【感想】西洋中世奇譚集成 魔術師マーリン

ロベール・ド・ボロン, 横山安由美 / 講談社学術文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
0
3
0
1
0
  • 光と闇が合わさり最強に見えるマーリン

    13世紀初頭(訳者解説によれば1210年頃)にロベール・ド・ボロンによって書かれた『魔術師マーリン』の翻訳。マーリンの誕生からアーサー王の即位まで。アーサー王の父ウーサー(本書ではユテル)の代が中心アーサー王伝説で言えば前日談から本編プロローグ部分に相当します。
     解説によれば、ウェールズの伝承にある王子?ミルディンとブリタニアの歴史の中で語られた夢魔と人間のハーフであるメルリヌスをジェフリー・オヴ・モンマスが一つにまとめ、そこに本書の著者ロベールがキリスト教説話的な要素を加えたのが本書とのこと。マーリンの予言者としての能力については夢魔(悪魔)が反キリストを生み出すために与えた過去を知る能力に加え、それに対抗して神が与えた未来を知る能力を併せ持つことによるものとされています。つまり神と悪魔の力を併せ持った、当時の人が考えた最強の魔術師がマーリンというわけです。
     アーサーの他はケイが少し、ガウェイン、ガレス、モードレッドが顔出し程度で、その他の円卓の騎士は出番なし。マーリンが湖の乙女ヴィヴィアンに監禁される件もなし。若干、原作者の解釈違いが危惧されるものの、ケイの小物ムーヴに「乳母に育てさせたからひねくれた」という説明がされていたり、本編への理解が深まる記述もあります。アーサー王伝説の作中の時系列的には最初の部分になりますが、入門書には向きません。とはいえ一通り流れを抑えた上で、中級編として読むのであればお勧めできます。
    続きを読む

    投稿日:2020.01.15

ブクログレビュー

"powered by"

  • ハルモヤ

    ハルモヤ

    ゲームや映画が好きな方たちが話題にしているのを見かけて面白そうなので読んでみた。アーサー王の誕生前の伝説、何とも奇怪で痛快。アーサー王伝説も改めて読んでみたい。

    投稿日:2021.09.20

  • azumirei

    azumirei

    マーリンの出生から、アーサー王に仕えるまでのあれ、これ、それ。で、物珍しさで読めたけど、内容的には、別段、一生知らなくても後悔するほどの本ではないですな。

    投稿日:2018.07.03

  • jaimax

    jaimax

    2015/12/25
    ビジネスやITの本が続いたのでファンタジーでリフレッシュできた。マーリンは悪い魔術師というイメージがあったのだが正義の見方なのですね。この本だけでは一方的な見方に過ぎないので他の本も読んでみよう。やはりITの本よりもファンタジーの方がワクワクしますね。ボクも人間なんだな。続きを読む

    投稿日:2016.12.16

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。