【感想】ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘

西田宗千佳 / 角川アスキー総合研究所
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • tyossi

    tyossi

    大企業で新規事業をどのように形にするのか、の具体的な話が詰まっていて、とても勉強になった。
    単に新規事業を興すだけでなく、様々な副産物も産まれたことはすばらしい。
    ただ、同じことを別の会社でもできるかと言うと、そんなことはない。あくまで一つの事例として、参考にしたい。続きを読む

    投稿日:2020.01.29

  • koishi-2018

    koishi-2018

    ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘

    内容 :
    ソニーのなかにソニーをつくる-。ソニーが始めた前代未聞の社長直轄プロジェクト“SAP”。
    小さなチームが大きな変化を引き起こし…。
    平井社長以下、キーマンたちに密着取材し、「メーカーの価値とは何か」に迫る。

    著者 : 西田宗千佳
    1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。
    著書に「すごい家電」「スマートテレビ」「iPad vs.キンドル」など。

    2017/07/20  予約 7/26 読み始める。 9/8 読み切れずいったん返却
    2017/9/8 再予約。
    続きを読む

    投稿日:2019.01.12

  • toyosuke1206

    toyosuke1206

    このレビューはネタバレを含みます

    SAP(Seed acceleration Program)とは、ソニーが手掛ける、新規事業のを生み出すための独自のエコシステム。ソニークラスの大企業で、これだけのエコシステムが作り上げられているのが凄い!新しいアイディアとそれを世に問いたいという強い情熱をもった人に門戸を開き、且つ、そんな若者が討死しないように会社全体でサポートする仕組みが出来上がっている。これだけの仕組みが出来上がり、この活動が定着してきたなら、クサリーマン(仕事がツマラナイのは会社の性と愚痴をこぼし、自らは変化しようとしない後ろ向きな社員)が自然と淘汰され、質の高い人が集まる会社に生まれ変わっていく、そんな仕掛けにもなるんだろうなと感じました!

    ・やらされ仕事がなりたつのが大企業の怖さ。

    ・大企業ではシャドーボクシングが起こりがち。僕の発想って素晴らしいでしょでとまり、リングにあがろうとしない。リングに上がっての「殴り合い」まで踏み込まない。そのくせ、シャドーボクシングに磨きをかけて、どうですか?綺麗なフォームでしょ、とやる。SAPはリングに上がることを重視している。

    ・で、この計画は君がやるんだよね?圧倒的な当事者としての意識をいかに作るか。そして実際に権限委譲ができるか。起案者が統括課長として、チームを率いる仕掛け。

    ・ソニーらしさという表現を捨てる。「らしさ」と語れる時は、ソニーブランドに頼って物事を詰め切れてない場合がほとんど。らしさがなくても、事業として成り立つのかを突き詰めて考える

    ・新規事業部はコストセンターではない、プロフィットセンター。収益を狙うことを徹底させる。

    ・新規事業のスタート時の規模は問わない。小粒だったとしても、種は蒔かねば育たない。

    ・既存事業のベテランも影響を受けている。自分のノウハウを伝えたいという想いは持っているものの、今までは助ける対象がなかった。

    ・立ち上がった事業に必要な各機能のスキルを持った人材を、短期間移籍できる仕組みがある。必用な期間だけ、必要な人材をあてがうことが出来るのが効率が良いし、既存事業のエースを引き抜くハレーションも抑えられる。

    ・その会社にいれば「なにかができそうだ!」という期待感が持てるかどうかが重要。大企業が能力もやる気もある若者を支えられないことおそ、日本の企業が抱える問題の本質。

    ・SAPの目的の一つは、社内のオペレーション改革であり意識改革である。

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    投稿日:2017.05.24

  • nztak

    nztak

    このレビューはネタバレを含みます

    SAP(Seed Acceleration Program)という
    やりたい人が手を挙げて新規事業を作る方法に関する、
    立ち上げとそこから生まれたモノ、人に関する物語。
    素晴らしすぎる。羨ましすぎる。熱すぎる!!!


