知的生産の技術

梅棹忠夫 / 岩波新書
(254件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
63
89
56
5
2
  • もっと早く出会いたかった

    紙媒体で欲しかったんですが、書店をはしごしても見つからず、取り寄せには時間がかかりそうだったので、電子版を購入。

    あと30年…いや、20年早くこの本に出会っていたら、もう少し違った生活を送れていたのではなかろうかと、しみじみ思いました。自分が生まれるより以前に、既に出版されていたこの本。40年以上前に、現在のような情報産業時代の到来を予見しおられた、著者の慧眼にただただ感服です。今読んでも、なるほどと感じるところはとても多く、「知的生産」という言葉に惹かれた方は、是非一読していただきたいです(結局紙媒体も欲しくて、通販しました^^)。続きを読む

    投稿日:2015.11.26

ブクログレビュー

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  • 八重樫 郁哉

    八重樫 郁哉

    【読者ログ1冊目】知的生産の技術

    京都大学で教授をされていた梅棹忠夫さんがインプットからアウトプットに至るまでに必要な技術、守るべき様式について書いた本。

    本を読むまで知らなかったのですが、戦後の文化人類学の大家として数々の著作を残された方です。

    個人的にこの方の天才ぶりを感じたのは下記の文章。

    わたしは、たとえばコンピュターのプログラムのかきかたなどが、個人としてのもっとも基礎的な技能になる日が、意外にはやくくるのではないかとかんがえている。(中略)社会が、いままでのように人間だけでなりたっているものではなくなって、人間と機械とが緊密にむすびあった体系という意味で、いわゆるマン・マシンシステムの展開へすすむことが必至であるとするならば、それも当然であろう。(p.15)

    情報の時代における個人のありかたを十分にかんがえておかないと、組織の敷設した合理主義の路線を、個人はただひたすらにはしらされる、ということにもなりかねないのである。(p.18)

    この書籍の初版が1969年。今から50年前に書かれた文章です。おそらく当時これを読んでピンと来た人はそう多くはなかったのでなないかと思います。

    50年後の今まさに議論されていることを言い当てられていて、その未来予測力にただただ驚かされました。

    本題の「知的生産の技術」についても、非常に勉強になる部分がたくさんありました。

    いかんせん50年前の本なので、内容をそのまま適用するのが難しい場合(例えば切り抜きやタイプライターの使い方など)もありますが、今あるITツールに置き換えて実践することも十分可能です。

    アイデアを発想し、それをかたちにする技術や心得について学べるので、興味がある方はぜひ読んでみてください!
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    投稿日:2019.11.20

  • ekn147

    ekn147

    たまたま国立民族学博物館へ行った際、著者のことを知ったので読んでみた。
    著者は同博物館の初代館長を務められた梅棹忠夫先生。

    まず、50年も前に書かれたものとは思えない新しさに驚愕した。
    同時に、細部に至るまで、僭越ながら自分も同じようなことを考えていたので、とても勇気を得た。
    (そしてこれをきっかけに梅棹ワールドにはまっていく・・・。)

    この世代の京大・東大出身者は優秀な人が多い。
    戦後の高度経済成長の背景には、こうした学者さんたちの活発な議論があったのだろうということが推察される。
    停滞している今こそ広く読まれるべき本。
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    投稿日:2019.11.08

  • Aichan

    Aichan

    当時なら参考になったと思うが、これほどに技術が発達していると、カードではなくてスマホやパソコンに頼ってしまいたくなる。前田社長の「メモの魔力」を思い出した。メモの方が私には向いてるかも。日記について、“自分への業務報告”と捉える考えに対しては、なるほど!と思った。続きを読む

    投稿日:2019.10.21

  • morinokazedayori

    morinokazedayori

    京大式カードの創始者である著者による、知的生産の方法論。初版が1969年でスマホもパソコンもない時代だが、今でも通用する内容ということに驚かされる。文章を書く上で情報を集めて組み立てるには、地道な鍛練を積み上げていくのが一番だ、ということに、改めて納得。続きを読む

    投稿日:2019.08.31

  • 馬場久志@星空文庫

    馬場久志@星空文庫

    知的生産の技術に関する古典的名著。
    思いついたアイデア、新聞の切り抜き、住所録、日記などを、ノートではなくカードに書いて整理しようと提案している。
    時代の流れのために随分変わってしまった内容(タイプライターや手紙の習慣など)もあるが、現代でも通用する内容が多く参考になる。続きを読む

    投稿日:2019.08.12

  • yukisiberia

    yukisiberia

    このレビューはネタバレを含みます

     なんとも古風なタイトルですがそのはず、本書の初版は1969年。「ぱそこん」なるものが主流になるはるか前の時代に書かれた作品です。
     中身を見れば、その技術の表現対象は紙、紙、紙。紙のオンパレード。しかし本書で紹介される技術は、現代でもそのモデルやメカニズムは様々なシーンで応用できるでしょう。
     ちなみに私は仕事は99%パソコンで行っているものの、そのような紙を用いた知識整理や応用が何かと好きです。モレスキンのメモ帳を手にしたらうれしくなるようなタイプ。なぜそうなのかというと、本書にはその考えをよくとらえた記述があります。

