【感想】渇きの地

クリス ハマー, 山中 朝晶 / ハヤカワ・ミステリ
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
4
6
3
0
0

ブクログレビュー

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  • ぼじょまる

    ぼじょまる

    このレビューはネタバレを含みます

    ・あらすじ

    旱魃に苦しむオーストラリア内陸の町リバーサイドが舞台。
    その町では1年前牧師による銃の乱射事件が起きた。記者であるマーティンが取材を行った住民の殆どは牧師に対して好意的な様子…。
    人気があり敬虔な牧師がなぜ銃乱射事件を起こしたのか。

    ・感想
    牧師の動機を探るうちに色んな要素や過去が判明するタイプのストーリー。
    個人的には戦地取材でPTSDとなったマーティンがこの事件の取材を通して「ジャーナリズムとは」と己の仕事、やるべき事を見つめ直していくリハビリの過程が面白かった。
    どこまでも客観的にものごとを見て、書いてきたマーティン。
    初めて当事者になる事で今までの自分の無感覚や「真実以外への無関心さ」を自覚するくだりは良かった。
    (本邦のマス◯ミは真実とかどうでも良いらしいけど)「真実を知る権利」ってなんだろう?
    それを錦の御旗に横暴なことしてる印象あるからあんまりあの手の人たちは好ましくないけど、この作品は作者自身がジャーナリストだったらしく葛藤や矛盾などが書かれていて面白かった。

    三部作らしく解説に残りのあらすじ載ってたけどなんか意外な展開になりそう。
    オーストラリア舞台の作品は初めて読んだけど、日本の公安的立ち位置のキャラが結構いい味出してた!

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    投稿日:2024.02.20

  • 祐之介

    祐之介

    このレビューはネタバレを含みます

    作者の経歴がそうさせるのか、描写が鮮明に感じた。
    何の予備知識もない舞台なのに、没入感がすごかった。事件の展開に夢中になるのはミステリならではのものだけれども、自分もそこにいるような感覚は珍しいかもしれない。
    中盤以降、物事が大きく動くのに、街は旱魃で動きがない。対比がよかった

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    投稿日:2024.01.23

  • slky

    slky

    このレビューはネタバレを含みます

    面白かったけど、主人公の途中の解説が長いせいか、飽きそうになった。
    解説のせいで、複雑な話が判りやすい面もあるけど、もう少し何とかならないのかとも思う。

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    投稿日:2024.01.16

  • 1999958番目の読書家

    1999958番目の読書家

    このレビューはネタバレを含みます

    どうにも恋愛要素が苦手、と思ったら三部作で続きがあるらしい。なら、我慢するしかない。その代わり、三部作きっちり翻訳して欲しいところ。オーストラリアでは雨が降らなくて旱魃、森林火災なのに、日本では豪雨で土砂災害、などと聞くと何とも皮肉なだなぁ、といつも思ってしまう。地球の天候すら無いものねだりの状態なのだから。閉鎖的な田舎町で起こる凶悪犯罪、複雑な人間模様、住人達が隠していた秘密。自分の読書記録を見返してみると、どうやら自分はそういう内容の小説がお好みのようだ。そして、これもそういう類の本だった。都会で見知らぬ人間にもたらされる悪意や犯罪と言うのも理不尽だが、それとは別に、人間関係が近過ぎるが故に起こる悲劇というのは、どちらが悪でどちらが正義かはっきりと断言することが難しい。お互いがもう少し別の行動をしていたら、防げていたのではないかと思ってしまう。だが、スナウチやクレイグのような自分の利益しか考えない人間が居ると、それも出来なくなってしまう。お互いがお互いを思いやれる人間ばかりでは無いとは分かっているが、だからこそ思いやりの心って大事にしなきゃな、と考えたりした。

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    投稿日:2024.01.02

  • OHNO Hiroshi

    OHNO Hiroshi

    面白い。交通事故で被害者を助けたり。森林火災の心得を知ることだできた。p188。次第に錯綜してきた。よしよし。
    原題、SCRUBLANDS。
    映画になってるのか。
    これ?
    https://www.youtube.com/watch?v=q4Ver1ZUw1k&t=50s

    ちょっと、最高。最後まで、素晴らしい。消化活動もまたするし。息切れがない。どんどんデープに。おお、まだあるのか、謎の解明。破った日記は誰を庇うのか。
    ジャーナリストは真実を告発するが、それが果たして正義なのか。自分の保身、名誉、仕事の達成感の陰に隠れて、傷つく人を想定できないのか。
    p503
    ヘラクレイトスの言葉。
    ”人間は同じ川に二度と足を踏み入れることはできない。川は以前と同じではないし、人間も以前と同じではありえないからだ。”
    最後の最後まで楽しめました。4つの事件が錯綜する。いい本だ。エンディングはちゃんちゃんだったけど、ま、いいか。というか、コッジャーのまだ知られてない話まで、てんこ盛り。
    解説を読むと、このシリーズであと2作品あり、また別のシリーズの作品もあるという、楽しみだ。
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    投稿日:2023.12.12

  • やすお

    やすお

    川が干上がるオーストラリアのリバーセンドという街で、牧師が突然、銃で5人を殺害する事件が発生。その1年後にジャーナリストのマーティンが事件のその後を取材に訪れた。マーティンはそこで新たに発生する事件に巻き込まれながらも牧師の大量殺人の真相に迫る。ジャーナリストと警察と諜報機関が入り混じって、何が真実なのか分からなくなってくるのが、現実に起こっていることのようでリアルさが増している。登場人物や発生する事件が多いが、複雑すぎることもないし、著者が読者をリードしているかのように読みやすい。最初の牧師の事件の描写からラストまで中弛みせずに楽しんで読めた。続きを読む

    投稿日:2023.11.27

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