【感想】大学のウソ 偏差値60以上の大学はいらない

山内太地 / 角川oneテーマ21
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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7
3
1
0
  • 愕然とする

    大学への進学率が50%を超えた現在エリートが行くところという戦前や戦後直後の感覚は、なくなっている。しかしながら、大学で行われている講義は、大講義室で百人単位の学生を相手に教授が最新でもない理論をぼそぼそ話しているという構図が相変わらず行われているという。
    これからグローバルに生き残っていかなければならない時代に、こんな旧態依然とした大学教育でいいのかということを問い質しているのが本書だ。

    当然、外国の大学教育との比較がなされる。アメリカ、カナダ、フィリピン、マレーシアの大学の時間割と教育が紹介される。絶句だ。語学は実践的に話せるように毎日少人数で行われ、テストも毎日毎週行われる。他の講義も少人数で行われ、ディスカッションするたまにハードな勉強を行う必要がある。しかも、寮が付設され、同宿する教員は四六時中質問や勉強の仕方をサポートしてくれる。クラスも少人数で構成され、親交を深めまさしく生涯の学友が得られように運営されているという。ただし、米国の大学の学費が日本のほぼ4倍ではあるが。また、日本の大学でも、高偏差値ではないがゆえに、教育に力を入れている例も紹介している。日本の大学が生き残るには、教育改革しかないのだ。

    しかし悲観する必要はない。米国と同じような教育内容で、マレーシアやフィリピンなら日本の学費の半額でこれ米国と同等の教育が受けられるという。だから、偏差値60もあるような人はそういう大学に行って自分を高めた方がいいと言うのだ。

    同じことを日本の大学でやろうとすると、アメリカと同じような学費になるだろう。かといって、フィリピンやマレーシアの大学を出ても、日本では大学相当教育を受けた人というだけで、日本の大学卒業の学歴は得られないという現実への説明は省かれている。

    自分の子供をフィリピンやマレーシアにやってみたいとも思うが、そこまで踏みきれないのも現実としては感じる。しかしながら、こういう道もあるのだということを知らしめてくれる良書と思う。
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    投稿日:2017.03.08

ブクログレビュー

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  • k

    k

    大学改革=語学学習を中心としたグローバル化という論調が過ぎるように感じる面もあるが、実際に取材した内容をふんだんに取り入れているので、参考になる面も多かった。

    投稿日:2020.02.25

  • komoda

    komoda

    https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321307000257/

    投稿日:2019.10.18

  • kyan88

    kyan88

    海外の大学、特にアメリカの大学の教育の現状がわかる。でもほんまかいなぁ?と、思うところもあるある。一つの科目を深く学ぶことには大賛成だが、日本の大学の現状では難しいだろうなぁ?

    投稿日:2018.10.12

  • kskmtk

    kskmtk

    日本の大学やそれを取り巻く環境が変わらなければこの先不安だという著者の危機感や、それらが変わらない(変われない)ことに対する閉塞感は、私が日本社会に感じる閉塞感に近く共感した。海外の複数の大学・学生を取材しているため、主張にはある程度の説得力があり、新しく知ることも多かった。このような本を出版することで著者の肩書きである『教育ジャーナリスト』としての仕事は十分に果たせていると思う。今後も精力的に活躍されることを期待する。続きを読む

    投稿日:2014.10.23

  • たけ坊

    たけ坊

    日本の名門大学に行くなら海外の名門大学に行ったほうがいいと、それを学部教育の違いから説明してる。また、名門大学に行ける学力がないとしても、日本の良質な中小大学やらフィリピン留学を勧めてる。正直日本の大学には潜ったことしかないから比較しようがないんだが、でも米国のそれなりにいい大学で学部教育を受けた身としては本書で書かれてることには納得することが多い。それにフィリピン留学の利点とか、マレーシアで起きてる学園都市の建設だとか、これ読むまで知らんかったな。続きを読む

    投稿日:2014.06.17

  • tatsut

    tatsut

    #読書開始
    ・―
    #読了日
    ・2014/1/30,2017/5/3
    #経緯・目的
    ・著者のセミナーを受講したため、購入。
    #達成、感想
    ・山内氏は常に鋭く大学の課題を指摘し、持論を展開している。
    ・大学関係者として恥ずべき内容が多いが、自覚するからこそ改善の提案をすべき。
    ・当著で気づいたことを提案としてまとめること。そこから動きたい。
    #オススメ
    ・大学生、高校生にオススメ。
    続きを読む

    投稿日:2014.03.20

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