
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今回は、三十年前の殺人事件の被害者の孫が、その密室の謎を大学生時代の桑原崇に解いてもらったという、過去の事件の話。 しかも飲み会での話題。 弓削家という陰陽師の家系であることから、被害者の孫である和也は、犯人は式神を使って祖父を殺したのだと主張する。 「そんなものあるはずはない」という大方の人たちと意を異にするのがタタルで、「見えないだけで存在している」と言う。 それはいったいどういう意味か? 平安貴族からすると、官位五位未満は人ではないのだ。 とはいえ、実際には貴族の世話をしたりする庶民もいる。 そして、さらにその下には、賤民がいた。 朝廷にまつろわぬ民の末裔。 それは人ではなく、鬼や蝦夷やキツネや河童のように別のものとして扱われ、身分も住処も与えられることはなかった。 流れ者として芸を売ったり身を売ったり。 そういう一族が、華やかな都に確かにいたのだ。 人ではないのだから、当然目には見えない。 そんなことがあるのだろうか。 目に見えないといっても、現にそこに彼らは存在しているのに。 しかし、例えばいつも通る道に不意に現れた更地を見て、ここには依然何が建っていたのだろうと思うことがしばしばある。 絶対に目にしているはずなのに、思い出せない。 私にはそこが見えていなかったのだ、きっと。 今回はちゃんとした密室殺人だなあと思って読んでいたのに、やっぱりちゃんとした密室ではなかった。 人の心が作った階級が、同じ人間たちを見えない存在にしてしまう。 今も、学校や地域で村八分という、見えない扱いを許す行為は残されている。 それは愚かな行為であると、皆が自覚しなければなくならないのだろう。
0投稿日: 2025.03.31
powered by ブクログ安倍晴明と式神を中心に取り扱っているけど、解釈が面白かったし、決して摩訶不思議でない当時の日の目を見なかった存在に対する思いを垣間見れて、むしろ世間一般で流布している陰陽師系の話より、より興味を強く持てた。 今まで晴明神社に敢えて行こうと思わなかったけど、この話を読んで俄然行ってみたいと思った。
0投稿日: 2024.06.09
powered by ブクログ古代史の謎が、現代の殺人事件と融合する物語。 旧家の殺人事件の謎もどこか不気味で、面白かった。安倍晴明、陰陽師、古来からの鬼や狐信仰の印象も少し変わったかも。“人になれなかった”人達の悲しい歴史がそこにはあったのかもしれないなと思うと切ない
0投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログ今回のテーマは安倍晴明と式神。 かつて朝廷がまつろわぬ人々を利権のために迫害し、彼等に鬼や獣の蔑称を付けて自らの行動を正当化していたという説は知っていたし、海外にも数多く見られることから恐らく本当だったのだろうとおもう。だけど、陰陽師が使役していたという式神が目に見えない理由が人間以下の存在だったからという説は目から鱗でした。 ただ、地名に関する解釈はやや深読みしすぎな気がします。
0投稿日: 2023.09.30
powered by ブクログ「陰陽師の末裔」弓削家の当主、清隆が密室で変死体となって発見された。事件は自殺として処理されたが、三十年を経て、孫の弓削和哉は「目に見えない式神による殺人」説を主張する。彼の相談を受けた桑原崇は事件を解決に導くと同時に「安倍晴明伝説」の真相と式神の意外な正体を解き明かす。好調第5弾。
0投稿日: 2016.04.03
powered by ブクログ事件そのものより、式とはどういうものか、っていう説の方が興味深く読めた。 人間たるものを人ではなく式にしてしまうなんてね。
0投稿日: 2015.06.25
powered by ブクログ『人々がその喧伝を信じるか信じないかなどということは、二の次だ。次元の違う話なんだよ。つまりここで彼ら ー 朝廷の貴族たちが言いたかったのは『鬼と接触した者は、鬼と同様であると見做す』ということなんだ。』 古代日本社会に蔓延る差別の歴史を明らかにし、鬼ごっこの起源まで説明してくれるなんてさすがだな。推理が遠回りすぎて誰もついてきてくれないところが最高に面白い。
0投稿日: 2014.09.30
