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獣の奏者 IV完結編
獣の奏者 IV完結編
上橋菜穂子/講談社
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総合評価

299件)
4.5
158
93
23
2
0
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    闘蛇編や王獣編のエリンは、どんなに頑張っててもどこか「私は特別・あなたたちとは違う」的な冷たさを感じて好きになれなかったけど、人の親になってやっとエリンも人になったかー。しかしジェシは物語を動かすために生まれたとしか思えない(笑)

    0
    投稿日: 2013.06.23
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    闘蛇編から一気に読みきった。 まだ夢見てるみたいで、物語の片鱗が頭の中をぐるぐるしてる。心が重い。哭いてる。 すやすや寝息たててる娘の顔をみてしまう。 語り継がれることはいつか薄れ、そしてまた同じ過ちを犯す。 本当にエリンが生きてた時代があったような錯覚におちいる。すごいオーラ。

    3
    投稿日: 2013.06.21
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    最後まで素晴らしい作品だった。 獣の生態や歴史の謎に迫るストーリー。それに人のために生きる人の姿。もがき、苦しみながら懸命に選択していく。 必読の全4巻。

    0
    投稿日: 2013.05.11
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    ただただ震え、最後に泣いた。読めてよかったなあ。たくさんのことをこの物語から受け取って、これからずっとずっと考えて行くことでしょう。松明の火を受け取るように。

    0
    投稿日: 2013.05.11
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    この本の主人公は様々な選択肢を前に悩み続ける。主人公だけでなく、様々な人がそれぞれの立場で自分にできることを模索し続けている。 そこにあるのは鬱々とした陰湿さではなくて、どこまでも自分と世界に真摯に向き合おうとする毅さだと思う。 どんな状況になっても足掻き続けるエリンの姿勢が、思考が、すーっと気持ちいい。 それとともに、完結編では今まで少し頼りなかった真王の成長が素晴らしい! 色んなものが変わっていくけれど、確かに積み上がってゆくものもある。 上橋さんの人間に対する厳しくも温かい見方がすごく好きだと思った。 哀しいけれど希望に溢れるラストで号泣。

    0
    投稿日: 2013.05.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どこで「残った人々」の話が出てくるのだろうと、はらはら、どきどきしながら読んだ。 ジェシの親が結末でどちらかが亡くなることは想定できた。 人を殺して、生き残って幸せでしたでは、話にならないだろうから。 ジェシは、母親のエリンと同じように教壇についた。 戦を避ける方法を見いだせないまま。 処世術が参考になった。p303 「意見が出つくし、議論が煮詰まったと思ったら、そこで<茶の一刻>を宣言なさい。その時機をしっかり見極めることが大切よ。時機を逃すと、すでに意見は出つくしているのに、まだ言いつのろうとする輩が、自分の主張をくり返して、場を倦ませてしまう。そうなるまえに、うまく断ち切りなさい。」

    3
    投稿日: 2013.05.06
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    最後はなかなか内容が重たくなってきたのですが、やっと謎が解けます。 なんでこう?と思う部分もありましたが、内容に引き込まれ、文庫でも少し厚みがある方だったのですがすぐ読み終わりました。

    0
    投稿日: 2013.04.11
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    家族の物語だった。 ソヨンとエリンもそうだったけど、エリンとイアルとジェシの家族としての描かれ方がとても印象的だった。 エリンとリランもジェシとアルも。 哀しかったけど、満たされた読後感。 著者後書きにもあったように、ジェシのラストのセリフが響いてくる。 作中にあった、『松明の火を手渡す、という表現が好き。 作品を読んでいると、本当にそのとおりなんだなと思える。そしてそれが成っていっているのがわかる。 見られるのが嬉しいし、見せてもらえるのが嬉しい。 ちょっと仕事でフラストレーション溜まってたときにラストを読んだら、すっきりした気分になれた。 溜まっていたものがいい風に吹き飛ばされていったようなカンジ。 獣の奏者は本当にいい作品。

    1
    投稿日: 2013.04.03
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    結末の完結編。 少し淋しい。 全力で駆け抜けた人々のほんの一片。 壮大さに少し溜息。 王獣と闘蛇はどうなってしまったのかが少し気になります。

    0
    投稿日: 2013.04.03
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    心が締め付けられるような結末でした。とても重いテーマだったと思います。 悲劇を避けようとして作られた仕組みや伝承は、真実を知らなければ意味を成さない。 津波の怖さが語り継がれていたにもかかわらず、多くの犠牲者を出した大震災と重なるものを感じました。 悲劇を招くと分かっていても、真実を確かめずにはおられなかった主人公が、何とも悲しい。 とても心を打たれましたが、重くて、しばらくは読み返したいと思えなそうです。

    0
    投稿日: 2013.03.19
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    フォロワーさんのレビューに惹かれ手に取り、「何だ、この世界感!!」と驚いた「獣の奏者」4作目の「完結編」です。  遂に王獣を使った戦に進んでしまいます。 そして何故、これまで秘されて来たのか?その理由が明らかになります。  1作目の「闘蛇編」でも書きましたが、当初子供向けのファンタジーと思って居たことが恥ずかしいですね。 大人こそ読んで欲しい、人の愚かさと貴さ。自然に対する畏怖の念。そう言ったものを感じさせる大作でした。 いいなぁ~。上橋さんの著書は、どれもこんな感じなのでしょうか? アレとかソレとかも、読んでみたいです。 追記: 2作目「王獣編」と3作目「探求編」の間の11年間を繋ぐ外伝「刹那」と言うのがあるらしい・・・。これは読まねば!

    0
    投稿日: 2013.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったから、責任をとって主人公が責任をとる。 ずっとその謎が物語の背景にあって、本筋としてまっすぐにその謎に向かって物語が収束していったので、そういうふうに書いたのでしょうが少しだけ慌てて風呂敷をたたんでいるように感じてしまいました。 獣と生きて行けても相容れないなどの主張が好ましかったです。 エリンは最初で最後の獣の奏者なんですね…。まさに彼女の人生始まりから終わりまでの物語でした。 世界観が好きなので、同じ世界観の話があったら読んでみたいです。

    0
    投稿日: 2013.03.10
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    自らの運命を切り開くため,エリンは秘められた謎を解き明かす決心をする.その先に待っているものは,伝説の大災厄か,それとも平和への希望か.読んでいて最後まで気が抜けない展開でした.そしてエリンの息子,ジェシが何とも愛おしい.望んでいた結末じゃなかったけど,感動しました.あぁ終わっちゃった・・・・

    0
    投稿日: 2013.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の1,2巻ではそのままだった謎が解き明かされていって、エリンの葛藤や悩みがそのまま伝わって来るものがあって、色々と気づかされる部分、考えさせられる部分、そういう機会を与えてくれた素敵な本だと思えた。 こうなってほしくない、せめて3人には、その周りの人々にはどうか幸せになってほしいと祈りながら読み進めてはいたけれど、最後まで読んで、エリンの最後の行動が胸にすとんと落ちたように納得した。 それでもエリンとイアルとジェシに、愛おしい時間があったことは嬉しかったし、ジェシが母親のことを語るところに自然と涙がこみ上げた。 エリンやイアルの両親の想いはちゃんとジェシに伝わっていたんだろうと思うと、胸が揺さぶられる。 一気に読んでしまって、もう一度すぐにでも読み返したくなる本。 妹の本だから妹に返さなくちゃいけないけれど手放したくない気がしたので、今日にでも本屋に買いに行こうと思う。

