【感想】シャーロック・ホームズ 絹の家

アンソニー・ホロヴィッツ, 駒月雅子 / 角川文庫
(41件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
11
16
8
3
0
  • 良質なシャーロック・ホームズのパスティーシュ物。

    コナン・ドイル財団公認の正「続編」という肩書きはともかく、シャーロック・ホームズのパスティーシュ物として、あるいは良質なミステリーとして面白く読了しました。発端となる依頼人の登場から始まった物語が途中で横滑りしたかと思いつつ、読み進めた先に現れる奇怪な事件と、発端となった事件の真相も、それまでにちりばめられた伏線がすべて回収された形で解決されるという、語り口のうまさが光る作品でした。事件そのものは正直「現代」向けとも思え、読んだ後で考えれば色々引っかかる部分も多い気がしますが、満足度は高い作品でした。シャーロック・ホームズが好きな方、シャーロック・ホームズのパスティーシュ物が好きな方、あるいは全くシャーロック・ホームズに関心の無い方にも一読をお勧めしたいと思います。続きを読む

    投稿日:2015.11.24

  • 素晴らしいよ、ワトソン君

    生き生きとした本物のシャーロック・ホームズが、この本に甦っておりました。
    ワトソン先生のメランコリックな感じもとても良かったです。
    あぁ、この物語をジェレミー・ブレッド氏に演じて貰いたかったなぁ。

    投稿日:2023.03.24

ブクログレビュー

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  • nogiyuna

    nogiyuna

    このレビューはネタバレを含みます

    ホームズを読むのは小学生ぶりだと思う。何故かずっと、それほど好きじゃなくて手を出していなかったのに、最近になってBBCのドラマが面白くなってきた。更にドラマ『カササギ殺人事件』が自分的大ヒット、小説も楽しかったので、ホロヴィッツの別の作品が読みたくて図書館に行ったら、本作を見つけたという経緯。
    めっちゃ面白かったから、このお話もJブレットとEハードウィックでドラマにしてほしい(笑)。



    ネタバレですよ。
    社会的地位の高い男性が秘密裏で少年愛に耽る、醜く聞くと書いてスキャンダル。どっかで聞いたハナシだぞ。まぁこの話が出版されたのは2011年だから、作者は極東で似たようなコトが起こっていたなんて知ったこっちゃなかっただろうけれど、今年ようやく広がったこの問題はBBCも噛んでいるから、オレ昔そーゆーハナシ書いたけどなくらい思ったかもしれない。こっちの罪人っていうか怪物は、何のお咎めもなくあの世(地獄であってほしい)にばっくれちゃったけどね。(2023-12-05L)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.12.05

  • 帆掛船

    帆掛船

    『モリアーティ』に先行するホロヴィッツ版ホームズ譚も、ほぼ一気読み。ちょっとファンサービスを盛り過ぎの感があり。余りにスキャンダラスな真相だった為に百年の後まで封印されていた、という設定はそれなりに納得だが、この真相を普通に受け入れられるくらい、現代が堕落しているということなのかも知れない。続きを読む

    投稿日:2023.09.03

  • オズ

    オズ

    このレビューはネタバレを含みます

     シャーロック・ホームズの正統な続編が発表されていた事は知っていたが、当時購入する事はなかった。時間が経ち、まさか著者がホロヴィッツだと気がつくまでに少し時間がかかり、気付いてから一気に興味がうまれ購入した次第だ。読むまでに間があったが、気まぐれで「シャーロックホームズの思い出」をながめ、久しぶりにホームズへの熱が高まってきた為、絶好の機会とばかりに読み始めた。
     ホームズシリーズ新作ではあるが、ドイル作品では無い為、否定的な意見もある様だが、紛れもなくホームズの探偵録であり、残念ながら作中謎の教授(終盤でモリアーティとあかしているが)が指摘している様に、ワトソンの記録では必要最低限の部分しか記されておらず(実際はドイルの描写方法)、もう少しきめ細やかな表現や描写、接続要素が必要だと思っていたが、まさしくホロヴィッツがそこに切れ込んだ形だ。
     たとえば、ドイル作品ではワトソン夫人の会話描写など極力なかった様に思われるが、今作では少しだけ登場し、それでいてワトソンとの関係性が理解できる。ワトソンがとても活き活きとしており、語り手としての年老いた彼と登場人物としての若々しい彼がそれぞれ頭に浮かべる事ができる。
     物語は、画商がアメリカで巻き込まれた災難とその復讐による恐怖の部分と、ホームズが命令を下す少年達の一人の惨殺事件、そして「絹の家」を巡る謎。と大ボリュームであり、それぞれ独立していく様な事件がきちんと一本線で繋がっており、最後には大団円をむかえる。
     登場人物達も豪華で過去先からも沢山出演しており、マイクロフトはもちろん、レストレイドやトレヴェリアン(偶然、シャーロックホームズの思い出を読んだあとで興奮!!)、そして謎の男としてモリアーティ等更にはそれぞれの人柄も丁寧に描写されており、ホームズに少し人間味が出た様に思った。
     様々な事件が同時進行していき、過去のシリーズにおいて最もホームズが危機を迎えたといえる程追い詰められていく。シリーズありきたりな事件から発展し、少年の惨殺事件が発生し、調査の途中、ホームズがアヘンの巣窟にて策略に合い女子殺しの疑いで逮捕される。
     絶対絶命の中、どうやって活路をみいだすか。半ばを過ぎると目が離せなくなる。
     最初のきっかけとなった事件を最終的に解決させる構成は流石で、絹の家事件でホームズがダメージを受けながら最低な真相に辿り着き事件解決と見せかけ、その上でカーステアーズに関わる謎をまだ残していたわけだが、残念ながらこの部分だけ、ホームズ的では無くホロヴィッツ的に見えてしまった(やり過ぎた印象だ)。モリアーティパートもあり、腹一杯なのに食わされている様に思ってしまった。
     もしドイルのホームズシリーズがこの様な形で描かれていれば僕はもっとのめり込んでいただろう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.07.19

  • nejimasa

    nejimasa

    最初はハードボイルド調で、ホームズがピンチに陥る部分など読んでいて辛くて読むのを辞めそうになったけど、後半はサクサク読めた。

    投稿日:2023.07.13

  • のんたタイ

    のんたタイ

    コナン・ドイル財団から認定されたホロヴィッツのシャーロック・ホームズ。
    さすがホロヴィッツとしか言いようがない、ちゃんとホームズミステリーであり、スケールの大きい現代の社会風刺ミステリーでもある。最後の「あとがき」にまでどんでん返しがあるのには驚かされた。続きを読む

    投稿日:2023.03.18

  • 朱夏

    朱夏

    アンソニー・ホロヴィッツの「モリアーティ」を先に読み、面白かったのでこちらも読みました。

    個人的に読みやすかったし、お話も面白かった。

    訳者付記で、コナン・ドイルの作品を近づけるために自ら十箇条のルールを付けたのはホームズ愛が溢れていると感じた。続きを読む

    投稿日:2023.03.07

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