    (著者やその仲間たちが、メモ魔であったレオナルドダヴィンチをまねてしきりにメモを取ったことを紹介したうえで)
    「ダヴィンチの手帳の実際がどうであれ、わたしたちはかれの精神に魅せられていたのである。あらゆる現象に対する、あくことなき好奇心、知識欲、包容力。そういうものにあこがれていたのである。(「1. 発見の手帳」より)」

     とっさのメモはやはり紙でなければ都合が悪い。その意味でも本書を楽しく拝見しました。


     本書の構成を勝手におおまかに分類すると、おおむね以下のような構成です。

       ・手帳(メモ)の残し方
       ・カードを用いての情報整理術
       ・資料の整理術
       ・読書の技術
       ・タイプライターに関する考察
       ・用途ごと(日記、原稿など)の文章の技術

     「手帳(メモ)の残し方」では、手帳をつける姿勢、それは「どんなささいなことでも、また役に立つとは思えなさそうなことであっても手帳をつける」ことを述べたうえで、後々振り返るうえで便利な「お作法」などが紹介されています。

     「カードを用いての情報整理術」について、著者は何事もカードに記録をつけて、それを著作に用いていたそうです。これは参考になる。個人的にはカードではなくEvernoteでこの技術を応用しています。
     私はよくパワーポイントでプレゼンテーション用資料を作るのですが、ここで紹介されている技術をよく用います。
     資料のテーマについて、それに関係するカード(Evernoteですが)を一通り引っ張り出し、それを俯瞰します。
     そうしたのちにストーリーを考え、それに沿ってカードを並べると、それでもう資料の骨子はできているわけです。これは非常に使えます。
     似たような技術は『0秒思考』(赤羽雄二/ダイヤモンド社)に紹介されています(この本もおすすめ)。

     「資料の整理術」については、紙媒体の資料が多い人には参考になるでしょう。パソコンが中心ならそれほどでもないと思います。
     しかし知識という意味ではなく、文章という意味で、個人的にひかれた箇所がいくつもありました。たとえばプリントボックスをもちいた資料整理法を取り上げた部分では、

    「・・・親切に手に取って教えてくれた先輩がいた。その人は、可児藤吉さんといった。
    ・・・可児さんは、召集を受けて戦場にいった。そして、かえってこなかった。戦後、可児さんの戦死が確定してから、したしかった人たちのあいだに、遺品が分配された。わたしは、可児さんのプリント・ボックスをたくさんもらった。」

     時代を感じさせます。

     また、旧制高等学校のバーキンズ先生の紙フォルダー資料整理法を参考にした箇所では、

    「・・・これが、その後の私の書類整理のすべてのシステムの出発点となった。私はこれを、閑静な日本座敷で、きもの姿の外国人からおそわったということで、とりわけ強い印象を受けたのであった。」

     などなど。

     「読書の技術」については、現在でも多くのHow to本が巷に出回ったいるので不自由ないでしょうが、内容はそれらと似通っています。
     著者も書いています。

    「しかし本というものはたくさんあるものだ。自分の創造物とおもっている思想でも、すでにだれかがどこかでかいているかもしれない。
    ・・・ここにかいた「読書法」だって、じつは、大部分はどこにもかいていることで、私が知らないだけかもしれない。それをおもうと、全く身のすくむ思いである。ああ、はずかしい。」

     しかしここで紹介される「読書ノート」のつけ方は少しユニークで参考になります。

     つぎは「タイプライターに関する考察」です。このパソコン全盛の時代にあってこの章は丸々飛ばしてしまってもよさそうですが、ここは非常に面白い。ここを読み飛ばす人は間違いなく損をする。
     当然技術として参考になる点は少ないですが、ここで紹介される著者の「私とタイプライター」的な物語はとても面白い。読んでいて私もタイプライターが欲しくなってしまいました。

     最後は「用途ごと(日記、原稿など)の文章の技術」になりますが、やはり学者さんだけあって文章構成のお作法には厳格です。
     日記の書き方については、どちらかというと「後で振り返ることを考えた場合の便利な書き方」といった趣旨が強いですね。まあ、日記ですからお作法も何もないでしょう。日記について著者は「記録」に近い記述を勧めています。
     原稿については参考程度の内容と受け止めましたが、著者は原稿用紙を特注しており、そのこだわりの強さもやはり学者さんですね。


     前述のとおり、本書は古い作品なので、時代的にそぐわない内容もあります。しかし普遍的応用できる技術も多々あるので、その意識で読めばいくつもの発見があるでしょう。
     また、著者の昔気質な考えが要所要所でみられるので、そんなときはニヤニヤします。

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    投稿日:2019.06.08

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