娘・千穂と万里との、絶妙な距離感の表現が巧い。重松さんも実際に娘がいるのだろうか。 全体的にはゆったりと物語は進んで行く。「オジさん」たちのそれぞれのキャラクターも、なんだか一癖ありそうで、また単純明快で、憎めない。 私が好きなシーンは、山崎さんが駅の近くで傘を忘れ、奥さんに傘を持ってくるついでに一杯飲もうと誘い、居酒屋で待っていると、 次女の万里が現れ、二人でぎこちなく飲むシーン。自分が同じ立場だったら…父とサシ飲みなんてしたことないけど、想像するだけで照れる。 そういった、父と娘の独特な空気感を描くのがとても巧いよね。「あーわかる」って思える。 あと、何と言っても、山崎さんが電話越しに、万里の彼でありバツイチの義彦に対して、熱く思いを伝えるシーン。 山崎さん、不器用で口下手でアマノジャクなんだけど(ここ、私の父とも似てる)、それだけに思いは伝わって来る。 終盤、パソコンを一生懸命覚える山崎さんの場面。60歳そこそこの男性って、今のご時世まだまだ若いし、現役だと思うけどな。 若干、全体を通して、定年のこの彼らを「おじいさん」扱いしすぎな感もあるね。 家族のあったかさを感じる、とても素敵な一冊。地味なんだけどね。 (同じく定年の男性たちを描いた、有川浩さんの「三匹のおっさん」に比べるとやはり抑揚にはかけちゃうけどね。) 偶然にも、私も親子旅の最中なので、余計にぐっと来た。 重松さんは、親子を描くのが秀逸。 うん、これからも親孝行しよう。

    1
    投稿日: 2015.10.21
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    42才(妻を3人の息子と20年目のサラリーマンライフ)です。 定年後の親父の実状・心境を初めてイメージできました。 「くぬぎ台ツアー」が嬉しかった。 定年親父の踏ん張り、おもいが、現役社会に通じた。一発かませた。 そう感じることができ、スカッとしました。 私の定年後は・・・・。 いけん、いけん! そんなこと、言うとる場合じゃねぇ。 あの人らぁは、がんばって走り続けた後、あんな世界があった。 私は、まだ走らなければならない。 走るしか、歩くしか、前に進むしかねぇんよ。 毎日、それの繰り返しじゃ。 負げねぇぞ、おれ!!!

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    投稿日: 2015.07.25
  • いい時代だった?

    会社一筋で60才まで勤め上げると定年後、生活が補修されていた時代。 うらやましいような、つまらないような・・・ 今から、定年後に備えることを考えさせられる本です。

    0
    投稿日: 2015.04.09
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    なぜ働くのかを考える暇もないほどガムシャラに働くこと。 家を買う=幸せの形という考え方。 昔はよかったなあという昔至上主義。 共感できない現代人なわたしです。 でもその時代を戦った人なら共感できること必至なのでしょう。 もはや30年後は定年という概念すらなくなる気がするけど、定年してやることがなくて困らぬよう、生涯現役でいるか生涯遊び続けたいと思う。

    0
    投稿日: 2015.03.01
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    劇的な展開があるわけでもなく山があり谷があるストーリーでもない。ただ単調に定年後のオヤジのエピソードを書いているだけだが妙に納得できた。自分も定年したらきっとこうなるのかなと。ゆったり読める作品。

    0
    投稿日: 2015.02.20
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    ニュータウンの住宅街で定年を迎えた山崎さん、町内会長さん、長らく単身赴任をしていたノムさん、そしてニュータウンの開発に携わったフーさんの日常を描く家族をテーマにした短編集。 重松作品らしい、なんだかほっこりした気持ちになる作品だった。自分の親父の姿がダブってきた。

