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高野史緒 / 講談社文庫 (10件のレビュー)
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総合評価:
ポトト
近代ヨーロッパという時空を、「ネットワーク」が駆け抜ける!
近代ヨーロッパに、電気と電話を出現させた歴史改変小説。より単純で本質的な意味で「グローバル世界」だった中世とも、現代的な所謂「グローバリズム」ともまた違う、その間にある近代西欧の統一的世界像。 文化、…思想、人々、政治といった諸要素の、交錯と混沌に満ちた繋がりが、まだなかったはずの電話という道具に託して描き出される。中世においてキリスト教の精神的枠組が、また現代においてインターネットが作り出す、現実と少しずつリンクしたバーチャル世界を、電話というマジックを使って近代西欧に出現させた物語。そして「音楽」はいつもその傍らにある。続きを読む
投稿日:2013.09.28
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Rio
※※でハッキング、でも18世紀のヨーロッパ?
史実に虚構を織り交ぜた、独特の世界観。 読み進めていくと不可思議な雰囲気に包まれ、作者が作り上げた世界に取り込まれます。 ネタバレになってしまうので、あまり詳細を書きません。 音楽が好きな方、たぶんハ…マります。続きを読む
投稿日:2013.10.24
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橘
面白かったです。 カストラートが活躍する18世紀パリに煌々と輝く電飾と、張り巡らされた電話網…好きな世界でした。サイバーパンク、というジャンルなのか。。 カストラートたちが電話をハッキングするハッカー…というのが良いです。 〈大天使〉と〈鳥〉…予想していた人物と逆でした。やられた。 なんという心地よさだ…と満たされるのが、音楽、というのが素敵でした。全盛期のカストラートの歌声、聴いてみたかったです。 オルランドとレスリー卿の黄昏はちょっと切なかったです。 (電飾で)きらびやかなオペラを鑑賞したような作品でした。続きを読む
投稿日:2019.11.28
michaelle
もろもろ入り乱れた世界観がなかなか飲み下せず、前半はかなり苦戦。 飲み下せないなりにもっていかれた、後半のオペラはさすが。 毒々しさと清廉と。 まさに見世物。稀代の見世物。
投稿日:2014.11.20
【静】
1700年代初頭ルイ14世治世のパリが舞台であるはずなのに、読んでいると、あれっ?“電話?”“ルーブル前のガラスのピラミッド?”“ハッカー?”という言葉が飛び交うのに面食らう。【サイバーパンク】という…ジャンルがあるのを初めて知りました。テクノロジーとバロック、光と影の交差する舞台の脚本を彷彿させる構成で、実際オペラを鑑賞したような読後感でありました。続きを読む
投稿日:2013.09.03
春日
時として誰かの運命を回す。 私があなたと一緒に歌うのは、それが一つの力であるからに他ならない。あなたわ一つの運命として私の元に引き寄せるために他ならない。
投稿日:2013.06.23
かりおん
バチカンから逃げた去勢歌手カストラートの謎を知った枢機卿は彼をパリに追い変死する. 天使の美声は何故危険なのか. そんな感じで. そこそこ面白かったけどアレだな. セリフの言い回しがめんどくさいな…. とか思ってるとあとがきに1996年刊行されたのの文庫化だったと. 17年前か・・・. それはそれとして 変声期を迎えさせないために少年の玉を切除するとか超怖い. ひゅんってなっちゃうわ. しかも麻酔というか道具が鋭いナイフと阿片. そして半分ぐらいが切除のショックで死ぬとか,超怖い. 狂気の沙汰だよな.続きを読む
投稿日:2013.04.12
mukade96
読み手と作品と劇中劇との間を行ったり来たりしながら、幻想的な怪しい世界へと引きずりこまれて行く。 書き方は薀蓄が多いがすんなり入ってくるものである。ただアカデミックな部分の書き方が口上を読み上げ…るようで、物語の転換も詩人のような書き方に感じた。 カストラート、とても興味惹かれる世界をここまで舞台にした作品は素晴らしい。続きを読む
投稿日:2013.04.10
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