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不毛地帯 第一巻
不毛地帯 第一巻
山崎豊子/新潮社
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総合評価

142件)
4.3
56
50
14
2
1
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     この著者の本は、なんといってもリアリティが半端なくて、事実よりも実態を明らかにしてくれる。第1巻は戦争の現実を描いているが、「大地の子」で描いた被害者の立場ではなく、現実に戦争を遂行させられた者を描いている。戦争で最も悲惨な被害を受けた者は、満州で見捨てられた孤児もそうなのだが、シベリアに抑留された兵士も悲惨であった。それほど苦労して11年ぶりに帰国したのに、ソ連で洗脳された人のように扱われて差別を受けるというのが現実だったのであろう。それにしても、戦中も戦後も、大勢に迎合する人の陰で、不合理な差別を受けるという社会は変わっていないのだと。オーディブルで聴き始めたのだが、面白い。

    57
    投稿日: 2025.10.13
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    シベリア抑留という言葉しか知らなかったが、この不毛地帯第1巻を読んで、その過酷さに驚く。小説ではあるが作者の取材力を考えれば実際に起きたことを再現していることは理解できる。

    0
    投稿日: 2025.08.16
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    シベリア抑留。 日本史ではあまり取り上げられていないが、本当に非人道的な行為であることをこの本を通じて知ることができました。 主人公の壮絶な人生をこれから一緒に歩んでいこうと思います。 テーマが重くて読んでるだけでも苦しいのです。

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    山崎豊子『不毛地帯』新潮文庫 読了。極寒と砂漠、二つの不毛地帯。シベリア抑留から帰還した元大本営参謀が商社マンとして第二の人生を歩む社会派小説。戦闘機選定争い、自動車会社提携交渉、そして石油開発。作戦力と組織力で商戦に挑んでいく。社長に引導を渡した際の主人公の出処進退が鮮やかだ。

    0
    投稿日: 2025.06.11
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    これ、ほんと辛い。 シベリア抑留の言葉は知っていたものの、現実はどうだったか全く知らなかったので、酷すぎる内容に言葉を失う。 この世の地獄と言っても過言じゃない。

    7
    投稿日: 2025.05.03
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     戦争が終わり多くの兵士が祖国へ戻った。シベリアの収容所に囚われた者たちは帰国の望みを胸に極寒の地で耐え続けた。主人公・壹岐正もその一人だった。旧日本軍の中佐として戦い敗戦と抑留の苦しみを味わった彼は十三年の歳月を経てようやく帰国することとなった。  祖国は旧軍人への風当たりは強く戦争の記憶を背負う者たちの居場所はなかった。そんな中壹岐は大商社に身を投じることにする。そこでは戦闘機納入、弱小自動車会社への投資買収、石油開発をめぐり、企業間、同僚間で熾烈な駆け引き、戦いが繰り広げられる。親友の自殺、妻の事故死という悲劇にも耐え精一杯の任務、役割に信念を持ち務める。ワンマン経営のトップにも翻弄され人事の争いにも巻き込まれるも中途採用ながら軍人として培われた戦略知力のもと大出世を果たす。  軍人として経済人として何を守るべきか。親友の自殺、妻の事故死という悲劇にも耐え壹岐はただただ前を向く。  人は運命に翻弄される。社会というのはやはり不毛の地なのだろう。であってもなお信念を貫く者に新たな道は開けるのだろうか。

    1
    投稿日: 2025.02.22
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    戦争の悲惨さを学んだ。歴史の授業では軍部が暴走して戦争を始めたように教わりがちだが、恐らく当時の世界情勢から、戦争をせざるを得ない状況、抗わないと支配される状況であったのだろうと推測した。単に野蛮な軍人もいたのだろうが、多くの軍人は、この本の登場人物のように、家族や愛する人、郷土を守るために戦わねば、勝たねば、と考えて行動していたのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2024.11.30
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    シベリア抑留の悲惨さをこれでもかとしつこく描かれています。寒さ、日本人同士の妬み、尋問、社会主義、重労働。こんな環境で11年も暮らせるとはとても思えません。

    0
    投稿日: 2024.11.23
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    今の多くの日本人が知らないシベリア抑留の話。もちろんこれは小説ではあるが、今を生きる日本人が是非とも知っておくべき事柄。

    0
    投稿日: 2024.10.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シベリア抑留が過酷さ、いつ帰れるかもわからない希望がない状況で、寒さと飢えに耐え忍んできたかを実感した。一人だけで他の場所に移動させられ取り調べを受けたり独房に入れられたりと、そんな時も途中で会った日本人に気遣うところは、なんと人間のできた人だと感心した。途中、堀が自死するところはなんともいたたまれず、若いが故の咄嗟の判断なのか、もっと泥臭く生き抜いて欲しかった。 人間は、ある意味どんな時も最後は精神力の強さが必要だと平和ボケしている普段の生活を考えさせられた。

    1
    投稿日: 2024.10.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終戦後に派遣された旧満州でソ連軍に抑留され、壱岐正は11年にわたりシベリアで理不尽な扱いを受ける。帰国後、近畿商事の大門社長に手厚く迎えられ、現場を見ることが大事とアメリカ出張の同行を求められる。一方、義父からは政治を志さないのかと諭される。11年の空白を埋めながらこの後、壱岐がどのように身の振り方を決めていくのか、アメリカ出張で何かが変わるのか、2巻に続く。

    0
    投稿日: 2024.06.30
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    詳細な描写からシベリア抑留を深く知ることができた。壮絶という言葉には収まり切れない凄まじい体験がそこにあったこと。また戦争は絶対にやってはいけなく、やるからには勝たねばいけない。このことが深く突き刺さる思いで、当時の人たちの心情に思いを寄せようとしても平和な時代に生まれ育った自分には想像だにできない。このことを小説で読めることに感謝したい。

    0
    投稿日: 2024.06.02
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    戦争はしてはならぬ、する限りは絶対、勝たねばならぬ、と思い知った。 p63 古代民族の戦勝者は、敗者の将は殺し、士卒は奴隷とし、女は妾とし、本能の欲するままに振る舞ったが、むしろその方が正直ですっきりしている、法の裁きの仮面の下で、無力の敗者を虐げる近代人の偽善の方がよほど罪深い p211 寺田は、壹岐の眼の中を凝視するように云い、入抗の列の中へ消えて行った。壱岐はそのうしろ姿を、見送った。僅か数分だけの出合いであったが、互いに明日知れぬ命であることを思い、壹岐は、いつもこれが今生の別れになるかもしれぬ思いをもって、言葉を交わし、その姿を見送っていた p352 「怪我ではないのです、私は、自分で、自分の指を、切り落としたのです─ もう作業が辛くて、苦しくて、何とかしてこの重労働から逃れたい、ただ逃れたいという一心で、やってしまったのです」 そう云うなり、寺田は、張り詰めていた気持が一挙にくずおちるように、咽喉もとを震わせ、慟哭した。壱岐は、もはや言葉もなく、寺田の枕もとにたち尽し、自らの眼からも、涙が溢れ落ちた。作業から逃れたいというその一言は、寺田のみならず、壹岐も、そしてラゾ鉱山で働く囚人すべての血の叫びであった。p364

