【感想】新章 神様のカルテ

夏川草介 / 小学館文庫
(53件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
24
21
4
0
0
  • 読後の清涼感がある

    舞台が大学病院に変わっての物語。
    大きく変わった環境、相変わらず難しいことを言っている一止先生です。
    いつも自分の生活で頭いっぱいで心に余裕のない私ですが、そんな私の心にも響く物語でした。

    投稿日:2021.01.14

ブクログレビュー

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  • ひろ

    ひろ

    大学病院に移った一止。

    大学のルールや規律その他しがらみに翻弄される中、自分が通すべき信念を、ここぞという時にはしっかり主張する一止に、ヒヤヒヤしながらも年甲斐もなく熱く応援してしまう。

    読み始めはなんとなく荒んで毒舌度合いが増した一止に見えたが、後半以降はそれに自分が慣れたのか一止が戻ったのか、いつもどおりに戻って良かった。

    最後は本庄病院では大蔵省の位置に当たるキャラの准教授(通称パン屋)相手にまたも大喧嘩するがやはりそうなるよねという患者本位の一止らしさ。

    それを乗り越えた一止もすっかり大学病院の最大戦力の一員かぁと思うと感慨深く思う。

    最終巻である今作品を読み終えて、続きがないのがとてもさみしい。
    続編でたらいいのになぁと淡い期待をしています。

    ロスを補うためとりあえず、スピノザの診察室を買おうと思う。
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    投稿日:2024.03.28

  • びびこ

    びびこ

    いきなり神様のカルテ新章を読んでみました。熱心な医療への取り組みや、病院の組織のことが詳しく書かれていましたが、今まで読んだ夏川さんの小説とは違いました。
    私は最近の作品の方が好きです。

    投稿日:2024.03.17

  • hiroking

    hiroking

    今の所、この作品が「神様のカルテ」シリーズの最後となっている。

    シリーズを通じて、もうすっかり物語の中に入り浸っており、登場人物達と共に歩みを進めるのはとても心地が良かった。本作で、舞台が市中の基幹病院から大学病院へ変わっても、登場人物達の性格が変わるわけではない。やはりいい人しか出てこない。

    大学病院を舞台とした医療小説は数あれど、その特殊性の核心を突きながらも爽やかなストーリーで描いている小説は少ないのではないだろうか。

    まあ、大学病院に行ったことすらなく、他の医療小説やドラマから伺い知っているだけなので極めて私的な感想にすぎないけれど。

    シリーズを通して、信州の大自然の清涼な空気と人間を見る目の温かさを常に感じさせてくれました。そして、人の生死を扱うストーリーなのに清々しい。

    そういえば、表紙のイラストもとても良い雰囲気を醸し出していました。「カスヤナガト」さんというイラストレーターの作品。これも良かった。主人公達のイメージにピッタリ。

    「神カル」のストーリーがこの作品で途切れてしまう?のはとても寂しい。登場人物達が周りの環境に左右されず、ブレずに清々しいストーリーを紡いでくれていた。この「神カル」の世界から離れるのはとても寂しいが、、、

    続編が出て欲しいような、今の読後感をズーッと引きずっていたいような、複雑な感覚です。
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    投稿日:2024.02.04

  • 朝臣

    朝臣

    涙がぼろぼろ、再読なのにティッシュ必須だった。
    引きの栗原はいくらなんでも引きすぎなのではと思ったけど、ハルさんが良い奥さんすぎて、ぎりぎりプラマイプラス

    投稿日:2024.01.28

  • ますたぁ

    ますたぁ

    シリーズ5作目 舞台は大学病院へ

    本庄病院から信濃大学医学部の内科に入局した栗原一止
    妻 榛名との間に小春が生まれたが、股関節の疾患により小児科への通院にも付き添っている様子
    大学病院では消化器内科として勤務する傍ら、大学院生として研究を勧めながら、以前にも増して金欠のためアルバイト等にも追われる日々
    そんな中、栗原の班に外科の砂山次郎から一人の患者の転科を相談される
    29歳の若さで膵臓癌と診断された二木美桜
    彼女の治療方針を巡り、大学病院の様々な矛盾が描かれる

    御嶽荘は男爵が相変わらず主のようで、また学士殿も戻ってきたよう
    そんな御嶽荘も老朽化のため大家が解体したがっているという問題もサイドストーリーとして描かれる


    内科の准教授でベッド管理者の宇佐美
    通称「パン屋」
    1つしかパンがなかったとしたら、そのパンによって今確実に今を生き延びられる子にのみ与えられるべきだ、といった例え話をすることが由来
    大学病院でしかできない治療のためのリソースを最大限に活用する事は患者のためなのか?


    序盤は一止の変化に、大学病院に擦れて患者第一主義がぶれたか?と思わないでもないけど
    やはりその気概は失われていないようで
    青い理想は4年目の新発田(通称 利休)に言わせて、一止はそのすり合わせやもう一段高い位置で立ち回れるようになっている



    大学病院の矛盾を描きながらも、その凄さも表現されている

    外科医も放射線医も診たことのない症例を画像だけで診断できる医師がいる、それぞれの分野のオタクのように詳しい医師たちが頭を突き合わせて答えを導き出していく、それを出来る大学という場所はすごい場所なのだ


    やはり今作も名言が多数

    「真面目とはね、真剣勝負の意味だよ」

    他の医師も真面目ではあるんだろうけど、その真面目さはルールを守るといった真面目さ
    一止の真面目は患者にしっかり向き合うという真面目さなんだよなぁ



    「あと三か月の命なら意味がないと思いますか。一か月しか生きられないなら死んだほうがマシですか。そんなことはないはずだ」

    「生きることは権利ではない、義務です」

    私は生きる事は義務とは思わないけど
    それでも自分の役割は何かを考えるときがある
    もし余命宣告されるような病気になったとして、自分の最期はどうなるのかを漠然と想像すると、やはり周囲の人に感謝と、自分の死に様を見せるために振る舞うだろうなぁとは思っている



    「患者の話をしているのだ」というセリフはやはり一止さんだよなぁと思う

    このシリーズは毎回泣ける
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    投稿日:2023.08.14

  • MASIA

    MASIA

    最先端の医療を扱う信濃大学病院に移った栗原一止。

    一止を頼る29歳の膵癌患者の美桜の退院をめぐる処遇で、院内、准教授と対立してしまう…

    末期癌患者が、『家で最期を迎えたい』と言っているにも拘らず、病院側が退院はさせれないなんて⁇
    本当にバカやろうだ。
    ただ自分たちが不安なだけで。
    ただ自分たちがリスクから逃げているだけで。
    何が退院ガイドラインなのか?

    患者や家族が不安なのは当然だろう。
    なぜ患者を見ないのか⁇
    最期は患者の想いを叶えてあげるべきだろう。

    一止や利休でなくても、『バカやろう』って、言いたくなる。

    教授が『患者の話をする医者でいなさい』と、一止を受け入れたことに救われる。

    続きを読む

    投稿日:2023.07.19

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