【感想】ブッダ最後の旅-大パリニッバーナ経

中村元 / 岩波文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
8
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2
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0
  • 中村元先生の電子書籍

    電子書籍といえば、amazonのKindel、コミックならBOOK☆WALKERという偏った思い込みで、岩波文庫が電子書籍化されていることを知りませんでした

    SONYのReader Storeで本書の存在を知り、さっそく本書を購入してみました。というより、故・中村元先生の電子書籍ということで、即買いしました

    リンク機能がとても便利で、本文から訳注、訳注から本文へと、簡単に往復でき、面倒くさがりの私には重宝しています

    本への書き込みには抵抗を感じる私ですが、Readerのマーカー機能なら、抵抗感なく使えます、この機能、気に入っています

    本文の検索機能では、語句の出現回数や箇所などが簡単に調べれ、便利なツールとして勉強にも活躍しそうです

    今後、中村先生の電子書籍が増えることを期待して、☆5つです
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    投稿日:2013.12.28

ブクログレビュー

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  • わん

    わん

    ブッダが「ただの人」であった事がよくわかる。食中毒になって苦しんだり、疲れたから横になりたいと言ったり、チュンダに気を使ったり、本当に「ただの人」。

    これは自分のような「ただの人」でもブッダのように悟りを開き、苦しみから解放されうるという希望でもある。

    臨終間近の講話中に「若き人アーナンダー」が「ご婦人にばかり気がむいてしまう事」を相談する所がとても人間らしくてリアル。今その事を相談するかね?とも思うし、そんなだから2000年経っても「若き人」って書かれるんだなとも思う。

    また、文章自体がめちゃくちゃ読みにくい。主語を変えて同じ言葉を繰り返したり、本当にただ繰り返したり。作文技術自体が未発達だったのか?とも考えてしまう。

    大パリニッバーナ経成立時では、詩を読んだり、日記をつけたりすることは無かったのかな?作文技術が成熟する前の文章という意味でも興味深い。
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    投稿日:2024.03.05

  • fumi19850511

    fumi19850511

    難しいので流し読みだったが、アーナンダとの絆は感じられた。
    ニルバーナして、骨となってそれぞれに送られたとのこと。
    古代インドの国名など、知識がついたらもっと面白いのだろう。

    投稿日:2023.09.13

  • だま

    だま

    このレビューはネタバレを含みます

    お釈迦様は、なくなる前に何を思われたのか。後悔されたりはしなかったのか。そんなことが知りたくて、この本を読みました。お釈迦様もお弟子さんも、「良く気をつけて、念じていて」来るべき時を慫慂と受けとめておられるようでした。すごいなぁ。

    …師を喪う…お釈迦様は、ご自身がなくなった後は、年長の修行者を師として仰ぐように言い残されました。私もある芸事で最近師を喪いました。が、根先輩が自ら「師」として立ちました…。人間の集団はお釈迦様の時代も現代も、同じような形で引き継がれていくのだ、と感慨を覚えました。

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    投稿日:2022.01.15

  • Akiyoshi MIKI@BizFolio

    Akiyoshi MIKI@BizFolio

    このレビューはネタバレを含みます

    「悟った人」に対する超能力者とか完璧な人というイメージが打ち壊されます。

    まず、ブッダが非常に「気配りの人」だった事が分かります。
    食あたりを起こした食べ物を提供したチュンダが死後周りから責められないようにしたり、号泣するアーナンダに言葉をかけたりと、やさしい気遣いを見せています。

    次は、組織を運営する長としてのブッダです。
    教団の問題児チャンナには清浄な罰を加えなさい、と指示したり、自分の死後の色々と細かい事を指示したりしています。

    そして、感情も残っています。死んだ人の名前を次々と挙げ、死後どうなったのかといちいち聞いてくるアーナンダーに対して、いかにもウザイなあ、みたいな反応をしています。

    【引用です】
    さて、アーナンダーよ。人間たるものが死ぬというのは、不思議な事ではない。しかしもしもそれぞれの人が死んだときに、修行完成者に近づいて、この意義を尋ねるとしたら、これは修行完成者にとって煩わしいことである。

    さらに、これは驚きました。
    「うるさい事を言う人がいなくなって清々した」みたいな事を言う人が死の直後に教団の中に居て、それがブッダの神格化の波が著しい仏典に残されている事が、非常に衝撃でした。細かい事に口うるさい人だったのかもしれません。

    【引用です】
    さて年老いて出家したスパッダはそれらの修行僧にこのように言った。
    「やめなさい、友よ。悲しむな。嘆くな。われらはかの偉大な修行者からうまく解放された。(このことはしてもよい。このことはしてはならない)といって、われわれは悩まされていたが、今これからは、われわれは何でもやりたいことをしよう。またやりたくないことをしないようにしよう」と。