    0
    投稿日: 2013.02.28
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    いよいよ完結編。 読み進めて行くにつれ、エリンやイアル、そしてジェシが幸せになれるのかと不安になりました。 そしてイアルとエリンの夫婦には切なさのこもった暖かさを感じます。 最後は完全なハッピーエンドとは言えないけれど、それでも清々しさを噛み締めて本を閉じることができました。

    0
    投稿日: 2013.02.26
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    ようやくすべて読み終わった。 読みすすめていくうちに、エリンという一人の人間の苦悩や葛藤が本当に聞こえてくるような、奇妙な感覚にとらわれていった。 文字を読むだけで自然の情景や生き物の姿が頭の中に描かれていくような文章で、すぐにでもまた本を読みたいと思わせる本だった。 久しぶりに、いい出会いをしたのかもしれない。

    0
    投稿日: 2013.02.10
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    完結。 素晴らしい物語だった。 色々書きたいような気がするが、いまいち言葉にならない。 何かを書いても、どうも伝わりきる気が全くしないので、ひとまず読んでみてほしいと思う。

    0
    投稿日: 2013.02.02
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    エリンは覚悟を決めて王獣部隊を築き上げ、大昔に起こった悲劇を繰り返さない為、これからの未来の為、息子ジェシの為出来ることに最善を尽くそうとひたすら進んで行きます。しかし、エリンの穏やかで幸せな時間は長くは続かない。ただ、未来への希望を残った人達が繋げていくという形での明るい結末に少し救われます。

    0
    投稿日: 2013.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シリーズ完結。 久しぶりに後書きを読む前に自分の感想だけで。 やはり災いは起こってしまった。 その被害は小さくすんだが。 そして、祖ジェと同じように人々は新たな規律を組んだ。 違うことは、人々にこの事件に限らず 知識が開かれるようになったこと。 エリンが何度も口にしていたように 一人が一生のうちに明らかに出きることには限りがある。 それを、後に伝えていくことの大切さを思いしった。 そして、この小説では母が子を思う気持ちの強さを感じた。 エリンの母、エリン、セィミヤ。 他にも、 自分のためだけに行動しているわけではない人々の、その意思の強さが胸をうった。 先にも書いたが、エリンは過去と同じ災いを引き起こしてしまった。 しかし、ここでエリンの望む幸せな未来を手に入れることがなかったのがこの物語の意味なのかなと。 人間は何度でも失敗して、 その度に学んで、 未来を切り開いていかないと。

    1
    投稿日: 2013.01.22
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    後編2/2 完結編 最終巻・・ ということで 個人的にシリーズものを完結させるって 凄いなと評価しているので ★4つ^^ 突っ込みどころ 結構あるんですけどね 戒律の民(霧の民)には前編から ビミョーに感じてましたが 後編ではさらに都合よすぎる感じもしました あとジェシの性格とかも ちょっとしっくりこない感も・・^^; そのへんは置いておいて 全体として完結編に相応しい終わり方だったと思います

    0
    投稿日: 2013.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作者がどんな人か知って納得する。 長い時間を経て読み終わった本。 感極まりない。 目を丸くするいっぽうだ。 興奮がおさまらない。 一言で終わらせてしまうのがもったいない。 完結篇のクライマックス、主人公は本当に幸せだと考えるべきか不幸だと考えるべきか。 読み進めていくと「幸せだ」と主人公は言う。 最期はなぜほほえんでリランと落下していったのか読んでいるときは分からなかったが今分かった。 エリンの母と同じ最後であったから。 同じようにエリンが母のところに必死にきた。 そして音なし笛を吹いて事を治めた。 人々と獣歴史はすさまじかった。 「戦というものが、ひとりの英明な人の英雄的な行為で止められものではない」(p.476)。 読み終わって、「号泣とは違って静かに己れを浄化してくれる涙」(p.491)、本当にこう思えた。 同じ気持ちをこのように言葉に表せることを凄く思うし、言えるようになりたいとも思った。 すばらしい文学作品である。 きっかけはTVアニメからだったのに、民俗学が関わっていたことが興味を沸かせたひとつであった。 変(?)だけど楽しかった。 エリンのような人生に正直なりたくない。エリンは勇敢だけど、私(たち)からもっと幸せにしてあげたかった。「ひとりの人間」(p.487)なのだから。

    0
    投稿日: 2013.01.02
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    はっきりいって、好きじゃない。 けれど、これはけなし言葉ではない。だいたい、私は、ファンタジーには多少の隙が遭った方が好き。隙が無さすぎるんですよ、このひとの作品。風俗、歴史、架空の生き物のオリジナリティとリアリティなどを、きちんと抑えていて、齟齬のようなものが見つからない。登場人物も、たとえ、突出した能力があっても、理由がきちんとあり、ご都合主義にならない。主義主張にブレがない。 結末の壮大さに混乱することもなく、作者の書きたかったものもよくわかるし、変な文章もない。むしろ、文章で情景を目に浮かぶように書ける作家は少ない。 実に優等生。きらいじゃないけれど、私の好みじゃない。 まったくもって、好みではない。 けれど、もし、この世に子供に読ませるべきファンタジーがあるとしたら、この本は間違いなくそうだと思う。 最近のぬるいファンタジーとは明らかに一線を画する作品だ。 結末含めて面白いです。 好みではないけど、買ってるくらいですから。

    1
    投稿日: 2013.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    4冊を通してのエリンの生き様が圧巻で涙。ある程度間を空けながら長期間にわたって読んだということもあって、長い間そばにいた感覚だったのもあると思う。 ファンタジーなのに勧善懲悪ではない、美しい理想を追求しているわけでもない、逆に退廃的ディストピアでもない。人間の歴史を振り返って正面から向き合った結果を、ここで広い年齢幅で読めるよう描いていると思う。美しさも醜さも賢さも愚かさもその中間も。その上で、それでも人の生も動物の生も肯定している。 殺し合いの戦場というところで渦巻くものは、敵味方やなにかきれいに切り分けたり整理したりできるものではなく、あのように怖ろしく混沌とした狂気の塊のようなものなのかもしれない。

    4
    投稿日: 2012.12.21
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    悲劇が起こるとわかっていながら、禁位を冒してしまう人々の物語。悲劇が現実となってしまう終盤の展開が凄まじい。シリーズ通してとても面白かった。

    1
    投稿日: 2012.12.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自らの仮説を検証し 結果を後世の人々に知らしめるため、 恐ろしい結末を迎えることに気づきながらも 実践しようとするエリンに対して、 「学者」としての異様なまでの気概を感じた。 ただ、王獣と人間とが結果として共存しなくなる、 という結末になるのはどことなく納得がいかない。 闘蛇が戦争に利用される限り、 天敵の王獣を災いを避ける別の方法で 利用してやろうと目論む輩が現れるに違いないので、 解き放つだけでは根本的な解決にはならない気がする。 とはいっても戦は人から切り離せない、 というエリンの持論と同様に、 似たような過ちを人は繰り返し続けると割り切ってしまえば、 エリンのできる範囲のことはやりきれたのではないかと思う。

    1
    投稿日: 2012.12.16
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    素晴らしいファンタジーに、出会えました。王獣の煌びやかさ、闘蛇の獰猛さ、それを見つめる奏者、、、また読み返したい

    0
    投稿日: 2012.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前作を読んだかどうかもうつろな状態で読んだけど、 まあおもしろかった。 エリンというよりジェシの物語と言っていいと思う。

