悪役の人物像が秀逸
メグレが当初犯人と思われた男をあえて逃がして、その裏に潜む真犯人を追うというストーリーです。 この真犯人は、すぐにメグレの前に姿を現すもののなかなかシッポをつかませません。黙っていれば、完全犯罪になりそうなのに、メグレを挑発するような態度を取り続けるしたたかな人物で、メグレも苦戦します。この犯人の屈折した人物像が本作の読みどころだと思います。 謎解きよりも、人物描写を重視する人におすすめです。