【感想】楽しい古事記

阿刀田高 / 角川文庫
(44件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
8
12
15
4
0
  • これなら読めるぞ!

    一度くらいは読んでおくべきか…と思いながらも大人になるまで読まずに来てしまった古事記。だって取っ付きにくいんです。古すぎて。
    でもこの本はエッセイとして書かれています。なので堅苦しさはなく、著者がちょこちょこ突っ込みを入れたり、当時の表現に感心されていたり。
    表題どおり楽しい古事記。古典が苦手な私でもすいすい読めました。
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    投稿日:2014.09.06

ブクログレビュー

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  • Fukunosuke

    Fukunosuke

    阿刀田高の教養書シリーズにハマってしまった。
    楽しい古事記もすごく面白い。とっつき難い古事記をこれほど面白く読むことができる本はないだろう。イザナギ、イザナミのちょっとえっちいエピソードから、ヤマトタケルのエピソード、中間から先の史実に近い天皇の話まで、6、7世紀に編纂されたと思えないくらい親近感を持って読むことができたのは阿刀田高の小説家としての技量によるところが大きい。続きを読む

    投稿日:2022.12.18

  • ハイジ

    ハイジ

    何度か触れたことのある古事記
    そして毎回「海幸山幸」までは楽しめるが、そのあとがおぼろげにしか記憶がない
    その辺りを復習したいと思い、そうだ!阿刀田氏がいらっしゃるではないか
    彼の親切心とユーモアできっと楽しめるはずと期待し読むことに
    氏のお人柄なのか、相変わらず目線と腰が低く、読者に寄り添ってくださるスタイル(優しいなぁ…)
    相変わらず少しでも難しい話しに流れそうになると
    これは「『楽しい古事記』だから、難しい話しはさておき」と相変わらずでニヤリとしてしまう

    が、結論
    どれだけ阿刀田氏の力量があっても私には面白くない…
    本当は海幸山幸より後ろを中心にレビューするつもりだったが、無理なものは無理!

    せっかくなので復習がてらあらすじを書いちゃうことに(海幸山幸までね)

    やっぱり最初の面白話はイザナギ、イザナミ
    阿刀田氏も「古典はおもしろい部分から入門するのがモットー」とおっしゃる(笑)
    「吾が身の成り余れる処を、汝が身の成り合はぬ処に刺し塞ぎて…」(この表現!凄すぎる…)
    お二人の格調高いセックスにより国づくりが始まる
    そして国づくりの後、さまざまな神を産み始めるのだが、火の神を産んだ時イザナミは下腹の大切な部分(要は陰部)に大火傷を負い、死ぬ
    最愛の妻を失ったイザナギは「火の神、お前のせいだ!」と首を斬り落とす
    (一応自分の子なのに、なかなかの残虐っぷり)
    そして黄泉の国のイザナミに再会するものの
    イザナミが「見ないでちょっと待っててね」…
    待てないイザナギ(あーあ)
    ウジだらけのイザナミの姿を見てしまった
    「よくも醜い姿を見たわね!」キレるイザナミ
    その後はドタバタ劇(悲劇だけどどうも喜劇に感じてしまう)
    黄泉の国を塞ぎ夫婦の契りはお終い
    「1000人ずつ殺すという」イザナミ
    「1500人誕生させるという」イザナギ

    その後、アマテラスが誕生し、弟スサノオが暴れたせいで天の岩戸へ隠れる
    (アマテラスしっかりして!)
    個人的に大好きなウズメちゃんが卑猥さと滑稽さを丸出しに踊りまくりアマテラス引きずり出しに成功
    そして出雲へ追放されたスサノオはクシナダ姫を救うため大蛇ヤマタノオロチを退治(その先に草薙の剣をゲット)

    さてさて、お次はオオクニヌシ
    兄弟に殺されかけ(お母様が何度も助ける)、そして有名な因幡のウサギを助けたオオクニヌシ
    彼はスサノオの娘スセリ姫と出会い、結婚したい!と父であるスサノオに申し出るが…
    スサノオは数々のが試練を与えるものの、オオクニヌシは見事に合格
    その後オオクニヌシはあちこちに愛人をつくり、子供は180人とも…(まぁ大げさな例えでしょうけど)
    (古代の考え方は絶倫ではなく、繁栄ですね ゼウスも然り)
    出雲大社も建て、国が繁栄
    そしてここで協力する助っ人、とても小さい(これまた個人的に好きな)スクナビコ
    可愛いけど優秀
    彼を登場させる意味は…
    小さい神が小粒の種(優良品種)を持ち込み穀物が増産した
    渡来人から最新の妙薬を手に入れた?
    医療に関わる象徴か?
    疫病の流行を鎮めたか?
    (そんな意味があるとは初めて知りました!)