    0
    投稿日: 2015.02.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    当時30代半ばであった重松清氏が、自身の父親世代を描こうとして作った作品、とのことです。 う〜ん、重松清は大好き(一番好きな作家を聞かれたら重松清と答える)なんやけど、これはあんまり好きじゃない。 僕が一番なりたくないと思っているタイプのおっさんがいっぱい出てくる。というかそういうおっさんしか出てこない。 「『なぜ働くのか』を考える暇もないぐらい、がむしゃらに働き続けてきた世代」といった紹介をされてたけど、僕の親父はそういうタイプの人じゃなかったというのもある。 こんなこと言いながらあと20年もすればこの人達の気持ちがわかってくるのだろうか。正直、やだなと思った。 会社を離れても一人の人間として立派にいられる、そんな人間を目指したい。

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    投稿日: 2014.12.25
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    四十代後半になり退職後の身の振り方を思う時があるこの頃、ニュータウンに住む者として先輩方の物語は自分の将来の物語のような気がする。仲の良い家族と新しい暮らしで出逢えた親友、フィクションだな!こんな良い話あるわけない。と思いつつ、描かれた街の背景にはあるあるって思う。定年ものでは、有川浩の三匹のオッサンがあるが、本作の方がいいな。

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    投稿日: 2014.08.09
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    団塊世代の親父から「まさに俺たちが言いたいことだ」と渡された本。 自分が主人公の娘に感情移入してしまうのは、家族の物語を書かせたら右に出る者のいない重松さんならでは。 過去のことを懐かしんだり驚いたり反面教師にするのはいい、けれど馬鹿にしてはいけない。その時代の幸せはこれだったのだ、と改めて思う。 自分だっていつか笑われる日が来る。その時に一緒に笑い飛ばせるオヤジでいたい。

    0
    投稿日: 2014.07.04
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    16年前の作品。 主人公たちと世代は違うが、今読んでいる時点では、同じ年代。身につまされる話もあるが、人生なかなか捨てたもんやおまへんぜ、そんな気持ちにさせてくれる。同年代ばかりでなく、若い人にもお勧め。

    2
    投稿日: 2014.06.23
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    都内から1時間以上離れた郊外にある「くぬぎ台」で 生活している定年を迎えた父親たちの暇な生活を綴った作品。 重松さんらしい、短編を最終的に1つの小説のように見せる方式であり、 定年後の日々を非常にリアルに表現しています。 奥さんに先立たれたり、離婚したり、 本人が定年後亡くなったり、娘が離婚したての男性と結婚すると言い 苦悩したりと様々な哀愁漂う話が続きます。 でも本書も最終的に家族愛や友情などを感じることができ、 読み終えると、ほっこりできます。 ちなみにゴジラというタイトルは、 くぬぎ台ニュータウンの構想の模型が途中にでてくるのですが、 その模型をゴジラのごとく踏み潰して破壊するシーンから取られています。

    1
    投稿日: 2014.05.26
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    長編小説。ニュータウンというにはもう月日が経ち過ぎている場所に住む、定年退職後の5人の男性の話です。 山崎さんは退職したばかり。二人の娘も大人になって家を出て、妻もニュータウンの奥様つながりで習い事など謳歌している。つまらないのは自分だけ・・ではなく、定年退職の散歩の先輩が沢山いた。ニュータウンを開発した藤田さん、町内会長、江藤さん、野村さん。ニュータウンに家を建て、懸命に働いてきた男たちの楽しくもちょっと切なくもある日々。 小説の舞台の時代背景が最初思っていたより古かったです。今の定年を迎えた人よりひと時代昔です。(初版が1998年) 「男子たるもの、一戸建てをたてる」という時代は過ぎましたが、時代が違ってもニュータウンじゃなくても共通する思いはあるのだなと感じました。

    0
    投稿日: 2013.10.05
  • 戦後の高度成長を支えたサラリーマンへの応援歌

    架空のニュータウン・くぬぎ台を舞台に、定年を迎えたサラリーマン達の「余生」を描いた小説。 作者の実際の年齢よりも遥かに上の世代を主人公として描いたからか、ところどころでわざとらしさを感じてしまったが、全体としては戦後の高度成長を支えた先輩サラリーマンに対する愛情が感じられ、読後温かな気持ちになれる佳作。

    1
    投稿日: 2013.10.05
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    重松清 この人は何故こんな温かくて優しい言葉が書けるのだろう。 所々で胸がつまり、鼻の奥がツーンと痛くなる。 それでも、自然と笑顔が零れる。 映像じゃダメなんだよなぁ。 文字だからこそ感じる事ができるんだよなぁ。