    0
    投稿日: 2012.12.10
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    王獣部隊を作ることになったエリン。そして最終決戦へ。そこでかつて山の向こうで起こった悲劇の謎が解明される。

    0
    投稿日: 2012.12.09
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    獣の奏者エリンの最終巻。とても引き込まれて読めた。が、ラスト50ページくらいはさすがに巻きすぎというか、展開が早すぎる感じは受けた。とはいえ、全体的には非常に面白い作品。

    0
    投稿日: 2012.12.05
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    わー、読み終わってしまった。 エリン、イラン、ジェシ の三人が幸せに暮らせるのを願いながらよんでいたけど、残念ながら希望するラストにはならなくて。 でも、それがよかったのかもとも思う。 ご都合主義ではなく、ちりばめられた王獣、闘蛇の謎、恐ろしい過去の災いを考えると納得のラストだったのだろう。

    1
    投稿日: 2012.12.04
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    もともと涙もろいのですが、号泣でした。 娘に勧めた…ら、2巻までは大変楽しんで読んでおりました。後半はやや大人向けな印象でした。

    0
    投稿日: 2012.12.01
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    「松明(たいまつ)の火を想像してみて、ジェシ。松明の火は自分の周りしか 照らせないけど、その松明から、たくさんの人たちが火を掲げていったら、ずっとずっと広い世界が、闇の中から浮かび上がって見えてくるでしょう?」 息子の頭に顎をのせ、さわさわと春風にゆれる木々をながめながら、エリンは言った。 「おかあさんね、そういう人になりたいの。松明の火を、手渡していける人に」(64p) 前回、私は「作者の側にヨハル的な考え方(時代に合わせなければいまの生活は成り立たないのだから、リスクがあっても突き進むのは、仕方ない)に批判的な視点がないのが気になる。」と書いた。私は作者が本作を書いていた時には思いもよらなかったはずの「原発問題を考えざるを得ない時代」の課題に合わせて、作者がどう世界を構築しているか「検討」したかったのである。安全が全く確立出来ないままに「再稼働」を認めてしまうような為政者たちに、どんな視点を持っているのかを。 作者はやはり、長い射程で世界を見ていた。 「知らねば、道は探せない。自分たちが、なぜこんな災いを引き起こしたのか、人という生き物は、どういうふうに愚かなのか、どんなことを考え、どうしてこう動いてしまうのか、そういうことを考えて、考えて、考え抜いた果てにしか、ほんとうに意味のある道は、見えてこない‥‥」 エリンは静かな声で言った。 「だからね、おかあさんはあきらめないわ、ジェシ。自分から死んだりなぞ、絶対にしない。災いを起こしてしまうのであれば、その災いの真っ只中に飛んで、その先に道があるかどうか探すわ。そして見つけたことを伝えるために、死に物狂いで生き抜くわ」(339p) 核兵器も、原発事故も、細菌兵器も、いや戦争は全て「そこには、もう、勝者も敗者も」いないのだ。 エリンの選んだ道は、これが「正解」と言えるものではなかったかもしれない。エリンの「再稼働」決断は間違いだったと、ラストには判断することが出来る。しかし、そもそもそういう正解があるならば、小説などで表さず論文を書けば良いのだ。小説には、一度しか現れず、時は覆らない物語の中で生きている主人公の「決断」が描かれる。エリンの決断を活かすも殺すも、結局はその後に渡された「松明」の運命次第だろう。 私たちは、幸いにも現実ではなくてこの本の中で「松明」という形で「再稼働」の意味を受け継ぐことが出来るだろう。 一回の災いで、全てを捨て去る為政者もいれば、出来ない為政者もいるだろう。それは、現実に生きる私たちや、未来の子供たちの課題である。その時「災いの真っ只中に飛」びこんだエリンの物語は、語り繋いでいかなければならない。 2012年10月29日読了

    3
    投稿日: 2012.11.27
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    「小説の続きが気になって夜更かしする」は、自分ほどの年齢になればそうそうあることじゃない。けれども本作についてはじゅうぶん警戒していた。「獣の奏者」の続編が面白くない訳がない。読み始めたら止まらないに決まっている。文庫版を心待ちにしながら、なかなか手をつけられなかったのもそういう理由。 今回「III.探求編」を出張の新幹線で読み始めたところ、往復で読み終え、帰宅直後に矢も盾もたまらず「IV.完結編」を手に取った次第。案の定、読まずにおれなかった。 本作は恐ろしいことに児童書の定番・ポプラ社「青い鳥文庫」にもラインナップされている。もし自分が小学生でこの本を手に取っていたら、間違いなく(良い意味での)トラウマになったことだろう。正しいからといって常には報われず、汚く見えるものの中にも何かしら知るべきことが隠れている…… 学校や親が教えてくれないこともある、世界はもっと深いかもしれないと気になり始める年頃に、エリンが何を思いどう行動したかを辿ることは、強烈な読書体験となるに違いない。 子どもの頃、一番好きなジャンルはSFとファンタジーだった。いつから、どうしてそれらを読まなくなったのかは思い出せない。今から3年前に文庫化されていた本作を手に取り、久しぶりにファンタジーの楽しさを味わった。今回、作品世界がより深まった続編を読めて幸せだと思う。

    1
    投稿日: 2012.11.26
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    【読了レビュー】敬愛するファンタジーの後部2部作。前作の闘蛇編・王獣編に比べると、より「大人な」視点で描かれた物語だと思った。本作のテーマである“生きものの在り方”をベースに、人間という生きものが繰り返してきた歴史、そして戦争の意味について問いかけると共に、それらについて我々人間はどのように対峙していくべきかという思想、決意が表現されていると思った。 面白かった。でも、個人的には僅かに前2部作の方が輪をかけて面白かったかもしれない。

    0
    投稿日: 2012.11.23
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    闘蛇が地を覆い王獣が天に舞う時、大災厄が起きたとされる伝説の真実は? もうちょっと意外な結末を期待したんですが、大災厄があまりにストレートというか、なんでそうなるのかわからないところが物足りませんでした。 (2012/11/6)

    1
    投稿日: 2012.11.17
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    文庫でたのを今更知ったので買ってきてその日のうちに二冊読破しました。そのせいで課題が中途半端。それだけ引き込まれるってことです。 エリンとイアルとジェシに幸せになって欲しかったなぁ。4日間、なんて儚くて短いのだろうか。

    0
    投稿日: 2012.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最近年のせいか、本を読んで号泣、何てことはたまにある。でも、こらえようとしてもこらえきれず、嗚咽しながら読んだ本は久しぶりだった。 この本は、世界中の言葉で翻訳され、世界中の子供たちと大人たちに読んで欲しいと思った。 ただ、私の乏しい想像力では、全編通して最後まで闘蛇と王獣をリアルに想像しきれなかったことが、心から悔やまれる。じっくり再読し、王獣が空を舞う姿をしっかり見たいと思う。

    0
    投稿日: 2012.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    獣の奏者はⅠⅡで一度完結している。 その後のエリンの物語である。 ファンとしては、続きが読めることは単純に嬉しい。 ⅠⅡではエリンがジョウンとの出会いで成長してゆく様子や、カザルム学舎で王獣と心を通わせていく過程など、悲劇がありながらもキラキラとした部分が多く、苦しみと輝きが同程度描かれていたように思う。 が、ⅢⅣでは最初から重苦しいまま続く。 人と獣との間で苦悩するエリン。 宿命とも呼べる背負ったものの大きさと闘いつづけるエリン。 ただ、エリンには家族ができた。 それだけでも救われる思いがする。 心がシンと静まりかえる読後感。

