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手塚治虫 / 手塚治虫文庫全集 (11件のレビュー)
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総合評価:
三方當運
1
やっぱり漫画の神様
未完ですが続きが気になる、面白い。 ルードウィヒの数奇な運命をドラマチックに描きあげています。 意欲的にさまざまな漫画を書き続けた 天才手塚治虫を越える漫画家はもうこの世には現れないでしょう。
投稿日:2016.03.20
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やや
前知識なしに読み始めたら止まらなくなって、うわあ〜どうなるの!とドキドキハラハラしている途中で終盤に差し掛かり、突如《未完》の文字。なんと遺作だったよう。誰もが知る作曲家ベートーベンの手塚治虫流伝記と…も言える作品。1コマ1コマの鮮烈なこと。続きが読みたくて仕方がない。嗚呼。続きを読む
投稿日:2023.01.28
辻井貴子
この時代の人々の様子や楽士の身分、貴族に囲われるしか道がなかった音楽家の立場など、暮らしの空気感が分かりやすく描かれていて面白かった。 貴族の言うなりになるのは嫌だ、個性で勝負するんだ、という立ち位置…のキャラクターに描かれているベートーヴェン。 モーツァルトとの関係や対位法を勉強するんだという台詞、ハイドンとの出会いなど、史実に基づいているであろう記述はとても参考になる。 フランス革命で貴族のあり方が揺れていたであろうこの時代ならではのシーンも多い。未完なのは本当に残念。続きを読みたかった。続きを読む
投稿日:2021.09.26
シマクマ君
手塚治虫のマンガって、つくづく読むのに時間がかかるってことを再確認した。どうしてなのかわからないけれど、読み手の老化にも、はやり原因はあるのだろうな。 これと同時に「ネオ・ファウスト」を書き残して…彼は死んでしまった。この作品こそ、遺稿というべきなのだそうだ。 ベートーヴェンは、まだ世に出る前だ。手塚らしいマンガ的手法に加えて、フィルムとしての場面描写が印象的だった。漫画家論的な実名登場も懐かしい。 やっぱりすごい人だったんだと、実感した。続きを読む
投稿日:2019.03.19
koba-book2011
手塚治虫「ルードウィヒ・B」。 文庫で全1巻。または全2巻のものもあります。 中世から近代へ。王政の土台が揺れ始めたヨーロッパ。 ウィーン。 貴族の息子であるフランツは、「ルードウィヒ」と名をつけ…ていたアヒルのために母を亡くす。屈折して育ったフランツは、「ルードウィヒ」という名の全ての生き物に報復することを生きがいとしていた。 ボン。 貧しい宮廷音楽家の父に、ベートーベンが生まれる。ルードウィヒ・ヴァン・ベートーベン。 母を亡くし、酒浸りの父と弟たちを養いながら、少年の頃から天才的な音楽の才能を煌めかせる。 貴族が全てを握る時代。 しかし、フランス革命を皮切りに、共和制の理想の声が若者たちの、ベートーベンの心を捉え始めていた。 フランツと、ルードウィヒ・ベートーベン。 ふたりの人生はやがて交わる。 フランツが悪意から振り上げた暴力が、ベートーベンの耳を襲う…。 # フランツは、ベートーベンを辱めて貶めることを人生の目的に定めた。 ベートーベンは、フランツの悪意を受け止めながら、「僕はいつか、僕の音楽の前に、貴族を、あなたをひざまづかせてみせる」。 # 手塚治虫さんが、「ブッダ」を連載していた雑誌に、「ブッダ」に続いて連載した漫画なんですね。 つまり、「ブッダ」と同じような大河ロマンになる予定だった! (んぢゃないかなあ、多分) ベートーベンの誕生から始まる物語は、フランツの運命を絡ませながら、少年ベートーベンの苦労、青年ベートーベンの苦悩を描いていきます。 そこには、共和制へ揺れるヨーロッパ貴族たちの姿が描かれ。 ベートーベンが師事した破天荒な天才・モーツァルトの性格が描かれ。巨匠・ハイドンが現れ。そしてベートーベンの切ない恋愛が歌われます。 おそらくは架空であろうという、個性的な脇役も溢れるように登場。 「音楽を漫画で描く」という難しいところを圧巻のイメージ描写で描きながら、手塚さん一流の破天荒なギャグも健在。 幕末日本を描いた「陽だまりの樹」。 ナチスと戦時日本を描いた「アドルフに告ぐ」。 それに並ぶような壮大な「めくるめく18世紀〜19世紀の欧州音楽絵巻」になるはずだったのでは。 # 1987年にはじまった連載は、1989年に未完のまま終了します。 手塚治虫さん、60歳の早すぎる病死のため。 手塚さんは、色んな理由で未完になった漫画がけっこうあるんです。 まあ、もともとの総生産量が、常人離れしているからなんでしょうが。 「ネオ・ファウスト」 「グリンゴ」 「一輝まんだら」 「バンパイア」 などなど… そして、この「ルードウィヒ・B」。 どれもこれも、ああ、続きが読みたいなあ、というため息モノばかり。。。 # 今回、20年ぶり以上?の再読だったのですが、 いやあ、やっぱり面白いなあ。 屈折した貴族、フランツの、従軍時の冒険譚。 殺人も辞さないフランツの、捨て子への愛情。 愚直なまでに真面目で不器用で純粋な青年ベートーベンの、身悶えするような初恋。 そして財産も学問もないベートーベンの劣等感。 ベートーベンの伝記はいくらでも読めるのですが。 そこに架空の人物、愛に飢えた青年フランツを絡ませて。 憎悪、悪意、屈折、プライド、そして純粋さ。 そんな奔流が、「歴史」に流れ込んでいく。 手塚エンターテイメントの語り口。 この噺家の、この物語。 最後まで聴きたかったなあ。続きを読む
投稿日:2016.12.28
manga531010★こっこ
このレビューはネタバレを含みます
手塚治虫最後の作品。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの生涯を軸に物語が展開する。スピード感があり、加えて音楽に造詣の深い手塚治虫の愛がとてもよく感じられ、お奨め。完結していたら、手塚治虫の代表作に名を連ねていただろうと思われる名作。
投稿日:2014.05.21
eitomaji
ベートーヴェンの生涯の漫画家。 1巻で終わってしまい残念。 漫画の間にある手塚治虫氏のエッセイ的な文章が面白い。 ベートーヴェンの音楽の構築方法(小さなレンガを一つ一つ積み重ねて大きな作品をつくる)を漫画で表現したところは、うまいなーと思った。 頭の中のイメージと絵の表現が一致した。
投稿日:2012.11.26
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