powered by ブクログちょっと薄目の本だったので少々物足りないかな。でも、夢枕獏の陰陽師を読んだばっかりだったので解説知識がかなり面白かった。 特に式神の正体は、解釈でこんな風になるのかと。まあ、冷静に考えればそうか。
0投稿日: 2014.02.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
式を陰陽師が使役する実情や山に住む鬼や狐の本当の意味などがわかって、昔は差別が当たり前で人のほうが少ないとか今ではとても考えられないですね。私たちはひとではなくて鬼の子ってことになりますね。今でも人なのは天皇?とかになるのかな。あ、でも天皇は神の子かな。蘊蓄は相変わらず一度読んだだけだと把握しきれません。
0投稿日: 2014.01.06
powered by ブクログQEDシリーズ5作目 ちょっといろいろ考えさせられた(笑) 歴史をもう一度勉強しなおしたくなる(笑)
0投稿日: 2013.11.27安倍晴明のもう一つのとらえ方
安倍晴明の数ある逸話をこういうとらえ方をするのは、結構面白いと思った。 結局、貴族社会って考え方も凄いのねって。 現代に生まれて良かったw
1投稿日: 2013.10.18
powered by ブクログ大学時代、学部も違う彼らがどこで知り合ったのか。 それは一冊の本がきっかけだった。 一冊の本を犠牲にして知り合った彼ら。 染まってしまった本には茫然としてしまうものがありますが 知り合って間もない人だからこそ、の濃い話? 話を聞いただけで、ここまでですから 今回は安楽椅子探偵状態。 確かに嘘はないし、全て真実ではある。 がしかし…それは確実に現実見てないって事では?! それを言ったら、今回の下敷きになっている陰陽師。 確かに『式』がそれだったら、話は通じます。 今と違って、下々の者は人というくくりにすらなかったと言われると 全てがきれいに繋がります。 鷹揚にして、上の人達は下の人達に支えてもらっているとは 気が付いてませんから…。 事件よりも何よりも、その説明の方が気になりました。
0投稿日: 2013.10.17
powered by ブクログ1巻目から順番に読んでいくつもりだったのに、なぜか巻が飛んでいるのは、妻が買ってきたからでした。随分薄いな、と、感想を述べたら「一番薄いのを選んだの」という答えが返ってきたので、ずっこけるしかありませんでした。 さて、安倍晴明です。まあ、そういうことです。前巻では「かごめかごめ」をやってたようですが、ここでは「通りゃんせ」で話を始め、安倍晴明にまつわる伝説について、要は、なにも元となる事実がないままに伝説だけが無から出来上がる訳はないので、その元となる事実というものについて推理、という話を展開。途中、ライバルとされる蘆屋道満、安倍晴明出生伝説、そして式とは何者なのか、という話から、話は「通りゃんせ」にもう一度繋がってきます。相変わらず、殺人事件いらなくね?まあ、ちょっとだけ、殺人事件方面にも、ある種の感傷は抱かせる要素がありますが。 しかし、作中、桑原性なので、菅公の一族ですか?なんて問わせて否定してるけど、クワバラがタタったら、そりゃ天神様でしょうが。 そういう、前巻までに何があったかを下敷きにシリーズが続いていく場合、やっぱり、途中を飛ばして読むのは楽しみを一つ奪うことだろうと思うわけです。
0投稿日: 2013.02.12
powered by ブクログ本の厚さが薄くなって不安だったが、予想に反して内容は濃かったと思う。式神の正体の解釈と雑草の例えには説得力があった。 謎解きの主役は歴史に名を残した偉人たちから歴史の闇に葬られたその他大勢の民たちへ。 歴史をより身近に感じる。
0投稿日: 2013.01.19
powered by ブクログ今回は毎度お決まりの薬局で働く奈々の描写はない。いきなりいつものバーで三人そろった所から始まる。 …いつもこうならいいのに。正直薬局のグダグダはいらない。今回みたいにバーでの会合から始まるってのを毎回のパターンにしてほしい。
0投稿日: 2012.10.12
powered by ブクログ「百人一首」「六歌仙」「日光東照宮」「シャーロックホームズ」そしてついに「陰陽師」。 これならわたしも知ってるよ~ 夢枕獏さんの本を読みまくってるから、晴明が葉っぱで蛙を殺しちゃった話とか、晴明の家には人がいなくても自然と火が燈ったり戸が開いたりするって逸話も知ってたし。 でもその真相を知ってびっくり!! そういうことだったのか。 確かに、全ての謎は解けた。 でもそんな真実、悲しいなぁ。
