【感想】『永遠の0』と日本人

小川榮太郎 / 幻冬舎新書
(23件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
5
5
8
3
0
  • 永遠の0

    映画永遠の0、風立ちぬ、終戦のエンペラーを小川榮太郎氏による深い考察と遠慮の無い指摘をした内容。映画永遠の0は大勢の原作ファンが受けた違和感について合点の行く指摘。歴史的事実を根底から無視した終戦のエンペラーへは特に厳しい指摘で納得。風立ちぬは美しいおとぎ話であり宮崎駿監督の天才的な発想とジブリスタッフの美的センスの高さと技術力の高さが素晴らしいが、堀越二郎氏の人物像とは全く異なる主人公には?ですね。原作永遠の0の見事なエンターテイメント性と歴史との対話への貴重な機会を多くの人に与えられたのではないかと改めて感じました。特攻隊員の遺書や日記が数点引用してありますがこれはやはり凄い。続きを読む

    投稿日:2014.05.27

ブクログレビュー

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  • quazism

    quazism

    前半は「永遠のゼロ」、「風立ちぬ」、「終戦のエンペラー」の本と映画の感想にあてており、いまひとつと思ったが、後半は具体的な分析がされており、まあまあの内容だった。

    投稿日:2019.08.12

  • グランシャトー

    グランシャトー

    このレビューはネタバレを含みます

    文芸評論家小川榮太郎の「永遠の0と日本人」。
    映画「永遠の0」、映画「風立ちぬ」、映画「終戦のエンペラー」、小説「永遠の0」、特攻とは何だったのか、の5つの章で構成されています。
    映画「永遠の0」の章では、最初に観た時の違和感について書かれているが、自分自身も本で読んだイメージと主人公のキャラが少し違うのと物語全体の空気に違和感を覚えてたので、その解説は大いに参考になりました。
    「風立ちぬ」の章では、宮崎駿作品が戦後日本や国家というところに直視していないところを厳しく突っ込んでいます。
    「終戦のエンペラー」の章では、この映画が俳優・スタッフたちの驚くべき無知から作られていることを詳しく指摘しています。
    小説「永遠の0」の章では、現代の読者が感情移入しやすいようにあえて宮部を傀儡とした設定しているとの事で、なるほどなと感心。
    そしていよいよ白眉の最終章。
    まず前提として特攻は非戦闘員への無差別攻撃ではなく、敵を絞り込む最大の戦果を求めて、叩くべき極点を限定した戦術であり、その意味においてテロとは全く異なる。という事。
    大西中将があえて特攻という作戦を固辞した理由として、1つはは万世一系仁慈をもって国を統治され給う天皇陛下は、このことを聞かれたならば、必ず戦争を止めろ、と仰せられるであろうこと。2つはその結果が仮に、いかなる形の講和になろうとも、日本民族が将に亡びんとする時に当たって、身をもってこれを防いだ若者たちがいた、という事実と、これをお聞きになって陛下御自らの御仁心によって戦さを止めさせられたという歴史の残る限り、5百年後、千年後の世に、必ずや日本民族は再興するであろう」ということである。
    大西中将は8/16未明に割腹自決を行った。介錯を拒み15時間近くもがき苦しんだ末、同日夕刻に生涯を閉じた。特攻隊員への懺悔という意味もあったとの事。
    著者は特攻の成果についても従来の定説を公開されたアメリカの資料により覆しており、加えて、もし特攻がなかったなら、アメリカは大船団を引き連れて日本近海まで自由に到達し日本本土に上陸したであろう、そして戦争末期は、リンチのようなワンサイドゲームになったであろう。
    有色人種である日本人が、一方的なリンチで敗北したら、敗戦処理はどうなっていただろうか。インデアンやハワイのように国家主権そのものが半永久的に剥奪され、世界は植民地から解放されたのに、肝心の日本は奴隷の国に落ちぶれなかったと言えるか。と。
    しかしながら、この本の最初の見開きに親日家のアンドレマルローが昭和天皇に騎士道にも合い通じる武士道について語り、しばし黙られたあとのお言葉。「しかし、あなたは、来日以来、一度でも武士道を思わせるものを見ましたか」と。
    「敷島の 大和心を 人問はば 朝日に匂ふ 山桜花」現代の日本人もその精神はなくなってはいないものの7年に及ぶGHQの弾圧の占領政策により戦後、大切なものを失ってしまったようである。先人たちの尊い犠牲のうえに今私たちが享受する平和があることをかみしめつつ、この後の世に彼らの命が無駄にならなかったと思える日本になってほしいと願うばかりであります。

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    投稿日:2018.05.19

  • kyocoo

    kyocoo

    書評がどうとか、考え方がどうとか、そんなことの前に、ここに書かれていることの現実に感じることがたくさんあった。

    70年前に何があったのか。

    小説や映画「永遠の0」は80代90代の方達と戦争を知らない世代との距離を縮めてくれた。神聖化しなくていい、同情しなくていい、ただ私たち世代が知るということ、感謝をしてもらえばいいんです。ーーどこかで読んだご老人の言葉を思い出した。

    何があったのかを知ることが大事。
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    投稿日:2016.08.09

  • ぽん

    ぽん

    永遠の0を読んだときは、最終的に興ざめした部分があったけど、この本を読んでもう一回読むと違う視点から読めるのではないかと思った。
    悪くない。悪くないけど、気合をいれて読まないと、
    置いていかれてしまう本だった。
    もう少し大きくなって、長い休みが取れたら、
    もう一度読み返したい本だった。
    続きを読む

    投稿日:2016.04.17

  • ぽのぽの

    ぽのぽの

    私が観た映画のことが書かれていたので学校の課題用に購入しました。永遠の0をべた褒めしすぎかなと思いましたが私もそう思ったのでまあそれはいいとして、全体的に読みやすかったし偏見があるような気もしますが戦争映画の考察としてはよい文献だったと思います。続きを読む

    投稿日:2015.12.29

  • yoshinar

    yoshinar

    食わず嫌いはいかんと思ってよんでみたが、やっぱりまずそうなものはまずかった。
    『永遠の0』自体、現代の、歴史修正的な主義的な都合のよい解釈に立った話だと思っていて、そこで描かれている世界観に違和感を感じているんだけど、世の中的にはベストセラーだった。それの映画版について述べているんだけど、この本は『永遠の0』威を借るようなもんだよな。おまけに、非難の文脈でだけどジブリの『風立ちぬ』の威も。
    幻冬舎の本って節操がないものが多い印象でこれもその類かな。何だかブログレベルのお説を読んでいるような感じで「本」というメディアの価値を下げてると思う。
    続きを読む

    投稿日:2015.10.11

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