    1
    投稿日: 2012.11.08
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    人と獣が織り成す物語に圧倒されながら、一気に読みました。 エリンがリランとともに歩んできた道の 結果が、このような結末で終わりとても切ない思いで いっぱいになりました。 一つ一つ、探るように、決して人に懐かない獣と 絆を築いていった結果が・・・ 人も獣も、ただあるようにありたいと願っても 人が作る大きな渦の前には無力なのかもしれないけれど、 それでもただ真っ直ぐに進んでいくエリンの姿は 心に焼きつきました。 私の中で、きっと一生忘れない、物語の主人公になりました。

    0
    投稿日: 2012.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ラストを中心に書かれたように思いました。 誰が生き残るか、死ぬかをもともと決めた上で書かれているような話の進み方です。 フラグが立ちまくりでした すこし都合の良い話の進み方だなーと思ってしまいました。

    0
    投稿日: 2012.10.27
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    このシリーズ、最高!エリンは最後亡くなってしまったけど、まだ読み足りないと思ったぐらい、入りこんだ小説でした。

    0
    投稿日: 2012.10.25
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    う〜む、素晴らしいの一言です。 異世界ファンタジーでは世界屈指といっても過言ではないのでは、 「守り人」シリーズは、多分ハリーポッターよりレベルはかなり高いとおもいます。 創りだしている世界が非常にユニークでかつ論理的。多分言語学者/民俗学者だからなのかもしれないですが。 風物/習慣/言語/料理 すみずみまで精緻に創られていて、それでいて「物語」はとてもファンタジーの魅力に溢れていますね。 守り人シリーズは翻訳されて米国で賞をとっているようですが、全世界でよまれても不思議じゃない。 近年読んだ長い小説(へんなくくりですが、)の中で比べても、ミレニアムや1Q84より ずっと面白い(まあジャンル違いすぎですが)小説だと思います。

    0
    投稿日: 2012.10.24
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    獣の奏者の完結編。母親になったエリンが王獣のため、息子のために未来を切り開こうとする必死の姿は最後には泣けた。夫・イアルの妻を思う気持ち、ジェシを思う気持ちにも心打たれた。家族の絆の強さがうらやましいくらい。決してすべてが幸せだとは言えないけど、幸せな家族だと思う。自分も息子のためにここまで強くなれるのか、、、自信ないかも。 人は歴史の流れの中で生きていて、自分の後にも先にもその流れは続いていくんだなぁ、と改めて感じさせてくれた。

    0
    投稿日: 2012.10.24
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    獣の奏者、続編、完結。 グランドフィナーレに相応しい終焉、感無量。 言葉では言い尽くせない。 疾風に勁草を知る。

    1
    投稿日: 2012.10.18
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    言葉では表現しきれない、すごい感動。4巻にも続く壮大な物語。壮大なんだけど、その中に巻き込まれるエリンは平凡に生きたいたいと願っていて、それが何だか哀しかった。ラストは、哀しいけど、これでいいんだって思った。戦争が生々しく、胸が苦しくなった。やっぱり、争いは嫌だな。うまく書けない笑

    0
    投稿日: 2012.10.17
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    しまったー。3、4一日で一気読みしてしまった…。 でも途中で止めるのは無理でした。 濃密で重く、謎に満ちていて、クライマックスへのたたみかける展開は息つく間もないほどでした。 何年か後にまた読み返したい本。

    0
    投稿日: 2012.10.17
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    エリンが最後まで好きになれなかった。 闘蛇編・王獣編のエリンはわりと好きだったけど… ぐだぐだめそめそは嫌いだ。 夫を「あなた」って呼ぶのも嫌いだ。 彼女のキャラが薄れたので主人公が誰かわかり辛くなった。 あと、家族物ってどうしてこうも冷めるのだろうか… テーマが戦争なのか生物なのか子育て奮戦記なのか定まらず居心地が悪い。 言いたいことにこだわりすぎたのでは? 前2編で終わった方が良かったのかもしれない。

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    投稿日: 2012.10.16
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    一気読みでした。 駆け抜けていったエリンの人生。その想いはくジェシへと受け継がれていく。そしてジェシからさらにまた次の世代へ・・・。 大人にも子供にも読んでもらいたいファンタジーです。

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    投稿日: 2012.10.12
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    そして、破局が訪れた。それまで、折をみて語られていた国を滅ぼすような破局ってなんだろうと考えていたのですが、確かにこれも一つの破局でしたが、考えていたより規模は小さかったですね。 ところで、このラストまでのストーリ展開は、妙にご都合主義なラストを見せられのも多い中で、個人的には非常に好感が持てました。

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    投稿日: 2012.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『指輪物語』のリングと同じように『獣の奏者』の王獣は両刃の剣だから、アニメ化された前半とは違って悲壮な展開になることは予想していた。それでもラストの「4日間の奇跡」まで一気に読んでしまった。

    0
    投稿日: 2012.10.11
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    人の世の争いはなくならない。 それぞれに願いや祈りや真実があるのだろうけど。 皆が幸せに暮らしましたとさ。 これこそ最大のファンタジーになってしまいそうな現実。 実際、この世界を破壊するかもしれない、 幸せに守りきれるかもしれない、 そんな唯一の力を、一人に委ねる恐怖は、 計り知れない。 エリンの、家族とこれからも幸せに暮らしたい、 王獣と共にありたい、隠された真実を解き明かしたい、 王獣を野に返したい、それぞれの気持ちには偽りがないのでしょう。 でも、誰も知り得なかった、成し得なかった事を一歩ずつ 身につけていくエリンは確実に王獣だから、 という事実に守られていたように思える。 探求編を手に取ってから、もう、一気読みでした。 壮大な物語を味わせてもらえた事に感謝します。 一つだけ疑問に思ったのはエリンの世界にはコウモリのような生物はいないのかな?   でした。

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    投稿日: 2012.10.11
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    そうか、そっちへ行ってしまうのか。 筆者がなにかのインタビューで言っていたように、最後まで読むと、確かに“王獣編”で完結していたんだなと思った。 筆者の決めたこととはいえ、読者の希望で続きを書くということはあまりいい結果を産まないのかもしれないな。 それも腕なのかな。

    0
    投稿日: 2012.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    容赦のない展開が畳み掛けるあのラスト近くで、サブタイトルに「音無し笛」を見た瞬間の鳥肌は忘れないと思います。わからないことをわかろうとする。松明を伝えるようにしか伝えられないことがある。物語の底で切実に流れていたそんなメッセージを噛み締めるたびに、エリンのしたことがただの自己犠牲じゃないことが胸に迫ってくる。

    0
    投稿日: 2012.10.08
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    もう素直に良かった、面白かったとしか言えないです。 将来子どもにも読んでもらいたいですね。 人と人。獣と獣。人と獣。 家族愛、師弟愛、友愛。 たくさんの絆と愛に溢れる物語でした。 上橋さんに心からありがとうと言いたいです。 2012.10. 01

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    投稿日: 2012.10.03
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    エリンは優れた学者に、セィミヤも為政者として成長した事をしみじみ感じました。 王獣と闘蛇の設定が少しずつ明らかにされて行く所から何となく戦闘の最終局面が読めたのですが、緻密に計算して書かれていて納得の描写でした。