    1
    投稿日: 2013.08.14
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     開発から30年たったニュータウンで定年を迎えた男性たちの物語。山崎さん、町内会長、単身赴任帰りのノムさん、ニュータウン開発にかかわっていたフーさん。それぞれ居場所を求めて悩みを抱えながら過ごす第2の人生を描く。  一斉入居、ローン、均質なまち、閑静な住宅街、何もない…など郊外論やニュータウン論でよく指摘される街の課題がここにも描かれる。ただし私たちの持ち合わせる言葉では表し切れず、それら理論に立ち向かえない漠然とした気持ち、感覚的な郊外ニュータウンに対する思いというものが、小説の形で表現されることにより正確に繊細に伝わってきたように思う。良書。

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    投稿日: 2013.07.24
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    都心から電車に揺られて2時間。ニュータウン・くぬぎ台に住む山崎さんたち定年オヤジ(=定年ゴジラ)たちの「いまを生きる」。 小説現代に掲載された長編連作なのだけど、中盤は少し中だるみの感あり、といったところでしょうか。とはいえ、読んでて気持ちがいいのは、そのテンポ。ときおり顔をのぞかせる彼らの苦悩も、ホームドラマ仕立てのライトな展開の中で語られるからこそ、かえって現実味を帯びる。 おすすめの一篇は「ふうまん」。最後の一行には思わずひとりでにっこり微笑んでしまった。

    0
    投稿日: 2013.07.04
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    10年前の作品の、しかも定年後のオヤジを描いたものなので、登場人物の時代遅れ感が半端なくて面白い。「うわークソオヤジww」「可愛いじゃないかオヤジ...」「オヤジにも一人一人ストーリーがあるんだな」とほのぼのしながらも心動かされた。

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    投稿日: 2013.06.14
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    数名からも、重松清さんは、面白いって言われてまして とんび の著者だったので、とんび がテレビで見ていて 面白かったので買ってみました。 定年した以降のおっさんの話し。 舞台は、都心から急行で行って、ポツンとある新興住宅地。 結構面白かったです。 これ、5年以上前ですが、読んだことあったw

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    投稿日: 2013.05.28
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    定年した山崎さんと、彼の暮らすニュータウンの日常のお話。 有川浩の「三匹のおっさん」に近いのかなーと思ったけど、こっちはもっと切ない感じ。生々しいというか…。

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    投稿日: 2013.05.10
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    頑張って働いてきたオヤジたちの定年後の物語。これまでの自分の生き様が正しかったのか、これからはどう生きていくべきか模索しながら日々を過ごしているオヤジたち。あなたたちに家族はみんな心の中で拍手をして敬意を払ってるはず。第三の人生をまた新たに踏み出して、自分の居場所を見つけてほしい。そういえば、私のお父さんは何を考えていたんだろうなぁ。

    0
    投稿日: 2013.05.08
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    バブル期に同じニュータウンに持ち家を構えた企業戦士たちの定年後の友情、活動、哀しみ、おかしみを、ニュータウンの社会学的生態を絡めて点描していく。 宮台せんせは、こんなに優しくはないぞ。

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    投稿日: 2013.03.23
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    ニュータウンの生い立ちから終焉が人の生涯と重なり、生まれては消えいく運命のなかで、新たな命へ託す想いと次の世代に何が残せるか、軽快な話の展開の裏で考えさせられる。

    0
    投稿日: 2013.02.10
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    家庭を省みず、仕事に追われ、それを無我夢中にこなしてきた男たちが、突然定年退職と言い渡され、その後、つまり定年後の生活を描いた作品。 間違いなく今の日本を支えて来たのは僕らの父の世代。それで僕らは幸せを掴むことができた。 でも、本文が僕の気持ちを言い換える。「がんばることが常に最善のことではない。…個人にとっての幸せのかたちがこれほどまで多様化してしまった現代を生きる日本人は、少しずつそのことを考えはじめたほうがいい」 幸せの形、僕の幸せの形見つけなきゃ。

