
総合評価
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powered by ブクログ私は博多ではないけど、他の本でも自分が住んでるところが作品に取り上げられると読んでても親近感がわいて、さらに作品に入り込める気がする。
0投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
白石氏の作品はこれで二作目。 前回読んだ『僕の中の壊れていない部分』が見事なまでのダメンズ小説!?であったので、今回もきっとスかした女ったらしみたいな主人公がわぁわぁいう小説かなあと勝手なイメージを描いていました。ところが、かなりほっこり系の作品でした。 ちなみに本作、短篇二つと中篇一つの計三篇からなる作品となっております。 ・・・ なかでも印象的であったのは表題作の中篇「どれくらいの愛情」です。 内容は言ってしまえば、オクテな甘味店経営者が一度別れたスナック嬢と最終的に結ばれる、という筋。 なんて書くと、女性慣れしていない小金持ちが、手練れの器量よしとなんだかんだでくっつく、みたいな印象かもしれません。まあそれはあながち間違ってはいないものの、一番印象に残ったのは以下の部分。 「彼が仕事以外のことで何かを気にかけたり、心配したり、思い煩ったりできるのは、結局この晶に対してだけだった。そして、彼女と別れてからの五年のあいだ、彼にはそういう対象がいなかったせいで、いかに仕事がうまく進んでいても、心の空虚さを埋めることができなかった。それがここ一週間足らず、この病院に足しげく通うようになっただけで心境は一変してしまった。誰かのことを思いやれることで、こんなにも心が満たされるとは・・・。正平は今更ながら驚くばかりだった。 ―――自分のことを心配してくれる存在も大事だが、それと同等かそれ以上に、こうして自分に心配をかけてくれる存在が大切なのだ。」(P.355) 散々振り回されるホステス嬢のことを言っているのですが、ふと自らを振り返ると、思い当たるところが。 私の場合は子どもたち、ですかね。 高校・大学と学費のピークに差し掛かっています。加えて、孤独を貫いた激しい反抗期を過ごした私に似ず(良かった!)、親が金を出すなら旅行はどこでもついてくるという子どもたち。予算繰りをしたうえではあるものの、なんだかんだでお金を出してしまう親の我々。ちなみに進路だってどうなるのか良く分からんし。 お金の心配を家内に話すと「そうやってお金を出せるのだって今のうちだけだよ。あっという間に二人とも社会人よ」とたしなめられるのです。 むう、なんていう分かったような、分からないような返事をすることが多いのですが、上記の引用を読んだときに、すっと腑に落ちた感じです。 面倒を見れるうちがハナだなということですね。 因みに、結末はクサーい(アマーい)セリフでハッピーエンドで終わります笑 物語の舞台が博多で言葉遣いも博多弁。方言が雰囲気を醸し出します。 ・・・ それ以外の短篇も良かったです。 「20年後の私へ」は航空会社で働くバツイチ女性の話。四十手前でキャリア?再婚?どちらもそこまで興味ないし…みたいなときに届いた過去の自分からの手紙に、一歩踏み出す勇気をもらう、みたいなお話。 「たとえ真実を
0投稿日: 2024.08.30
powered by ブクログ4つの中編からなる重厚な一冊。白石作品の多くに共通して見られる、運命というテーマが深く丁寧に描かれている。
10投稿日: 2024.03.12
powered by ブクログ正直なことを書くと、最初の作品に、少しだけれど女性軽視されてる表現を見つけて戸惑った。 ダーウィンの法則での触れ合いについての持論も、最初は納得行ったけど、父親も子供と触れ合うのだから父と母の関係性が悪くなるのはおかしいような? でも、目には見えない愛についてのお話は良かったな。 絶望は希望の種。心から相手のことを思う気持ちがあればそれで十分に愛し合えるんだ。 愛って何だろうって、自分の中にある愛のこと、もっと考えたいと思った。 後書きがとても好きでした。
1投稿日: 2022.11.30
powered by ブクログ「20年後の私へ」 「たとえ真実を知っても彼は」 「ダーウィンの法則」 「どれくらいの愛情」 の4作から成る一冊。 うーん、あまり好きじゃなかったです。 ところどころ、強く印象に残る文章はありましたが、小説としては、スッキリしないものでした。 都合よくいきすぎというか、フィクションで許される範囲を越えちゃっていたかな、と。 印象に残った文章達。 「人間は誰かに幸せにして貰うことも、自分だけが幸せになることもできないのだろう。人間にできるのは、恐らく誰かを幸せにすることだけなのだ。」 「お互いを思いやるとは、要するに互いに心配をかけ合うということでもある。 そして、人は心配されるよりも相手を心配しているときの方がきっと心は満たされるのだろう。」 この作品はあまり満足できませんでしたが、白石氏の愛・運命・死についての考え方はやはり好きです。
1投稿日: 2022.10.01
powered by ブクログ白石一文氏の作品は福岡が舞台であることが多く、とても親近感がわく。この作品も福岡、老舗のぜんざい屋のオーナーが主人公、見知りした地名や場所が次々出てきて情景を想像しやすくたのしめた。 目にしたものが真実ではないことがある。悲しみや辛さを味わった人の思慮深さや優しさ懐の深さを強く感じた作品でした。終わりがとてもほっこり。
1投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログ作者あとがきに書かれている、「目に見えないものの確かさ」とは、それぞれの作品で描かれている人間の想いや繋がりではないかと私は考えます。また、世界の流れ、というか、陳腐ですが運命といったものではないかと。それはよく目を凝らせば日常に溢れているのでしょう。 あとがきでは、目に見えないものを見ることが「自分とは何か?」という最も大切な問いに対する答えを出すために必要であると再三述べられています。 自分とは何でしょうか。即答できるような質問ではありませんよね。日常で考える機会もそうそうない質問です。私はまだまだこの答えを出せそうにありません。 ただ、それを考えることで、今まで気づかなかったことに目を向けられるのではないでしょうか。 自分とは何か。目に見えないものの大切さとは何か。そんなことを考えながら、この作品を読むと見える世界が変わるかもしれません。
2投稿日: 2022.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作を含む4つの短編(中編?)が入っています。 どれもテーマは愛かな? 「20年後の私へ」「ダーウィンの法則」「どれくらいの愛情」の3編は、真実の愛を追究したり、自分の気持ち(愛)に正直に生きようとしたりする人々を描いている。 「20年後の私へ」はもう若くはない、仕事を持つ女性が、本当はキャリアウーマンになりたかったわけじゃないのにだんだんと仕事の責任が重くなり、人がうらやむような素敵な男性にプロポーズされ、そっちに逃げることもできるけど…という展開で、私にはなかなか共感できるものがありました。19歳のときに、20年後の自分宛に書いた手紙の内容はなかなか泣けました。 「どれくらいの愛情」は色んな障害を乗り越えて真実の愛を見つけていく主人公の正平に文字通り惚れました。柄にもなく、“真実の愛ってこういうものかなー”と思ったりしてしまいました。 でもひねくれ者の私の心に一番ぐっっっっと来たのが、やっぱり愛のなんたるかがよく分からなくなってしまう「たとえ真実を知っても彼は」という作品でした。 真実の愛を貫く3つの作品の中にこれが1つ入っているのが効いてると思います。
3投稿日: 2021.09.17
powered by ブクログ以前読了していたのを忘れ再読。 2回目だからかあまり印象に残らなかったが、「たとえ真実を知っても君は」の話は、そういうことかと驚かされた。
0投稿日: 2020.02.19
powered by ブクログいろんな形の恋愛があって、そのどれもが平穏なものではなく。 傷つけて傷つけられて、それでも大切なものがあって。 愛ゆえの嘘がたくさん出てきた気がします。 嘘をつくってよくないことではあるけど、相手のためを思った優しい嘘は、きっと二人には必要なものだったんだろうなと。 私は『20年後の私へ』が好きでした。
0投稿日: 2020.01.23