    0
    投稿日: 2024.05.17
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    山崎豊子・戦争3部作 『不毛地帯』第1巻。 大本営参謀・壹岐正。戦後11年間、シベリア抑留、強制労働… あまりにも過酷… 絶句しかない。 寒さと飢え、寒い、痛い… 俘虜を人ととして扱わず、単なる労働力としか見ないソ連… その振る舞いは現代につながる… 近畿商事社長・大門の熱心な誘いにより、第二の人生を商社マンとして歩むことを決意した壱岐。『商戦』という名の戦いへと… 第2巻へ。

    19
    投稿日: 2024.01.27
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    15年ほど前にドラマ化された事もあるので知っている人も多いと思うが、この1巻だけでも原作を読んでほしい。シベリア抑留の壮絶な内情が見て取れる。 戦争はしてはいけないものだが、それ以上に負けてはいけないものということを強烈に認識させてくれる。 ウクライナは早くロシアに降伏した方が被害が少ないとか言ってる頭お花畑の諸氏はこれ読んで反省を大にしていただきたいところ。

    0
    投稿日: 2023.12.30
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    極めて個人的な理由があって、今更ですが読むことに。実は初山崎豊子。 まず、1巻はシベリア抑留の話、という背表紙の解説を読んで、いきなり読む気をそがれてのスタート。 というのも、シベリア抑留から帰還、と聞いただけで、過酷な環境で理不尽に耐え続ける重苦しい話だと想像できてしまうから。できればこの巻は飛ばしたい気分なんだけどな、などと思いつつ読み始めた。単純に、辛い話に対する耐性が年を取るにつれどんどん弱くなっているからなんだけど。 右翼っぽいナレーションにややゲンナリ。 この時代の話を日本人が描くと、どうしてこうなっちゃうのかしらん。 将校クラスが捕虜となった時の待遇が一兵卒より優遇されて当然、的な考え方は、別に山崎豊子さん個人の考えではなく、国際法的にも常識的にもそうなのかもしれないけど、個人的にはなんだか納得いかない。 一歩兵だろうと高官だろうと人権は同等じゃないの~?と叫びたい。 終盤で、やっとシベリア抑留の話が終わってホッ。 ここからが読みたかった部分なので。 後半の相場の話はちんぷんかんぷんだったけど、でも意味もなく虐待される話はもう十分だったので、そこから私のテンションはやや上向きになった。 ソ連が終戦直前で日本との条約をアッサリ破って参戦したのは、ほんと、なんつーか、いつ聞いても、国として、国際社会では必要な「ずるさ」かもね~などと思ってしまいまふ。 平和な時代の一個人としては必要ない能力ですけどね。 ということで、今のところ読む前に想像したとおりの流れで特におもしろくないです。今後に期待。 壱岐氏が近畿商事に雇われた理由はおもしろいと思う。 実に商社っぽいとも思う。

    4
    投稿日: 2023.09.23
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    山崎豊子先生の超大作にして代表作。 一巻は主に、主人公のシベリア勾留から商社に入社するまでの話。 日本敗戦濃厚と見るや、条約を破って満州に進出し、戦後のどさくさに紛れて捕虜を強制労働に従事させたロシアは本当に卑劣である。 この問題こそ、戦後何十年経った今でも賠償請求をして許されるのではないかと思えるほどに理不尽。 主人公のモデルになった人物が、ここまで清廉潔白な人物だったとは思わないが、シベリア勾留、日本の戦後復興について非常に勉強になる。 内容は難しいはずなのに小説だから読みやすい。そして、引き込まれるストーリー構成は、さすが山崎豊子先生。

    0
    投稿日: 2023.05.25
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    超大作。 一話は戦中〜戦後のシベリア拘束期間が大半。時代の不遇さと愛国心の強烈さに終始目が奪われた。

    0
    投稿日: 2023.05.07
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    山崎豊子さんの大作、安定の読み応え。 第二次世界大戦末期、大本営参謀壹岐正は満州でソ連軍に勾留され11年をシベリアで過酷な強制労働に従事する。 帰還後大商社社長大門に目をつけられ熱心な勧誘に応え商社マンとして第二の人生を歩むことを決意する。 第1巻はシベリア強制労働時代の話が大半。 同朋や自身の過酷な運命や些細な人の温かさが描かれています。

    0
    投稿日: 2023.05.03
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    圧倒的なボリューム感。早くこの小説に出会いたかった。ここまで命懸けで生き抜いた人が生きていた時代に我々の時代が勝てるはずがないと思ってしまった。

    1
    投稿日: 2023.01.29
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    山崎豊子の小説は初めて読んだ。フジテレビのドラマが面白かったので、原作はどんな感じなのかと手にとってみた。全5巻だし、テーマも重厚なものなので、読むのはさぞ大変だろうと思っていたが、かなり読みやすかったし、面白かった。知らなかった言葉もたくさんあり勉強になった。わくわくしたり犯人が気になったりするような小説ではないのに、先へ先へと読み進めたくなる面白さがあった。

    0
    投稿日: 2022.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

     瀬島龍三氏の生き様については、「人間的魅力の研究」「幾山河」などで読んでいます。山崎豊子さんの「不毛地帯」、大作・力作だと思います。第1巻が638頁(2009.3発行)、第5巻まであります。気合を入れて読んでます。第1巻、濃密でした。壹岐正(瀬島龍三がモデル)の生き様。大本営参謀、関東軍参謀、シベリア抑留、ソ連の非道さ、引揚、家族との生活、商社に就職・・・。読んでて、ロシアのウクライナ侵攻と重なってきました。ロシアは人口の五分の一が囚人(国内外、非合法)、囚人で国家建設。帝政ロシアからの伝統とか。う~む

    0
    投稿日: 2022.09.13
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    実在の商社マンをモデルとした本書。 戦時中参謀長として何十万もの兵士を動かしていた主人公が、敗戦後11年間もシベリアに抑留され、拷問や労働など過酷な生活を強いられたことが第一巻で細かく描写されていた。 この過酷な抑留生活に耐えて、日本に帰国したあと、彼の第二の人生が始まる。どんな商社マンになっていくのか、次巻が楽しみ。

    1
    投稿日: 2022.08.03
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    久しぶりに大作を読んだ。山崎豊子氏の不毛地帯である。どんな内容か全く知らないまま読み始めた。 第二次世界大戦で日本軍の参謀だった壹岐は、戦後シベリアに抑留され、11年もの長い月日を寒さと飢えに耐え忍びつつ、過酷な労働をさせられた。ようやく日本に戻ることが出来てからは、関西の繊維系総合商社に採用され、ビジネスマンとして商才を次第に発揮していく、というストーリー。日本の潰れそうな自動車会社とアメリカのオートメーカーとの提携を仲介したり、イランで石油を開発するスケールが大きい仕事が見事に描かれている。 まず、シベリアに戦後抑留された人々のことをあまり知らなかったので、こういうことがあったことに衝撃を受けた。先日読んだ「大地の子」では中国に残留した日本人の話を読んだが、それと少し共通するところがあるかもしれない。第2巻からの、壹岐が商社マンとして挫折しながらも国際的な案件に次々と関わっていく姿は、とてもリアルだった。偶然にも、私も中東の石油開発関連の仕事をしているので、時代は1970年代で仕事の仕方は少し違うとはいえ、手に汗握る展開だった。主人公の壹岐の生き方に学ぶところが多くあった。 毎回、山崎氏の取材力には本当に舌を巻く。小説家という全く畑違いの分野の人が、いろいろ調べてここまで書くというのは、その世界にどっぷりつかっている人間からみたら、感心を通り越して呆然とするレベルである。 読後感も素晴らしかった。またいつか読みたい。

    1
    投稿日: 2022.01.13
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    アメリカの産軍複合体と、防衛庁、元大本営参謀がらみなど、きな臭い話を、山崎豊子はよく取り上げたとおもいます。田中角栄が失脚した背景を含めて、日本の連合国軍の占領統治がまたおわっていないような錯覚を覚えました。

    8
    投稿日: 2021.08.30
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    シンドラーのリストを観たすぐ後に読んだからか、それともこの本自体の描写のおかげかはわからないけど、シベリアでの話を読んでいると収容所での生活の光景がありありと浮かんできた 「戦争」という悪行の裏にはそれを是と信じて自分の全てを賭けた人たちがいて、戦争を推し進めたことについての個々人の責任ってなんなんだろう?と思った 兵隊だったら自死することで責任を取るけど、商売の世界では自分の失敗を売上で取り返すことによってのみ責任を全うできるってくだり、印象に残ってる 主人公がこれからどうなっていくのか、楽しみだあ!

