
陰獣 芋虫
江戸川乱歩/東京創元社
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総合評価
(3件)5.0
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夢幻の世界へ
甲乙つけ難い傑作揃いの1冊です。 「陰獣」は一寸冗漫な気もしますが、昔の文章ってこういうものかも? 「芋虫」は現代にも置き換えられる介護の話、状況も社会資源も全然違いますが、結局一番身近な人間と本人の苦悩と言う点は何十年経っても同じかもしれません。 「押し絵と旅する男」、幻想的なお話で、これが一番好きという人が多いのも頷けます。ファンタジーであり恋物語であり… 「目羅博士」は次々と人が死んでいく建物にはほんまかいな?と思わせるトリックが。見ているのは煌々と照るお月さま…ひどい話なのに夢幻が勝ります。
0投稿日: 2016.06.19初期傑作群の最後を飾る名作
「陰獣」は江戸川乱歩の最高傑作「孤島の鬼」と並ぶ、彼の代表作にして、初期の作品群を総括する、乱歩らしい傑作だ。 「孤島の鬼」が乱歩らしさタップリながらも独立した作品であるのに対して、この「陰獣」は初期の傑作短編である「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「パノラマ島奇談」を巧みに引用しつつ物語を盛り上げる道具として使い、甘く悲しい喪失感に満ちた結末には、発表当時の読者は「乱歩はこの作品を遺書として残したのではないか」と誤解したのではとさえ思ってしまうほどだ。 乱歩はこの作品の後に最高傑作の「孤島の鬼」を書いた後、「蜘蛛男」などの、乱暴な言い方だが、生活のための傑作を残していくが、「陰獣」「孤島の鬼」は彼にとって仕事抜きで書きたかった作品群の最後を飾る傑作だと思う。 文体は90年近く昔の作品なので、表現のくどさやテンポの遅さを感じるかもしれないが、初期の傑作短編とともにぜひぜひ読んでほしい。
2投稿日: 2014.01.09最高傑作!
一気に読みました 面白いです、まさに乱歩♪ 独特の世界観がGoodでした。
5投稿日: 2013.10.16