powered by ブクログ-20年後の私へ- この作品は白石先生らしい福岡を舞台に社会的に自立した離婚歴のある女性の物語。 40歳を目の前に迎えて、今後このまま独りで人生を送っていくのか、それともある種の妥協の言い訳を自分に言い聞かせながらでも伴侶を得て世間一般的に普通らしい人生を送るのか…そんな分岐点に立って、これまで気づいていなかった愛情に気づく…ほんと白石先生らしい展開の物語でした。100頁程の短い物語なのでそんな感動すると言うほどのものではありません。彼らしさを感じられる作品として受け止めれば良いかと思います。 -たとえ真実を知っても彼は- これはとても面白かったです! 作家と編集者という戦争を共に戦うような仕事を越えた濃密な関係性を構築する二人と双方の妻…それぞれ夫婦としての評判は高く、一方は親子共に仲睦まじく幸せな家庭だった。作家が急逝して明るみに出た真実、ドラスティックにうねりを上げて崩壊する家族関係とどう向き合い、どう折り合いをつけるのか?そこが読み処でドキドキしながら読ませてもらった。結果、作家の残した言葉通りであったが、それまでのあらましと逡巡…結論までの持っていきかたに白石先生らしさを感じた。 -ダーウィンの法則- 白石先生による夫婦間におけるセックスレスに関する考察が非常に興味深くて、そこへ結婚という夫婦間に横たわる倫理や節操という束縛を絡めて、すでに冷えてしまっている妻や家族との生活を守る人生と結婚後に出会った人であっても息の合う人と一緒の人生と、本当に幸せなのはどちらなのか? 「運命のヒト」…白石一文先生が描く物語には常にそのテーマが潜んでいる。そんな運命のヒトと出逢ってしまった男女が見せる葛藤や苦悩のような感情を通して「今を生きている自分は」一体何をどう感じて生きているのか?諦観や妥協じゃなく自分の自然な欲求に正直に生きるって事がどれほど大事なことかを伝えていると感じます。僕が白石一文先生が好きな理由がそこだと思う。これはとても良い作品でした。 -どれくらいの愛情- この作品では作者の言いたいことの全てを「先生」が担っていて、他者を愛するという行為、他者を思うという行為とはどういうものであるのか?…それを喝破していたように感じました。二人一緒になりたいだけなのに目の前に立ちはだかる障害の数々を乗り越えて「愛するということの意味」に辿り着く…白石先生の頭の中にうずまく想いを叩きつけたような言葉だった。とてもいい読後感です。あとがきも素晴らしかったです。この本は、おススメです。
2投稿日: 2019.08.30
powered by ブクログ【あらすじ】 5年前、結婚を目前に最愛の女性、晶に裏切られた正平は、苦しみの中、家業に打ち込み、思わぬ成功を収めていた。そんな彼に突然、電話が。再会した男と女。明らかにされる別離の理由(表題作)。目に見えるものだけでは分からない「大切なもの」に気づくとき、人は感動に打ち震える。表題作の他3作を収録した傑作恋愛小説集。 【感想】
0投稿日: 2018.07.10
powered by ブクログあとがきで「世界の完全性」ということに言及している。小説の中ではある意味わかりやすい象徴的な人物が出てきているが、確かに「世界の完全性」なるものはあるのかもしれない。あると信じて、探求していきたいとも思うし。そんなあとがきを読んでいて思い出したのは「一般意思2.0」。いろいろなものが自分の中でつながっていく小説だった。
0投稿日: 2018.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「ダーウィンの法則」の知佳と交際相手の英一の哲学を理解することができず。 英一の時代錯誤な考え方、知佳の保育士時代の話。不倫を正当化はできない。少なくとも私は。 全体に宗教色が強く、受け入れ難い作品だった。
0投稿日: 2018.01.25
powered by ブクログ4編の短編集で愛がテーマとなる作品。どれも愛を追い求めるが故、たとえ歪んだ情事でも対峙しながら幸せになろうとする。世の中不倫や裏切りなど、がっかりさせられることが多いのだが、この作中の登場人物たちはそれに支払う代価が多いと感じる。器用に生きていそうで実は不器用な部分はもはや同情の気持ちさえ芽生えた。
0投稿日: 2017.12.22
powered by ブクログ白石一文さんの中、長編小説集。なんかどれ読んでもおんなじようなことが書いてある。 不倫を崇高なことのように扱って酔いしれてる男が多いんだよな。 結婚していて恋に落ちることはあると思う。でもそれって不倫だし、私は不倫するような男がぬけぬけとそのまま純愛を育むことなんてできるわけない気がする。 同時に、いくつかの結婚には確かに間違いもあると思う。でもその結婚がいくら間違いだったとしても、「この不倫こそが真の愛だ」なんて言っちゃだめだよね。 むずかしいなぁ…。 「たとえ真実を知っても彼は」のテーマとなっている、真実の絶望こそが人間に真実の愛を与え得るっていう言葉が重かった。これは分からなくもない。 「ダーウィンの法則」では、最低な不倫男だけど英一の言うことに一理あると思った。 --愛情があるから肌を合わせるんじゃないんだ。人と人とが肌を合わせるために愛情という接着剤みたいなものが必要なのにすぎないんだ。 そして長編「どれくらいの愛情」。 こてこての博多弁と安っぽいトレンディドラマ的展開に辟易したけれど、そこにでてくる教祖みたいな先生の言葉は信じたいと思った。 本当に互いに愛し合うようになれば、別々の場所で別々のことをやっていたとしても、同じ感慨、感覚を同時に共有できるのだということ。 そういう意識の共有が愛し合っているということで、だから別れるということは、二人が別れたいから別れたということ。誰のせいでもなく、それが正しいと互いに信じたその理由だけで別れたのだ。 毎日一緒にいればそれだけで愛し合っていられるわけじゃない。逆に、ずっと離れていたって連絡を取り合わなくたって死に別れていたって、心から相手のことを思う気持ちがあればそれで十分に愛し合える。 祈りとはそういうもので、祈りこそが何より一番大切なのだ。
0投稿日: 2017.11.02
powered by ブクログ『二十年後の私さん。心がくたびれて、なにもしたくなくなったり、誰のことも好きになれないような気がしたら、どうか、この私のことを思い出して下さい。私はいま、あなたのことを心から応援しています。そしてあなたが素敵な人と出会い、幸福な人生をこれからも送っていくことを心から願っています。父や母、いやそれ以上の強い気持ちで、私はあなたの幸せを祈っています。あなたは決して一人ではありません。こうして今も一生懸命に生きている私がいます。これからも一生懸命に生きていく私がいます。そういうたくさんの私が積み重なって、いまのあなたがいるのです。だから、あなたは決して一人ではありません。一人だと思ったときは、二十年前のこの私を、いまから一年後の私を、二年後の私を、三年後の私を…どうか思い出して下さい。そういうたくさんの私を決して忘れないで下さい。そして、そのあなたのそばには、きっとあなたのことを心から愛してくれる人がいるはずです。私はそのことだけは絶対に信じています。そう信じてこれから一生懸命に生きていくつもりです。二年後の私さん。あなたが歩んだこの二十年の人生に、私は精一杯の拍手を送ります。本当にご苦労さま、本当にありがとう!では、二十年後のいつの日にか、あなたに会えるのをいまからとても楽しみにしています。』 『お前が、その人を幸せにする自信があるのなら、俺は身を引く。ただし、お前がその人に幸せにして貰いたいと思っているのなら俺は離婚は絶対に認めない。こんなやり方をしておいて、誰かに幸せにして貰おうだなんて余りに虫がよすぎるからね』
0投稿日: 2017.10.30
powered by ブクログ上司にお借りした本。先日著者の別タイトルを読んで、 「面白いんやけど、重かった・・・」 と、思ったので(@「私という運命について」)、同時にお借りしていたこの本を読むのはちょっと後回しにしよう、と、別の本を読んでいたのだけど、いい加減返さないとあかん・・・、ちゅうことで、連休に挑戦してみました。 ほしたら、ビックリのイッキ読み。あっ、こっちのほうが面白いわ。 こっちのほうが好きやわ。 こちらのタイトルは「恋愛小説集」らしいねん。こんなビターな恋愛小説集って、ある(笑)? また、並行してアルファポリスのエタニティブックスを読んでますやん。 向こうと比べると、恋愛色の薄いような、ビターすぎるような、ファンタジー感がゼロのような(笑)! 相変わらず、読むのに体力はいる。 (文章を目で追うのに体力がいるのではなく、読んで感じることが身につまされすぎてしんどくなるという意味で) 実際、この本を読み、「コンビニ人間」を、読んだあとにろくでもない夢を見てゲンナリして夜中に起きたりもした・・・(笑)。 夜中の三時にネガティブの波に飲み込まれるかと思ったよ。危ない危ない。 そのくらいなので、自分という軸をちゃんと持ってる人が読まないと、飲み込まれるんちゃうかなあと思う。 そういうことも含めて、では、感想。付箋の数はものすごいようけある。 著者の本を読んでいると、「心から愛する」ってことが、そんなに重要なん? とは、思ってしまうんだよな・・・。 重要。そこ、重要よね。 でも、安西より野上やろう!? と、思ってしまった。ここまできてプロポーズを断る!? ちゅうか、お見合いやからしょうがないかもしれへんけど、プロポーズ早くないか(笑)!? 将来安泰、夫は自分に愛情よりも「妻という仕事」を、求めてるわけやん。 それさえクリアしていればかなり自由にさせてくれそうよ~、野上さんは。 今の私なら間違いなく野上さんを選ぶな。結婚は愛情よりもビジネスやと本気で思う。あれは、仕事だ。そう思うほうがよほどうまくいく。 (えー) (だからあかんねんやん) ちゅうか、相手の問題よね。私のようなものを求めて結婚する人だって絶対いてるはずだよ。 ビジネスとして重ねていけばいずれ情も移るやろう。せやけど、はなから情だけで成り立つ結婚は、どこで情を切れるんやろう。 あ、切る必要はないんか(笑)? ほんで、エタニティブックスやったら、ここで野上さんが実は岬のことをめっちゃ好きで、結婚したららぶあま新婚生活が待っている・・・、と、いう展開になるよなー、と、思った。 そうならないのが、この本の「恋愛」の現実感がたっぷりなところやなと妙にニヤニヤした。笑 あとは、安西さんの 「幸せにしてもらおうと思うな、幸せにすると思え」 っていうあの言は、深かったわー。