【感想】他人を攻撃せずにはいられない人

片田珠美 / PHP新書
(150件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
15
38
52
19
4
  • スリリングなひと時

    ひきこまれて一気に読んでしまった。
    この本を手に取るのは自分を『攻撃される側の人間』と感じている人だと思う。自分もそうだった。当然、本の内容もそちら側の人間に向けて書かれている。そして、かなり深刻な例もいくつか挙げられている。
    昔に一度、職場でここに挙げられているものとよく似た経験をしたことがあった。自分の性格の傾向も、その時に自分が感じたこともぴったりと当てはまる。そして、その時の相手(攻撃する者)の心理がここに見事に言い当てられていた。うーん、なるほど、そういうことだったのか。
    だが読んでいくうち、例に挙げられているものほどに極端な言葉や振る舞いではないにせよ、日ごろのちょっとしたやり取りの中でも、ここに書かれているような攻撃・被攻撃の関係が築かれることはあるなと感じはじめた。『義理』やら『情』やら『善』やら『ジョーシキ』やら、そんな言葉が飛び交う時、それもまた相手への攻撃であるなと。そして自分の中にも攻撃性は確実に存在しているなと。そんな風に感じながら読み進めたせいか、とてもスリリングな読書となった。
    結局、人は一枚皮を剥げば、実に図々しくて狡い存在なのだ。
    最終章には、攻撃されて苦しんでいる人(即ち気が弱くて自信がなく愛情欲求が強い人…いや、自分も含めてそういう人が意外と無意識的に小狡い人だったりすることがあるようにも思ったのだけれど)に向けての心の持ちようが書かれている。参考になりました。
    あ、最後に一つだけ、浮気された奥さんが旦那さんの職場に押し掛けたという話も攻撃性の例のひとつとして挙がっていたけれど、そりゃ浮気されたら攻撃的になってしまっても仕方ないんじゃないでしょうか。ここは違和感がありました。
    続きを読む

    投稿日:2015.05.01

ブクログレビュー

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  • いち

    いち

    読んでいて、人間の人格形成において幼児教育って本当に重要なんだなと思う。

    攻撃する人や、攻撃される対象にならないためにも。

    投稿日:2024.03.15

  • taiyaki

    taiyaki

    職場を変わって1年弱、攻撃してくる年上の同僚にターゲットにされたが、されたことを紙に書いて置いた。ある時、こちらも堪忍袋の尾が切れたので上司へ伝えたが、あれよと懲罰委員に伝わって言うだけ言った。同僚は話してこなくなった。メールなど証拠になるそうなので、取っておいた方が良いと思います。本書を読んで、今後の相手への対処が分かりました。続きを読む

    投稿日:2024.02.25

  • レモン

    レモン

     読みながらこれはあの人、この特徴はあの人などと複数人思い浮かぶ人がいるということは、残念ながら他人を攻撃する人が少なくない証拠。本当にこの手の人の被害者にならないためには逃げるしかないが、そこから抜け出すことに罪悪感を植え付けてくるので逃げるのが一苦労なのが問題。高圧的で自信満々に見えて実は自分に自信がないとは思っていなかった。これからの人生でも極力攻撃的な人を避けられるように気をつけたい。続きを読む