    0
    投稿日: 2021.07.24
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    久しぶりに読み返していますが、何度読んでも主人公の「強さ」と「人間としての弱さ」、そして「圧倒的な社会・現実の残酷さ」を感じさせる小説で、色あせることのない魅力を感じます。 シベリアでの過酷な抑留生活は、決して忘れてはならない戦争の被害の一つだと思いますし、「旧軍人(大本営の参謀という中枢にいた人間であるからこそ)としての戦後の苦労」も、ただの「自業自得」とは言い切れないあたりに、著者の戦争へのまなざしがあるように思います。 確かに、戦争を主導した軍部にいた壹岐に責任が全くないわけではないでしょうが、彼一人がその責を負わなければならないわけではありませんし、かつての軍歴を活かして防衛庁に就職するものがいたり、苦労しながら一般企業に勤める者がいたり、世を捨てて僧籍に入るものがいたりと、どの生き方が「正解」ということはないのだろうと思います。壹岐がその生き様のなかでどのように「第一の(参謀・軍人としての)人生」をふり返り、何を目的に「第二の人生」を歩んでいくのか、ということを通して、如何に生きるべきか、ということを見つめなおす小説だと思います。 第一巻ではシベリアでの抑留生活が中心に描かれており、壹岐の苛烈な闘いの日々を垣間見ることができます。商社(近畿商事)では繊維部に籍を置きますが、右も左もわからない中で仕手戦を仕掛けている同僚たちを眺めているだけ、という何とも歯がゆい状況です。 仕手戦についての描写は少しわかりづらく、近畿商事がなにを狙っているのか、対抗している相手はどのように動いているのかがイマイチつかみきれず、置いてけぼりにされた壹岐もきっと同じような心持なのだろう、と思わされました。

    0
    投稿日: 2021.05.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    300ページ以上続くシベリア抑留が予想以上に長くて若干退屈でしたが、それ以降はかなり面白い!!また、後々シベリア抑留での話がいろいろ伏線にもつながるとの事ですので、続きがかなり楽しみです♪

    0
    投稿日: 2021.03.31
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    全5巻通してのレビュー 昭和初期から敗戦までの期間は苦手であるし、小説を読むのも躊躇っていた。 第二次世界大戦に突入せざるを得なかった経緯も、戦時中の「大本営発表」も、その言葉を聞くだけで嫌悪感でいっぱいになるほどだ。 適切な表現が思い浮かばないが、 シベリア抑留中のまさに物理的な「不毛地帯」で過酷な運命にも関わらず生き延び、そして、近畿商事に入社後の精神的な「不毛地帯」にありながら、主人公の壱岐さんが、どれほどの重荷を背負っていたか…想像を絶するものがある。 シベリア抑留中の苦悩や肉体的・精神的なダメージはもちろんですが、帰還後の商社での活躍における裏の部分での苦悩や精神的ダメージは計り知れない。 どうしてここまで、頑張ることができたのか… 主人公の大きな支えは朔風会の谷川さんをはじめ、シベリアで共に苦労をした仲間との絆であり、近畿商事内部における、信頼できる人間関係と組織。 文字通り四苦八苦しながら、清濁合わせ飲み、戦中・戦後を生き抜いた壱岐正という人物から伺えるのは、筋の通った人間だからこその生き方でもある。 それが一番顕著に伺えるのは、自分の辞表と引き換えに、大門社長へ社長退任→相談役への就任にとりつけながら、自分もひっそりと表舞台から消えていくところだろうか… 色々な方々の犠牲の上に成り立った結果ではありますが、ワンマン経営体質の会社から、組織経営の会社に変貌させた壱岐さんの力量に脱帽である。

    0
    投稿日: 2020.09.25
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    シベリア抑留された元軍人が戦後日本で商社マンとして活躍するという触れ込み。ただ、1巻は入社するまでの回想でほぼ終了。シベリア抑留についての壮絶な描写が心に残る。特に、収容所で形成されていった、新左翼じみた自治組織が非常に怖かった。そしてそのような状況の中でも、信念を保って帰国の日まで耐え忍び続ける人々の姿には胸打たれるものがある。戦後中国大陸にいた人々の苦悩と奮闘は語られることが少ないが、これらはもっと知られるべきだと切に思う。

    0
    投稿日: 2020.06.13
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    ブクログに登録するため読み返し。 この第1巻の中心は主人公である壹岐正のシベリア抑留時代であり、シベリア抑留の悲惨さがリアルに伝わってくるため、本巻はあまりじっくりとは読みたくない。しかし商社に転じてからの壹岐正の生き方へ影響する大切な話である。 この第1巻ではまだ近畿商事へ再就職したばかりなので、この巻での壹岐ははっきり言ってダメサラリーマンである。だがそうした壹岐の能力を見抜いてスカウトした大門一三の眼力の鋭さと商社マンとしての非凡さが読み取れる。

    0
    投稿日: 2020.06.06
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    【感想】 戦後11年間のシベリア拘留を経て、近畿商事という総合商社に入社した元日本陸軍中佐の物語。 シベリア拘留のエピソードが生々しくて、読んでいてかなり衝撃を受けました。 戦後、異国であんな風に虐げられ苦しんだ人がたくさんいたんですね。。 「終戦」とは名ばかりで、戦争が終わっても、戦争中かもしくはそれ以上の苦しみを味わっている人がいる。 安易な一言ですけど、、、やっぱり平和が1番ですね。 あと、先物取引関係が難しすぎてまったく理解できず… ただ商社の多忙さやバイタリティーの描写は見ているだけでわくわくしたなぁ。 商社マンのエリートっぷりは本当にカッコイイ!! 600ページ強のボリュームで時間かかったが、とても面白く読めた。あと3巻あるけど楽しみ(^^)

    39
    投稿日: 2020.05.24
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    極寒の中で強制労働を強いられた方々の辛さをわかったと言うことは出来ませんが、昔の日本やソ連、戦争の悲惨さなどを改めて考えるきっかけになりました。

    4
    投稿日: 2019.12.08
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    内容紹介 拷問、飢餓、強制労働――地獄のシベリアから生還した男。 商社マンの孤独な戦いを通じて戦後史を活写する記念碑的長編。 大本営参謀・壹岐正は、終戦工作に赴いた満州でソ連軍に抑留される。 酷寒のシベリアで、想像を絶する飢餓と強制労働に11年にわたって耐え抜き、 ついに昭和31年、帰還を果たした。 その経歴に目を付けた近畿商事の社長大門の熱心な誘いに応え、 第二の人生を商社マンとして歩むことを決意。 地獄の抑留生活の傷も癒えぬまま、再び「商戦」という名の新たな戦いに身を投じる。