討たれたわー。ほんま、討たれた。私はこの期に及んで「幸せにしてもらおう」って思ってるかもしれへん。 自分を幸せにすることを一番に考えよう。 自分を幸せにするっていうことと、子どもを幸せにするっていうことは、イコールやからね、当たり前。 そして二十年前の岬の手紙は、どうよ、と、思った(笑)。 こんなこと、書けるぅ!? いや、二十歳前後のころってこんなふうに、情熱もあって大人ぶろうとして、世界はみんな自分の味方やと信じていられるころやったかもしれへんなー。 確かに私もそうやったかもしれへんなー。 就職するまでは、狭い世界で生きていられるもんね。ほんで、二十歳間近っていうたら、その「狭い世界」ではベテラン中のベテランになってるもんね・・・。こんなふうに強気でいれるんかもな。 さて二作目の「たとえ真実を知っても彼は」は、とにかくタイトルがいいなーって思った。 ちょっと読み進めたら、なるほど、展開も読めた。けれどこれも面白かった。 突然のカミングアウトと「あなたに対する申し訳なさでいっぱいやから別れてほしい」っていう緋沙子は、エゴの塊やなっていうか、自分可愛さだけか! と、ツッこみたくなったけれど、緋沙子といい、カレンといい、そもそも市川自身がどこに落としどころを持っていくのかな、ちゅうのがこの話の一番のミソやったと思う。 男の嫉妬ってみっともないなーって思いつつ(すいません)、市川は男前やった。 さて表題作は、長いだけあってかなり面白かった。 これはもう一気読みしようと気合を入れて読んだけれど、いったりきたりしながらすごい時間をかけて読んだなー。 家で時間を作って読めてよかった。 (でも、別のタイトルも思わずバスで乗り過ごしそうになった程度には熱中した) 博多弁の応酬もなんだかよかった! 地名はわからなくて苦労するところもあったけど(初出時にはちゃんとルビがついてるのにね)、スピリチュアルな部分も濃くて、ものすごい読みふけったなー・・・。 結構、翻弄された・・・。 どうでもいいけど、短編集って収録の順番もめっちゃ大事やねんね。 最初の「二十年後の私へ」が、思うよりグッときたので読み進めちゃったし、最後の表題作に翻弄されまくったので、つまりこの本は面白かった、と、思えるんやもの・・・。 (収録される)順番が違っていたら、もう少し違う感想になったかも。 愛情かあ。 自分を満たしてくれるもの、かあ。 スキンシップな。確かに子どもとのスキンシップはめっちゃとってる。さすがにもう普段はべたべたしないけれど、ちょっとしゃべってるときに手で触れたりとか、そういうことを当たり前に続けていければいいと思う。 母親に触れていいのだと子どもなりに安心していてほしい。 (自分が、両親とそういう関係ではなかったので) ほんで、そうすることによって私自身も安心できるんやもの、有難い話やなあ。 心配するほど相手のことを思う気持ちというのは、私はほんまに当たり前のように持ち合わせてるよ。 周囲にはその気持ちをあまり持っていない人もいる。持っているけれど、薄い人もいる。そういう相手には、こちらも薄く接していればいいのだと思っている。 ■■■■ ■ベーチェット病 再発・寛解を繰り返す原因不明の慢性疾患で、自己免疫疾患の一つ。 ■上げ潮 満ちてくる潮。満ち潮。 ↔ 下げ潮 ・ 引き潮 物事の勢いが盛んになること。調子が上向きであること。 ■凋落 ちょうらく ① 勢いがおとろえること。おちぶれること。 「 -の一途をたどる」 「かつての栄華は見るかげもなく-する」 ② 草木がしぼみ枯れること。 「咲き乱れたる百花の-飛散するに譬へて/福翁百話 諭吉」 ③ 容色がおとろえること。 「鏡の中には最早(もう)-し尽くした女が映つて居た/家 藤村」 ④ おとろえ死ぬこと。 「茶山の友人は次第に-して行くのであつた/伊沢蘭軒 鷗外」 ■横溢 おういつ いっぱいにみなぎること。あふれ流れるほど盛んなこと。 ■宮台 ■寸毫 すんごう ほんのわずか。ごく少し。 ■宸翰 しんかん 宸筆ともいう。天皇が書いた筆跡。 ■カリエス 脊椎を含む骨組織の結核菌による侵食などを指す医学用語 ■堅忍不抜 けんにんふばつ どんなことがあっても心を動かさず、じっと我慢して堪え忍ぶこと。▽「堅忍」は意志がきわめて強く、じっと堪え忍ぶこと。我慢強いこと。「不抜」は固くて抜けない意。意志が強く、何があっても心を動かさないこと。 ■ファインブリュー サントリー株式会社が販売していたノンアルコール飲料。2002年発売。 ■徒広い だだっぴろい ばかに広い。やたらに広い。むやみに広い。 (2017.05.06)
0投稿日: 2017.10.27
powered by ブクログ記録 どの話にも大人の 強かったり弱かったりする所が 見えてこんな人生もあるんだなと思った。 ダーウィンの法則が一番刺激的。 未知なSEXの描写だったり 答えは結局自分で持ってたり。 1人でも幸せになれるけど 2人の方がより幸せってことなのかな。
0投稿日: 2017.06.21
powered by ブクログ作者は白石一文です。 とても心に残る、力強いメッセージが伝わる小説でした。 恋愛小説(短編)が3つ入っています。 女性が好きそうな本だと思います。(多分) この作者の本をはじめて読みましたが、 なんとも色々な人物が描かれていて、作者の幅を感じます。 特に表題作でもある「どれくらいの愛情」はとても良いです。 陳腐な言い方ですが、愛に満ちた話だなと思いました。
0投稿日: 2015.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
白石一文らしい穏やかな恋愛小説。 --- 5年前、結婚を目前に最愛の女性、晶に裏切られた正平は、苦しみの中、家業に打ち込み、思わぬ成功を収めていた。そんな彼に突然、電話が。再開した男と女。明らかにされる別離の理由(表題作)。目に見えるものだけでは分からない「大切なもの」に気づくとき、人は感動に打ち震える。表題作の他3作を収録した傑作恋愛小説集。
0投稿日: 2015.02.18
powered by ブクログこの人の本を読みたいと、図書館でまとめてかりてきた中の一冊。究極の恋愛小説でした。でも軽くなく、深い。愛とはなにか、に向かいあっているように感じました。
0投稿日: 2015.02.07
powered by ブクログものすごく失礼な言い方、決めつけ、くだらない価値観の押し付けが多い。 はじめはあえてやってるのかとすら思ったけれど、そうでもないようで非常にがっかり。 そして、何を伝えたいのかさっぱりわからない作品ばかり。
0投稿日: 2015.01.29
powered by ブクログ目に見えるものだけでは分からない”大切なもの”かぁ。「なんとなく」深いなぁと思うところはあるのだけど、私にはまだ早いのかもしれない。きちんと理解が出来ていない気がする。歳を取って読んだなら、また違う感想になるのかな。
0投稿日: 2015.01.13そんなに短くない話4作の短編集
どの作品にも共感というか心に響く言葉があり、すごく良い作品だと思う。 この作品は数年前の直木賞の候補作でもあるらしい、結果的には昨年「ほかならぬ人へ」で142回直木賞を受賞している。 特に印象に残ったのが 「自分が幸せになるための結婚は失敗して、相手を幸せにする結婚をすべし。」的な言葉。 お互いがそう思っていたら・・・ 作者の出身地でもある福岡・博多が扱った作品が多く、すごく魅力を感じて、また行きたくなった。
0投稿日: 2014.11.18
powered by ブクログ読み応えありました。 4作の恋愛小説集。 はじめの「20年後の私へ」は合いませんでした。 薄っぺらくて、都合がよくて、面白くないなあ〜と思って読み始めたのですが、 2作目から一転。深い深い。 あとがきでも書かれているように目に見えないものの確かさを必死で探していく感じで、 いつもはどんな小説を読んでも、自分の既存の価値観に基づいて小説の言葉を理解していきますが、 この小説を読みながら「わたしはこう思ってあってるのだろうか」と思いながら読みました。 一番好きなのはダーウィンの法則で知佳の思考を物語を通して追えるところです。 恋愛小説というのは感情や偶然みたいな見えないものがそれこそ集まって物語がなしていくんだろうけど、 白石さんはそれを現れているように、しっかりと掴んで物語が進んでいくので読んでいて本当に楽しかったです。 表題作のどのくらいの愛情を読んで思ったことは素直に自分にもこの世の中に片割れがいればいいと思った。 そんなひとと仲良く百歳までうきうき過ごせたら幸せだと思った。
0投稿日: 2014.10.06
powered by ブクログ話題だったので読んでみました。 ミステリー小説でない小説はほとんど読まないので、新鮮でした。 普段、エッセーや論説のような「わかりやすく伝えることを目標とした書き方の本」ばっかり読んでいるので、時系列があちこちに飛んだり、含みを持たせた(秘密めいた?)表現が、読み進めにくく感じました。 4つのお話が入っているのですが、私は「たとえ真実を知っても彼は」の話が一番面白かった。 収録順と連載順が違っているのも、なんとなく違和感を感じてしまった理由かも。
0投稿日: 2014.08.10