    0
    投稿日: 2012.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間とは心の通わない獣と、心を通わせる術を得たことで災いの扉も開けてしまったエリン。 2巻から11年、母となった彼女は以前と変わらず教導師をしながら王獣の世話をしていた。 隣国との衝突が激化する中、再びエリンと王獣は争いの道具として、政治に巻き込まれていく。 ダイナミックで壮絶な物語のうねりに身を任せながら読み進めていくうちに、辿り着く結末が薄々と見えてきて、辛くてしょうがなかった。 闘蛇と王獣の生態について巧妙に隠してきた真実、王祖ジェと闘蛇の関係もとうとう明らかに。 真実を知ることでしか未来は開けないと、獣にとってよりよい選択肢を模索するエリンの苦悩。 真実を知り、隠さずにそれを伝えていくというエリンの選択は生の営みの大きな流れの中の一点であることは解っているものの、他にもっと方法がなかったのだろうか?と読後も悶々と考えてしまう。 伝えることを諦めず、真実を受け継いでいくことの大切さ。 エリンの灯した松明は確実に読み手の心に届いてるよ!とエリンに伝えたいなあ…。 それだけ、心に残り、受け取るものがたくさんあったシリーズでした。 いつかまた読み返したい。

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    投稿日: 2012.09.28
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    最高に現実逃避させてくれてありがとう。児童文学ではなかったね。こんなものは、もはやただのファンタジーではなくて大人も子供もないんだよ。完結した感つよめ。

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    投稿日: 2012.09.27
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    最終巻。 王獣と闘蛇の悲劇とは何か、というところが明らかになる。 自分の死をもってそれを止めようとするエリンの最後の描写が何とも言えない。 ただ平穏に家族と暮らす、という最も平凡な人生を心から望むエリン一家が切ない。 一個人と国家がこの4巻に凝縮されていて、長い旅を一緒にしてきたような読後感。 読みやすいものの、地域の地図とかつけてくれるともっと良かったかも。

    0
    投稿日: 2012.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この気持ちをどう表現するか言葉が出て来ないですが、 本当に、この本に出会えて良かったです。 願わくば、幸せに、末永く...生きて欲しかったです。 エリンにも、リランたちにも。 美しく、あまりにも哀しい物語でした。

    0
    投稿日: 2012.09.24
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    堂々の完結編!であります。 いや~、こんな結末になったのだなぁ。 ハッピーエンドとすべきなのか否か。 あと、3・4巻読んで印象に残ったのは、架空世界の話にもかかわらず生活風景の描写が非常に細かく、とてもリアルに表現されているというあたりです。 架空料理(しかもウマそう)とか架空衣服とか架空商店街とか、はたまたイアルさんの架空「男やもめ」生活(?)とか。 私の読了後、引き続き娘(小5)がガシガシと読み進めております。

    1
    投稿日: 2012.09.24
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    本作がどれだけ面白いかは、他のレビュアーの方々が言葉を尽くして書いておられるので、書かない。 ただ読了後、文庫に掛かっていたオビを見て、胸を衝かれたことだけを書いておきたい。 オビにはこう書いてあった。 『懸命に生きた人。 小さな、けれどいとおしい 一瞬の輝き。』

    1
    投稿日: 2012.09.24
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    全ての謎が解き明かされます。 壮大なリョザ神王国という歴史文学を読んでいるようでありながら、 1人のエリンという運命に翻弄された女性の一生を描いた最高傑作だと思います。 読んでよかった。

    0
    投稿日: 2012.09.23
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    この最後には…泣けてきます。 もうちょっとどうにかならないかと思うのですが、これ以上のラストは望めないです。 生まれてから死ぬまでのエリンの一生ははやかったなぁ 一番印象的なのが2巻の最後のシーンです。

    0
    投稿日: 2012.09.23
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    1,2で終わりだと思っていたのですが、続きがあったとは。 エリンも大きくなって、守るべきものが増えて… 読み終えて思うのは「家族って強い」て事。 あんな風に、必死に生きていくことを、私はしなくても出来る世の中に生まれたけれど、あんな風に生きていくのはかっこよいなと思うのです。 是非、色々な方に読んで頂きたいです。

    0
    投稿日: 2012.09.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    みんな仲良く幸せに暮らしましたとさ。なんて結末はあり得なかったよなぁ確かに。制御できるはずもない大きすぎる力の物語だもん。でもなぁ。

    0
    投稿日: 2012.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ちょっと、呆然としてる。 涙が止まらなくて、止まらなくて。 エリンが生き延びて、幸せにくらしてく道を探ったけれど、 この結末しか、 「それから、母は四日生きた」 このジェシの言葉にしかたどりつけなかったと上橋先生は書かれてたけれど、そうなんだろうなあっと思う。 エリンは生きたかっただろうけど。 もっともっといろんなことを知りたかっただろうけど。 泣いているエリンをリランが何度も何度も舐めるシーンが胸にしみた。 狂乱、と章題にあったから、怖ろしいことになるんだろうとは思いつつ、 ずっと読んでいたのだが、いざその情景が目の前に広がると 怖ろしいというより哀しくて、涙が止まらなかった。 野にあるように生きていれば起こるはずもなかった悲劇。 ぐるぐると廻りつづける闘蛇の群れ。 その渦は、エリンが逃れようとも逃れられなかったもろもろのことにも思える。 全てを明らかにして、その先に未来を、というエリンの願いは、 少なからず叶ったといえるのだろう。 王獣は野に還り、起こったことは全て後世へと残される。 違う言葉をもつ生き物と心を交わしあいたい、 そんな少女の純粋な気持ちが行き着いた場所があの哀しみなのだとしても、 それでもリランとエリンの間に芽生えたものをなければよかったとは思えない。 悲劇は何度でも繰り返すのだろう。 それなら人など滅んでしまえばいい。そう思ってしまう。 でも、それでも、とエリンは言う。 そうじゃない道を探すのも人なのだと。 考えて、考えて、死に物狂いにいきるのだと。 心をつかれる言葉がいくつもいくつもこの作品にはある。 私はここまで懸命に生きれるだろうか、と思う。 後になんにも残せなくてもいい、ただすっぱりあっさり なにもかも終わって欲しい。不意にそういう想いが湧いてくるのは。 きっと私がここまで懸命に生きてないからなんだろう。 あの結末しかあり得なかったとしても、 そのことに異論はないけれど、 それでもイアルとエリンに2人で幸せに老いていって欲しかった、と心から思う。 なんだか言葉にできないものがいっぱい湧いてくるような気持ちだ。 本当にすばらしい物語を産んでくれて、感謝!!

    6
    投稿日: 2012.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生命の営みの仕組みを、なぜそのようにあるのかを知りたい。理解したい。分かり合いたい。 そういう純粋な気持ちから見いだした王獣と対話する技術が、国の存続を左右するものになり、望みもしない国同士の争いに家族もろとも巻き込まれてしまったエリン。幸せになれるはずだったのに、またその頭の良さからいろんな新しい発見ができた可能性もあったのに、くだらない争いのためにそれらの可能性がすべてつぶされてしまったことが、本当に悲しい。 そして、獣とは分かり合えたのに、対話だけでは分かり合えない人間の頑迷さ。王獣と闘蛇の大軍をぶつけ合うことの危うさを過去に一度経験していながら、それから目を背けるように、ただ欲を手っ取り早く満たすために再びその武器を手に取ってしまった愚かさ。その武器が秘める、大いなる力を御しきれるものと思い込んでしまった傲慢さ。 ファンタジー世界を舞台にした物語ですが、そうした現実世界と変わらぬ人の汚い有様と、それが引き起こす悲劇を見せつけられました。読後は、エピックな世界観と文章から想像させられる風景•景観、幸せそうなエリン一家の姿、そしてなによりストーリーに満足しつつも、同時にまざまざと描かれた人という獣の醜さを心に焼き付けられたような感覚がありました。 2作目の王獣編も重厚感漂うお話でしたが、本作はそれを遥かに超える重みがあるように思います。良い作品ですが、すっきりしないという訳ではないけれど、何か心に引っかかって離れない、奇妙な感覚が残りました。