    繁栄した出雲を征服したい高天原
    アマテラスが国譲りのため、使者を使わす
    最後はほぼ力づく(笑)
    オオクニヌシは壮大な社を作らせることを条件に引き渡しに応じ隠居
    これが「出雲大社」のいわれとされる

    そして天孫降臨
    優秀な孫のニニギを地上へ行かせる
    その際ウズメちゃんと道案内役サルタビコが出会う
    (ウズメちゃんのナイスなキャラをアマテラスがかっていることがよくわかるシーン)
    さてニニギ君
    美しいコノハナノサクヤ姫と出会う
    名前からして美しいことが想像されます
    彼女の父に結婚の許しを得るが、セットで姉イワナガ姫もつけられた
    イワナガ姫はコノハナノサクヤ姫と正反対で醜い
    ニニギ君は「姉さんは要らない」と突き返す(おいおい)
    がイワナガ姫をそばに置けば神の御子の寿命は石のように堅く、長く続くという
    コノハナノサクヤ姫は木の花が咲くように栄えるが命は短い
    天皇によっては寿命が短い理由をこのストーリーで神話づけしているようだ
    (おまけに出会ってすぐ子供が出来たからって疑いを持つニニギ君 ないかと人間くさいのだ)
    コノハナノサクヤ姫との間に生まれたのが兄の海幸彦と弟の山幸彦
    弟の提案で道具を替えっこし、兄は山へ、弟は海へ行く
    山幸彦が兄の大切な鉤を海でなくす
    怒る兄山幸彦
    海の神に出会い運気が弟へ傾く
    地上へ戻ると何をしても弟に敵わなくなり、兄は弟の配下になる
    古事記は弟が力を持つ
    天武天皇は兄天智天皇と対立し、兄の血筋を抹殺した経緯があるせいかも?
    (そういえばオオクニヌシも弟だなぁ…)

    海の世界で出会ったトヨタマ姫
    出産の際、決してのぞいてはいけません…
    (出ました出ました!「見ちゃいけない」第二弾 が、覗かない男がいないはずがない)
    トヨタマ姫は鰐の姿で出産
    「見―たーなー」(笑)
    本来の姿を見られたトヨタマ姫は子供を残し海中へ帰る
    とはいえ地中が恋しいトヨタマ姫は妹のタマヨリ姫を送り込む
    トヨタマ姫の子とタマヨリ姫が結婚し、生まれた四男が神武天皇だ
    こんな感じまでが上巻


    そして、神武天皇から始まる天皇のもっぱら系譜が多く頭に入らないワタクシ…

    これ以降で有名どころではもうあの人しかいませんね!
    そう十二代目景行天皇の皇子ヤマトタケル君
    力強く愛情深くエピソードに富み、悲劇的な最期を遂げる
    阿刀田氏曰く、ヤマトタケルは実在の人物ではない可能性が高いという
    長期に渡りいろいろな人がおこなった遠征をヤマトタケルに集約し、フィクションも交え英雄譚が成立したのだろうと…
    そしてエピソードは諸国から集められ、白鳥となって、諸国は飛び帰った
    (確かに私の近くにも「白鳥(しらとり)」という地名があり、ヤマトタケルが降り立ったことになっている)

    最後に目立つのがライバルをなぎ倒して君臨した二十一代雄略天皇(オオハツセの命)
    雄…雄々しく勇壮
    略…治める、かすめ取る、はかりごと
    名前から納得いくわがままで激しい気性、かつ個性的で女性関係も積極的だ
    (アバンチュールなエピソードがたくさん)
    殺して、まぐわって、歌を詠んで、また殺して、またまぐわって、歌を詠んで…
    が実際はなかなかの大王だったようで、
    崩れかかった大和朝廷の威信を回復し、国家財政の充実を図り、渡来人を重用して先進文化を取り入れたそうな