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    投稿日: 2013.02.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    仕事人として人生を疾走してきて、定年を迎えて、さあ、どう過ごそう。はたと立ち止まり困惑する、そんな普通のお父さんたちの物語。 お父さんたちの共通点は、同じニュータウンの住民である、ということ。そして毎日の日課である散歩を通じて知り合い、交流していく。 それぞれに家庭を背負い、それぞれの形で働いてきた今、家族の形が変わる中で、父親としての存在や立ち位置は当然それぞれの家族で異なる訳で、それぞれに物語が存在する。 家族の中で父親とは?ニュータウンは故郷たり得るのか?定年後をどう生きるか?この小説の時代は少し前ではあるが、団塊の世代の一斉定年退職を経た現代、これらの課題はより現実味を増して、社会の課題となっているのではないだろうか。 重松はいくつかの人生を描いているが、それぞれに回答を用意してはいない。それは家族の形が千差万別であるように、答えが一つではないためであり、そしてその答えが正解か不正解かも、果たして答えがあるのかどうかさえも、それが正しい場合もあり得るためではなかろうか。 ただ、ちりばめられたエピソードの中で”こうあってほしい””こうあるべき”という普遍性が描かれているところに、人間性を感じた。ニュータウン批判ばかりの中に「生きている人間がいる」「人生がある」生身の訴えが通じたり。自宅の敷地担当分をきっちり雪かきする現代っ子、それを父親(たち)がカバーしたり。そういった微笑ましい人間性、だんだんなくなりつつあるよな・・・と、温まるとともに、寂しくもなる。

    0
    投稿日: 2013.01.31
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    開発から30年のニュータウンで、定年を迎えた4人のおじさんたち。 いろんな背景や想いを抱えながら、自分の居場所を探してゆくんだ。 わたしの実家も、ニュータウンだった。いまや、年寄りの街。父も、もし生きていれば、こんなだったのかな、とか思っちゃった。 がんばれ、おじさんたち!!

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    投稿日: 2012.12.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数十年前に開発されたニュータウンに住む、定年後のサラリーマンの生活を描いた作品。 自分の親世代ぐらいなので、親もこんな風に思ったり感じたりしてるのかなぁってぼんやり考えさせられる作品だった。

    0
    投稿日: 2012.12.20
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    ニュータウンに住む定年になった面々。近所や家庭の問題を颯爽と、というよりかっこ悪くも暖かく解決していく。  おじさん達、頑張れって応援したくなる。でも私の応援なんていらない位、毎日頑張っているんだ。

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    投稿日: 2012.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    定年を迎え、趣味もなく毎日することがない男たち。 散歩をし始め、次第に仲間ができ、その仲間たちの定年後のさまざまな葛藤や新たな挑戦を描く。

    0
    投稿日: 2012.10.07
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    作者同様にこの本で描かれる主人公世代に対して私は疑問を持っているが、ある意味現世代以上に精一杯懸命に生きてきた人達であることは確かである。 その世代への共感ではないが感謝をこの作者は他作品同様巧みに表現していると感じる。

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    投稿日: 2012.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいてなんだかほのぼのしました。 実際の定年期のおじ様方のことはよくわかりませんが、働きづめだった毎日がいきなり通勤しなくてよい、家にいろと言われても・・・という戸惑いは判るような気がします。定年後の楽しみは…という話も聞きますが、実際のくらいの方が充実した(定年後の)生活を送っているのでしょうね? パッと投げ出されてしまったらどうしていいのかわからない方も多いと思います。そんな中でのこの作品、ありそうだね、あるよね、と思える話が詰まっていました。 山崎さんの家族事情の描かれ方がなんともいえず…ほのぼのするなあ、と。家族間の問題も多く有りますし、地域の問題もあります。でも、なんだか、山崎さんが奥さんと笑っている姿が思い浮かべることができて、ほっこりするのです。

