【感想】セックスと恋愛の経済学―超名門ブリティッシュ・コロンビア大学講師の人気授業

マリナ・アドシェイド, 酒井泰介 / 東洋経済新報社
(24件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
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1
  • 隣の芝生は青かった、アメリカのおける格差と特権は日本人からして洒落にならない酷さである。

    アメリカの話であって、全てが全てこの本に書かれていることが、日本に当てはまるとは到底思えませんでしたが、日本人には思い描けない格差社会という片鱗を知ることができます。
    アメリカでも昨今、若年層の性生活の乱れやシングルマザーが問題になっています。親の監視が薄れてる等の問題もありますが、本書では経済学からの観点から費用対効果を持ち出して分析を行っています。
    費用対効果の計算を使って、リスクを金額に換算する。リスクを被った時にかかる金額より行為が上回れば、人はその行動を起こし、下回れば行動を起こさない。
    この考えを当てはめると、若年層の性の乱れはリスクを被った時の金額がもの凄く低いことが起因であると看破していています。

    このリスクの金額の換算は別の面も浮き彫りに出している。「貞淑な女性であればあるほど、結婚どころか彼氏さえできない」という事実。これは、あくまでアメリカの闇の部分でです。

    また、日本には誰彼も目的がなく大学に進みすぎるという批判が度々あがるが、これはアメリカのように大学進学が「特権」ではないからできること。の事実を知って衝撃を受けました。

    また、民主主義で先進国の国々は、なぜ「一夫多妻制」を制度として組み入れなかったのか?
    も、経済学の観点から分析していて納得しました。
    有能で、財力がある一個人においては、「一夫多妻制」はメリットが大きいのですが、一族の当主となると話が変わってきます。
    自分の息子達において、自分の全てを継ぐ長男は一夫多妻制のメリットは受けることができるが、次男三男以降はデメリットになり得ます。なぜなら、次男坊や三男坊に嫁ぐよりも、長男の二番妻や三番妻になる方が女性にとってはメリットがある可能性が高いからです。

    冒頭の話の格差の話でもそうですが、費用対効果という観点でリスクをお金に換算しての行動様式をみると、見えないモノが見えてくる。そんな本です。
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    投稿日:2015.06.07

ブクログレビュー

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  • じーれん

    じーれん

    タイトルと、UBCと表紙デザインでかなり脚色されてたけど、訳が結構直訳っぽくて指示語がそのままになってるようなものが多かったので、なんなら英語のまま読んだ方が分かりやすい類の本ではあったかもしれない。

    投稿日:2020.08.06

  • honnyomimann

    honnyomimann

    翻訳がひどい. 半分でリタイア.
    内容ももう少しシンプル化できそう.
    「恋愛や性行動に関する行動において一生物(遺伝子を運ぶ機械)として個人の利得を最大化しようとする」ということを全く知らない人にとっては驚くところがたくさんあるかもしれない.そんな純情で無垢で無知な人がどれだけいるか知らないけど.

    セックスをはじめとする人間の性にまつわるあれこれを経済的な観点で解説,理論付.

    ・経済の発展で格差の拡大,女性の高学歴化が進行 それぞれが乱れた性行動のコストを下げている.
    ・性的解放の進行,セックスの商品化(金銭を稼ぐ,異性を獲得するetc)
    ・セックスそのもののコストがコンドームで激減 ラテックスのコンドームは1912年生まれ.避妊具の歴史は古代ローマまで遡る.

    超びっくり!という思想
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    投稿日:2020.06.07

  • とら子

    とら子

    用いられているのは欧米の統計なので、どこまで日本社会に当てはめられるか疑問だが、面白い視点を多数得ることができた。
    人が結婚やセックスに関わる決断を下す際に、経済的因子による影響を多く受けているという大胆な説に、疑いを持っていたが、読み進めると納得できた。


    以下、印象に残った点を記録。

    ※ネタバレ注意※





    ○女性は経済で、男性は外見で相手を選ぶ
    →魅力的でない男性が女性とデートをするためには
     魅力的な男性以上の稼ぎがあることでクリアできるが
     魅力的でない女性が男性とデートをするためには
     いくら稼いでいてもダメ
    →男性は女性の外見を非常に強く気にしていて、
     収入はさほど気にしていない
    ※但し、国や社会によっては、
     信仰や身分(ex.カースト)などの評価軸もある


    ○娘に貞操を守らせたいなら、
     女子学生より男子学生の多い大学へ行かせるべし
    →男性が少数派になると、男性側の決定権が強くなる
     男子学生が少ない場合、女子学生は彼氏に
     セックスを待たせられなくなる。

    ○性行動の減少は性病の増加を招く
    →人を3つのタイプに分けると、
     ①リスク回避型②日和見型③リスク志向型
     このうち①が不特定多数とのセックスを控えると
     ③が②もしくは③とセックスすることになる
     ③はともかく②は、③に決定権を委ねるため
     性病予防措置が取られないままとなる
     結果、性病の蔓延を招く

    ○一夫一婦制は貧しい男のため
    →一夫多妻制をとると、独り身となる男性が増える
    →性にあぶれる男性の怒りをなだめるため、
     時の為政者は、単婚を法制化する
     (自らの地位の安定のためでもある)

    ○男性間の所得格差は一夫多妻制を促進する
    →男性の所得格差が大きいければ大きいほど
     女性は一夫多妻制の世帯に入ることを望む
    →貧しい男性と結婚するより、豊かな男性と
     結婚したほうが経済的安定が見込めるため

    ○女性の質(高学歴・高技能)の格差は
     一夫一婦制を促進する
     →工業化に伴い、肉体的な強さを持つものより
      高技能を持つものが稼げるようになった
     →男性が自分の子にも高技能を授けるためには
      高技能の女性を妻にするのがひとつの方法となる
     →結果、質の高い女性の市場価値が高まり
      女性の発言力も高まった
     ★工業化社会において一夫一婦制が主流なのは
      必然であると言える

    ○一夫多妻制は売春を招く?
     →性にあぶれる男性の増加により売春の需要が増す
     →売春で稼げるため、結婚するくらいなら売春を
      望む女性が出てくる

    ○黒人女性の婚姻率が低い理由
    →黒人女性は同人種のパートナーを強く望む
     黒人男性の収監率が高い
     黒人女性は黒人男性より大学進学率が高い
    →希少な高学歴黒人男性は市場で優位となるため
     結婚を急ぐ必要がない
     カジュアルセックスを楽しんだ後でも結婚できる

    ○制度とは社会的行動の規則=信念
     →信念が変われば制度も変わる
      ex.同性婚の容認
    続きを読む

    投稿日:2019.11.18

  • ちゅん

    ちゅん

    恋愛や結婚にまつわるいろいろな出来事について数字で見た本
    いろいろな数字が見れて面白い。
    自分が恵まれてるなあと見つめ直すことになる。
    学歴や収入と恋愛がどう関わっていくのかという話

    投稿日:2019.09.09

  • Kento  Kobayashi

    Kento Kobayashi

    確か当時それなりに話題になって、本屋のポップがおもしろくて買ってみた本。
    タイトルにセックスってあるけどやらしい内容はなく、大真面目な経済学の本。
    こういうのに自然と興味が出るのは、なんだかんだ経済学部出身だからなのか。続きを読む

    投稿日:2018.04.16

  • rocco

    rocco

    経済学なので、とにかく面白い。
    男女のあれこれに対し、それを経済学と結び付け裏付けの取り方も面白い。

    投稿日:2016.08.21

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