powered by ブクログテーマは不倫。 小さい頃は両親のこと理解できないって思ってたけど、結局はそんな人と現在恋愛してる私。っていう話の短編集。 この人の不倫ストーリー、私は好きだな。 2020.1.3 再読了 前回読んだときはもっと不倫ストーリーだと思ったけど、そうでもなかった。 目に見えるものの不確かさの中に目に見えないものの確かさが隠され、目に見えないものの不確かさによって、目に見えるものの確かさが保証される。 分かったようでわからんような…。 好きあって結婚して家族を作っていたはずなのに、なぜ浮気や不倫が生まれてしまうんだろう。 例えば結婚した後の自分には無縁なような気がしてるけど、いま現在彼女持ちの人と関係を持ってるのになんでそんなこと思えるんだろう… 結婚したらあとの自分が旦那さんに執着できるか自信がない。それとも、執着できる相手に出会えてないだけなのか…わからん。
0投稿日: 2014.08.05
powered by ブクログ下記を今朝登録したのだが、時間が経つにつれ、段々印象が上向いてきたので、評価星ひとつ増やす。 『絶望した側が、戦いに勝つことがよくある…』 『辛いときこそ、心のエネルギーを失ってはならない。人間は幼い時からその体に太陽エネルギーをたくさん蓄えてきたのだから、苦しいときこそ、それを放出して、自分の内部や周辺に渦巻いている暗黒のエネルギーを吹き消せばよい。少なくともそうイメージすることで、人間は溌剌となれるのだ…』 今、手元に本がないので、語句、文章は正確ではないが、そのような内容だった。 なぜか、その2点がじわーっと込み上げてきて、思わず修正。 表題作のほか3編。 博多弁が面白い。 表題作の『どれくらいの愛情』以外は何とも心に残らなかったのだが、4編目のこれだけは、しんみり読めた。 宗教的な匂いもするのだが、その言葉は結構印象に残った。 としても…私はなぜこの本を買ったのかしら。 その時はそういう気分だったのかなぁ。 ワカラン。
1投稿日: 2014.07.23
powered by ブクログさらりと初登場の名前や出来事が出てきて後に補足するような文章の書き方が印象に残った。恋愛小説だが一種人生観や宗教観が強く出ている。どの作品の結末も主人公の前向きな決断が気持ちよい。
0投稿日: 2014.06.07
powered by ブクログ大人の恋の物語、中長編の入った作品集です。 >知佳は子供も別に欲しくはなかった。 >こんな時代に生まれてくるのは、きっと子供にとってもしんどい話だ。 >とはいえ、もし子供ができれば、それは何より尊いことだとは思う。 >大事に育てていく自信はある。 声を大にして言いにくいことかもしれませんが、この考え方を頭ごなしに否定することはできないと思います。 長いこと教育業界に関わってきた私にとっては、正直同意できる部分が多くあります。
0投稿日: 2014.05.08
powered by ブクログ少し前に読んだので忘れてしまったが、自分で引き受ける愛があった。 八月のクリスマス イルマーレ インタビュー ラブストーリー 星願 あなたにもういちど 恋する惑星 グリーン・デスティニー 黄泉がえり スウィングガール いま、会いにゆきます 初恋のきた道 山の郵便配達 リービング・ラスベガス サイダーハウス・ルール 天使のくれた時間 ニューヨークの恋人 ガープの世界 スウィート・ノーベンバー コールドマウンテン きみに読む物語 ネバーランド ターミナル
0投稿日: 2013.12.14
powered by ブクログ白石一文作品を読んだのはこれが1作目。 シンプルな愛ではなく、どこか込み入った愛。大人たちの、様々な紆余曲折を経たひとたちの物語である。 中編集だが、不自由な心ほど心に響く物語がなかったように思う。
0投稿日: 2013.06.24
powered by ブクログ最後の表題作がイマイチだったため、印象が悪くなったかな。 というか収録順に段々出来が悪くなっている感あり、最後は読むのに一杯一杯。 恋愛小説と銘打つものの、生き方の模索に主題があってそこに恋愛を絡めている(生き方=恋愛なのかもしれないが)。 が、全体的に印象が薄くてこれと言った感想も特にないというのが本音。
0投稿日: 2013.05.19
powered by ブクログ小説、殊にこういったリアリズムに基づく小説というのは、現実の「ままならなさ」に対する別の可能性の提示なのではないか、とも思う。 現実ではこうなるしかなかったけれど、こういう展開もあったのかもしれない。 もしくは、実際の、現実的な結末はこうだったけれど、こういう終わり方だってできたはずだ、という。 世界は矛盾していて不安定だからこそ、生きていくことは苦しくて、こころがぐらぐら揺れてしまう。 白石一文さんの小説は、そういう「違和感」や「揺らぎ」を冷静に捉え、一人の個人としての無力さ、ままならなさをきちっと言葉にして突き付けてくる。だから、読んでいて苦しくなったり、こころがぐらぐら揺れてしまうのだろう。 確かなものの中にある不確かさ、不確かなものが持つ一片の確かさ、ということが、巻末の著者あとがきにもあるように、この4つの小説全体から問いかけられている。 人生について、運命について、愛について、この世界そのものについて。 それらのどうしようもなく「ままならない」物事すべてに対して、作家が示す、4通りの「可能性」。
1投稿日: 2013.03.09
powered by ブクログ妻である自分には、ちょっと苦しさを感じる物語も。夫に言い訳したくなる。そして、離れて暮らす夫に会いたくなる。どの物語も、空気の密度が濃くて、湿度を感じる。愛することと、人生を共にすることは、一筋縄ではいかないな…
1投稿日: 2013.03.05
powered by ブクログ大人の恋愛を描いた中編集。 30~40代が主人公だからか離婚、不倫、過去の傷など、みんな「いわくつき」ばかりで純粋な関係が出てこない。 白石氏の年齢による価値観がこうさせるのか、今や初婚年齢が30代を超える時代なので,つまらない作品とは思わないがちょっと時代に合わない気がする。
0投稿日: 2013.02.08
powered by ブクログ大人の愛にはいろいろな形があるけれど、目の前の相手を幸せにしようとしたり、離れていても相手の幸せを願うことが大切。そんな気がする。 4作ともよかったのですが、ラストの表題作「どれくらいの愛情」が一番しっくりきた。導入部分の『解夏』の松村達雄のセリフ(あなたは本当に失明した瞬間に、その失明の恐怖から解放されるのです)が最後まで効いている。
0投稿日: 2013.01.03
powered by ブクログ初期の作品よりも小説の質が上がったな、というのが第一印象。 どの作品も、根源的な心の動きについて、問いかけてくるものが多かった。 特に表題作で、主人公と晶についての関係について先生が言ったことが、心の中に染みた。 喪失の恐怖は、喪失するかもしれない状態で起こるもの。喪失した瞬間に恐怖は消えて、心の中に永遠に残る、といった内容だったと思う。 また、「20年後の君へ」で出てくる安西くんの優しさと強さに心打たれた。読み終わってから和んだ。
0投稿日: 2012.11.10
powered by ブクログ直感冴え渡り。 まさに、今読むべきモノだった。とゆー感じ。 ダーウィンの法則の最後のページでは、うん、そうだよね。と思ったりしないでもなかったかな。。 大切な人の手は離してはいけない。 目に見えるモノがすべてではないよ。 例え離れ離れになっても、出会うべくして出会った人には縁があればまた巡り会えるんじゃないかな。
0投稿日: 2012.11.08
powered by ブクログ短編集。不倫の話ばかりなのが嫌なんだけど、はっとさせられる台詞が多い。舞台が福岡だから、色々想像できていい。何度も読み返してしまう本。
0投稿日: 2012.10.14
powered by ブクログどの作品も愛情に溢れていて好き。少しずつ報われない、すれ違いもあるけれど、それを優しく包んでいるかんじ。表題作と20年後の私へは中でもイチオシ。
0投稿日: 2012.10.13
powered by ブクログ表題作の他3編の中、長編からなる。 巻頭の「20年後の私へ」は、夫の浮気によって離婚した主人公が、その後の自分のキャリアやパートナーについて新たな一歩を踏み出せないでいる時に、20年前に将来の自分に向けて書いた手紙を読むことによって目が覚める、というもの。正直言ってその手紙の内容にがっくりきた。もっと意表をつく内容かと思ったら、え?これだけ?という感じであった。 後の3編はいずれも何だか理屈っぽくて“恋愛小説”って感じではなかった。説明的というか…。しかも「ダーウィンの法則」の主人公の知佳と交際相手の英一の哲学を理解することができず、かなりいまいちだった。特に知佳の保育士時代の話。あれがそのまま生身の作者の哲学だとしたらワーキングマザーの読者は一人も得られないぞ、と思ってしまった。
0投稿日: 2012.09.23
powered by ブクログたくさんの考えさせられる言葉が出てくる素敵な作品。 この人は愛する人を探しているのではなく、妻となるべき人を探しているのだ。 お前がその人に幸せにして貰いたいと思っているのなら認めない。その人のことを幸せにするために。 自分に何ができるか真剣に問いかけてみる。
0投稿日: 2012.08.04
powered by ブクログ運命論を信じている訳ではないけれど、塞翁が馬ということは実際あり得て、渦中では気づかないがあとあと思い返せば「あのときはあれで良かったのだ」という体験は少なくない。 白石さんの本はまさにそう言ったことの連なりで、人生模様を描いているようです。若干スピリチュアルだから、万人受けはしないだろうけど読み物としては面白かった。