0投稿日: 2012.08.05
powered by ブクログ歴史物ミステリの中でも面白い着眼点のシリーズかなと思います。 祟の蘊蓄は長いと思いながらものめり込んで読んでしまいますが、これは特にそうでした。
0投稿日: 2012.06.24
powered by ブクログ今回初めてQEDシリーズを読んだ。 安倍晴明や式神、鬼なんかに関するうんちくはスゴイ!正直、この本が推理小説であることを忘れる程…「へぇ〜、なるほど、そうなんだぁ」と思うことばかりだった。 でも個人的には安倍晴明や十二神将の物語が好きなので、式神が実は「人と見なされない身分の人間」と言われると身も蓋もなく、例え事実であったとしても夢がなくなるようで受け入れがたい。歴史好き、雑学を増やしたい人にはオススメの本だが、私には★★。
0投稿日: 2012.05.06
powered by ブクログQEDシリーズ5作目。 今作の薀蓄は、「安倍晴明伝説」の真相と式神の意外な正体について。過去に起こった密室事件を、大学1回生の祟が解き明かす。 これまでのシリーズ作品よりかなり本が薄いが、薀蓄のクオリティは高し。どっちかというと、これくらいの長さの方が読みやすいかもしれない。人あらざるモノである「鬼」やら「河童」やらの正体、人から見えざるモノである「式神」の正体には、衝撃が走るほどの真相が。この説には思わず唸らされました。
0投稿日: 2011.12.27
powered by ブクログQEDシリーズ5作目。 今回は陰陽師やら鬼やらの薀蓄がメイン。あまり興味のわかない分野だったのでイマイチのりきれず。
0投稿日: 2011.12.24
powered by ブクログ桑原崇、小松崎良平が大学時代に同級生から聞かされた過去を解き明かす。この話は後に別の事件へと繋がっていく。
0投稿日: 2011.08.21
powered by ブクログ「心理的な盲点に入ったために、その人の姿が見えなくなる」というのはチェスタトンから始まっていろんなバラエティがあるけれど、チェスタトンのものはどうしても納得ができず、傑作といわれる天城一の作品ももうひとつピンと来なかった。 この作品は、やっぱり「見えない人」テーマなのだけど、そしてちょっと無理やりっぽいんだけど、式神というものと組み合わせることによって説得力を持ってきていると思った。陰陽師清明に関する解釈部分がとても興味深いのだけど、それと現代(ちょっと以前の話だけど)の殺人事件が、テーマの部分で結びついていておもしろい。 正直、ワンアイデアの作品で、長編と言うよりも短編のネタのような気がするのは確かだが、なかなか楽しく読むことができた。 2006/5/28
0投稿日: 2010.08.28
powered by ブクログコンパクトにまとまっているのに内容は濃いですね。 語られ騙られた歴史の謎解きは鮮やか。 陰陽師や鬼に関する言及はホントすごいと思います。 相変わらず、カクテルは美味しそう♪ いいなぁ、適度に音量を落としたスロージャズが流れる中で、ミモザとかギムレットとかホワイトレディとか静かに傾けたり、、、 でも、話題は(猟奇)殺人とマニアックな歴史、民俗学談義^^;
0投稿日: 2010.08.06
powered by ブクログ珍しく、薄いです。そして、大好きな鬼の話^^結果は見えていましたが、鬼談義がものすごく楽しくて、特殊機関の隠密任務とか空想しながら楽しく読ませて頂きました。
0投稿日: 2010.07.29
powered by ブクログ今回謎解く歴史の真相とは、安倍晴明伝説!自分の知識はやはり2作作られえたあの映画ですがそんな内容とは全然違う真実!式神の正体などタタルの説を聞くことができます。 なぜでしょう、タタルのいつも証明することはなんとも説得力があるんですよね~ 実際の事件よりタタルのこの証明の方が毎回気になります。 起きた事件のほうは、なんとなく明治・昭和ミステリーのような雰囲気が漂うんですよね なんか、結末が解る時も、今の時代にはこの設定で小説書いたら古いと思うけど、設定は30年以上も前の事件、それもタタルが大学1年の時の30年以上前ですから、40年近く前の設定ですからこれはこれでありな?
