【感想】『週プロ』黄金期 熱狂とその正体 活字プロレスとは何だったのか?

俺たちのプロレス編集部 / 双葉社
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
3
1
2
0
0
  • 熱量に浮かれていた1人

    そうだったのか。やはり、あの頃の週刊プロレスは「麻薬」だったのか。ある意味今ではブラック企業の何者でもない、コンプラなどの概念が存在しない、あの時代に、これだけの情熱と欲望をプロレスというジャンルに注ぎ込んでいた人たちと、それを支持する人たち(自分もその1人)がいたからこそ成立したんだと。同時期に立花隆が「プロレスというものは、品性と知性と感性が同時に低レベルにある人だけが熱中できる低劣なゲーム」と述べていたのはあまりに偶然であろうか。続きを読む

    投稿日:2022.06.25

ブクログレビュー

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  • Take

    Take

    自分が全日寄りだったからか、市瀬氏のコメントが説得力がある。
    SWSのプロレスが支持されるに値するものだったら、あの当時の週プロがどう書いたところで影響力は限定的だったはず。ヒドい集団だったことは、その後の関係者の証言でも明らか。

    週プロが業界内で少なくない影響を持っていたことは確かで、業界全体としては好意的な空気で受け入れられていなかったこと、そして、週プロ自体が異常な集団であったことも確か。
    それを拒否・否定する大きな力が(内)外にあり、必然的にああなったように読み取った。

    ゴング関係者も今になって正論は言うが、当時の弾圧に加担したことは否定できない。
    まあライバルだけに、そしてジャーナリズムなどありえない世界だけにしょうがないかもしれない。そして当時のゴングの中心人物が、このような本できちんとコメントしていることが、ようやく出来た誠意の見せ方なのかもしれない。

    更科四郎氏の談話はいつも面白い。
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    投稿日:2022.12.12

  • りく

    りく

    まぁ、色んなところで読んできたような話しが多いので特にコレ!といったことは少ないが、たくさんの人達による証言を一気に読むことでイメージに厚みを持てたのは良かった

    投稿日:2020.10.08

  • nipopo2015

    nipopo2015

    当時を知っている人なら最高に面白い。私はゴング派だったが、週プロの内情が詳しく書かれていてためになった。

    投稿日:2019.06.30

  • tosyokan175

    tosyokan175

    月曜日には少年ジャンプを買って、水曜日にはマガジンとサンデーと週プロ買って、金曜日にはチャンピオンと週刊ファイトを買っていた、あの頃。マイ週刊誌グローリーデイズ。プロレスに関して言えば、週の真ん中で本書の主役でもあるターザン山本の発狂状態に感染し、週末にI編集長の妄想MAXな論理に引きずり込まれ内向し、プロレス中継見なくても充分に頭の中は躁鬱バトルロワイヤルが繰り広げられていました。本書は、そのプロレス躁状態を作った雑誌の栄光と挫折の証言集です。ターザン本人が今までも、その時代のことは虚実あい混ぜて語っているので、あんまりビックリはないですが逆にビフォアターザンの週刊化を仕掛けた初代編集長の杉山さんと、アフターターザンの新日取材拒否を解いた三代目編集長の濱部さんの証言がクレイジー成分ゼロなのに、いや、それだからこそ、「雑誌ってなんなのか?」を考える材料になっていると思いました。あの頃は、村松友視の「私、プロレスの味方です」から始まる「考えるプロレス」が週刊ファイトの井上義則の「妄想するプロレス」に至り(時系列な順序は逆だけど…)、ファイトが育てた山本隆司の「現実に介入していくプロレス」にシフトしていくのがエキサイティングだったんだよなぁ。「与えられるプロレス」が当たり前だった時代が、ファンひとりひとりが「自分だけのプロレス」を頭の中で作り出す時代が『週プロ』黄金期なのでした。プロレスラーも少年の憧憬の存在から青年の自我の写し鏡としての存在へ変わっていったように思います。プロレスラー自身の自我もビックバンを起こし多団体時代が始まっていきました。その自我は主に経済的欲望だったからこそ、それを塗り潰すストーリーやファンタジーが必要とされ、それを供給し続けたのが週プロだったのだと、今はわかります。そういう意味では、ターザンの週プロを終わらせたのは、新日の取材拒否なのではなく、リアルファイトの総合格闘技の台頭だったのだと断言出来ます。オクタゴンはターザンを潰しにかかった新日そのものもにも痛手を負わせました。そして、グレイシーをプッシュしていくのは、週プロからスピンアウトした格闘技通信とそのスタッフだったりするんだよなぁ。サブカルがメインカルチャーになっていき、そして脱カルチャー化していく感じ、これすべての法則みたいな気がします。続きを読む

    投稿日:2019.05.17

  • takumirex

    takumirex

    このレビューはネタバレを含みます

    サブタイトル・・・というか、そもそも最初にアナウンス
    されたタイトルは「活字プロレスとは何だったのか?」。

    「活字プロレス」とは、80〜90年代に週刊プロレスで
    編集長を務めていたターザン山本が発した言葉。それま
    でのプロレス雑誌の試合リポートが試合の展開を追う文
    字通りの「リポート」であったのに対し、週プロに於け
    るソレは記者の主観が中心。悪い言葉で言えば単なる
    「感想文」なのだが、その内容は思い入れと熱に溢れ、
    読者の想像をとことんまで膨らませてしまう。今になっ
    て考えてみれば、麻薬のような雑誌だった。

    その週刊プロレスの全盛期に活躍した編集者やライター、
    関係者の証言集。・・・まず、この段階で凄いと思う(^^;)。

    もちろんプロレスラーも数名出てくるが、主役は間違い
    なく一介の雑誌編集者。それを読んでいる我々は、殆ど
    の人物の名前(と下手すれば顔も)に覚えがある。自分
    も含めてのことながら、プロレスファンとはかくも恐ろ
    しき存在、と改めて思った。

    それにしても、あの頃の週プロはまさしく「狂気の沙汰」
    だった。解っていながらも毎週のように週プロを欲し、
    週プロに書いてあることを確認したくて会場に何度も足
    を運んだ。僕も間違い無く週プロの「毒」に侵され、ヤ
    バい、という自覚を持ちながらソレを存分に楽しんでい
    た。もしかしたらUWFもFMWも、ユニバーサルもみちの
    くプロレスも、週プロの煽りが無ければ熱狂しなかった
    のかもしれない。

    今も週刊プロレスは存在するし、相変わらず毎週読んで
    いる。でも、あそこまで熱くなる事はもうきっと無い。
    だって、この本に出てくる人たちの熱は本当に「異常」
    であり、さすがに今の週プロにそんな人材は居ない。よ
    く考えてみれば、それが至極当たり前(^^;)なのだけど。

    週プロは僕にとって今も「憧れ」だけど、人生がやり直
    せたとしてもあの中には絶対に入れない。この本に載
    っている人たちはみんな言えると思う。
    「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我に有り」って。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.03.01

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