【感想】石油・武器・麻薬 中東紛争の正体

宮田律 / 講談社現代新書
(8件のレビュー)

総合評価:

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  • イスラム世界のジレンマ

    イスラム世界の政治的混乱が、さらなる混乱や、貧窮をもたらしている現状を、アメリカ、西欧諸国、あるは周辺国の思惑、政策などから分析し、今後の日本がとるべき方策などにも、言及しています。記述が重複する部分があるのが、やや残念ですが、イスラム教の、経済などにたいする基本的考え方などの理解の一助になると思います。ただ、色々な方策を、今のイスラム社会が受け入れることができる状態のあるのか、疑問に思いました。続きを読む

    投稿日:2016.01.04

ブクログレビュー

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  • 波瀬龍

    波瀬龍

    【由来】
    ・週刊現代のサイトで

    【期待したもの】
    ・「麻薬」というところ。チョムスキーの発言で衝撃を受けたが、それについての言及があれば。

    【要約】


    【ノート】
    ・まず、サラリと読んでみたところ、一番の目的であった「麻薬」については一節ぐらいでしか述べられていない。アフガニスタンにおける米軍の関与を示唆するものではあるが、チョムスキー本で興味を持ったようなもっと歴史を遡るような記述でもなかった。ただ、mediaroots.orgというサイトのことを知れたのはちょっと収穫。

    【目次】
    続きを読む

    投稿日:2018.10.28

  • housoushi

    housoushi

    石油収入で欧米•ロシアから大量の武器を購入し、購入した武器で戦争し、戦争による貧困がさらに戦争を呼び、戦争の為に武器を買い、武器を買う為に石油を売って…もうええがな中東、カモられとるがな、しっかりしろイスラム。平和な宗教と言われるこのイスラム教はイスラム教でシーア派やらスンニ派やらで殺し合いしてるし、酒•麻薬は一切禁止の教義のくせにアフガニスタンはケシの世界最大の産地やし、もうわけ分からんので関わりたくない国なんだけど我々には資源が必要で…ああ、外交って大変だよなあ。続きを読む

    投稿日:2016.05.12

  • restsitek

    restsitek

    著者は現代イスラム研究センターの理事。
    個人的にはISの存在が気になっているが、報道だけではわからないISとシリアの関係に驚き、納得した。

    投稿日:2016.03.13

  • 宮本知明

    宮本知明

    イスラムではムスリムが守るべき5つの行いとして「信仰告白」「礼拝」「喜捨」「断食」「巡礼」という基本的な義務を求めており、それがイスラムという宗教の基本的価値観を表し、ひいては交流において非常に大切な考えをも示す。コーランとイスラム法は、喜捨が貧者、孤児、未亡人を支援し、奴隷や債務者を解放するために、またイスラムの普及のために用いられるべきであると説く。このようにイスラムは社会的平等を説く宗教であり、イスラムには信徒間の相互扶助の考え方が底流にある。ところが、近年、神の前の人々の平等を説いているはずなのに、途方もない貧富の差がある。イスラム世界の現実が合致しておらず、特に一部の特権階級や政治指導者たちが贅沢な生活を享受している。これは、イスラムの社会的正義の理念に反するもので、イスラム勢力の中で強い反発を招く一方、救貧活動や慈善事業を行うイスラム原理主義者が多くのムスリム大衆の間で支持を得る背景となっている。中東各地で発生している紛争や暴力の背景には、必ず貧困や格差といった経済問題が横たわっている。中東への進出に積極的な中国の姿勢や、麻薬が武装勢力の重要な資金源となっている実態などを紹介するとともに、イスラム諸国にとって戦略物質ともいえる石油を巡る闇に迫る。続きを読む

    投稿日:2016.02.26

  • piccolo33

    piccolo33

    マスコミでは中東・中央アジアの混乱の元凶としてのイスラム過激派の残虐行為やテロばかり報道されている中で、その混乱した地域を、巨大な武器マーケット、麻薬との関連、経済格差、そして石油の争奪の観点からスポットを当てて、縺れた糸を解きほぐしていくと、別のものが浮かび上がってくる。

    サウジアラビアといえば、「世界最大の産油国」で、「親米の穏健な国家」のイメージがあるが、「世界最大の武器輸入国」であり、「スンニ派に属するワッハーブ派という過激思想によるシーア派社会への抑圧や差別」、「政府批判へは容赦ない弾圧」をする国でもある。
    特にシーア派への弾圧は最近(2016・1)のイランとの国交断絶の原因になっているので、ニュースで目にした人も多いと思う。

    その「世界最大の武器輸入国」は、アメリカの軍需産業にとっての重要な顧客であり、また中東での「宗派戦争」は英米仏露の軍需産業に好景気をもたらし、こうした戦争によって利益を得ようとする軍需産業の思惑が、中東の紛争を泥沼化させているとも言える。

    一方、ワッハーブ派という過激思想は、シーア派を極度に異端視し、1980年代のサウジでの厳格な復古的な神学教育が「イスラム原理主義的」な考えを持つ若者を育成し、過激な潮流を生み、オサマ・ビンラディンらの「アルカイダ」の誕生へと繋がって行った。

    このような分かり易い事例を以下の構成で紐解いてゆく。
    1章:紛争の陰で暗躍する軍産複合体
    2章:新シルクロードを掲げる中国の野望
    3章:石油争奪戦争と価格下落の影響
    4章:中東を破局に導いた米国の戦略
    5章:暴力の拡散と貧困・格差の連鎖
    6章:武力で平和はつくれない
    マスコミではなかなか掘り下げていない問題に鋭くメスを入れ、昨今の中東の混沌とした世界を理解するのに、最適の書だと思われる。

    追記
    2016-2-12のフジテレビでの「池上彰緊急スペシャル」でも、「戦争というビッグビジネス」という形で、中東での戦争とアメリカの軍需産業との関連を特集していました。この本の内容と一部かぶっていたので、面白く見ることが出来ました。
    池上さんも最近少し過激になってきています???
    続きを読む

    投稿日:2016.02.14

  • H.Sato

    H.Sato

    ラムズフェルド国防長官は、イスラエルがパレスチナのハマス指導者たちなどに用いている「標的暗殺」つまり危険な人物を武力によってピンポイントで殺害することがアメリカにも求められていると訴えた。ドローンの操縦士になるには約1年の訓練が必要で、CIAのドローンによる暗殺作戦には空軍関係者たちが従事している。中東の戦争で使用されるプレデターやリーパーなどのドローンは主にカリフォルニア州南部のジェネラル・アトミクス社の工場で製造され、ドローンの飛行には操縦士だけでなく、カメラの操作、情報収集、メンテナンスなど一機について、約200人から400人のスタッフが必要とされている。続きを読む

    投稿日:2016.01.24

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