    悟りを開いた人として、超能者で奇跡を起こして欲しいという信者の願いに反して、「疲れた、横になりたい」を何度も口にして、最後は食あたりで死んだブッダ。

    これを読むと、より偉大な存在に思え、是非本人から直接教えを受けたかったと思うはずです。

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    投稿日:2020.03.10

  • yoshio70

    yoshio70

    ◯全く月並みな感想ではあるが、師の入滅を聞いたアーナンダが、悲しくて閉じこもったところを、師に呼び戻され、諭されるところ、とても古い古典ではあっても、慕う人をなくすということの喪失感への寂しさや悲しさを感じる思い出深いシーンであった。

    ◯しかし、過剰に神格化することや、教団を形成するための都合であるとか、そういったことの入る余地がないシーンだけに、事実であるように感じられ、また、その際の師の教えも、虚飾なく、真実語られた言葉なのかなとも思えた。
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    投稿日:2019.07.20

  • nakaizawa

    nakaizawa

    (2016.10.19読了)(2016.04.12購入)(1981.06.10・第3刷)
    副題「大パリニッバーナ経」
    Eテレの「100分de名著」取り上げられた本なので読んでみました。
    ブッダが涅槃を迎える前後のことが記してあります。どこの村に行って誰にあって、何をしゃべったのか、というあたりです。
    出されたキノコ料理でおなかを壊し、亡くなったようです。
    遺体は火葬され、遺骨は八つぐらいに分骨されて埋葬されたとか。
    仏教の教えを学ぶ人にとっては、示唆に富む教えが詰まっているのでしょうが、凡人にとっては、なにごともなく読み終わってしまいました。
    キリスト教にとっての新約聖書福音書に当たるような本なのだと思います。
    全体で320頁ほどある本なのですが、翻訳部分は180頁ほどでその後に130頁ほどの訳注がついています。

    【目次】
    第一章
    一、鷲の峰にて
    二、修行僧たちに教える
    三、旅に出る
    四、パータリ村にて
    第二章
    五、コーティ村にて
    六、ナーディカ村にて
    七、商業都市ヴェーサーリー
    八、遊女アンバパーリー
    九、旅に病む‐ベールヴァ村にて
    第三章
    一〇、命を捨てる決意
    一一、悪魔との対話
    一二、大地震に関連して
    一三、死別の運命
    第四章
    一四、一生の回顧‐バンダ村へ
    一五、ボーガ市における四大教示
    一六、鍛冶工チュンダ
    一七、臨終の地をめざして‐プックサとの邂逅
    第五章
    一八、病い重し
    一九、アーナンダの号泣
    二〇、大善見王の物語
    二一、マッラ族への呼びかけ
    二二、スバッダの帰依
    第六章
    二三、臨終のことば
    二四、死を悼む
    二五、遺体の火葬
    二六、遺骨の分配と崇拝
    訳注
    解題

    ●法に関する講話(45頁)
    戒律とはこのようなものである。精神統一とはこのようなものである。知慧とはこのようなものである。戒律とともに修養された精神統一は、偉大な果報をもたらし、大いなる功徳がある。精神統一とともに修養された知慧は、偉大な果報をもたらし、大いなる功徳がある。知慧とともに修養された心は、諸々の汚れ、すなわち欲望の汚れ、生存の汚れ、見解の汚れ、無明の汚れから完全に解脱する。
    ●きのこ料理(110頁)
    尊師が鍛冶工の子チュンダの食物(きのこ料理)を食べられたとき、激しい病が起こり、赤い血が迸り出る、死に至らんとする激しい苦痛が生じた。
    ●訪ねて感激する場所(130頁)
    修行完成者はここでお生まれになった
    修行完成者はここで無上の完全なさとりを開かれた
    修行完成者はここで教えを説き始められた
    修行完成者はここで煩悩の残りのないニルヴァーナの境地に入られた

    ☆関連図書(既読)
    「お経の話」渡辺照宏著、岩波新書、1967.06.20
    「釈尊物語」ひろさちや著、平凡社新書、1976.05.08
    「釈迦と女とこの世の苦」瀬戸内寂聴著、NHK人間講座、2000.04.01
    「ブッダ『真理のことば』」佐々木閑著、NHK出版、2011.09.01
    「寂聴生きる知恵」瀬戸内寂聴著、集英社文庫、1997.03.15
    「「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉」植西聰著、王様文庫、2010.12.20
    「ブッダ『最期のことば』」佐々木閑著、NHK出版、2015.04.01
    「般若心経」佐々木閑著、NHK出版、2013.01.01
    「「色即是空」の研究」山本七平・増原良彦著、日本経済新聞社、1984.10.25
    「わが般若心経」西村公朝著、新潮文庫、2002.04.01
    「生きて死ぬ智慧」柳澤桂子著・堀文子絵、小学館、2004.10.10
    (2016年11月3日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    原始仏典の中にはブッダの生涯はほとんど記されていない。だが彼の死は、信徒にとって永久に忘れえぬ出来事だった。パーリ語本『大パリニッバーナ経』の中に、ブッダの死とその前後の事件が詠歎をこめて語られている。本書はこのパーリ語本を底本とし、サンスクリット本、漢訳本を参照して邦訳。巻末に周到詳細な注を付した。
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    投稿日:2016.11.03

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