    5
    投稿日: 2019.10.29
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    2019.5.15.挫折。戦争の世界も商社の世界も無知過ぎて何もわからず読み進められなかった。本当は知らない時代・世界(特に戦争)にこそ興味を持って読み進めなければと思うものの、いまの自分には無理だった。いつか読めるようになることを願う。

    1
    投稿日: 2019.05.16
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    ひたすら引き込まれます。 シベリアでの11年の勾留。まったく畑違いの商社での第二の人生。圧倒的な取材と筆力。ドラマとはまさにこういうものを指すのでしょう。これがあと4巻つづくという幸せ。

    1
    投稿日: 2019.01.11
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    2018年12月9日、読み始め。 2018年12月23日、読了。 大本営参謀・壹岐正が主人公と思われるが、シベリア抑留から商社マンになるまでのことが書かれている。 シベリア抑留時代は、重い内容。

    4
    投稿日: 2018.12.09
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    色んな方向と色んな種類の思いが(自分の中に)ありすぎて、感想が言えない。時間がかかってしまったけど、頑張って読んだ。

    1
    投稿日: 2018.12.07
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    複数冊ある長編が苦手&ガチガチのがめつい商社バトルが苦手なため手を出しかねていましたが読み始めたら止まらず、あっという間に一巻を読み終えました。 敗戦直後の死に傾く気持ち、シベリア抑留の辛く厳しい11年間、戦争後13年経った日本、近畿商事の繊維部と海外部の事業説明。 一巻の大半を占めるシベリア生活はその日を生きのびるが不思議なくらいの、空腹と重労働と絶望の毎日。敗戦の将は、捕虜法も人道的な取り扱いもそっちのけでソ連の人の気分次第で生死が左右される。「勝てなければ戦争をしてはいけない」という言葉がしみた。 日々の労働に耐えきれず指を切り落としたり、壊血症で歯が抜けたり、スープの濃さ薄さで僻みあったりそれでも仲間意識を忘れずに助け合い経営側と対立したり。 繊維の話は売り玉だの買い下がりだの30番だの用語がよく分からず大阪の言葉だらけだったけど、熱い意気込みと勢いがよく伝わる。今後はこんな内容ばかりになるのだろうか。 不毛地帯は主人公の壹岐とその家族が、高潔で筋が通っており、恥ずかしくない心情と行動なので、恐らく今後のストーリーは、主人公がどんな苦境に立たされても読者を裏切ったり落ちぶれたりはしないだろうと、そこは安心して読める。

    2
    投稿日: 2018.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    太平洋戦争終盤から前後を舞台にしたフィクション。シベリアで抑留された元軍人の主人公が商社に招聘され、文字通り血生臭い商戦が繰り広げられる。今さらですが最近思うんですよね。人ってスキルとか能力ではなく、器量とか人間性についていくんやなぁって。自分の浅はかさに落ち込む反面、器量ある人に出会える機会が増えた有難さがあります。

    1
    投稿日: 2018.03.11
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    びっくりした。かなり面白い。知識としては知っていたシベリア抑留に関して、過酷な現実がこれ程までに生々しく描かれていると、同じ日本人として知らなかった事が多すぎて恥ずかしくなる。敗戦後、日本の発展の礎を築いた財閥や商社を舞台に、ソ連での回想を交えながら、静かにストーリーが始まってゆく第1巻。

    1
    投稿日: 2017.11.16
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    私の中の山崎豊子デビュー作、会社の先輩に借りて、旅先で1冊なくし、慌てて買いなおしたのは良い思い出です…笑 The商社マンの人生に、戦争の余韻を混ぜた一人の男の人生。取引の大きい航空機の売買、石油、出世争い、シベリア抑留…など男の人が好きなテーマが多い。 よく豊子の取材力の高さを褒める文章を読むが、まさしくその通りだと思う。並大抵の言葉だけじゃ、こんな壮絶なストーリーは書けない。あっという間に読み終わってしまいました。

    1
    投稿日: 2017.02.15
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    2017年はこの大作から、丸さんに借りた。大本営参謀壹岐正が、投降を呼びかけるため終戦直前に満州に渡り関東軍と共にソ連軍に投降、11年間の過酷なシベリア抑留を経て日本に戻り近畿商事で商社勤務を開始するまで。正直まだ始まったばかりでどういう話がメインで進んでいくのかわからないが、シベリアの過酷っぷりは噂以上というか、あまりちゃんと知らなかったんだなぁと。さて続きはどうなるか、楽しみ。

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    投稿日: 2017.01.06
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    大本営のエリートが、ビジネスでものし上がっていくお話し。こうゆう人もいたんだろうなと思わせる作品。テレビ版は、故原田芳雄の恰幅のある演技と、岸部一徳のゴマスリ演技が秀逸でした。

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    投稿日: 2016.08.13
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    シベリア抑留の過酷な様子が伝わってきた。 1945年に戦争は、終わったけど、ずっと苦しみ続けていた人たちがいたことを知った。   壱岐正が、第二の人生を商社マンとして、一から歩もうとする真摯な姿を見て、   自分も、自分の仕事や人生と真っ直ぐに向き合っていきたい。と思った。

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    投稿日: 2016.03.19
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    元大本営参謀の壹岐正と、近畿商事社長の大門一三の出会い。11年にも渡る地獄のようなシベリア抑留生活。そして日本帰還後新たに始まった商社マンとしての第二の人生。600ページを超す内容だが、無駄のない上品な文章が読み手を惹きつけて離さない。

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    投稿日: 2016.01.04
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    続きが気になり、少しでも時間があればどんどん読み進めました。 詳細かつリアルな描写で、商社とは全く縁の無い私でも夢中になりました! まずはシベリア抑留の件。 読むだけでもエネルギーを奪われます… 戦後というと復興のイメージしかなく、恥ずかしながらこのよう暗い歴史を知りませんでした。韓国など所々にも描写がありましたが、敗戦国の辿る運命を垣間見ました。 そして壹岐さんが商社マンとして働く。 はじめは何一つわからなかったが、参謀としての作戦力、先見力を活かし、近畿商事の幹部として活躍していく。業績をみるみるあげるうち、他の役員からも妬みをかうようになってしまう。それでも自分の信じる仕事を成し遂げるため、競合他社や政界を含め泥沼の人間関係の中を奔走する。 億単位で金を動かし、利益を得た時の喜び、また、それだけではなく損失しボロボロになる人間をも描いているのがまた印象的。 幼稚な感想ですが、商社や政界をはじめ、今までよく知らなかった世界の具体的なイメージを掴むことが出来ました。 テレビでみかける政治家やよく聞く企業にも同様の渦が巻いていると思うと人事とは考えられなくなってきました。 つくづく、ニュースで取り上げられる表面上のことだけをみてると本質は何もわからないなぁと感じます。 そして、個人的には壹岐さんと秋津千里さんとの間柄が、たまらない… 私も似たような?状況にある中読んだので、例え心が通いあう人がいても、苦しみを理解し支えることが出来ないと一緒の生活は営めないのかなぁと少し思ったり。

