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石角友愛 / 角川書店単行本 (5件のレビュー)
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syamada
これから必要性が高まるAI人材としてのキャリアデザインのあり方を知ることができる本です。 デジタル化の必要性と、日本が遅れているということを報道などでたびたび目にします。 多くの方が、必要だということ…は何となく考えるようになったかもしれません。 しかし、ではどうしたらいいかということは、まだわからないと思っている方が多いような気がします。 そんな状況でAI人材になることができれば、キャリアデザインを考える上で優位に立てる可能性は高まります。 この本では、なぜAI人材になることを考えるべきか、その方法として考えられるパターンなどを紹介しています。 これから必要なキャリアアップを考えたいという方に、そのヒントを教えてくれる1冊だと感じました。 【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】 「今いる会社や職種を変えるつもりがない人は、『自分の仕事をAIと結び付けられないか』を考えてみるのが有効。業種や職種を問わず、AIを導入することで会社の収益を増加させたり効率化を果たせたりするケースは多い。社内でそういうプロジェクトを動かしていく立場になることはできる。」 「これまで『職種』『業界』『場所』で構成されていたキャリアデザインのトリレンマ(選択肢が3つになること。2つだとジレンマ。)が、アフターコロナには『場所』が『ライフスタイル』に変わる。その中でどの部分を大事にしたいかによって進むべき道、学ぶべきことは変わってくる。AI人材になりたいと考えた時、目指すべき道は1つではない。」 「どんな形でもいいのでAIに触れてみる。簡単なことでも、参加することで経験は『1』になるので、何もしていない『0』の人とは大きな違いが生じる。『0』は何を掛けても『0』だが、『1』ならば掛け合わせで可能性が無限大に広がる。行動力と経験値が持つ意味は大きい。『1』になった人は、それを『10』や『100』にする手段を考えて実行に移す。」 →最も重要なことは、今、自分ができることは何かを考えることなのではと感じます。今の仕事でAIを使えるとしたら、どんなことなのか。そして、簡単なものからまずは導入してみる。そして、その正解は1つではなく、人によって、何を大事にしたいかで変わってくるということを知っておく必要があります。 【もう少し詳しい内容の覚え書き】 ・エンジニアのように専門的な技術を持たない人でも、自分が関わり合っているビジネスとAIはつなげられるし、それによって自分自身のキャリアデザインもできていくことを知っておく。近年ではAI導入を全く検討しない企業は少ない。自分でアイデアを出して社内のAI導入プロジェクトを立ち上げられれば、その経験と実績を自分のキャリアアップにつなげていける。 ・誰もが自分で知らないうちに、SNSやメールサービスなどあらゆるところで企業に情報を提供している。データビジネスが当たり前のように生活の中に浸透してきている中で、何も知らないノーガードの状態でいる危険は大きい。うまくデータを使える側であるべき。 ○ニューノーマルとこれからのAIビジネス ・リモートワークの利点で第1に挙げられるのが人材の確保。通勤を考えないでいいことから、勤務地とは関係なく世界中の人材をより低コストで採用できるようになる。「フルリモート」か、オフィス勤務とリモートワークを合わせた「ハイブリッド型」では、どちらがいいかという一元的な答えはないが、大企業の場合、まずハイブリッド型から始めて、割合を段階的に考えていくフェーズドアプローチにしている場合が多い。 ・AIは学問の一分野であり、いろいろな課題を解決するためのアプローチの総称と言える。これからはAIが生活に必要なインフラになっていく。今現在も、PCに文字を打ち込む際の予測変換など、すでに一般の人が考えている以上に身近なところでその手法が使われている。 ・今いる会社や職種を変えるつもりがない人は、「自分の仕事をAIと結び付けられないか」を考えてみるのが有効。業種や職種を問わず、AIを導入することで会社の収益を増加させたり効率化を果たせたりするケースは多い。社内でそういうプロジェクトを動かしていく立場になることはできる。 ・これまで「職種」「業界」「場所」で構成されていたキャリアデザインのトリレンマ(選択肢が3つになること。2つだとジレンマ。)が、アフターコロナには「場所」が「ライフスタイル」に変わる。その中でどの部分を大事にしたいかによって進むべき道、学ぶべきことは変わってくる。AI人材になりたいと考えた時、目指すべき道は1つではない。 ○今の職場や業種でキャリアアップする「AIシナジスト」 ・「職種」にこだわりたい人が取るべきスタンスは、会社は移らず「今いる場所」でAIビジネスとの関わり方を考えていくのが基本になる。自分のいる職場でAI導入の戦略を練りプロジェクトを社内で推進する人、AI活用で成果をあげられる人材、AIを使って主業務でのシナジー(相乗効果)を生み出す、「AIシナジスト」を目指したい。 ・AIシナジストに求められる要素、スキルは、まず、何かしらの「ドメインナレッジ(特定領域の知識)」を持つこと。個人であっても、「自分のドメインナレッジとAIとの掛け合わせ」を考えることが有効になる。劇的に数字を伸ばしたいなら、これまでにはやっていなかった何かをする必要がある。 ・一般に公開されているツールを利用すると「導入の壁」が低いので、導入の第一歩にはしやすいが、得られる評価も一定範囲内にとどまりやすい。既存のツールでは解決できないようなところに課題が見つかることも多いので、必要な部分に特化したオリジナルのAIツールを開発することも視野に入れたい。大きなプロジェクトになりやすいが、そこまでやってみてこそ、AI導入の効果を最大化できる。 ○AI人材に求められるスキルとエクササイズ ・AIシナジストに求められるのは、ユーザー思考、プロダクト思考(抽象的なビジネスコンセプトを具体的なプロダクトアイデアに落とし込む)、起業家思考(ビジネス検証)、プラットフォーム思考、転換思考、オートメーション思考の6つ。 ・2種類上の異なる種類のユーザーをつなげていて、ユーザー間のダイレクトなやりとりが可能で、やりとりを円滑にするための機能を提供している、という3つを満たすのがプラットフォーマー。実際にそういうプラットフォームをつくろうとするのか、トレーニングとして新しいプラットフォームのあり方を考えるのか、という考え方をしていく習慣をつけたい。 ・転換思考とは、優れたビジネスアイデアの実例、成功例を知った時に「その考え方を別の部分に応用できないか?」を考えてみること。実現できるかどうかはあとの問題として、まずは応用例を探るという柔軟な発想が、AIをビジネスの現場で掛け合わせるAIシナジストには大事。 ・オートメーション思考のエクササイズはシンプル。「自分の仕事のやり方にムダはないか」「どうすれば効率化できるか」を常に考えることが目的、まず自分の仕事を細分化して工程として書き出す必要がある。細分化した作業内容の中で、リードタイムが非常に長い、自分の判断基準(なんとなく、勘、経験)で決めている、というポイントを満たす工程があるかを見つける。 ・どんな形でもいいのでAIに触れてみる。簡単なことでも、参加することで経験は「1」になるので、何もしていない「0」の人とは大きな違いが生じる。「0」は何を掛けても「0」だが、「1」ならば掛け合わせで可能性が無限大に広がる。行動力と経験値が持つ意味は大きい。「1」になった人は、それを「10」や「100」にする手段を考えて実行に移す。 ○データサイエンティスト、AIビジネスデザイナーになる ・データサイエンティストに求められるのは、「プログラミング・情報処理」「数学・統計者」「コミュニケーション・可視化」のスキルセット。どれか1つだけが突出しているだけでは不十分で、どれか1つでも欠けていたら優秀なデータサイエンティストにはなれない。 ・特徴を数値化した「特徴量」を使い、依頼者の目的をかなえるのに有効となるポイントを見つけ出すのもデータサイエンティストの重要な役割。ある程度「仮説設定」ができるほうが何を特徴量とすべきかを見つけやすいので、ビジネスセンスとデータセンスが問われる。そこでは資質や経験が問われる。 ・プロジェクトの立ち上げ段階から重要な役割を担うのが「AIビジネスデザイナー」。クライアントや企画者とデータサイエンティストをつなぐ場所に位置する。ここでいうデザインとは広い意味での「構想設計」。企業課題とユーザー課題を理解し、関連性の高い情報を集めて解釈し、イノベーティブソリューションを割り出す職業と定義される。