    とまぁこんな感じで…
    やたらレビューに「(笑)」を入れてしまったが、笑うしかないエピソードが多すぎなのですみません
    ギリシア神話にしてもそうなのだが、とことん人間臭い上、あまり優秀な感じもないし(失礼)、結構理不尽なことが多い
    一応古事記はいうのは「大和朝廷がいかに正統なものか後追いの形で作られた史書」なのだが、
    これでいいのかなぁ…と思ってしまうのは私だけではないはず(何度触れても面白いからいいけどさ)

    余談だが…
    以前里中満智子先生の漫画を読んでしまったので、あらゆる神様たちが里中先生のキャラクターで浮かんできてしまう
    覚えやすいし、好きな絵だからいいのだが、目から得る情報の強烈さと印象深さを改めて実感した
    続きを読む

    投稿日:2022.11.28

  • moboyokohama

    moboyokohama

    古事記は物語と歴史が渾然と入り混じった時代の産物であり歴史そのものではない、と著者が結ぶようにかなりぶっ飛んだ内容になっているようです。
    果たして古事記に書かれている天皇の何代目から実在の人物なのかという事も興味があって、大体のところはわかっているらしい。
    古事記、その成立は和銅5年(712)43代元明天皇の時代に太安万侶が筆録。
    そもそもは天武天皇の発案を受け稗田阿礼がイザナギ・イザナミからの伝承を暗唱し、その暗唱を太安万侶が筆写して編集したというのだからすごいな記憶力!
    その意味するところ日本が天皇家を基にしてなっているという事を真理とするための根回しのような歴史書なのか。
    阿刀田さんの解説付きで読んでも無理矢理な理屈や飛びすぎた表現が一杯。
    歴史書は勝者の記録と言われるが、力づくで歴史を作り出している部分が多いのも似た様な事と考えれば良いのかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2022.06.18

  • まき

    まき

    あまりに、だらだらとお話が続くので、読み終えるのに時間を要した。この手の阿刀田高先生のシリーズは、いつも楽しく読ませて頂いていたが、今回は勝手が違っていた。

    投稿日:2020.09.25

  • boutoumetous

    boutoumetous

     旧約聖書も古事記も最初の方が面白い。時代がくだるにつれ、王家や皇室をめぐる歴史劇になってしまう。ダイジェストの名手 阿刀田高を以てしても楽しく伝えようがない。とりわけ雄略天皇紀。
     わが国の犯罪の特徴は、親族間の殺人が多いこと。太古の昔からその傾向があるようだ。続きを読む

    投稿日:2020.09.23

  • takashiyamazakib

    takashiyamazakib

    20190713
    とっつきにくい古事記を楽しく解説。阿刀田氏の文章らしくコミカルで、トゲやエロを含んだ興味深い文章となっている。普通に読めば人の名前で辟易してしまう古事記だが、こうも面白い文章と面白い視点で読めば、古事記も興味を持てる。昔のエロ本と言っているのだからなんとも大胆である。
    前半の神々のエピソードら有名かつ印象深い。
    ・みとのまぐわい
    ・三種の神器
    日本各地を回る楽しみが、古事記から増やせそうである。古来から読まれている話を読まずに日本を深掘りすることはできない。

    //MEMO//
    阿刀田氏の優しく解説シリーズ、古事記編。
    日本の神道を学ぶ基礎となる八百万の神を知るためにも必須の知識である。楽しく学び、日本を見て回る楽しみを増やしていきたい。

    イザナギ、イザナミ
    十握剣

    イザナギの涙から生まれた3人の神
    ・アマテラス=太陽
    ・ツクヨミ=夜
    ・スサノオ=嵐

    天の岩戸
    ・アマテラスが高千穂峡で岩の扉を閉めて閉じこもった。
    開けた岩戸が長野まで吹っ飛び、戸隠神社になっているという。

    三種の神器
    ・草薙剣
    =スサノオの命が八岐大蛇の尻尾から見つけ出した剣
    ・八咫鏡
    ・八尺瓊勾玉

    カムヤマトイワレビコの命=神武天皇

    神武天皇の東征
    ・八咫烏に案内させる

    日本武尊(ヤマトタケル)
    続きを読む

    投稿日:2020.09.07

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