【感想】「男女格差後進国」の衝撃 ~無意識のジェンダー・バイアスを克服する~(小学館新書)

治部れんげ / 小学館新書
(14件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 土木D&I2.0

    土木D&I2.0

    日本のジェンダー・ギャップ指数は2023年には0.647、125位。数値の裏にある原因を、この本は、実態を実感せずに暮らしていることと指摘する。(菊)

    投稿日:2023.10.29

  • basil1127

    basil1127

    最近の「仮面ライダー」では、当たり前のように女性ライダーがいて。

    スーパー戦隊シリーズにも2人の女性メンバーがいることが多くなって。

    プリキュアにも男の子のメンバーが入るようになって。

    中学高校では女子の生徒会長も珍しくなくなった。

    少しずつ、境界線は緩んでいるのかもしれない。
    そんな時代。

    でも、相変わらずビジネスや政治の世界では古い枠組みや価値観が幅をきかせている。
    どんなに「ジョセイカツヤクゥーーー!!」と偉い人が旗を振ろうが、社会の仕組みが、刷り込まれた役割意識が、ガラスの天井となって"その先へ行くこと"を阻むのだ。
    若い世代では少しずつ変わって行っているようには思えるけれども。

    無意識。アンコンシャスバイアス。
    私たちが成長してくる中で知らず知らずのうちに内在化される価値観、考え、物の見方の枠組み。
    私たちにはみな、意識することなく抱えているバイアスがある。
    というか、バイアスはそもそもその存在を知り、意識しなければ認識できないものなのだ。

    「当たり前じゃん」と思っていることを疑う。
    それは本当に当たり前なのか。

    「僕は常々思ってるんですが〜」ではじまる大学生の疑問を、私たちもみな持った方が、多分いい。

    本書は、女性をめぐる問題について多くの著書を世に送り出している著者がデータに基づいたジェンダー問題を、主にバイアスという観点から論じているものだ。自分たちの中で無意識に、しかし確実に働いているバイアスによるがどんな問題に繋がり、何を阻んでおり、その結果何が起きているのかを冷静な筆致で語られるのを虚心坦懐に受け止めたいと思う。

    システムの問題、法律や慣例の問題。
    解決しなければならないことは多くあるが、今の日本社会にはまだ「そこにあるのに運用されていないもの」がたくさんある。何より、"ガラスの天井"を発生させている最大の要因はまさにこの"アンコンシャスバイアス"なのだ。

    これは、私の中にも確実にある。
    たとえば、仕事で出会うお子さんの母が1人で遊びに行き、父が家で子どもの面倒を見ていた話などを聞くと、ついうっかり眉を顰めてしまいそうになることがある。
    逆ならたいして感じないかもしれないのに。

    子どもに関わる仕事をしていると、そんな自分の中のバイアスに不意に直面しては愕然とすることもある。

    ひとつひとつ、まずは自分の中にあるバイアスを意識化して取り除いていくこと。
    「当たり前でしょ」の一言で思考停止することをやめ、目の前にいる人が女性でも男性でも「その人のどこを見れば正当な評価ができるのか」を考えて生きていくことが必要なのだろうなと思う。

    最近、邦画では"若くない"女性たちが主役を張る作品が少数ながら増えてきたように思う。
    ちょっとした希望では、ある。
    子どもの相談に父が来てくれる事例も少しずつ増えてきている。
    少しずつ、少しずつ、
    「ねばならぬ」のこだわりから自由になっていこう。
    そんなふうに思う。

    ところで、1号ライダーが女性の作品、マダー?
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    投稿日:2023.10.25

  • University of the Ryukyus Library

    University of the Ryukyus Library

    【琉大OPACリンク】
    https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC02888517

    投稿日:2023.10.04

  • La place

    La place

    ジェンダー問題のイントロダクションにぴったりの1冊です。
    男性から女性という一方向ではなく、様々なベクトルでジェンダーの問題があること、会社や家庭レベルから国際的な視点まであり、幅広くそして冷静に分析していました。
    冒頭に筆者のスタンスを明らかにしてあるのも、好感が持てました。
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    投稿日:2023.07.01

  • minusion

    minusion

    ジェンダーギャップ指数は毎年発表されていて順位は気になっていたものの、恥ずかしながらどういう基準で評価されているかなど全く知らなかった。
    そういう観点を加味してみると、発展途上国で案外順位が高いのは富裕層の女性は貧困層の女性を家事育児の担い手として低賃金で雇い、社会進出しているなど、ジェンダーギャップ以外の問題も浮き彫りになってくることを知った。

    そのほかにも、パワハラ・セクハラをしないためにどういう基準が良いのか?という質問に対して、下記コメントがとてもしっくりきたので、ハラスメント教育で伝えていきたい。
    "もし「部下にこれを言っても大丈夫か」と迷ったら一呼吸おいて「それを上司の配偶者や子どもにも言うか」と考えてみて下さい。上司の耳に入ったら、自分の人間性が疑われて不利益を被りそう、と思うなら、それは言わない方がいいでしょう。"
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    投稿日:2022.11.16

  • moondrop421

    moondrop421

    ジェンダー関連本は多く読んでいる方だと思うけど、この本はヒステリックにも攻撃的にもならず、フラットな立ち位置から丁寧に書かれていて好感が持てた。特に日本の問題の根っこがキチンと捉えられていて⭕️

    投稿日:2022.03.06

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