【感想】ことばと算数 その間違いにはワケがある

広瀬友紀 / 岩波科学ライブラリー
(11件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • moritahcu

    moritahcu

    直接的には言語の話というわけではないので、星を減らしてますが、数学と言語の共通点から、それぞれの不思議に迫る本。ただし、数学が苦手でも全く問題なく読める。そして語り口調も軽妙。
    言語については、枝分かれの解釈の違い、二重否定、曖昧性などについて、他の本とは違う数学に絡めての説明が分かりやすい。続きを読む

    投稿日:2023.12.07

  • AUsako

    AUsako

    著者のお子さんの実際の間違いから算数と言語のお話が展開されて面白い。
    「かける数」「かけられる数」について、文章の組み立て方によってどっちとも言えるというのは今まで気付いてなかった。
    最後の方の怒涛の引き算筆算混乱集も圧巻。続きを読む

    投稿日:2023.12.06

  • bes2ho

    bes2ho

    市島
    正三角形を、二等辺三角形と呼ぶことは数学的には正しいけど、会話の暗黙のルールとして、「正三角形なら、わざわざ二等辺三角形と呼ぶより、正三角形と呼びましょう」があるのだろう。
    -(-4)は+4
    重否定は肯定になることが多いけれど、「うちの店にないものはない」=「なんでもある」
    「持ってるんだろ?」「ないものはない」と無いを強調する場合もある。そのため、
    -4-(-4)はマイナスがもっとマイナスになって-8という答えになってしまう。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.30

  • hifumi1232001jp

    hifumi1232001jp

    算数の処理を日本語で言処理する過程では、適切な置き換えが必要で、教える先生の苦労が想像できました。正答に至らない生徒もまた日本語処理としてはなるほどと思える過程があり、このずれを埋めるためには同じ前提に立てる設題、ミスリードさせない工夫が課題に思いました。言葉に過敏で間違えた生徒の回答にヒントがあることも分かりました。大人の仕事場でも、どの計算(仕事)を先に行うか(項)を相互確認しておけば良かったと思う結果が出ることもあり、仕事も算数かもしれません。続きを読む

    投稿日:2023.04.29

  • 麺とパン

    麺とパン

    改めて算数の教科書を読むと、言葉の理解が大切で、実は文章解釈でないかと感じたことから、手に取ってみた。

    子育て本として読んでも気づきがあると思う。

    投稿日:2023.03.22

  • gaaco

    gaaco

    算数の時代から、立派な苦手意識があった。
    それがなぜなのか知りたいと思い、本書を手に取る。
    本書の途中で、著者の広瀬さん自身も同じような動機でこの研究を始めたとあり、すこしうれしくなる。

    さて、著者は心理言語学者。
    こどもの言語獲得がご専門。
    本書は、ことばと算数の力の共通する部分と、逆にことばのありかたが算数の理解に混乱をきたしてしまうところなどを、実例に即しながら提示していく。

    まず、テストに添えられた図像をどう解釈するか。
    子どもの中には、文章題の中の人物の立場に自分を置き換えられなかったために誤答してしまうこともあるらしい。
    あるいは、どこを「上」と捉えるかが、大人が「当たり前」だと思っているものとは違うことがある。
    最初、私もなぜそんな答えが出てくるのかわからないのだが、解説を読んで、そんな理解の仕方があるのか、と膝を打つ。

    階層構造の中でどう認知されやすいかと、四則演算のルールが抵触してしまう?

    かける数とかけられる数。
    3×5なら、3がかけられる数、5がかける数。
    ところが、日本語では「3」をかける数と理解できなくもない。
    むしろ言語感覚が鋭いこどもの方がドツボにはまることがある。

    マイナスの数をひくと、もっとマイナスになる、という考え方。
    このことは二重否定の文への理解に似ている部分があるらしい。
    「すべてある」(肯定強調)という意味にも、「ないといったらないのだ」(否定強調)の意味にもとれるという、あれだ。
    ある年齢まで、肯定強調として理解することが難しいという研究結果があるそうだ。
    その難しさと重なるのか、と思うと、ちょっと納得する。

    最終章は、こどもが計算のルールを身につけるに至るまでの推論の誤りを分析したもの。
    ことばを獲得する上で、過剰一般化など推論の誤りをしながら、それでも時期が来ればきちんとルールを身につけていく。
    そう思えば、計算も、ある程度は時期が来ればなんとかなるものなのかもしれないな、とふと思ったりもした。
    (ただ、そのまま修正されないで大学生になってしまったようなケースを見聞きするのではあるけれど。)
    続きを読む

    投稿日:2023.02.05

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