ごうてつさんのレビュー
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ミカドの肖像
猪瀬直樹 / 小学館文庫
活字メディアの底力
4
皇族の土地に異常な執着を示しプリンスホテルを建てた堤康次郎、世界中で上演された歌劇「ミカド」、明治天皇の御真影、の3つのテーマが語られる、上下巻をまたいだ3部構成。
とにかく取材量が圧倒的。文献をあ…たるのは当然として、インタビュー、現地取材、問い合わせ等、著者自身で得た生情報が、これでもかとばかりにつぎ込まれた熱い本です。
映像メディアは強い説得力を持たせられますが、制作に人手がかかる面もあります。一方、活字メディアは、情熱さえあれば、1人でも映像以上の情報が伝えられるのか、と価値観を変えるような感動を覚えました。 続きを読む投稿日:2013.09.25
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何でも見てやろう 【小田実全集】
小田実 / 小田実全集
見上げる存在としてのアメリカ
3
フルブライト留学生としてアメリカへ渡った著者が、その帰り道にヨーロッパとアジアとを渡って帰ってきた際の旅行記。1960年あたりが舞台なので、当時のアメリカが傑出した先進国だったことが、端々からうかがい…知れます。
前半のアメリカやヨーロッパの部分は、ややお気楽なムードが漂うのですが、中東に入ってからは、一転して重い雰囲気に。「貧困」という大きなテーマを、著者が苦悩しながら解釈していく姿こそ、この本の最も重要な部分であり、厚い本を脱落せずに最後まで読んだご褒美とも言えます。 続きを読む投稿日:2013.09.25
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前略 雲の上より(1)
竹本真, 猪乙くろ / イブニング
空港巡礼
0
野球やサッカーを生観戦する人は、スタジアムへの思い入れも強いことが多い。贔屓チームの本拠地はもちろん、旅先の球場は、ただ通路を歩くだけで楽しい。
飛行機が好きな人にとっては、空港を巡ることは楽し…くてたまらないのだろう。
この作品では、各地の空港での楽しみかたを教えてくれる。行ったことのある空港を見ると懐かしく感じるし、行ったことのない地方空港でも、何となくそこにいる気にさせてくれる。
飛行機の非日常感を疑似体験できる、とても楽しい作品です。
P.S. 廃止されてしまった、大分空港のホバークラフトも取り上げてくれるといいなぁ 続きを読む投稿日:2018.03.07