0投稿日: 2012.03.03
powered by ブクログ四つの短編。白石作品の中ではとても読みやすかった。 生と死、愛、親子。 ままならない人の心、人生、愛情。 行きつ戻りつしても構わない。恥ずかしいことじゃない。 人の行動の真意は、本当のところは誰にもわからない。 木津の正平への説教には納得いかないな。 屁理屈こねて開き直ってるだけじゃないのか。 四つのうち三つは博多が舞台。 表題作だけ、登場人物が博多弁をしゃべる。 表題作がやっぱり好きだな。 舞台となった博多の街を思い浮かべながら読み進んだ。 晶と正平すれ違ったのはあの辺りかな、とか。 うーん、ぜんざいが食べたくなったな。
0投稿日: 2012.02.26
powered by ブクログ短編集だが、タイトルになった最後の話はおよそ200ページなので中編とも呼べるかもしれない。しかもこれが面白い。 著者自身のあとがきもなかなか興味深い。 『すぐそばの彼方』になんとなくタイトルが似ています。それはおいといて、 この作品は『もしも私があなただったら』と同時期に書かれた作品だそうです。 著者は生活の糧のため、自分の書いた作品を読んでもらいたいという他に3点目に書く理由に、書くことで自分をより知りたいと書いておりました。 「~自分の考えの一端を言語化し、そのことによって自分自身がどういう人間であるかを少しでも知りたいと考えている~」 この言葉から、なぜかちょっとした感動を覚えました。著者は39歳の時にパニック発作を経験しているそうです。 この時に目に見えるものの不確かさに、目には見えないものの確かさというものがあるのだと実感したようです。 面白い。 盲目になった時に盲目になるという恐怖から解放される。 自分自身を深く知ろうとすれば知るほどわからなくなる。などなど。 『すぐそばの彼方』や『永遠のとなり』等タイトルにもとてもとても考え抜いてタイトルをつけていると感じられます。
0投稿日: 2012.02.06
powered by ブクログ日常の延長で語られるのも、悪くはない。 四篇からなるが、作者によると関連性はあるらしい。 いずれも博多が関係している。それなりにローカルな味もある。 嫌味がなく、すーっと入ってくるところがいい。
0投稿日: 2012.02.03
powered by ブクログこの人の本は3冊目だけど、好きとも嫌いとも言えないかんじ。けっこう深いところまで描かれてるんだけど、なんとも響きが曖昧。もっと大人になってから読んだら変わるかなあ。男の人の文章と女の人の文章、って分けるのは乱暴かもしれないけど、男性作家より女性作家の文章の方が好きというか、合う。
0投稿日: 2011.12.08
powered by ブクログ以前読んだ白石作品のレビューで女性の方が「白石さんの作品は男から見て都合の良い女ばかり、、、」といった内容を書いていて、その時は「ん?そうかな、、」と軽く流したけれど、今回の作品を読み終わった時に前述した言葉が脳裏に浮かび、「ん~成程ね」と少しその女性の方の意見が理解出来た。 確かに白石作品に登場する女性は理想の女性(都合の良い女性)が多い気がする。それを今まであまり意識してこなかったという事は僕自身が女性を見る時にそのようなフィルターがかかっているのかもしれない。 ただ、やっぱり白石作品は良いなあ。内容もそうだけど、この人の文章って本当に好きです。思いっきり自分好み。間違いなく全作品を読破するつもりです。
0投稿日: 2011.11.28
powered by ブクログ中編の表題作を含む短編集。いろいろな形の愛について。 うまく言えないけど、大事なヒトを幸せにするために、そばにいたいなぁと思わせる作品。好きなら触れていたほうがよいそうです(≧∇≦)。 読後感はよい。
0投稿日: 2011.11.14
powered by ブクログ収録作品の中では「ダーウィンの法則」が一番好き、不倫の話だからストーリー的には微妙なんだけど伝えたいこと的には、もう「そうそうそう!あるあるある!」の連続だったわよ。 人は愛情がなくなったからベタベタしなくなるのではなくて、ベタベタしなくなったから愛情がなくなったんだ、とか。 スキンシップは人にとっていかに重要か、とか。もう、自分の思ってること「まさに!」って感じで言ってくれちゃってる。 やっぱ私は恋愛体質だ!忘れてた!恋愛しよ、そうしよ、くっつきたいなぁ、冬だしなぁ。って? 思わず「ダーウィンの法則」ってなんだっけって調べたら・・・「自然は自家受精をきらう」というダーウィンの学説に付せられた名称。自然界では他家受精が一般的であり、自家受精のみでは生物の性質の退化が起こるとした。 おいおい、さすがダーウィン、いいこと言うね~、昨今の草食男子に聞かせてやりたいよ。 タイトルになってる「どれくらいの愛情」はいい話なんだけど、感情移入があまりできなかったかな。
0投稿日: 2011.10.29
powered by ブクログこの人の作品は何作目だろうか。のめり込むわけではないんだが、どうも読まずにはいられない。 大体は、やり手の営業マンとか出来る男が主役。でも本当は、大事な部分が欠落した不完全な男。足りない部分を必死に探したり、葛藤したり・・・でもそういうことを求めている自分は認めなくて・・・みたいな。そんな姿に憧れているんだろうか。この人の小説は、たくさんの心の描写があるから好きなんだろうな。 この作品も同じように、『自分が本当に感じる「大切なもの」の姿』を求めておりました。 しかし、三つの作品を収録しているせいか、話が短め。 ちょい残念。。。
0投稿日: 2011.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作が圧倒的に良かった。 とくに後半は展開が重たくなりながら加速する。 過去に正平が晶に騙されたというところでは、 読んでいて自分も、正平が騙されたと思って疑わなかったから、 まずは電話をよこしてくる晶に「ちょっと!」と思った。 そして何より、真実を知った正平が「先生」に食い下がる気持ちが痛く伝わった。 と同時に、晶の非凡で深過ぎるくらいの愛に泪した。 洗われるような一作だった。
0投稿日: 2011.09.21
powered by ブクログ「愛する人を失うこと自体が恐怖なのではなく、愛する人を失うのではないかという不安こそが、その恐怖の実体なのだ。」
1投稿日: 2011.08.16
powered by ブクログ本棚にある本を再読。4つの物語が収録されているけれど、私は「20年後の私へ」が好き。今、20年後の自分に向けて、手紙を書くとしたら、どんなことを書こうかなと思う。
0投稿日: 2011.07.23
powered by ブクログダーウィンの法則は非常に良い話しだった。言葉の一つ一つがとても深く染み込んでくる。そして表題作のどれくらいの愛情。この人の本の締め方がいつもとても好きだ。終わって欲しい所で、終わって欲しい言葉でいつもストンと終わってくれる。好きだ。
0投稿日: 2011.07.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
心に響く言葉がたくさん。 一回目はさらっと読んだけれど、2度3度と、噛み砕くようにして読みたい本。自分の”魂の片割れ”について考えさせられた。 目に見えない、かたちのないものの価値。 4つの話の中で、『ダーウィンの法則』は、読みながらいろいろ考えてしまって、なかなか読み進めなかった話。それだけに心に刺さる表現や言葉が印象的。 『どれくらいの愛情』は、私にとっては、あまり印象には残らなかった。
0投稿日: 2011.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分がどういう気持でこれを買ったのかは完全に忘れてしまったけど・・・ まだ引っ越す前に買ったので、3ヶ月はゆうに経ってしまって、いまさらながら読んでみた。 個人的に好きな部分は引用で。 話のあらすじとしては、文脈や登場人物から予測が付きやすいものかもしれないけれども、そこで筆者が「何を言いたいか」という、筆者のいいたいことが、個人的には文章で書き綴られている割には、強い主張性がなく、好感をもった。 結構、作中の人間が「宗教性を帯びた発言」をしているけれども、それについてどうこういうことは控えたい。 重要なのは、そこではなくて、その考えを踏まえた筆者が何を言いたいか、ということであると思う。 私は、彼のいう「確かなもの」の存在を信じているので、その存在を柔らかく肯定する、(けして否定することのない)文章全体から感じられるほの明るさがこれらの作品の特徴であり、そこが、私が好感をもった部分であると感じた。
0投稿日: 2011.06.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
TSUTAYAの店員おすすめのところの紹介文見て、読みたいと思った。 人は誰かに幸せにしてもらうことも、自分だけが幸せになることもできない。できるのは、誰かを幸せにすることだけ。 目に見えるものの確かさ、不確かさについて考えさせられる。 愛情があるからスキンシップをとるのではなく、スキンシップがあって愛情がうまれるというのはなんとなくわかる気がする。
0投稿日: 2011.06.24
powered by ブクログなぜか父に渡された一冊。悩む、悩む、悩む、悩む、悩む…自分の人生に重なるところがたくさんあるようで。父は私の状況や気持ちを知っていて渡してきたのかな?