0投稿日: 2009.12.27
powered by ブクログ桑原崇の大学時代の話で、回想。 薄っぺらい小説なので、事件も事件の容貌も薄っぺらい。 陰陽師についての話だがこれは前後作の小説のつなぎなので、浅く陰陽師についての知識を持ってもらうための布石的な話。
0投稿日: 2009.09.12
powered by ブクログ式神への解釈が斬新。 こじつけかも? でももしかしたら? 疑いつつ驚きつつ。そうやって読むのが面白い。
0投稿日: 2009.09.07
powered by ブクログ「陰陽師の末裔」弓削家の当主、清隆が密室で変死体となって発見された。事件は自殺として処理されたが、三十年を経て、孫の弓削和哉は「目に見えない式神による殺人」説を主張する。彼の相談を受けた桑原崇は事件を解決に導くと同時に「安倍晴明伝説」の真相と式神の意外な正体を解き明かす。 シリーズ第5弾。
0投稿日: 2008.08.20
powered by ブクログこの作者の選ぶ題材は好きなんだけど、イマイチ好きになれないのは私が京極さんの作品の影響をもろに受けているせいでしょうか。
0投稿日: 2007.10.10
powered by ブクログ小松崎と崇の出会いに関する事件を回想する今作。安倍清明が使役していた式神と密室事件の謎を追いかける内容です。
0投稿日: 2007.09.26
powered by ブクログシリーズ五冊目。 式といえば陰陽道。陰陽道と言えば安倍清明。という事で、桑原と小松崎が事件を回想すると共に清明が使役していた式の存在に迫る作品。 個人的にはシリーズの中で一番好き。 式の解釈についても、私としては非常に納得がいく。 つくづく卒論を書くまでにこのシリーズを知っておきたかったと思う。
0投稿日: 2007.09.25
powered by ブクログ初読:2005年11月7日 安倍清明を題材にし、密室殺人を解き進めていく。 トリックは、拍子抜けするほどあっけない。大半は、安倍清明に関するペダントリー。 なんだか、何がしたいのかよく分からない一冊。文体も平坦で、読み進めるのが苦しかった。
0投稿日: 2007.09.03
powered by ブクログ桑原崇が歴史と事件の謎を解き明かす、好評シリーズ第五弾。 2002年講談社のベルズ主宰で「メフィスト賞作家による密室本」の競作を行った内の一冊。 式神の定義にはそういう見方もあるかと驚嘆w 密室に関しても…。 短いながら、このシリーズ一のお気に入りだったりします。
0投稿日: 2007.08.15
powered by ブクログ「陰陽師の末裔」弓削家の当主、清隆が密室で変死体となって発見された。事件は自殺として処理されたが、三十年を経て、孫の弓削和哉は「目に見えない式神による殺人」説を主張する。彼の相談を受けた桑原崇は事件を解決に導くと同時に「安倍晴明伝説」の真相と式神の意外な正体を解き明かす。好調第5弾!
0投稿日: 2007.03.09
powered by ブクログQEDシリーズ第5弾! かの有名な陰陽師につていの薀蓄。 もうね、もうね、目から鱗が落ちまくり!! 事件については、よく覚えてない。。。
0投稿日: 2006.09.25
powered by ブクログQEDシリーズ、出たのは結構昔だったと思います、多分。 一度に何冊か買ってきて、すぐに読まなかった場合、そのままどこかに埋もれてしばらく眠るっていうのがよくある話なんです。 この作品はたしか密室本とかいう、イベントっぽい時にでたやつだった気がします。本全体が袋とじになってるという。 番外編に近い位置づけなのか、話の内容の方もあっさり目。 といっても、QEDシリーズお得意の、歴史上の出来事の新解釈と現代で起こた事件の結びつけとかはちゃんとやってましたけどね。 今回のテーマは陰陽師、安倍清明に纏わる話。いつも思うんですが、歴史に対する新解釈については、ものすごく楽しいんです。よく思いつくなー、ってね、筋も通ってる。 それだけに、対比する現代の事件のオチのほうがね、そんなんかよーって、このギャップがウリなのか!?
0投稿日: 2006.06.02
powered by ブクログQEDシリーズ5作目。短編(と言っていいのか?)になっていて、すごく薄い1冊。謎解きに関しては、1作目がヒントになるかと。
0投稿日: 2005.10.12