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    投稿日: 2012.08.20
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    くぬぎ台というニュータウンを舞台に銀行を定年退職した山崎さんが主人公の話。 近くに住んでいる定年組で散歩をしてお酒を飲んで色々語ったり、2人の娘や妻の心配をしたり、定年離婚や病気に昔の友達との再会。 様々な話が詰まっております。 世代は離れているけれども、感動するシーンが多く勉強になりました。 4章がお気に入りです。

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    投稿日: 2012.07.31
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    「ニュータウン」の老朽化はニュースでもよくとりあげられている。 同時期に同世代が入居し、同じように老いていく。 そんなわかりきっったこと 「その時」が来なければ実感できない。 “街”は老若男女、富めるもの、貧しきもの、 こちゃこちゃで、ヤヤこしくて・・・ “街”なのだ。 理想的な“街”は・・・人工的に創られるものではない。

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    投稿日: 2012.07.25
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    『疾走』が借りられなかったので、とりあえずこれを。終身雇用、庭付き一戸建てといった一昔前の神話を信奉してきた団塊の世代の平凡なサラリーマンが定年を迎えた物語。 それ程昔ではないはずなのに、随分状況が違うなぁ~…と。定年退職後の悲喜こもごもな日常をなかなか感慨深く描いている。

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    投稿日: 2012.06.17
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    三匹のオッチャンたちには遠く及ばないゴジラ達であるが、どちらにも言えるのが奥方たちの出来の良さである。 会社人間であればなんでも通用した最後の世代であろうゴジラたちでも、やはり今まで蓄積してきた日々の過ごし方はそのままキチンとはね返ってくるものなんだな〜。濡れ落ち葉扱いされることもない定年後でよかったね。 かくいう私もそう遠い先の話ではないし、連れ合いを大事に過ごさねば。

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    投稿日: 2012.05.07
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    小説家って、すげーな、って思った。イメージや身近な事件、題材をネタにして膨らませてるんだろうけど、この年の方たちの心模様を、こうも巧みに捉えるかね、と感じてしまった。まぁ、自分がその年代でない以上、あくまで空想、イメージの範疇を出ないんだけど、それでも主人公たちの悲哀や喜びを肌で感じさせる筆力には、感動してしまった。60過ぎて、もう一回読んでみたいね。

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    投稿日: 2012.04.02
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    定年後の平凡な暮らしを描いているが、一つ一つの話に温かみを含め、胸が熱くなった。 ニュータウンの仕組みについて勉強することができたし、 定年した人間の新たな人生について、何を考え、どう生きていくかを垣間見ることが出来た。 しかし如何せんドラマティックな展開も無く少し退屈に感じた。 また、やはり定年を過ごす人にしか理解できないこともあるのだろうなと思う。 この小説の深い部分は今の私では分からないし分かってはいけないのだと思う。 本棚に眠らせておいて、定年後にもう一度読み直したいと思う。

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    投稿日: 2012.01.18
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    私は、冬だとまだ暗い毎朝6時頃近くの公園の中を通って通勤している。団塊世代の定年が話題になった2〜3年前頃から朝早くから公園の中をランニング、ウォーキング、犬の散歩をする中年男性やご夫婦の方が急に増えてきた。それを「暇でいいな~と思いながら」横目で見ていたけど、この本を読んでちょっと見方が変わりそう。 自分ももう10年程すれば定年を迎えるが、多分この本の主人公達と同じ様に思い、感じるのだろうと思う。 読んだ後、何故か清々しい気持ちになる本である。

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    投稿日: 2012.01.09
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    ニュータウン・くぬぎ台。 世代ごとの価値観や、時代の違い、これらはどうしようもないこと。 だけどそれらによって現代日本に問題が起こっていることは事実なんだ。 なんとなくテレビのドキュメンタリー番組や心理学論文で耳にしていたせいか、読んでいてリアルに感じた。 重たかったよ。 こういう世代は、頑張って生きてきて凄く良いものを持ってる。 凄く良い人材なんだよ、、! 人生の先輩なんだよ、、! まだまだ燃えたい人はいるんだよ、、! この人達の活躍の場があったらいいな。 実際はどんなことを感じてるんだろう? ゼミで今それをテーマに調査を始めた。 調査をはじめるきっかけのひとつがこの本。