    ・「社内に存在するマグマのように沸き立つアイディア」をビジネスの形にまで引き上げるシステマチックな制度こそがSAP。
    →作りたくてしょうがない、みんな手を挙げる文化。いいなぁ。うちの会社にはそのような人が表に出てこないなぁ。。。



    ・新規事業を目指すチームは「マウンドに上がるピッチャー」
    ①オーディション → 甲子園の地区予選に出場するようなもの。数枚のペーパープラン。放課後プロジェクト。誰でも参加可能。
    ②プレゼン×数回
    ③最終審査プレゼン →社外の人も審査に参加
    ④事業開始
    ⑤3か月毎に継続可否審査

    口だけでは無い、まずマウンドに立ってみろ!

    SAPは収益性だけではない。
    ビジネスを立ち上げた経験が浅いメンバーにトータルでの経験を積ませる。
    すなわちマウンドに立たせることにも大きな価値を持っている。

    大企業では「シャドーボクシング」が起こりがち。
    「僕の発想って素晴らしいでしょ」とプレゼンにまとめるところまでは真剣だけど
    その後実際にリングにあがることは無いのでひたすらシャドーボクシングを続ける。
    SAPが重視しているのでリングに、ピッチャーマウンドにあがること。

    新規事業を作るだけが素晴らしいだけではない。
    社内の人が支えあってビジネスは回る。
    マウンドにあがることでそのことを深く理解することも目的の一つ。


    ・SAPは収益性を重視している。①のペーパープランから収益性や事業性を書いてもらう。
    だがビジネスプランを立てるプロでは無いので甘い。
    最終審査でも「収益性が低いからダメだね」とは言わない。あくまで内容のユニークさ重視。
    事業計画の甘さは先のフェーズで磨きこむ。
    →すごいね。これはなかなかできない。事業性を見て早くから潰されるのが普通。

    ・なにかあると迅速に1週間単位で「これならこういう人」と必要な人員をアサインする仕組み。
    すごい技術を持った人が次から次へと。
    →なんと!!!

    ・その他、「加速支援者」として自身の経験を生かしてサポートしたい!という人が続々。
    自分の事業と関係ないけど面白いものを作ってる人がいたら自分も関わりたい。
    今までは「助ける対象」が無かった。新しいものを作ることを手伝いたい!!
    →40~50台の人は後輩に自分の経験を伝えたくてしょうがないので頼られると嬉しい。思わず手伝ってしまう
    ってのもわかるなぁ。この仕組みも素晴らしい。


    ・価値観はお金だけじゃない。
    「自分が持ってるスキルやアイディアを触発してくれて高めてくれる仲間がいる」
    「やりたいことができる環境がある」
    「大きいことができそうだ」
    といったことの方がむしろ重要なんじゃないか?
    →うちの会社に今、必要なのはこれなのでは?


    ・現状のメーカーとは開発以外でも量産体制にしても販売体制にしてもカスタマーサポート体制にしても
    担当分担して流れ作業の形で行うので、全ての形で100万台基準で全てをやっているので固定費がかさんでしまう。
    でも新しいものを作って新しい市場で勝負する場合、最初の市場は小さいので100万台基準の固定費をかけると
    勝負ができない。
    →まさに今、ぶち当たってる壁!!!



    ・品質基準
    従来のように高い品質基準は求めていない。数が少ないので100個のうち1個不良品が混ざっていても
    謝って交換すれば良い。高いコストをかけて品質をあげても効果薄い。


    ・SAPではクラウドファンディング利用
    ①需要の確認
    ②顧客への直接販売 →一般量販店経由はリスク高。
    ③顧客との長期的な関係を築くため


    ・構造改革を行ってるSONYにとって、構造改革ばかりでは疲弊する。そこで構造改革は終わったんだ!
    というメッセージのためにもSAPを行ったのは意味がある

    ・SAPのもう一つの目的は社内のオペレーション改革であり意識改革
    やれば小さく、早く出すことができるがそれだけではない。
    これをノウハウ化したうえでこれまでの事業部へ反映すること!

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    投稿日:2016.11.13

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