今後、3〜5年のスパンで考えたら、日本企業で最も必要とされるAI人材の1つになる。 ・AIビジネスデザイナーは、AIの概念をしっかりと理解している上で、経営戦略やビジネスモデルを練っていく必要がある。0から1を生み出す構想設計と、1のものを100にする構想設計の両方が求められる。抽象的思考能力と具体的思考能力の両方が必要。ユーザーの立場からプロダクトを考え、それをクライアントとデータサイエンティストの双方に伝えていかなければならないので、コミュニケーションやストーリーテリングの力も大切になる。 ・AIビジネスデザイナーの必須スキルは、AI知識(知識をビジネスに落とし込む)、課題抽出(改善の優先順位をつける)、PoC・現場共感型AIのデザイン(設計)、プロジェクト実行力(データ収集、データサイエンティストとの連携)、コミュニケーション(必要な情報を幅広く伝える)、の5つ。足りない部分はトレーニングで補える。 ・現場共感型AIは、エンドユーザー(現場の人)を観察し、ペインポイントを理解する共感姿勢が重要。現場での作業フローをよく観察し、現場の人が大事なエンドユーザーだと理解し、現場の人の気持ちや考えを決して軽視せず、「導入の壁」と「定着の壁」を最小にする、という4点が必要。 ・小さな改善が意味を持ちやすいエリアでAIを導入すれば、失敗にはなりにくい。リスクが小さいところで効果を最大化していくことを狙うのも戦略。最終的に判断するのはクライアントだが、AIビジネスデザイナーはこうしたプロジェクトの選定や優先順位付けなどの構想設計にも関わる。 ○ゼロからの転向に成功した人たち ・開発側の人間は、「現場の感覚に合わない」といったことからシステムが使われなくなるということがないように、導入の壁と定着の壁を乗り越える必要がある。ユーザーにより良い体験を与えられるよう、UXデザイン、UIデザインを考えてみることも1つの手である。 ・クリエイターの場合、自分の作品を整理したポートフォリオを作っておくことは、転職することなどを考えても有効。 ○非IT企業にいる人たちのキャリアデザイン ・会社がAIプロジェクトを始めた際、その舵取りをできるのは外部の技術者でなく、会社のことや当該部署のことをよく知っている社員。 ・自分を主体にした人生設計ができる時代になっている。コロナ後のニューノーマルでは、「個人としての価値」が認められれば、住みたい場所に住むこともできる。リスクを避けて、何も変えようとしない安定志向でいることは、かえってリスクを大きくしやすい。 ・コアとなる事業をデジタライズしてこそのDX。1つのツールを導入したことですべての問題が解決して、そこでプロジェクトが終了することはまずない。ツールを導入してデータを得られれば、次の段階のステップにつなげられるので、新たなモデルを作ったり、ネットワークを広げたりしていくことになる。続きを読む
投稿日:2021.09.15
すかすか
AIシナジストになるには 1. ユーザー思考 2. プロダクト思考 3. 起業家思考 4. プラットフォーム思考 5. 転換思考 自分がAIやデジタルに関われたら、また即座に読みたい一冊。第5章の、…実際の、企業の人たちがどのようにAI人材になっていたかの例が具体的でリアルで分かりやすく刺激になった。いきなりAI人材にならなくても、自分の役割にAIを取り入れていくことがイメージできた。続きを読む
投稿日:2021.09.08
roomtopo
最近の新しい職種についての本 AIって難しそうだけれど、一足飛びには専門家にはなれないので かじってみるだけでも良いのかも。
投稿日:2021.07.07
まるすけ
大変、良いAI本だと思います。特に良いと思う点は、この本を読んだ後、どうアクションを取ればよいかが想像つくことです。自分は、MOOCSで講座を受けてみようと思います。
投稿日:2021.05.14
nogeikuzo
プログラミングとかできたほうがいいんでしょうね、と考えさせられた。かれこれ30年以上前か、BASICとかLOGOとかでプログラムしてたのは。 気になったのは、コピー書きやライティングをやってくれるA…I。いずれ夏目漱石風にとか森鴎外調で書くとかもやってくれるのだろう。 いずれAIが書いて、AIが読んで、人は大事なところだけまとめてもらうみたいな時代がくるんだろうか。続きを読む
投稿日:2021.04.16
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