    1
    投稿日: 2012.09.15
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    良かった。それにつきる。 人物の心理はもちろん世界が音を色を温度をもって迫ってくる。 大きな歴史の流れ、途切れてもまた続いていく人の思い。 子供にも読ませたい。

    0
    投稿日: 2012.09.14
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    感想はブログでどうぞ http://takotakora.at.webry.info/201208/article_5.html

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    投稿日: 2012.09.14
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    またひとつ、忘れがたい・大切にしたい物語に出会えたことを幸せに思う。 人という生き物の弱さと強さを、愚かさと尊さを教えられた。 あくまでファンタジーの世界の物語ではあるけれど、今を生きる私たちが忘れがちで、忘れてはいけないことを思い出させてくれる物語。 物事の本質を見極め、そこから逃げずに己の責務をすべて請け負って、長い道のりをひたすら前へと進み続けたエリンを尊敬する。 苦しいときには思い出して、自分を顧みたい。

    1
    投稿日: 2012.09.13
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    神々の山脈の向こう側へ向かうことを諦め、当初の考えを捨て 真王の意に沿って王獣部隊を編成することに決めたエリン。 そして、そんなエリンを別の角度から救おうとする夫イアル。 息子ジェシをほったらかしにしてしまう現状を悔いながらも ふたりはそれぞれの方法で奮闘するのだが、いよいよ騎馬民族ラーザが 闘蛇部隊を編成してリョザ神王国配下の隊商都市に進軍してきて… 多数の闘蛇と王獣が相まみえる時、一体何が起きるのか。 何が起きても大丈夫なように準備をすることにしたエリンの 努力は実を結ぶのか!? 闘蛇編、王獣編に比べると、それぞれの生態に関わる部分の 物語は少なく、どちらかと言うと、国と国との争いに巻き込まれて しまったエリンの苦悩を描く物語になっている。 ただ、もう1作くらい話を拡げられたんじゃないのかなと思う。 ロランやオムリなどの脇役にもう少しスポットが当てられたのでは ないかと思ってしまった。 まぁ、ただそうなるとそれは『獣の奏者』ではなくなるのかもね。 その世界観で人の争いを描くファンタジーに変わってしまうのかも。 (それも読んでみたい気がするんだけど) ラストはまぁそうなるよなというところに落ち着いた感じ。 突拍子もない方向に持っていかれるよりはよかったのかも。 個人的に、このシリーズは王獣編の途中、エリンがリランと 心を通わせるようになるところあたりまでが一番面白かった。 一番『獣の奏者』らしい部分だったしね。

    0
    投稿日: 2012.09.13
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    凄まじいまでの 臨場感、切迫感、焦燥感、現実味。 感情移入なんてもんじゃない。 拝読中はもちろん読了後数日間に至るまで エリンとその家族のことばかり考えていた。 渦巻く陰謀、食い違う思惑、迫り来る運命。 それらに対するエリンとその夫の決断。 劇中の一場面をこうもたやすく回想でき、思い出したその一場面から連鎖的に主人公の歩みが胸に去来して場所も問わずに涙が目に浮かんでしまうほどの威力を持った小説など、本作以外にはまだ知らない。

    0
    投稿日: 2012.09.13
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    もう夢中で読んだ。読み応え充分だった!内容も深くて、今回は人と動物との関係にとどまらず、人はどうして争うのか、それはどうやっても避けれないことなのか?ならば人はどうすればいいのかということをいろいろ教えてもらった。 もっともっとエリンと時を共にしたかったのに、これで完結してしまったのはとても淋しいけれど、前向きで、人はもっと学習して良くなっていくのだという希望に満ちた終り方でよかった。

    1
    投稿日: 2012.09.13
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    久しぶりに文字にしたいと思いました。 この中に生きる人達が、本当にステキでした。上橋さんの作品は、女性が強く儚い。そして男性が凛としている(男性に使う言葉ではないかもしれませんが) 結局、最後の最後まで、彼女たちは自分の力ではどうにもできない世界を見つめ、苦しみます。ただ、その中の小さな幸せ。誰もが描く「普通の幸せ」を、本当に、本当に少しの間、過ごすことができてよかったと思いました。 きっとその間、怯えたこともあったはずです。お互いの気持ちをすべて伝えきれず別れたこともあります。後悔の連続です。でも、後悔できることが幸せなんだと…新しい道を開くきっかけなんだと、教えていただきました。 ファンタジー最高。新しい作品をお待ちしております。

    1
    投稿日: 2012.09.08
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    辛い立場に立つエリン。息子との関係をうまく保てない時期がある。王獣達を野に放ちたいはずなのに許されない。王獣の訓練を続け、いやおうなしに戦いの場へと押し出される。大災厄の再現になるかもしれないのを承知の上で。息子にかける母の言葉そして父の言葉に涙が出る。闘蛇と王獣が作り出す混沌は本当に恐ろしい。どんな時も精一杯生きたエリン。今は夫と共に天国で安らかだろうか。 最後には野に放たれた王獣、自由に空を舞う姿が目に浮かぶ。 闘蛇たちも自由になっているといいな。

    0
    投稿日: 2012.09.07
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    “降臨の野”での奇跡から11年。 エリンは<堅き楯>であったイアルと結婚し、ジェシという息子を授かっていた。 ある日大公に呼ばれたエリンは、闘蛇村で起きた<牙>の大量死の原因を探るよう命じられる。 その真相を探るうちに、次々と出てくる新たな謎。 母ソヨンが秘していたこと、遠き民の血筋、王祖ジェと闘蛇・王獣のつながり。 そして真王ヨジェの命を受け、ついにエリンが腹を括る・・・。 あ~あ、読んじゃった。うっかり開いたら、予想通りの吸引力で一気読み ・・・これは、本当に「完結編」でしたね。 見事に終わってしまいました。 Ⅰ・Ⅱと比べ、非常に重たい雰囲気を感じました。 それはエリンが大人になり母になり、しがらみや守るべきものができたからなのか。 Ⅲ・Ⅳは国家的政治的な思惑が強すぎて、エリンの「王獣を野に放ちたい」という思いとは真逆なことを強いられている姿が痛々しかったです。 そのぶん親子や周囲の人々とふれあうシーンはほっとさせられました。 あのエリンが母になって、息子のことでハラハラさせられているなんて。 そしてイアルの予想外のよき父親っぷり。 なんとも微笑ましい。 とはいえ、それは傍から見ての姿で、ジェシにとっては・・・。ってところがまたキツいんですが。 そしていつか訪れるであろう破綻を想定しながらの暮らしは、やはり痛々しいものがありました。 なんだかすごく大人向けな印象。 エリンはもちろん、セィミヤにしても重大な決断を迫られ、そして起きたことの責任をとらされる。 いくらでも深読みできてしまいそうです。 それにしてもなんなんでしょうね、この虚無感。 ラストもエピローグも申し分ないのですが、ものすごい虚しさを感じているのですが。 結局、エリンのしたことってなんだったんだろう。

