【感想】光の庭

吉川トリコ / 光文社
(13件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
1
6
5
0
0
  • 衝撃を受けました。あんまり見事な小説だから。

    吉川トリコさんは初読です
    そして、読んで、驚きました。こんなにすごい作家さんがいるなんて、その人を知らなかったなんて、と。
    パワーがすごいです。
    読み始めたら、まるで強烈な吸盤に吸い込まれてしまったかのように逃れられません……。
    強烈な吸引力にひっぱられるように読み込んでいく。そして登場人物それぞれ誰もが、自分の中にいる「彼女」のように感じるのだ。
    容赦ないリアルな心理の描写にビックリ。
    すごい、すごい、すごい、すごい、もっと書いて!と興奮状態に。
    吉川トリコさんの小説の魅力は、とんでもないくらい力強い。
    本を閉じた瞬間、充足感で満たされました。読書の面白さを存分に味わえます。
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    投稿日:2017.03.01

ブクログレビュー

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  • いちまろ

    いちまろ

    あらすじを読んで謎解きものかと思ったが違った。やっぱり吉川トリコが描くのは、女たちの心の深淵だ。

    高校時代の仲良し5人組。 
    「銀チョコラバーズ」とチーム名をつけて、くっつき合って笑い合って「5人揃えば最高で最強」だと信じていた。きっと誰もが経験したことがある、輝きに満ちた怖いもの知らずの日々。
    卒業から2年後、仲間の一人がバラバラ死体で発見され、彼女の死にそれぞれが罪の意識を抱えながら16年の月日を経て、4人は再会する。


    「本当に知りたいことのほとんどを私たちは卒業してから学ぶことになる。多くの場合、その学習には痛みを伴う。時には大きな喪失が要らないおまけのようについてくる。」p156

    「どこからが自分でどこからが相手なのかもわからなくなるぐらい同じ温度でひとかたまりになっていたあの春は、もう二度と戻らないのだ」p197


    それぞれの道に進む中で、もはや彼女たちは(私たちは)あの時の少女のままではいられない。
    けれど、自分が「あの春」からどれくらい遠くまで行けたか、あるいは未だ辿り着けないでいるのか、比較し意識し続けるのは、常に「あの春」を共に過ごした友人たちの存在だ。

    「私ね、思うんだけど、友だちって密に連絡をとりあって、ずっとそばにいればいいってもんでもないんじゃないかな。若い時はさびしさに負けてわからなかったけど、いまならわかる。どっかで無事に生きててくれるだけでいいなって。」p290

    相手を傷つけ、自分も傷つくような、未熟で剥き出しの人間関係の中で出会ったからこそ、かけがえのない存在。
    過去を振り返る作業は、痛みと後悔と身勝手な自己欺瞞とに満ちて、全編通して息苦しい。
    続きを読む

    投稿日:2022.03.01

  • ぴょん

    ぴょん

    昔は仲の良かった同級生も月日が経つとともに大きく変化していくよなぁ。
    違って当たり前と思っておかないと、数十年経ってから会ったりできないかもしれない。

    投稿日:2021.02.16

  • kei_m

    kei_m

    地方に暮らす仲良し5人組は高校卒業と同時にそれぞれの道へ進むが、数年後、地元に残った三千花が遺体となって発見される。16年後、ライターとなった志津は三千花のことを調べ始める。

    初読み作家さん。
    生活環境が変われば、付き合う友達も変わってくるし、興味の対象も変わってくる。
    いつまでも学生時代のような付き合いはできなくなる。
    地方に暮らす焦燥や女の子同士の嫉妬といったものはピンとこないが、ミステリ的要素があって面白かった。
    (図書館)
    続きを読む

    投稿日:2017.12.19

  • いるか

    いるか

    16/11/21
    装丁は可愛らしくて、でもちょっと不気味というか不穏なかんじを発してて、そしたら中身もそんなかんじでした。
    湊かなえの『贖罪』ぽいかなあ。

    ・今日のことをこの先何度でも思い出すだろう
    そんな未来をこの時あたしは予感していた。(P10)
    続きを読む

    投稿日:2016.11.25

  • shiraki0402

    shiraki0402

    5人の友情は永遠と誓い、地方の高校を卒業した女子高校生たち。5人はそれぞれの道に進むが、その中のひとり三千花がバラバラ死体で発見される。大学を卒業後ライターになり、失意ののちに地元に帰ってきた志津は、三千花に何があったのかをルポに纏めたいと思い、事件の16年後、当時の友人たちを訪ね取材を開始するが・・・続きを読む

    投稿日:2016.11.14

  • aya---t

    aya---t

    仲良し“だった”女子5人組。
    こんなにも複雑で、
    だけどこんなにも繊細で。
    女同士ってこんなにも厄介な関係だと
    まざまざと見せつけられた感じ。

    とにかく一番不気味だったのが法子。
    彼女の異常に粘着質な執着心が恐ろしい。続きを読む

    投稿日:2016.10.02

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