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    投稿日: 2015.12.05
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    最後の方に石油を掘る話が出てくると聞いたので読み始めた。思った以上にシベリアの描写が多かったのだけど、目が離せなくて一気読み。抑留のことについてはもっと知りたいです。

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    投稿日: 2015.11.20
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    前から読みたいと思っていた本。時代背景が古くなってしまったが、やっぱり面白い。こういうすごい人に自分はとてもとてもなれなかったけど、こういう人実際にいるのね。人当たりはとてもやわらくてスマートなんだけど仕事の厳しさを物語るように目つきが鋭い。企業戦士?そんな生き方にちょっと憧れもするけど、やっぱりお話の世界でよかったかな。

    0
    投稿日: 2015.10.24
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    経済小説 過酷な環境を11年耐え抜き、商社マンとして新たな戦いに挑み輝く男 大本営参謀・壹岐正は、終戦工作に赴いた満州でソ連軍に抑留される。酷寒のシベリアで、想像を絶する飢餓と強制労働に11年にわたって耐え抜き、ついに昭和31年、帰還を果たした。その経歴に目を付けた近畿商事の社長大門の熱心な誘いに応え、第二の人生を商社マンとして歩むことを決意。地獄の抑留生活の傷も癒えぬまま、再び「商戦」という名の新たな戦いに身を投じる。

    0
    投稿日: 2015.10.07
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    戦争の描写があまりにもリアルで、そして残酷で読んでいられなかった。この時代に何が起こっていたのか知らなすぎた。近畿商事に入社してからの変貌もすごい。

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    投稿日: 2015.05.22
  • 壮大なスケールの小説

    主人公がビジネスの世界でのし上がっていくというストーリーです。実在の企業をモデルにしたと思われるあまりに綿密な設定と、人間関係が複雑に絡むため、ビジネス小説というよりも大河的というか、実在の人物の壮大な人生を共に走り抜けた読了感を得られました。 多くの作品がドラマ化されている山崎先生の名作で、この作品も例にもれず映像化されています。好みだと思いますが、ドラマでは語られていない設定や心理描写があまりに多いため、小説の方が私は楽しめました。 若干主人公にご都合主義な展開も多い気がしないでもないですが、最後まで読みきらせる筆力はさすが巨匠。ラストまでしりすぼみにならないため、読んでスッキリできます。

    1
    投稿日: 2015.04.25
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    山崎豊子作品は、戦争三部作といわれる作品以外はすべて読破。しかし、何故か読み始めることを躊躇していた戦争三部作。ついに読み始めることにしたのが、まずはこの作品。想像していた以上、想像を絶するようなシベリア抑留の実態に唖然。当時のソ連のあまりに酷い惨い国際法無視の姿勢と仕打ち。何故、日本でその実態が取り上げられ、知らしめられないのか・・・。

    0
    投稿日: 2014.10.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実は何度も読んでいるのですが、改めて再読しました。 山崎豊子さん(先日、亡くなられました)の大作「不毛地帯」 1巻は、主人公である大本営の参謀がソ連によってシベリア抑留される場面がメインですね。 基本的には、事実を基にしてストーリーを再構築しているようなので、多少の誇張は当然あるにせよ、ここに描かれていることは、本当に何10年か昔にあったできごとです。この作品を読むと、国家とは何か、人としての尊厳ある生き方とはなにかを考えてしまいます。 同時に、今ある豊かな生活を何気なく享受し、特別だと思うこともなく恵まれた人生を送っているのだなぁと・・・ そう思うだけでは、意味がなくて、だったら自分はこの世界で何をするか、ということを考えなければなりませんね。山崎作品は、そういった人生の送り方を様々な登場人物に重ね合わせながら見せてくれます。 5巻まで一気読みしちゃうやつですね、これ・・・

    2
    投稿日: 2014.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    陸軍の作戦参謀であった壱岐正がシベリアに送られ、11年を経て引き揚げ。その後、商社に呼ばれる。 シベリア抑留の過酷さは半端ではない。40代半ばの再就職というテーマが個人的には関心をそそられた。

    0
    投稿日: 2014.08.26
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    全5冊の小説。シベリア抑留から帰還した元大本営作戦参謀の主人公が商社マンになり、次第にその力を発揮していく。5冊読んだ感想をここに書いておく。 読んでいて次どうなるのか、常にわくわくがおさまらなかった。全5冊は長くみえるが長いと感じなかった。描写の臨場感がたまらん。商社、戦争に関することをめっちゃ調べて書き上げたんじゃないかと読んでいて感じた。 戦闘機、自動車、石油と巨大なプロジェクトに関わるうちにかつて培った作戦力が発揮されていくと共に自分の商社での生き方の葛藤に感じる。そんな中、一人の女性の存在が最後は主人公の生き方に大きな影響を与える。 今後自分は何を守り、生き抜くかということを考えさせられた。

    0
    投稿日: 2014.06.17
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    元陸軍大本営の壱岐正が、11年間におよぶシベリア抑留に耐え、帰国後商社マンとして戦後を生きてゆく、という話。 第一巻はシベリアでの抑留が物語の中心。ソ連の国際法無視、そして人権抑圧は恐ろしいと思った。そんな中でも日本軍人としての誇りを失わず、毅然とした態度をとり続けた壱岐正はじめ軍人達は立派だと感じた。堀という、福岡出身の若い捕虜がソ連の理不尽な仕打ちに抗議し、自ら命を絶った場面がもっとも印象に残った。 とにかくこの間はソ連。 恐ろしい世界があったものだ。この小説はフィクションだが、実際はどんな事が起きていたのだろう。

    0
    投稿日: 2014.05.15
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    就職活動の最中のある専門商社の説明会にて、人事が「この本に期待してうちを目指したらあかん」なことを口走ったことがきっかけで手にとった。商社って大変なんだろうなと気軽な気持ちを断絶させる一幕目のシベリア抑留。苛烈と一言で済まされない描写に胸をぶち抜かれながらもページを捲る手を止められない。舞台を商社に移してもなお嫐られ続け都度這い上がる壱岐。単行本でも五冊およそ2500ページあったが、全く長さを感じなかったのはその圧倒的なリアリティで迫る描写力のせい。まるで自分が抑留し、商談し、隠密会議体験しているかと錯覚するほど。あとがきによるとおよそ400人取材し、中東シベリアに幾度と無く通ったそう。それを簡単に手に取り読めることってなんて幸福なこと。恥ずかしながらこの本に出会って著者の訃報を知った。全日本人必読書。

    0
    投稿日: 2014.05.02
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    作品発表順ではないかもですが、大地の子→運命の人→不毛地帯と読み進めてきました。 読み始めて、しばらく。 背筋かピンとなる作品でした。 シベリアから帰って来た主人公 高度経済成長期の日本を支える戦後の人々 ふと今の自分を振り返って なんて恥ずかしいんだろう。 と、一旦読むのをやめました。 もう少しこの日本の基盤を作ってくれた先輩たちに恥じることが無くなったら、再読しよう。 そう思っています。

    0
    投稿日: 2014.03.08
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    「不毛地帯(1)」山崎豊子 社会小説。煙灰色。 前々から読まねばと思っていたのですがようやく。 僕らの世代にとっては無条件降伏の前後というのは日本のかたちとして繋がっている感覚がない。 もちろん戦中も戦後も教科書でしか知りえないのだけど、なおかつそれぞれ別のタームとしてしか捉えられない気がします。 その点を本作はシベリア抑留から復員という一軍人の人生として切り込んでいて、その繋がり方というのは、興味深く、また哀しいものです。 半村良さんの「晴れた空」もとても心に残る一冊なのですが、それとは違いまさに戦線に向かっていた世代を取り上げる、重い社会派小説だと思います。 まずは1巻。(4)