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    投稿日: 2011.11.29
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    団塊の世代と言われるおじさんたちへ贈るニュータウンレクイエムです。 先日多摩ニュータウンの一部が老朽化から新しく建て直すこととなったニュースを見ましたが、今現在の日本各地にあるニュータウンの高齢化問題を軸に団塊の世代のおじさんたちの悲哀が丁寧に描かれています。 私は団地っこでしたのでニュータウン(=マイホーム)とは縁が無かったせいかどうにも感情移入が出来ないままに読了。 重松お得意のおじさま描写はリアルで少し物悲しくさすがとしか言いようがありません。 が、それと面白いか面白くないかはまた別問題で、私にはちょっと合わずこのサイズの単行本に3日以上かかってしまいましたw タイトルからして合わない気はしてたんですが、まぁニュータウンに少し造詣が深くなれたかな?というところでは収穫アリです。

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    投稿日: 2011.11.05
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    電子書籍で読了。 架空のニュータウン・くぬぎ台を舞台に、定年を迎えたサラリーマン達の「余生」を描いた小説。 作者の実際の年齢よりも遥かに上の世代を主人公として描いたからか、ところどころでわざとらしさを感じてしまったが、全体としては戦後の高度成長を支えた先輩サラリーマンに対する愛情が感じられ、読後暖かな気持ちになれる佳作。

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    投稿日: 2011.10.31
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    このテの話に弱い。 ニュータウンで迎える定年。4人の元サラリーマンが悩みながら生きがいを見つけていこうとする。 同世代・同じような収入、同じような家族構成ーニュータウンという特殊な空間に改めて驚く。

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    投稿日: 2011.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編の連作です。 重松氏が親父の世代を書きたかったという作品です。 ニュータウンが舞台で、定年後の生活が描かれています。 テーマは「家族」。 短編集ですが、物語がつながっていくので、長編のようなしっかりとした本です。 とても面白く、あっという間に読めました。 きっと これを読んだあとは父親に対して理解ができ、優しく接することができるような作品です。。 これも手元においておきたい作品です。

    7
    投稿日: 2011.09.30
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    都心から急行で2時間、老朽化したニュータウンで第2の人生を送る元サラリーマン4人組の物語。 カテゴリをほっこりにしてますが、ところどころ切ないです。企業戦士として頑張ってきたら、定年後に全く居場所がない!そんなおじさんたちの悲喜こもごものお話。さすがに私はそこまで感情移入できなかったけど、世のおじさま方はきっとものすごく共感しちゃうんだろうなぁ。

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    投稿日: 2011.09.11
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    気づけば、山崎さんたちに父親を重ねて読んでいた。 たぶん自分の父親にも家庭に対する夢があったんだろうな。 切ないけど、あたたかいお話。

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    投稿日: 2011.09.10
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    この本は今から10年前に重松さんが30歳代に書かれた本だが、定年になり再就職しながら毎日の生活を楽しんでいる小生だが読みながらフフフなるほどその通りと思ったり、主人公のように娘がいたら良かっただろうなあとうらやましく思ったり自分と比較しながら楽しく読めました。

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    投稿日: 2011.09.02
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    高度経済成長からバブル崩壊まで経験し、とにかく突っ走ってきたサラリーマン。仕事や家族の人生の夢が詰まった郊外ニュータウンのマイホームを舞台に定年後の人生が始まる。 趣味が無い、家に居場所がない、子供達とうまくやれない…でもみんな必死に頑張って人生を作り上げて辿り着いた今なんだ! 僕たち世代もそこに向かって怖がらずに前だけ向いて行けば良いさ。なんて少し元気もらっちゃいました…

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    投稿日: 2011.08.15
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    定年はまだまだ先の話なので、自分に対比しての共感は少なかった。 ただ読んでいて思い出すのは親父の事。 サラリーマンとして一家を築き、今は悠々自適の定年生活。 ただ親父にも様々な苦悩や葛藤や幸福があり今に至るんだと再認識させられました。 昔に夢見た生活とは程遠いいのかもしれないけど、ちっぽけでも家庭を築く事の大変さが伝わってくる。

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    投稿日: 2011.06.28