    投稿日:2023.11.29

  • つー

    つー

    若い頃は異動や転勤が多く、その度に上司が代わり、様々なタイプの上司の元で働いた。中にはどう考えても不条理な事をガミガミ言ってくる人もいた。指示内容が初めから達成不可能な期限になっていたり(努力すれば何とかなるレベルではなく、100メートルを5秒で走る様な無理な指示)、昨日と真逆の指示を出してきたり(半日で優先度が変わったのか?)、意味もなく帰宅後に会社に呼び戻されたり(戻ってみたら当の本人(上司)は帰ってる)、理解できないことが多く、悩みすぎて医者に駆け込んだこともしょっちゅうだ。だが今はそうした上司との会社での立場は逆転しているし、そう言う上司の元ではチームが上手く回らず成果も出なかったのか、自ら辞めていった方も多い。勿論異動降格された方もいる。若い頃は会社って不条理な場所だと諦め運悪くそうした上司に付いてしまったら修行だと思うようにしてきた。今自分にもその様な会社上の立場が回ってきて、日々チームメンバーに対してどの様な振る舞いをしているか。
    本書は他人を攻撃せずにはいられない人の特徴ややり方について、例を挙げて解説し、回避方法を教えてくれる。私が「やられる側の立場」だった頃に出会っていれば良い回避マニュアルとして使えるし、逆にやってしまう様な立場なら、自分がその様な事を周囲に対してしていないか顧みる事ができる。
    時には部下育成として強く叱責することもあり、その度にこちらも心苦しくなるのだが、伝えている相手の表情を見ていても、落ち込んだり悩んでいる顔が見えて、叱る度合い(声のトーンや自分の表情など)をコントロールしたりしている。果たして本書の様な書籍を相手が読んでいたら、悪意ある攻撃者に見えてしまう事もあったかもしれない。
    本書は攻撃者が抱える問題から入っていく。それは正に前述した様に「不条理」とも言える内容で、正直なところそういう人間が上にいる様な会社は、成果もイマイチで儲かってはいないだろう。そうした人間を管理職に登用する様な、更に上の人間もいるだろうから、大した会社ではないし、自分が部下なら早いところ転職した方が良い。
    もっと大きな問題は、叱られ側に問題が本当にあるにも関わらず逆ギレしてくるパターンだ。そこまで追い詰めてしまった自分にも問題があるのは当然だが、言い訳、責任転嫁、嘘の流言、内部通報など様々な手段を駆使して反撃してくるケースがある。言い訳程度なら可愛いものでも、近年はパワハラという盾を利用して、すぐにそれ以上言うとパワハラですよ、と言ってくる人までいる。私も管理者教育やハラスメントについては充分に学習してきているからいくらでも弁解できるが、ハラスメントは受けて側の感じ方によるものなので、最終的にはどうにもならない。もし、本当に部下に何も非がなく誰が見ても不条理な攻撃をしているなら、本書がいう様な「攻撃せずにいられない人」だが、成果なく雑談ばかり、在宅では「取り込み中」にも関わらず、パソコンは殆ど動いてない(最近は稼働記録で勤務状況はよく見えている)、電話しても出ない、出たら明らかに起き抜けの声だった。こんな部下がいたらそれこそ不幸だし、そう言う部下に限って強く反撃してきたり、通報をちらつかせるので上司にとっても不幸で上司が攻撃対象者になる事も多いと感じる。
    本書は会社の立場に関係なく、上手く生きていくためには参考になる一冊である。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.04

  • さおゆめ

    さおゆめ

    自分自身はあまり他人を攻撃する人に出会ったことがないのか、出会っていてもあまり気にしないでいるのか、読んでいてあまり新しい発見はなかった。

    ただ、攻撃してくる人に真っ向から関わる必要はないと感じた。

    投稿日:2023.10.15

  • おはよっちゃん

    おはよっちゃん

    私は新卒でいわゆる大企業と呼ばれる会社の子会社に入社し、「本社のエリート」と呼ばれる人から仕事を受注することが多い。お客さまの中には攻撃的な人もいて、なんとかお客さまの前では泣かなくても、上司に「よく頑張った」と言われて涙したことも…。そういう攻撃的な人ほど、絶妙にパワハラのラインは超えてこないというか。決して「お前は女だからとか」差別発言はしては来ないのが、憎い。社会人生活も8年目になり、攻撃的な人に対しては、心の中で「こうやって下の立場の人に色々言うことでしかストレス発散できないとか、かわいそうな人だな」と思ってやりすごしているが、そのやり方で概ね間違ってなかったんだな、とこの本を読んで思った。続きを読む

    投稿日:2023.05.01

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