    0
    投稿日: 2014.01.12
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    これほどの長編がよく書けるなぁと思う。 1巻は、主にシベリア抑留編。 導入としては、必要なんだと思うけどちょっと長いかなと思う。 膨大なリサーチや取材を通じた、抑留の生々しさが伝わってくる。 本当に良いものは、ここまで拘るんだなと思う。 良くわからないけれど、 どこで、抑留時代の回想を挟むか等の構成も色々と試行錯誤したのだろうか。

    0
    投稿日: 2014.01.04
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    シベリヤ抑留、帰国した後、日本で最大手の商社の幹部になった実際の人物のフィクション。ぼう大な取材と労力をかたむけて作品を仕上げたのだろう。 九州大学:Φ

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    投稿日: 2013.11.18
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    シベリア抑留の時代を終え、壱岐正の商社マンとして生きていく移り変わりの巻。これから加速していく商社マン人生が楽しみ。そして巻末の本紹介で過去に松本清張を読んだことを思い出し、他にも読んでみようと思った。

    0
    投稿日: 2013.08.29
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    1巻はシベリア抑留、2〜5巻は商社編。不毛の戦いです。常に重たい雰囲気が出ています。途中で読むのに少し疲れてしまいました。 描写が細かく、作者の調査の綿密さがわかります。

    0
    投稿日: 2013.08.11
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    山崎豊子の長編傑作。全5巻。元軍人で太平洋戦争後シベリアに9年間抑留された男が第二の人生を商社マンとして世界を股にかけ日本の国益のために奔走する物語。言葉では表現できないほどの波乱万丈な彼の人生が作り上げた何者にも揺り動かされることのない人生観や価値観の中に真の男の美学を見る思いがしました。

    0
    投稿日: 2013.06.18
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    前半は、信念を持って生きても、理解されない不毛。後半は、信念を曲げなければ生き残れない不毛。 どちらの不毛も一人の人生の中に共存する。

    0
    投稿日: 2013.04.28
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    シベリア抑留の話から商社勤務に話が移ってから、少しストーリーの緊迫感がなくなってきたかな? なんて思いもしましたが、FX・自動車・石油と休む暇もなく話が進み、あっという間に読み終わり。 沈まぬ太陽 大地の子 と同レベルの面白さ。 面白いと言ってはいけないのかもしれませんが。

    0
    投稿日: 2013.04.07
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    山崎豊子さんの作品に、また手を伸ばしてしまいました。なんだか、治りかけの傷口を、どのくらい治ったかな?と、触ってまた傷口が開く、そんなスパイラルです。 山崎先生の作品を最後に読んだのは『大地の子』でした。友達が、山崎さんの作品なら、それが一番良かった、と教えてくれたからなのですが、本当に素晴らしい作品で、山崎先生の作品は、これで読み収めにしよう、と思っていたのに・・。なんだかついつい、借りてしまいました。 さて、物語の内容は、第二次世界大戦後、ロシアの捕虜として11年間も過ごし、やっと帰ってきて、今度は普通の家庭を築こうと、努力している元自衛官と、その家族の物語。 第1巻は、そんな元自衛官ー壹岐が働く事になった近畿商事の社員としてのスタート、そしてたびたびロシアでの捕虜の時の辛い回想がつづられています。そして近畿商事の社長、大門はもともと『元大本営参謀』という肩書を利用するつもりはなく、壹岐も、そういうつもりで雇うなら、就職はしない、と言っていたのだが、やがて黒い渦に巻き込まれていくのでした。

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    投稿日: 2013.04.01
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    内容はシベリア抑留が大半で、残りは近畿商事での仕事について。 シベリア抑留は、敗戦国の身として強いられる過酷な労働にも、自国に生きて帰還するための強い意志を感じた。 会社と国でバッグラウンドが異なる中にも人材やモノに対する見方に共通点があったから、以降でどうなるか楽しみ。

    0
    投稿日: 2013.03.02
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    シベリア抑留時代が話の中心。 一巻時点では抑留時代と商社に入ってからの弱気な、もしくは周囲から学ぼうとする姿勢の壹岐が印象的だった。

    1
    投稿日: 2013.01.04
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    「極北の流刑地で、囚人番号を押されて重労働を強いられた人間の気持ちがわかるのか!」 (ドラマ「不毛地帯」第17話より) イラン・サルベスタン鉱区の国際入札のため、イラン国王の側近であるドクター・フォルジに会うことになったが、その会合の場所がモスクワであることを兵藤に告げられた途端、壹岐は顔をこわばらせて「モスクワには行かない」と言い、上のように吼えた。 シベリアに11年間抑留されていたとはいえ、何もそこまで声を荒らげなくてもいいのにと思ったけれど、原作を読んでみて壹岐の苦労を知るに及び、これは仕方ないなと考えが変わった。 −−−−− 太平洋戦争で大本営参謀を務めた壹岐正は、終戦後ソ連軍に身柄を拘束され、昭和31年まで囚人として酷寒のシベリアで強制労働を強いられた。 極東軍事裁判でソ連側の証人として証言台に立たされ、ハバロフスクでは予審判事のシャーノフに夜を徹しての取り調べを受け、自分の罪を認めなければ洋服ダンスの中に閉じ込められた。 また、シベリアの極北ラゾの囚人ラーゲリでは、1日12時間坑道での鉱石の運搬作業をし、39歳の若さで歯が抜け落ちるほど窶れはててしまった。 「考えることは、どうしたら早く死ねるか、それだけであった」という記述が、抑留生活の壮絶さを物語っている。 僕なら1年ももたないだろうな。 壹岐の帰りを11年間待ち続けた妻・佳子の苦悩もやはり大きかっただろうと思う。 それだけに、ドラマで壹岐が秋津中将の娘・千里と不倫しているのを見たときは強い憤りを覚えた。 帰還から2年後、壹岐は近畿商事で第二の人生をスタートさせることになった。 軍人時代のコネや肩書きは一切利用しないでほしいと大門社長に頼み入社を決めた壹岐であったが、防衛庁の二次防受注競争を有利に進めるために壹岐を利用しようと、東京支社長の里井が陰で動き始めた。 電話1本で何億という金を動かす商戦の厳しさがひしひしと伝わってき、物語に引き込まれた。 −−−−− 5巻すべて読むことができたら、これまでの人生で読んだもっとも長い小説になりそうだ。 こういう重厚な小説を読んでみたかった。

    0
    投稿日: 2013.01.03
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    古橋 数奇で過酷な運命に翻弄されながらも前を向いて克服していく姿に感銘を受けます。過酷すぎる戦争経験を持つ主人公が、戦後の高度成長期である日本の経済を支える企業戦士として再び経済戦争にその身を置き、その都度乗り越えていく姿と、その成果の陰に様々な人間の葛藤や犠牲が赤ららに表現されまさしく経済戦争の厳しさを山崎豊子さん独特の詳細で専門的かつ抒情的な表現でぐいぐい引き込まされる長編小説です。 全5巻の長編ですが、何度も読み直してしまう魅力があります。(古橋)

