【感想】したたかな寄生 脳と体を乗っ取り巧みに操る生物たち

成田聡子 / 幻冬舎新書
(13件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
3
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1
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  • ヒトの性格が寄生生物によって変化する可能性もある

    寄生バチなど、他の生物に寄生する生物の生態の詳細な説明です。寄生する生物の脳をコントロ-ルすることによって、その子孫が生存する可能性を高めるといった、考えてみれば恐ろしいメカニズムには、脅威を感ぜざるをえません。人間の腸内細菌の話やトキソプラズマ症の記述からは、ヒトの性格とはなんであろうかとも、考えさせられます。続きを読む

    投稿日:2017.10.15

ブクログレビュー

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  • raie

    raie

    寄生を甘く見ていたけれど、脳まで行って麻痺させて宿主の行動を変えたり性格を変えたりすることをしていて、寄生ってめちゃくちゃ侮れないというか面白いしすごい生物現象だなと思った。知らない寄生の例が沢山あって読んで飽きなかったし、簡単すぎず難しすぎないから読んでいてとても楽しかった。また読みたい。続きを読む

    投稿日:2023.06.15

  • yosimiko0126yum

    yosimiko0126yum

    創作のネタになりそうな話が多く、そうした意味ではとても面白い本だが、先だって読んだ『昆虫の惑星』で既出であったり、著者の専門外の項目に関してはそこまで正確ではないかもしれない可能性がありそうだなと思った。
    しかしながら、こちらの本の発行は2017年で、今となっては最新とは言い難く、当時は最先端の話題だっただろう腸内免疫、『第二の脳』という位置づけの記述については、参考程度に抑えておいた方が良いような気がする。
    バラエティに富んだ内容で、テーマとしても興味深い、また章の構成などはとても素晴らしい本だった。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.21

  • ben1213

    ben1213

    エメラルドゴキブリバチの話が興味深かった。
    実は人間も目に見えない腸内細菌などにより
    行動の是非を左右されられたりくしゃみでウィルスを撒き散らしたりすることも納得出来た。

    投稿日:2023.03.15

  • taketake98

    taketake98

    このレビューはネタバレを含みます

    ロイコクロリディウムから始まる、寄生虫の話。「パラサイト・イヴ」というホラー小説が紹介され、早速読みたくなる。
    ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリの映像は以前twitterで見たことがあり、その行動面よりも見た目の異形さから強烈な印象があった。ドーキンスの「利己的な遺伝子」の考え方にも触れられ、寄生者が宿主の行動を支配する事例がたくさん挙げられている。
    カクレクマノミがイソギンチャクに何故刺されないのか、という理由の一つをカクレクマノミの体表の粘液のマグネシウム濃度が関係していることを女子高生二人が突き止めたコラムが印象深い。
    アレロパシー(他感作用)も初めて知った。ある植物が生産する特殊な物質が他の植物や昆虫、動物に作用することを言う。ex サクラは葉からクマリンを放出して、他の植物を生えにくくする。
    寄生においてスナノミがとても怖いと思った。足の裏から入り込んで、足がボロボロになっている写真が載っている。ノミと言っても、スナノミは外部寄生か内部寄生かは曖昧だ。
    また、蜂は全て英語で「bee」だと思っていたが、狩りバチは「wasp」というらしい。勉強になった。
    エメラルドゴキブリバチはよくある狩りバチのように獲物を仮死状態にするのではなく(大きすぎて運べない)、蜂が誘導する方向に動いていけるようにしてしまう。凄くピンポイントで麻酔と毒の注入をする。
    この麻酔手術、人間に生かせないかと思っていたら、すぐにロボトミー手術のことが書かれていて、慄然とした。ロボトミー殺人事件なるものも日本で起きたことがあるらしい(同意なしに手術したことへの復讐だという)。
    この獲物にされたゴキブリは生きながら蜂の幼虫に食べられ、蜂が蛹になるころ、死んでいく(それまで毒の効果は消えない、その量に関しても蜂、凄い、と思う)。
    しかしゴキブリにとっては本当に悲惨。あまり好きではないが同情してしまう。
    これをゴキブリ対策に利用できないか、という話が出ていたが、生物防除は思わぬ結果を招くことがあるから、慎重にして欲しい。
    他にもブードゥーワスプ、テントウハラボソコマユバチなど寄生バチの話が続く。エメラルドゴキブリバチは麻酔と神経毒の二段階だったが、ブードゥーワスプはまだその行動制御方法が分かっておらず、テントウハラボソコマユバチはウイルスによってマインドコントロールしていることが分かっている。以前「ダーウィンが来た」のテントウムシの回で寄生されたテントウムシでも生還出来る個体がいる、ということでホッとしたのだったが、本書を読むと、一度寄生されたテントウムシは再度寄生される確率が高いという。私はどうも寄生する側には立てないらしい。
    「えげつない生き物図鑑」で取り上げられていたハリガネムシも書かれていた。ハリガネムシがいることによって、川の渓流魚が得ることが出来るエネルギー量(えさ)が増え、河川の生態系に影響を与えているとは意外だった。
    他にもいろいろ寄生生物についてかかれていたが、後半はちょっと私のエネルギー不足でつまらなく感じた。
    しかし、前半だけでも、ダントツに面白い。カラーの写真だったら、もっと良かったかも。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.10.02

  • 晴川雨読

    晴川雨読

    カッコウの托卵は知っていたが、それ以外のものははじめて知った。
    親に教えてもらうのでもなく、先に生まれて他の卵を巣から捨てるっていうのは遺伝的な何かで決定づけられている行動なんでしょう。
    人間も含め遺伝といっても結局は、電気信号や化学反応によって制御されているのだから、
    外部からいかようにでもコントロールできるんでしょうね。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/472425884.html
    続きを読む

    投稿日:2020.12.13

  • 小野不一

    小野不一

    実は寄生行為そのものが自然の摂理にかなっていたのだ。微生物が人間の性格をも変えることが判明しているが、果たしてそれだけなのだろうか? ひょっとすると戦争や虐殺にも関係しているかもしれない。人類が成し遂げた都市革命は寄生虫を恐れた結果のような気がする。
    https://sessendo.blogspot.com/2020/06/blog-post_85.html
    続きを読む

    投稿日:2020.06.27

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