0投稿日: 2011.06.19
powered by ブクログ4作からなる中篇もの。 わりとさらっと読めるかと思いきや、なかなかどうして深かったです。 安易だけど、大人の恋愛小説とでも言いましょうか。 著書曰く、共通しているのは、目に見えないものの確かさがテーマだとか。 なるほどどの話でも、想いの強さとかそういった気持ちが大事だっていうのが伝わってくる。
0投稿日: 2011.05.29
powered by ブクログ「20年後の私へ」「たとえ真実を知っても彼は」「ダーウィンの法則」 そして表題作の「どれくらいの愛情」という4作を収録している。 「20年後の私へ」ではヒロインと一緒に涙しました。
0投稿日: 2011.05.28
powered by ブクログ4つの恋愛短篇。仕事と恋愛を絡ませた展開は本当に上手い。これはそれほど理屈っぼくなくて読みやすいかな。著者の作品には真理をついたドキッとする言葉がある。大人のちょっとビターな恋愛を楽しめた。
0投稿日: 2011.05.10
powered by ブクログお気に入りの街である博多を舞台にした博多弁の短・中編集。 どれくらいの愛情はストーリーとしてよくあるパターンだけど、 こういうの大好き。作家の腕の見せ所。見事に期待にこたえてくれます。
0投稿日: 2011.02.05
powered by ブクログ四編の短編が収められている。その全てが人生と愛への示唆に満ち溢れて、著者が深い哲学的思考の持ち主であることが分かる。中でも一番、心打たれるのが表題作の【どれくらいの愛情】である。爽やかな読後感。今、恋人がいる人をその人を抱きしめたくなる。恋人がいない人は恋がしたくなる。そんな作品です。
0投稿日: 2011.01.28
powered by ブクログすごく真面目なひとなんだろうなあ、というのが 白石さんの本を読むたび真っ先に感じることで 今回もやはり、ストレートでない恋愛を描いていながら 同じことをおもった。 かたちのないものの大切さに言及するあとがきまで含めて 全てに正しさを求めなくても、 いいんじゃないかなあ、と。 不倫や別離の困難もふくめた 若すぎはしない大人たちの恋のはなし 感じいる台詞はいくつかあったけど この本もわたしにとっては 通りすぎる本のひとつみたい。
1投稿日: 2011.01.26
powered by ブクログ前回読んだ「心に龍をちりばめて」に続き恋愛小説になる。 そんなに短くない話4作の短編集。 どの作品にも共感というか心に響く言葉があり、すごく良い作品だと思う。 この作品は数年前の直木賞の候補作でもあるらしい、結果的には昨年「ほかならぬ人へ」で142回直木賞を受賞している。 特に印象に残ったのが 「自分が幸せになるための結婚は失敗して、相手を幸せにする結婚をすべし。」的な言葉。 お互いがそう思っていたら・・・ 作者の出身地でもある福岡・博多が扱った作品が多く、すごく魅力を感じて、また行きたくなった。
0投稿日: 2011.01.20
powered by ブクログ4編からなる短編集 ハワイ旅行中に読了 長い物語をじっくりと編み上げ、最後に大きな感動を得られる作者なだけに、それに比べてあまり短編のうまさは感じられず。 最後の、そしてタイトルロールでもある「どれくらいの愛情」は余韻が残る
0投稿日: 2011.01.17
powered by ブクログ長い。しかし、読み応えがある。 しんしんとしみいるような小説たちです。 特に、表題作は力作だと思います。 白石一文は、仕事と生きることの関係について、模索しながらも深い考察を行っていると思う。
0投稿日: 2010.12.24
powered by ブクログ直木賞受賞作品「ほかならぬ人へ」を読みたいと思っているのだけど(というか確か買ったような気がするのだけど、、どこいった?)、なんかこの本のアンサーブックみたいだという情報をどこかで見た気がして、まずは読んでみた本。 ・・・しかし、今調べてみたらそんな情報どこにもない。。。幻? 短編集なので色々入っているけど、やはり表題作が一番長くて読み応えがあって、残るものもあった。 博多弁の会話はイキイキとしているし、描かれている博多の街の描写も好き。 相変わらずの博多と病気ネタだけど^^;久々に読み終わった後に「満足!」と思えた作品。
0投稿日: 2010.12.16
powered by ブクログ不倫、不倫、不倫、、、 今読みたい本ではなかった。 ただ、表題作はおもしろく、いろいろ考えさせられた。 結局、時間というものが、人生の各場面でのひとつひとつの選択というものを、後付け的に合理的なものと変えていくのかなと思った。 変えていく、もしくは納得させるというか、 うがった見方をすれば、それが最良の選択であったと時間をかけて思い込むしかないというか、 でも、一つの選択を後悔して引きずるよりは、なんとか自分を納得させる方が得策ではあると思う。
0投稿日: 2010.12.14
powered by ブクログ短編集 この人の文章に私はめっぽう弱い。 ツボに入ると、そこがどこであろうとハラハラ涙が出てしまう。
0投稿日: 2010.10.29
powered by ブクログ表題作「どれくらいの愛情」を含む4作品が収録された小説。 人生や愛や生死などの人間にとって根源的なテーマに挑み続ける白石一文。本書は彼の集大成とも言える作品だ。 彼は主張する。絶望の中にこそ真実の愛があると。そして、絶望に悲嘆せず自らの愛を貫くことができる人のみが真実の愛を掴むに値するのだと。 「真実の絶望こそが、人間に真実の愛を与え得る」 究極の愛の追求がここにあり、著者の堂々とした主張は読者に付けいる隙を許さずに納得へと導いていく。 付き合ってるとか別れたとか、結婚してる、浮気してる、離婚したとか、そういうもの全て取っ払って愛って何なのかという人類の永遠の難題を追求している。 白石さんの作品が巷に溢れる甘ったるい恋愛小説と異なる点は、徹底して人間の弱さや愚かさを描いた上で、彼なりの主張を読者にぶつけてくることだ。何の装飾もせずに語られる彼自身の思想に私たちは直面することになる。正解のない問いにしっかりと決着をつける彼の潔さが稚拙な言葉で言わせていただくならば「カッコいい」のだ。 本書内容に移る。 「20年後の私へ」で登場する安西。男前ってこういう人のこと言うんだろうな。 妻の裏切りの事実を庇い、父の闘病中にも周囲には辛い顔一つ見せずに振る舞う。そして、相手のことを真剣に考えることのできる性格。素晴らしいな。見習いたいな。白石さんは愛情たっぷりの物語を短編集の初っ端に持ってきた。そして、その他の物語ではずるく弱い存在である人間の愛を描く。この小説の構成が愛の複雑性にまさしく適しているのだろう。 「どれくらいの愛情」での、正平と木津先生のやりとりはこの小説の見せ場だった。晶との別れの真実を知った正平は木津先生を強く攻める。しかし、木津先生は言う。強い意志さえ持てば自らの運命を変えることができるのだと。 結局は自分にかかっているんだ。 どう思いどう行動するのか。それを決めるのは周りではなく自分だ。真実の愛を壊すことは誰にもできない。 白石さんには現実世界の愛の探求を今後も続けていってほしい。空想世界との融合の既視化は村上春樹に任せて。
0投稿日: 2010.10.28
powered by ブクログ大人な恋愛の短編集。今の年齢(30歳)読んでいて正解。若かったら分からない気がする。 それぞれの話で違う立場の男女が、色んな愛し方をしている。すべてがキレイという一言では済ませられないけど、見習いたい部分を発見できる作品でした。
0投稿日: 2010.10.24
powered by ブクログ妻夫木聡やら、柄本明やら、芸能人の固有名詞が出てくる。 そして、登場人物は美男美女であることが多い。 でも、なんというか、宿業のようなものを感じさせる物語で、 いずれも短編ではあるのだけれども、大変読み応えがある。 白石作品はいままで評価してこなかったけれども、 これはいい。というか、わかりやすい。
0投稿日: 2010.10.01
powered by ブクログ2010/08/30- 愛情の深さにちょっときゅんとした。30代ならではって感じ。私にはまだ早いけど、ちょっと憧れる。いつまでも、こんな感じでいたい。ところどころに名言が含まれていて、そこがとてもいい。
0投稿日: 2010.09.06
powered by ブクログ4編中3編が不倫の話という、非常に白石一文らしい短編集。 短編集のタイトルにもなっている、『どれくらいの愛情』がけっこうじんわりきてよい。そして唯一不倫じゃなくて爽やか。 出会いも別れも必然、そんな恋愛をしてみたいものです。
0投稿日: 2010.07.25
