【感想】<面白さ>の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか

都留泰作 / 角川新書
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • あお

    あお

    人類が古代には土地を奪いあい、現代ではエネルギーを奪いあい…さて次は「時間」なのでは。というのが面白かった。
    確かに、落語などの1時間、30分のお笑いが、テレビによって5分、3分と短縮され、さらに動画アプリなどで1分、20秒とわかりやすいインパクト重視のエンタメになっている現状を見るとこの先、どうなってしまうのだろうと心配のほうが大きい。続きを読む

    投稿日:2022.08.21

  • akawasa

    akawasa

    この世界観エンタメはこうして考察をするからこそより面白いし、それを文化人類学者であって漫画家である筆者がするだからその光の当て方は面白いし興味深かった。

    投稿日:2016.02.06

  • okei@読書垢

    okei@読書垢

    このレビューはネタバレを含みます

    「スターウォーズ」、ジブリ作品シリーズ、「精霊の守人」シリーズ、進撃の巨人、ワンピース、踊る大捜査線、始め、国内外問わず、エンタメ界を牽引するヒット作品の考察。どれも自分の好きな作品だったので興味深く読めた。
    ワンピースの、外の世界に出ようとする設定と、進撃の巨人の、ウォールの中に何としても留まろうとする設定の比較など。
    ワンピースは幾何学的に組み替えることによって、世界空間を平面方向に向けて東から西へ階層化している、との考察も面白い。
    著者の興味の持たせ方が大変うまく、「寄生獣」が読みたくなった。
    掘り下げていくと、こういったエンタメの設定って面白いんだよね。ネタは尽きることが無いと思う。これからも世の中に多くの素晴らしい作品が生まれますように。そして私もいつかそれにどんな形であれ、携われると良いな。
    興味のない部分は飛ばしたけど。
    ・ワンピースの世界観のミソは、それぞれの島が他から切り離され、次にどんな島があるかわからないというところにある。
    ・中盤以降の盛り上がりの舞台となる「グランドライン」は、地磁気が乱れて方位磁石が使えないという設定。しかし個々の島は、ある種の神秘的な磁力のようなもので他の島と引き合っており、この磁力はそれぞれの島に一定時間留まることで「ログポーズ」に蓄積され、
    次の島への航路が主人公達に差し出される。
    ・多くの巨匠達に共通するのは、彼らが謙虚な「アーティスト」だということ。

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    投稿日:2015.11.20

  • travel0301

    travel0301

    エンタメコンテンツを登場人物のキャラの掘り下げではなく、【世界観】から分析した本。
    文化人類学者がどうエスノフラフィをしてきたのか、それをもって世の中を観察し世界観を構築するとはどういうことかがよくわかる。
    なぜこのエンタメ(映画、漫画、小説)は面白いのか、を時間感覚やひとつのセリフからの世界の広がりなど多様な面から分析している。
    エンタメの考え方の基礎となる良書。何度でも読み返して噛み砕きたい。
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    投稿日:2015.09.22

  • tagutti

    tagutti

    <目次>
    序章  エンタメの研究~文化人類学から考える
    第1章 空間感覚の研究~『スター・ウォーズ』『となりのトトロ』『精霊の守り人』
     1.「宇宙空間」に挑戦する
     2.異世界をめぐる感覚論
    第2章 時空感覚と社会空間の研究~『千と千尋の神隠し』『ワンピース』『進撃の巨人』
    第3章 人間の世界の研究~『踊る大捜査線』『半沢直樹』そしてゾンビ
     1.社会的時空の「面白さ」
     2.社会的時空を描く
    第4章 ”居住区館の外”の研究~『J・ホラー』と『寄生獣』
    終章  私小説的な「世界観エンタメ」の研究~『エヴァンゲリオン』と『失踪日記』
    おわりに

    <内容>
    文化人類学者にしてマンガ家の著者による、映画・マンガ・アニメ・小説・ドラマの「面白さ」の研究。学者なので表現が小難しい部分があるが、ホントにこうした絵回が好きなのだとよくわかる。特に文化人類学の研究の仕方が、小説や漫画などのフィールドとよくマッチしているという指摘は鋭い。エンタメが描こうとしている世界は、文化人類学と同じであり、そこに気づいてここの書かれているようにアプローチした作品は、ヒットしている、との指摘は目から鱗だった。
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    投稿日:2015.06.05

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