    3
    投稿日: 2012.09.07
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    全体を通して面白い作品だった。 しかし、最後の解明のくだりが若干急ぎ足だったのが惜しい感じ。また一部論理的な解明がなされていなかった気もする(勘違いの可能性あり)

    0
    投稿日: 2012.09.06
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    意外な結末。エリンなら、謎を解いてしまえたのでは?身に余る、力の怖さ。自然の脅威には、人は太刀打ちできないということか。

    0
    投稿日: 2012.09.06
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    超ぉ、泣けました。もう何も言葉はいらないくらです、ぜひ色々な人に読んで欲しい作品でした。物語はファンタジーなのですが、今のこの世界を見回してみても考えさせられる部分が多々ありました。大切な言葉が沢山ちりばめられた、優しくて、悲しい物語でした。

    0
    投稿日: 2012.09.03
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    ハードカバーで読んだ時、余りにも容赦ない展開にラスト「読むんじゃなかった…」と正直思いました、辛くて。でも文庫のあとがきで上橋先生すらもっと違う道はないかと思いながら執筆されていたと知り、少し救われたような気がします。(でも娘にはまだ青い鳥文庫4までしか与えてないです…。)

    0
    投稿日: 2012.09.02
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    いつの時代も避けられない争い。闘い。 人の縄張りを荒らして、闘いを繰り返すのは悲しい人間だけだ。。 他の生き物がどの様に共生しているかを、もっと勉強して 人間も考えるべきだ。 強大な力を持つと人知を越え最終的には、制御出来なくなる。 本当の過ちを犯す前に、立ち止まる必要がある気がする。。。

    0
    投稿日: 2012.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時間の進みがすごく速かったです。 ジュシの反抗期も意識して書かれていたのではなかなっと思う場面も・・・ 最後の王獣と人間の親子がすれ違った場面はぐっとくるものがありました。 ※リランが着地してから、音無し笛を吹くのじゃダメだったの?って疑問はおいておきます。 死してなお、ジョウンおじさんに育てられていたころのエリンが頭に浮かぶので、時が経ったことを実感させられます。

    0
    投稿日: 2012.08.31
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    ファンタジー好きなので、一気読みしました。人間の愚かな性や、命の尊さ、知識を後世に伝え広げることの素晴らしさや、真実を追い求めることの過酷さなど、考えさせられる内容がてんこ盛りです。がしかしファンタジーが苦手な人にはオススメしません…。 誤ちを犯さぬように全てを閉ざすのでは無く、誤ちが何故起こったのかその原因を説明し起こらぬようにはどうすればよいかということを考えさせる、エリンの子育てには非常に共感させられました。子供いないけど。 『泳げない子供に対して、水に近づくことを禁止するのか、泳ぎ方を教えるのか』どちらを選択するかとしたら、泳ぎ方を教えるでしょう。いくら水に近づくことを禁止したとしても禁止されている理由がわからなければ、水に入ったらどうなるのかということがわからなければ、いつかは水に近づくことになるでしょうから…。要はこの話ってそういうことかな。

    1
    投稿日: 2012.08.28
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    「探求編」から更に2年後から始まる「完結編」。探求編の最後で決意したからには、この2年間は敢えて描くまでもなかったということだろう。 物語の性質からいって「みんな仲良く暮らしました」みたいな大団円はありえないだろうとは思うものの、物語を何処に着地させるのか全然見えない展開。 最終章冒頭の二行を見て「嗚呼!そう来たのか」と思った。あとがきによれば上橋さんもこの場面が立ち上がったからこそ執筆できたのだとか。 群れて生きる人という生き物の原罪を問う物語。

    1
    投稿日: 2012.08.28
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    闘蛇と王獣。秘められた謎を解き明かす決心をしたエリン。伝説の災厄は再びもたらされるのか・・・。 本作で描かれる「人と獣の性」は、そのまま現代を生きる私たちの生活とも一致する。長編にもかかわらず、一気に読んでしまう傑作。

    0
    投稿日: 2012.08.26
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    王獣と闘蛇が戦うと大いなる災いが起こる。何が起こるのか?これまで秘匿されてきた事実を身を賭して明らかに使用するエリン。 危険な事実を秘匿することで、危険を回避しようとしてきた霧の民や祖先、 危険な事実を共有することで、危険を回避するべきではないかというエリン、 事実を隠しても結局は事実に突き当たる人がでてきて、危険を招いてしまう。それなら、皆で事実を共有し伝え、皆で危険を回避する方法を探るほうが良いという作者の明確なメッセージがある。

    2
    投稿日: 2012.08.25
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    食事や風呂や仕事などで、読むのを中断するのが、本当に辛かった。エンディングを迎えてしばらく無言になったしまった。

    0
    投稿日: 2012.08.25
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    上橋菜穂子の獣の奏者 探求編を読みました。 以前、闘蛇編、王獣編を読んでいたのですが、今回、探求編、完結編を読みました。 王獣編では18歳だったエリンも、探求編では30歳の大人の女性に成長していて、最愛の夫と一人息子もいるのでした。 この物語の中では戦の主力となるのは闘蛇と呼ばれる猛獣たちで、闘蛇村という闘蛇部隊を育てる組織があるのでした。 エリンは闘蛇の天敵である王獣たちを竪琴を使って操ることが出来るようになったため、過酷な人生を歩むことになってしまいます。 エリンは言い伝えにある闘蛇たちと王獣たちが戦うときに起きる悲劇について探求を進めていきます。 エリンは穏やかな家族だけの生活を望んでいるのですが、その世界の情勢がそれを許さないのでした。 人間がいろいろな兵器を開発するということが、どういう結末をもたらすのか、という問いに対しての上橋菜穂子の答えが物語られています。

    0
    投稿日: 2012.08.23
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    わからないことをわかろうとする。 これが全てじゃないかと思う。 古くから伝わる言い伝えも言葉を交わすことができない生き物も、自分が目にして耳にした小さな欠片を広い集めて想像するしかない。 理解したという結果より理解しようとした過程が大切で、そうやって人生を生き抜いたエリンと王獣や闘蛇の歴史のお話。 感想が上手く書けないのが悔しいけれど、王獣や闘蛇などの架空の生き物が生きるこの本の世界に浸って欲しい。 物語の純粋な面白さだけでなく、現実に通じる何かを感じる人も沢山いると思います。 大好きなシリーズ完結編。

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    投稿日: 2012.08.22
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    著者本人も言っているように、1、2巻で十分に完結している物語。しかし、続編があるならぜひ読みたい。本当に待ちに待った。 今度は、エリンの息子が出てくる。エリンとともに戦争に巻き込まれていくのか。 4巻で本当に完結する。途中で読むのをやめるのは、体力が尽きた時だけだ。