powered by ブクログ4つの話から成る短編集。"愛"がテーマ。 最近は割と若い作家の書いた本を読むことが多かったせいか、 落ち着いた深みのある文章と内容が印象に残ってゆく。 いっちばん深い、絶対表層には出てこないような、 口に出したりしたら陳腐になっちゃうような、究極の愛!みたいな、 ラスボスのような愛の形をじんわりやんわり感じさせてくれる。 本当の気持ちなんてそう簡単に伝わるもんじゃないんだよね。 コトバだけで伝えるなんてムリ。カラダを重ねてもムリ。 真っ暗闇を手探りで長時間ずっとずっとさがすようなことじゃなきゃ 深いLOVEは伝わらんのよね。 仮に、超超超仮にだけど、誰かが自分のことすっごい愛してくれてるのに それに気づかないでいることもあるのかな。そんなのヤダな。 その逆はそれもまたヤダな。LOVEずっきゅんだな。 かなり深い。マリアナ海溝。噛みしめて読みたい作品。
0投稿日: 2010.07.03
powered by ブクログ「20年後の私へ」は離婚を経験した女性を通して、 20年前に書いた自分への作文をふとしたことから読むことになり 今までの自分を振り返るというストーリー。 離婚をすると心身共にくたばってしまうけれど、 それでも働いていかなければならないという現実と闘う女性。 どんなに辛くても駄目な時があってもこの女性のように 過去の作文を読むことがあったら、もしかしたらこの当時の気持ちで表れてまたやり直せるかもしれないという希望が満ちていたのが好感が持てました。 過去の気持ちって大切な思い出と勇気も出るの凄い力だと思いました。 「たとえ真実を知っても彼は」は出版社に勤める家族円満な男性。 長年担当していた作家の先生が急遽亡くなると知らされる。 そこから男性の過去や妻の過去などが徐々に浮き彫りにされていくという 人間の真実に迫るストーリー。 この作品はあれよあれよという間に話が展開していき、 当初の家族中も良く、夫婦中も特に良く書かれていて結婚記念日には 必ず夫婦二人で記念日で過ごすという理想のような家庭であったのに 先生が亡くなったことによって予想にもしなかった結末が衝撃的でした。 夫婦は同じ屋根の下で暮らして仲良くして過ごしていても、 本当はこんな裏があるかと思うととても怖い感じがしました。 真実を知るのは大切かもしれないですが、 その真実に耐えられかどうか私には自信がないと思いました。 「ダーウィンの法則」は妻子ある男性と恋に落ちてしまった女性を 通して、本当の愛とは何かと探し求めていくストーリー。 この男性は幼い過去の経験から人とは少し変わった考え方で、 妻子がいるのに何故他の人を愛してしまうのかが細かく書かれているのですが、 あまりにも動物的な感覚の持ち主の人物だと思いました。 確かに幼少期には寂しい思いをしたかもしれないけれど、 それがこうじてこんなに超越した考えになるのかと驚きます。 作品の中にもありましたが、人間というのは愛情がなくなったから べたべたしなくなるのではなくて、べたべたしなくなったから愛情が なくなってしまう場合が殆どだと・・・ スキンシップというのは小さな頃や家族、夫婦、恋人などに大切だと思うけれど、 年月が経てば愛情に厚みが出てくると思うので 私としてはべたべたしたことが無くなると愛情がなくなってしまったとは とても思えない感じです。 勿論、この男性の特別な持論なので仕方ないですが、 心を通わせる愛情というのが一番理想ではないかなと思いました。 タイトルのダーウィンの法則のように種の保存や進化で生きるのではなくて、ヒトという理性もあり一度だけの人生なのだから心豊かに愛情を 育んでいくのが一番だと思いました。 「どれくらいの愛情」は5年前に結婚を目前に恋人の晶に裏切られた正平。 苦しみの最中に舞い込んできた仕事の話に乗ったら思わぬ成功へと収める。 そんな彼に突然別れてから元恋人からの電話が鳴り、 再会しながら過去の別れの理由が次第に解き明かされていくストーリー。 恋人から裏切られたてから、それを拭い去るように仕事をしていたけれど、 それがかえって良い方向に向いていたのは辛い事から 逃れられたから少しは不幸中の幸いだったのかと思えたりしました。 そんな時に突然別れた恋人から電話が来たら驚きますが、 やっぱり一度好きになった人だから再会はしたくなるものです。 そして晶が病気になった時にはまるで昔の関係が修復されるかのように 仲良くてこれは良いなと思ったのですが、 昔に別れる原因にもなった晶の兄の存在と過去が明らかになって これは悲劇的でした。 このやり場のない気持ちをどこにぶつければ良いのだろうかとも思えました。 相談役でもある先生も過去の事を知っていて、 それも驚きで正平もまた二重に考えてしまったと思います。 けれどこの先生が言っていた言葉がどれも素敵でした。 目に見えないものを大切にしなくてはいけないなと思いました。 どの短編でもやはり白石さんは心の中が乏しくて、 せちがない世の中だからこそ目に見えない心の大切さの事を 伝えいたいのかと思いました。 この作品でも福岡、博多の街が舞台になっているので、 いっそう人々のぬくもりが伝わり心が温まる作品ばかりでした。
0投稿日: 2010.07.02
powered by ブクログ短編集。 全体的に昼ドラのような激しさはなく、穏やかな等身大の恋愛小説。 という印象だったので、一部の超能力要素にはがっかりした。 お気に入りは「20年後の私へ」
0投稿日: 2010.06.13
powered by ブクログ初めて読む作家さんのものでこんな言い方は不適切なんだろうけど、‘魂の片割れ’ってやつなんでしょうね。 最良の組み合わせは失敗の後であるから実感する、と言えばいいのか。 「20年後の私へ」が好きでした。 安西の優しさと‘私’の役割が心に残ります。
1投稿日: 2010.06.05
powered by ブクログ人を愛することについてを考えさせられた1冊だった。 どれくらいの、では測れず、表せないような愛が存在することをこの本は教えてくれた。 どの話も登場人物たちの日常生活の中で、実在する流行のTVや芸能人が出てきたりで、登場人物にすごく親近感を抱けるので、読みやすいです。
0投稿日: 2010.05.16
powered by ブクログうーん。 うーん。 …普通(笑) 心に残る言葉も多いのに、こういう読後感になるのは、表題作が長すぎたからかな。 先がもうすでに読めてるのに、ダラダラ続いてる感じがして読みくたびれちゃうっていうか。 短編の中では不倫相手と生きていくことを決めた作品だけが、とても素晴らしかったな。
0投稿日: 2010.03.05
powered by ブクログあまり印象に残らない。 「目に見えるだけではわからない大切なもの」を浮かび上がらせる事をテーマにした分野では、既に心震える文学があふれてるからなぁ。言いたいことはよくわかるけど、言いたいことがわかりすぎて、「物語」を使う意義がちょっと薄れてしまったようにも感じてしまい・・・・ 意外な展開を期待する類の物語ではないので、それでもいいのかもしれないけれど。 登場人物たちが感じる「感動」に文章の中で入り込むことはできなかったけれど、感覚としては理解できた。愛情をそそぐ相手との関係の中で、日々目に見えないことの不確かさと確かさの間で感じる感動、戸惑い、驚き。そんなものが、想起される。 印象には残らない、と書いたけど、案外浸透率はいいのかもしれないな。 三話目「ダーウィンの法則」の、スキンシップの話は非常に共感しました。ほんと、性欲と切り離しても、皮膚感覚は絶対的に大事だよ。日本人は皮膚感覚をおろそかにしすぎだ。 思想史の授業受けたあとだったから、人間って何百年も昔のプラトンとかあたりから現代の女子大生まで、「目には見えるもの」と「見えないもの」の間で、ずっと真実探して行ったり来たりしてるんだなぁと・・・なんてマゾヒスティックで厄介な生き物だろうと思いながら読みすすめました。 でも、「他者」を認識できて、その相手と精神のレベルでまで繋がりたいと希望する。その厄介さがどうしようもなさすぎて愛しすぎるね。
0投稿日: 2010.02.18
powered by ブクログ直木賞受賞おめでとうございます。 白石色満開の中編小説です。 個人的には突っ込みたい部分も含めて、好きな作家さんです。
0投稿日: 2010.02.15