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    投稿日: 2012.12.12
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    高度経済成長の原点の一つがなんであったか 当時の日本企業がどう海外進出を図っていたか 当時の駐在員がどうしていたか 今どうあるべきなのか 当時とは環境がことなりすぎる中 どんな志でいくべきか

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    投稿日: 2012.11.28
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    重厚です。 youtubeで唐沢寿明ド主演のドラマのハイライトシーンを見て、興味がわいて早速読み始めました。山崎豊子作品はいつかまとめて読んでみたいと思ってましたので、期待大だったんですが、期待以上の読み応えある内容でした。 第1巻では11年間のシベリヤ抑留の話が中心ですが、日本人としての矜持や家族の大切さ、「信じる」という気持ちの強さ、そして戦争の愚かさが濃密に詰まっています。 第5巻まで怒涛のように押し込まれそう。

    0
    投稿日: 2012.08.14
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    山崎豊子の代表作のひとつ。 大本営参謀の壹岐正は、11年に及ぶソ連での拘留を終え帰国。 近畿商事にて、第二の人生を始める。 壮大な全5巻の物語の第1巻。 内容は終戦からソ連拘留、そして帰国がメイン。 アメリカに渡る第2巻以降は、商戦という戦いに身を投じていく。 早く続きが読みたい。

    0
    投稿日: 2012.08.09
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    山崎豊子の作品でも特に好きなのがこの本。 僕は山崎豊子の小説がすごく好きで彼女の長編小説は一度読み始めたら止まらない。 この不毛地帯はシベリア抑留生活から始まり想像を絶する体験をし、 二度と国に関わることはしないと決めたにも関わらず、第二の人生でまた振り回されるという本ですよね。 仕事で成功していく裏で友人、家族を犠牲にし自分の人生は正しかったのかと自問していくストーリー。 山崎豊子の本は明と陰の部分が必ずあり、その中で主人公が苦しみ、葛藤する様が僕の心を打つ。

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    投稿日: 2012.08.08
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    なっげーーーって思ったけど面白かった。 終戦間際に参戦してきて戦勝国として振舞い 国際条約も守らず戦争捕虜に苛烈な労働を課すソ連の横暴さに憤死寸前の前半。 秋津千里は友達にはなれないタイプ。ってか女友達いなそう。

    0
    投稿日: 2012.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の壱岐正を自社に是非と乞う大門社長の言葉に「嘗て国家の総力を傾けて養成し、今の貨幣価値に換算すれば、1人数千万の国費をかけた参謀クラスの人材」というものがあったけれど、KiKi の場合国費こそかけてもらったことはないけれど、地方の薄給教員の決して潤沢とは言えない家計の中から4年生大学までの教育費を惜しみなく投入してもらった負い目・・・・みたいなものがあって、「ひとかどの者になる」ことは半ば義務のように感じていたものでした。 そうであるだけに、あくまでも観念論の世界ではあるものの「役に立つ人材」であることを早く証明しなければいけないようなそんな気持ちがありました。  でも、そんな自覚を持ちつつも KiKi には欠けていたもの、それは「誰の役に立つことが大切か?」というこの「誰」がはっきりしていなかったことです。 この物語の主人公、壱岐正はちょっと理想化されすぎている感は否めないと感じるんだけど、さすが国費で養成された人物だけのことはあり、明確に「国益のため」という意識が漲っています。  この年齢まで生きてきた KiKi にとってはこの「国益のため」というのもかなり胡散臭い言葉だと感じているのは正直なところだけど、KiKi のように「何のため」が不明確だった人間にしてみればその良し悪しはともかく、対象物を明確に意識できているだけでも物凄いことです。 敗戦国日本が、戦後復興の様々な努力の中で、アジア諸国から憧憬のまなざしで見られるほどの経済復興を成し遂げた陰には、この「国益のため」に果敢に経済戦争に身を投じていった先人の努力があったことを改めて感じました。  高度経済成長の真っ只中で、ひたすら浮かれて学生時代を過ごしていた我が身を省みると穴があったら入りたい気分です。 第2巻で描かれる前半の防衛庁・戦闘機購入にまつわる商戦に関しては KiKi にとって未知のビジネス領域の話だったので面白く読むことができたし、後半の業務本部で取り組む会社の方向性確定、革新という話は KiKi にとってはどちらかというとお馴染み(要は仕事で何度も携わってきた分野)のお話で、ありがちな確執・ドロドロに懐かしさに似たものを感じました。  たまたま今、某社でそっち系のコンサルタント仕事の話がきている時なだけに、ちょっとしたウォーミング・アップにもなったし・・・・(笑) さて、第3巻は外資自由化のお話です。  外資系企業を渡り歩いてきた身としては「これ」があったから食い扶持に困らずにここまで来れた・・・・・とも言えるわけで、興味深いのと同時に、そんな外資畑でグローバリゼーションの強烈な洗礼を受けたものの、最近ではローカリゼーションにもかなり傾斜しつつある自分の立ち位置を意識しながら読み進めたいと思います。 (全文はブログにて)

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    投稿日: 2012.05.31
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    日本軍の参謀が11年間(確か)の抑留を経て、商社マンになる話。 主人公のモデルは伊藤忠商事の元会長。 シベリア抑留の話が1巻の大半を占めたが、当時の日本人のマインド・経験・愛国心は本当に尊敬できるものがある。 ロシア人が騒いでばらばらに食事をしているのを主人公が見て「日本軍はなんでこんな野蛮な国民に負けたのだ」というような発言をしていた事が印象的だった。 まだ1巻で話のさわりだからこれからの2巻~5巻の展開に期待

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    投稿日: 2012.05.06
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    一巻は主にシベリア抑留生活の回顧録となっている。極限状態に置かれた人間の心理は想像を絶する。カルト集団化した捕虜達に対して「頭がおかしい」と批判できるだろうか。それにしても山崎豊子の取材力は凄い。

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    投稿日: 2012.01.12
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    二つの祖国、を読んでにわかに太平洋戦争前後の時代の話に興味が湧いた。 ようやく敷居の高かった不毛地帯のページをめくれるに至った!

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    投稿日: 2011.12.15
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    ちょっとした脚色があるとはいえ、主人公の苦労と苦悩がよく伝わってくる。冷静な判断力が、時に冷酷だと批判される事も多く、それがこの物語をリアルにしている。

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    投稿日: 2011.11.13
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    戦後3部作の第1段。元日本軍参謀の卓越した頭脳と戦略をビジネスで活かす。戦争の悲惨さとビジネス書の良さを併せ持つ。

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    投稿日: 2011.10.31
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    シベリア抑留という言葉しか知らなかった僕に、前半部分だけでも十分な衝撃を与えてくれた本。 日本人が経験した悲劇を少しでも教えてくれる。 そしてシベリア抑留で話が終わるわだけではなく、抑留から生還した元参謀が、商社マンとなるところから後半部分。 なるほど、生還した人達にはその後の人生もあったんだと。 戦後の輝かし高度成長期の裏で、繰り広げられる商戦。 その中をその男が生きぬいていく姿まで描写されてるなんて・・・読むしかないっしょ。

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    投稿日: 2011.10.06
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    自分がいかに戦争について知っていないか思い知らされた。 小学校1年時の担任の先生が、ロシアに拘留されていた時の話をしてくれたのを20余年ぶりに思い出す。 じいちゃんが健在だったら、戦争の時の話をもっと聞いておけば良かった。