    0
    投稿日: 2012.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    探求編、完結編と一気に読了。 闘蛇、王獣同様に興奮MAXなので感想は 落ち着いてから改めて。 *************** 正直まだ、頭の中でうまく纏まらないんだけど 一晩眠ったので、改めて感想を。 長い、長い、お話しです。 ジェシが幼少の頃から少年期に差し掛かって 最後は立派な教導師になっているくらいに。 作者さんが後書きで「それから四日、母は生きた」 というジェシの言葉について書かれています。 なるほど、この言葉を終着点として完結するなら 物語はこう紡がれるしかないのかなー、と。 ヒーローなんてどこにもいない。 みんなが悲しいです。 みんなが必死で自分の生きる道を模索して 運命に抗いたいけど抗いきれなくて結局飲み込まれて。 救いはどこにある? 語り継がれなかった悲しい歴史は繰り返される。 人はどこまでも愚かで無力。 松明の火を隣の人、また隣の人へ繋いでいけば… というくだりを読んで 随分前、大好きだったアーティストさんが 「みんなで今、隣に居る人に大好きだよって言って どんどん手を繋いでいけば世界は平和になれるのにね」 って言っていたのを思い出しました。 でもそれこそファンタジーでしかありえないなー、なんて ひねた大人は思うわけです。 「これはファンタジーだけど今この地球上で人間が抱えてる 問題と通じるものがあるなー、なんていうのは考えすぎ? 人は己の利益の為に尤もな理由をつけて 仕方のないことだからと言い訳して 破滅への道を自ら進む生き物なんだなー。 それをよしとしない生き方はやっぱりファンタジーでしか ありえないのでしょーか?」 上記「 」内は闘蛇編、王獣編で書いた感想。 このお話し、ホントにぶれないなー。 見事に筋が通ってる。 だから、どこかわたし達の知らない別の世界で 本当にエリン達が刻んだ歴史の足跡があるのでは? と思うとリアルに胸に響くのです。 そして今回もカバー装画がとても素敵。 この絵の世界感でアニメーション映画として見れたらなぁ。

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    投稿日: 2012.08.20
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    闘蛇と王獣。秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天に舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。傑作大河物語巨編、大いなる結末へ。 (BOOKデータベースより) *** 実際に経験してからじゃないとわからないことも多い。 ミスをしてみて初めてわかることもある。 でも取り返しがつかない過ちを犯してから後悔しても遅いこともあるから、先人たちの知恵を知り、有難く活かして生きていかなきゃいけないんだと思いました。 ラストは、やっぱりちょっと切ない。 たった一人の英雄の力ですべてが上手くまとまって終わる、なんてないってことはわかるけれども。

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    投稿日: 2012.08.19
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    文庫化が待ち遠しくて仕方がなかった作品。 文庫としては一冊500p弱と京極さんや川上さん程ではありませんがボリュームがある。しかし、一度ページを捲ってしまえば途中で止めることができないほど引き込んでくれる作品。そして、闘蛇編、王獣編、探求編ときて、最終の完結編。本当に泣けました(><) 「守り人」シリーズしかり、孤笛のかなたしかり、終わり方は安心できる作者であるものの、本人も公言していたように本作品王獣編で一旦完結したモノを再度練り直してのプラス2巻。でもより深く人を描き、より深く周りを描き、これをファンタジーと分類するのはやっぱり違和感があるくらいに誰にでも読んでほしい作品になってました。 以下抜粋 「王獣にとってなにが幸せなのか、それを判断できるのは、王獣だけでしょう。私は、幸せという言葉を使って、自分がやっていることを納得してしまうのが怖いのです。」 「人は殺し合いをやめられない。これからも、きっと戦いはつづいていくでしょう。わたしたちはばらばらで、言葉を持っていても、思いはけっして、思うようには伝わらない。でも・・・・・それでも人は、道を探しつづける。きっと、人というのは、そういう生き物でもあるのよ。 人は、知れば、考える。多くの人がいて、それぞれが、それぞれの思いで考えつづける。独りで死んでも、別の人がいて、新たな道を探していく。 人という生き物の群れは、そうやって長い年月を、何とか生き続けてきた。 知らねば、道は探せない。自分たちが、なぜこんな災いを引き起こしたのか、人という生き物は、どういうふうに愚かなのか、どんなことを考え、どうしてこう動いてしまうのか、そういうことを考えて、考えて、考えぬいた果てにしか、ほんとうに意味のある道は見えてこない。」 戦いというものが、ひとりの英明な人の英雄的な行為で止められるものではない。 人は群れで生きる獣だ。群れを作っている一人ひとりが、自分が何をしているのかを知り、考えないかぎり、大きな変化は生まれない。多くの人の手に松明を手渡し、広げていくことでしか、かえられないことがある。

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    投稿日: 2012.08.19
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    読み終わったー!長い長い物語、登場人物たちの生きざまを見届けたという感じです。 誰もが最善の道を模索しようとしているにも関わらず、大きな流れに巻き込まれてしまっていく…。主人公をはじめとした人々の苦悩が、読者の心を動かします。 作品を通じて上橋さんが伝えたかったメッセージは、現代を生きる私たちに向けられたものだと思います。哲学、政治、歴史などのテーマを織り込みんだ奥行きのある世界観。そしてその世界を生きる登場人物たちの心の動き。ここから私たちが学ぶべきことがたくさんある、そんな風に思わせる素晴らしい作品でした。 上橋さんの「守り人」シリーズも、いずれ読んでみたいと思います。

    0
    投稿日: 2012.08.18
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    拒み続けてきた真王〈ヨジエ〉の命に従い、王獣の部隊を築くエリン。多くの謎を一つひとつ自らの手で解き明かし、それが災いをもたらすかも知れぬと思いながらも、『知らねば、道は探せない』と進む彼女はまた、時間の流れの中で、人という生き物が今まで生きてきた道程の真理にも思い至る。 前2巻が“人と獣の交流”にその幹が有ったとすれば、今回の2巻は“人の性に対する諦観と希望”が底に流れていて、「王獣編」の後半、どうすることも出来ない人の性に対する虚しさが押し寄せたのを思い出すが、それに対するひとつの答がここにある。 粛々と戦の準備は重ねられ、終章語られる狂乱は、“人というどうしようもない獣”の辿ってきた歴史、多くは失敗と悔恨の歴史を苦く振り返りながら、「わからない言葉を、わかろうとする、その気持ちが、きっと、道をひらくから」という前向きな言葉で閉じられる。ヒタヒタと沁みる静かな感動。

    1
    投稿日: 2012.08.18
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    完璧に完全に完結してしまう物語には、いつもちょっと寂しさがあります。 その先を期待させたりとか、こうこうこうなるんだろうなあという妄想を 一切遮断する力があって。 それ以上踏み込まれる事も、踏み散らかす事も、勝手に先を紡ぐ事も、色を塗り替える事も一切許さない。 そんな寂しさ。 でもそういう作品てとんでもなく完成度が高くて、それ以上はないって納得せざるを得ない凄いものだったりで、 要はそんなものに出会えて読めて良かったって、 立ち会えて良かったって幸せです。 ジェシ以上に子どもに伝えたい大切にしたい物語。 でも守り人もエリンも終わっちゃって寂しいなあ…。

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    投稿日: 2012.08.16
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    う~む、そうきたか。おもしろかったし、読後感も良好。 超音波のこととか闘蛇が数代で変質するのかとか色々思うことはあるけど、考えさせられることもいっぱいあった。 イアルはかっこよすぎだな(^^;;

    0
    投稿日: 2012.08.14
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    闘蛇編、王獣編、探究編・・・と経た末にエリンがたどり着いた運命とは。エリンの思い、言葉ひとつひとつが作中の架空の出来事に対してだけではなくリアルに読者である自分まで響いてくるのは、現実世界と根本にあるものは変わらないと感じるから。母との記憶を辿り、知識を探究し、夫や我が子の未来をひたすらに思う。そんな彼女が引き寄せた未来を是非とも読んで感じて欲しい。

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    投稿日: 2012.08.13
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    どうしても手が止まらないので一気読みしかできませんでした。 エリンもイアルも真王であるセィミヤも みんな悩み苦しみ、もがきながら生きようとしています。 エリンとイアルの子のジェシもまた、 さまざまな葛藤をかかえて、成長していきます。 泣きました。

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    投稿日: 2012.08.10