powered by ブクログP128 「要するに、俺と女房との」 ~ P222 でそう思う。まで ●肌が合うことが、愛情の秘訣というのは本当だろうか。 セックスはスポーツの一種で、練習すれば誰にでも一定のレベルには 到達できるといわれている。 男性経験は3人で、英一と付き合ってわずか3ヶ月の知佳がそれだけの ことを確信できているのは、正しいとは判断できかねる。 ましてや、英一はハードなセックスを行っているという。 2人がその行為による快楽を、愛情と感じている可能性は否定できない。 そもそも、愛情とセックスに関連性はあるのだろうか。疑問の余地がある。 P227 「うちのお母さんは」 ~ P227 ないよ」まで ●とはいえ、わからなかったことは仕方がないことだと思う。 知佳と努はそれがわかるほどにお互いのことを理解していなかった ということだろう。どうしようもないのは努ではなく、二人の関係 だったといえる。 しかし、俺のような鈍感にはこの言葉は重いな・・・。 P432 「正平君」 ~ P435 ・・過ぎないんだよ。」まで ●読後に本から顔を上げると、ディスプレイの文字が鮮明に見えた。 目の前がひらけた感覚というのは、こういったことをいうのだろう。 ●しかしながら、そう易々と言葉もなくお互いを理解し合う関係になれるわけがない。 それほどまでに心が接近するには、途方もない時間が必要だろう。 その時間を経ることで、言葉が要らなくなるというのは本当に素晴らしいことだ。 そのために、私たちもお互いがお互いのことを思いやる日々を積み重ねていこうと思う。 ●自分の心のなかに相手がいれば、時間も距離も関係なくなる。 死が二人を分かつこともない。 ●愛の源泉となるものは、相手の幸せを願う心だのだと思う。 相手の幸せを願うのであれば、相手が何に喜びを感じるのか知らなければいけない。 そのことが、相手を深く知ること、理解に繋がる。 相手のことが理解できれば、お互いの心は重なり合い、やがては1つになることができる。 これが愛なのではなかろうか。 読了日:2010/01/05
0投稿日: 2010.02.09
powered by ブクログ福岡を舞台にした小説なので興味深く読めた。 『20年後の私へ』 仕事に恋に迷う離婚暦のある女性、岬が39歳になった今、20歳のときに短大の授業で書いた、20年後の自分宛の手紙を受け取るというストーリー。DVDをレンタルしてくれる同僚の安西の優しさもジンとくる。 『たとえ真実を知っても彼は』 妻は先生と、ぼくは先生の奥さんと・・・。実はお互い不倫してたと、先生が亡くなって判明。だったら最初から相手を交換してたらよかったのに~みたいな話。 『ダーウィンの法則』 もしも本当に自分に必要な相手なら、相手にとっても自分は必要なんだということに気づこうよ、たとえいかに見果てぬ夢であったとしても、人はそのたった一人の存在を見つけるために一回きりの短い人生を生きるのだ。愛する人と長く愛し合うために一番大切なことは「スキンシップ」だと言い切る。わたしもそう思う。 『どれくらいの愛情』 コンプレックスの強い男とホステスの深い愛。 人を本当に愛するとはどういうことか。運命とは何か。 人は運命を自分の力で変えることができるのだ、ということ。 ストーリー自体はあまり好きじゃなかったけれど、いろんなことを 考えることができるよい小説だったと思う。
0投稿日: 2010.02.05
powered by ブクログ-----------読前-----------実は白石さんの作品、読んだことない。「生協の白石さん」って本があったけど、あれとは全く関係ないよね??というレベル・・・。不勉強なもんで。-----------読後-----------あ〜なんか疲れる話だった。「離れていても愛し合えるか」まぁそういうのは誰でも一度は恋愛のテーマになるわな。どの短編も、あぁそうですかって感じの他人の色恋沙汰を聞かされている気分でした。つまり、どうでもいい。
0投稿日: 2010.02.01
powered by ブクログ読みながら結末が見えてしまうものもあり、底が浅く、今回の直木賞作家だから読んでみるかの期待は過剰だった。
1投稿日: 2010.01.30
powered by ブクログ第142回(2009年下半期)直木賞を受賞した、「ほかならぬ人へ」の著書の作品。3年前に同じく直木賞の候補にあがっていたのが、この「どれくらいの愛情」。白石一文のタイトルの付け方は秀逸。内容に関しては、いたって普通な印象を受けた。男版・唯川恵という感じがする。短編集4つの短編集からなっているが、なんだかバラバラな感じが否めない。短編集の中では、「どれくらいの愛情」が一番好きだが、全体的にどうも説明くさい。情景・心情の描写が荒く、あまり入り込めなかった。【100124】
0投稿日: 2010.01.25
powered by ブクログ4編のなかでは、「たとえ真実を知っても彼は」が一番好きだった。 この作品を通して筆者が描きたかったのは、「目に見えないものの確かさ」だという。 「目に見えるものの不確かさの中に目に見えないものの確かさが隠され、 目に見えないものの不確かさによって、目に見えるものの確かさが保証される」 “絶望=希望の種”というのは、絶望を知って初めて理解できることなんだろうけど、 絶望を知るからこそ光が見えてくるんだろうし、そしてまた人は強くなるんだと思う。
0投稿日: 2009.12.30
powered by ブクログ人間は誰かに幸せにしてもらうことも、自分だけが幸せになることもできないのだろう。 人間にできるのは、恐らくだれかを幸せにすることだけなのだ。
0投稿日: 2009.12.29
powered by ブクログ恋を難しいと思う貴方へ。 淡々と読めすぎてしまった。 行間のあれとかもっと欲しかった。 『ダーウィンの法則』は結構好き。
0投稿日: 2009.12.27
powered by ブクログ4部作。どれもすっごくよかった。 特に、「20年後の私へ」はおもしろくて、「どれくらいの愛情」は深くて好きだった。 これも運命の一冊。 4編目の最後は、今の私にとってメッセージ。 あと書きまで読んで繰り返して読んでやっと理解が深まった。 とてもメッセージ性のある作者。 稚拙な表現だけど、作者はとても頭のいい人だと思う。 目に見えないものの確かさ・・・ 願うこと、強く想うことがすでに愛すること。 *** すんなり読めるけど考えさせられた、「20年後の私へ」の感想も書こう。 39歳の女性が、今の私と大して変わらない感性で 悩みながら生きる姿は、将来が少しこわくなる。 人生何があるかわからない。 思い描く幸せは実現できないかもしれない・・・ そう思うと、未来の私が幸せであるように、今頑張らなきゃ! と身が引き締まります。 私もきっと今のまま、39歳になるのだろう。 きっとふと気付くと、少し大人になっているんだ。 「人間は誰かに幸せにしてもらうことも、自分だけが幸せになることもできないのだろう。 人間にできるのは、おそらく誰かを幸せにすることだけなのだ。」 ストーリー上、 今の自分が過去の自分の期待に沿って その過去の自分を幸せにする、 という意味にも取れるけれど、 人は一人では生きていけないのだから、人を幸せにすることに徹しなさい。 そうすれば、いつかあなたも幸せになれる。 という意味にも思えた。私は、こういう考え方、好きだな。
0投稿日: 2009.11.06
powered by ブクログ表題他、「20年後の私へ」「たとえ真実を知っても彼は」2作収録。 「どのくらいの愛情」においては主人公と彼女との離れてい歳月の互いの愛情の深さをまざまざと知ることになる。 放火のエピソードだけは弱い、又は不要のように感じた。 愛情の示し方は、目に見え、互いに激しく愛しあうものもあれば、「偲ぶ恋」という言葉もあるように伝わらなくとも思い続ける恋もあり、どちらが強いという物ではないのだろうが、偲んでいた思いに相手が気がついた時、底はかもなく愛しく思えるものであるようにおもえる。思い続けることは川の流れにもにた穏やかな強さにも通じると思う。 全ての人には「ぴったりとくる誰か」がいて、必ず出会うことになる。 白石一文さんの作品は一貫してそのような「運命論」、「切っても切れない縁」があり、それが「運命」なのだ、ということを書いているように思う。男性より女性は共感するのではないか。
0投稿日: 2009.11.01
powered by ブクログ◆あらすじ◆ 5年前、結婚を目前に最愛の女性、晶に裏切られた正平は、苦しみの中、事業に打ち込み、思わぬ成功を収めていた。 そんな彼に突然、電話が。 再会した男と女。 明らかにされる別離の理由(表題作)。 目に見えるものだけでは分からない「大切なもの」に気づくとき、人は感動に打ち震える。 表題作の他3作を収録した傑作恋愛小説集。
0投稿日: 2009.10.24
powered by ブクログ他人の気持ちがわかる、なんてことは 最初からありえないことなのだけれど、 自分が同じような状況におかれれば 少しはわかるような気持ちになれる。 そのことを再認識しました。 しかし不倫ってどうして昔から 既婚者の男×独身の女という 組み合わせばかりなんだろう。
0投稿日: 2009.10.06
powered by ブクログ基本、恋愛小説は読まないんだけど、この人の作品だけは読めるんだよなぁ。いろんな感情を揺さぶるストーリー展開、表現、とても好き。あと、福岡が舞台になって、親近感もってるのもひとつの理由かも。
0投稿日: 2009.09.29
powered by ブクログ・20年後の私へ ・たとえ真実を知っても彼は ・ダーウィンの法則 ・どれくらいの愛情 どれくらいの愛情で登場する木津先生の言葉がかなり深いと感じました。
0投稿日: 2009.09.10