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    投稿日: 2011.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シベリア抑留と商社マンの移り変わりが面白い。 山崎豊子らしく、スケールは大きく、取材は入念にされていると思われます。

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    投稿日: 2011.10.03
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    前置きとなるであろう部分が大半であり、読むのが少ししんどいが、作家(山崎さん)が本気で書いているなぁとすごく感じることのできる本で、この後の展開が非常に楽しみに感じました。壹岐の商社生活が始まる前の回想シーンがかなりの割合を占めています。シベリア拘留ってあんなに過酷だったのだろうか。恐ろしい。

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    投稿日: 2011.09.27
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    シベリア抑留11年…帰還した壱岐が商社マンへと転身。 軍人としての生き方しか知らなかった壱岐の新たな一歩。 どんどん惹きこまれる。

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    投稿日: 2011.09.02
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    軍人だった男、太平洋戦争が終結してから極寒のシベリアに10年閉じ込められた男の物語。軍人から商社マンとして国の為に戦う男の物語。まだ第一巻だけれど続きが楽しみだ。

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    投稿日: 2011.06.07
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    すごい話だった。 抑留されたときの描写の迫力がすさまじく、脳裏に当時想像した映像がこびりついている。 著者の作品はどれも読んでいて絵が浮かぶ。 内容もボリュームもかなり読みごたえがあった。

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    投稿日: 2011.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生きて歴史の証人たれ フジテレビ開局50周年ドラマが大変よかったので、原作にも興味を持ちました。 山崎豊子さんの作品を読むのは初めてでした。 第1巻の感想です。1巻は、主人公・壱岐正のシベリア抑留シーンが大半でした。 壱岐は東京陸軍幼年学校、陸軍士官学校、そして任官後には陸軍大学校(超難関、しかも帯刀組)という生粋の職業軍人。 私の大学での卒論が陸軍幼年学校だったので、その辺の記述もとても興味深く読みました。 軍学校での訓育の効果や、陸大の教育内容などもサラッと書かれており、山崎さんは本当に綿密な取材をされたのだなあと感服しました。 シベリア抑留のシーンは読むのがとても辛かったです。 香川大佐と堀敏夫が亡くなったシーンは、胸が押しつぶされるような悲しさでした。戦争は生き延びたのに、こうして極寒の地シベリアで亡くなって行った人が居たのだなあと思うと、やりきれない気持ちです。 俘虜の扱いについては、ちゃんとした国際法があったのに、まったく無視してしているソ連のやり方がとても怖い・・・。 といっても、日本でもそうした国際法の存在が認知されていなくて(というか教育されていなくて?)、俘虜になることは最大の辱めとされ、多くの方が玉砕(自決)に至ったと聞いています。そのため、米軍捕虜に対する日本の扱いも酷かったとか。 シベリア抑留のシーンで特に辛いのは、肉体的にきつい強制労働もそうですが、マインドコントロールで、日本人同士が潰しあうのが堪えました・・・・・。 こんなことは二度と繰り返して欲しくない、繰り返したくないことだなあと感じました。 印象に残った言葉を切り取り始めると、キリがないので辞めて起きますが・・・この時中心に立って、ソ連側について活動していらっしゃった方は、戦後どういう気持ちで過ごされたのかなーと興味を持ちました。 ”国家人”としての責任を感じながら、商戦という名の戦争に身を投じた壱岐正。いよいよ辛い気持ちから、面白くなってきた、というところです。2巻以降にも期待。

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    投稿日: 2011.05.20
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    2010年に唐沢寿明主演でドラマにもなった本小説。戦後のシベリア抑留から商社の幹部に上り詰めるという、世界をまたにかける話のダイナミックさに、ワクワクしながら読み進めることができる本だった。 会社を運営する側にもドラマがあり、人間関係のドロドロや愛憎もおりまぜるなかで物事は動いている。しかし最後は信念をつらぬく男が大事を成すのだ、という作者の思いが物語の核だと感じた。 出来過ぎた話という感もあるが、伊藤忠商事の元会長瀬島龍三というモデルがいることもあって、商社に関するリアリティも面白い。

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    投稿日: 2011.05.08
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    これから始まる長い物語。 多分一巻はその導入部分なのかすこし読むのが辛かった。 戦争に負け、シベリアに拘留されていた主人公の回想シーンがほとんどだった。 僕には想像も出来ないような過酷な環境での生活はすさまじく、かなりびっくりした。 最後に、少しづつ話が動き出した。 次の巻がかなり楽しみ。。

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    投稿日: 2011.05.05
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    つい最近読み終えたけど、壱岐正のようにここまで壮絶な人生を歩んだ人間が果たしているだろうか? 日本人なら誰もが一度は読むべき書ではないだろうか。家族とは、国家とは。自身に立場を置き換えながら読むと、自分を取り巻く様々な環境、人についても考えさせられる物語だと思います。 なので星5個で!

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    投稿日: 2011.03.27
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    『貧しくなった日本を復活させるには、我々が頑張るしかない』石原の台詞は、今の震災復興への日本の姿と重なる。数々の素敵な先輩方が熱中した作品なので、あと四巻じっくり読んで感想を述べます。 今のところ、筆者の圧倒的な取材力に感服。当時の様子、人々の熱気が伝わり、あっという間に一巻よめちゃった。

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    投稿日: 2011.03.21
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    商社で働いてるわけではないですが、かねがね噂には聞いていたので、 読んでみました。 冒頭で大門社長から熱烈なラブコールを受ける壱岐。 就活に苦労した私からしてみると信じかねる話ですが、 読んでみると納得。 この巻では主にシベリア抑留時代について触れられています。 現代の私たちのような温室育ちの若造には想像を絶する世界。 それを持ちこたえるだけの精神力を貫き通す壱岐正という人物が とっても眩しく映ります。 かっこいい!

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    投稿日: 2011.03.16
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    商社マンの話だと聞いていたのだが,1巻の大部分は戦後ソ連に抑留された兵士の物語だった。元参謀がその作戦力を買われ,商社に入るというのはなかなか面白い発想だな。二巻以降は商社でも活躍が期待できそうなので,ちょっと期待しよう。

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    投稿日: 2011.02.28
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    シベリア抑留者の過酷な実態はこの本で初めて知った。高度成長期の商社マンの仕事内容もこの作品で分かった。 ドラマチックな内容以上に色々な事を教えてもらった作品。

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    投稿日: 2011.02.25
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    軍人から商社マンになった一人の日本人を描写した人間ドラマ。 著者の山崎豊子の徹底的な取材と、圧倒的な描写によって、戦後の日本の歴史を感じる内容となっている。 ストーリーは、大きく2つ。 前半は、戦犯としてシベリアで抑留されていた時代。 後半は、商社マンとして空軍の戦闘機の購入から自動車会社の外資との提携と石油採掘への挑戦。 戦後日本が高度経済成長を成し遂げた、その一端を担った商社マンの表と裏を知れる歴史書でもある。 30年も前の本なのにどっぷりハマりました。ビジネスマンなら必読の一冊として推薦します。

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    投稿日: 2011.01.04
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    大本営参謀、伊藤忠会長の瀬島龍三さんがモデルの長編小説 (山崎豊子さんは否定しているが) シベリア抑留であったり、 日本の高度成長期のビジネスだったり なんだか読んでて熱くなる本でした。 この頃の方が今よりビジネスは色々と夢があって 面白かったんだろうなと。

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    投稿日: 2010.12.05