見上げる存在としてのアメリカ
フルブライト留学生としてアメリカへ渡った著者が、その帰り道にヨーロッパとアジアとを渡って帰ってきた際の旅行記。1960年あたりが舞台なので、当時のアメリカが傑出した先進国だったことが、端々からうかがい知れます。 前半のアメリカやヨーロッパの部分は、ややお気楽なムードが漂うのですが、中東に入ってからは、一転して重い雰囲気に。「貧困」という大きなテーマを、著者が苦悩しながら解釈していく姿こそ、この本の最も重要な部分であり、厚い本を脱落せずに最後まで読んだご褒美とも言えます。