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吉川幸次郎 / 講談社学術文庫 (2件のレビュー)
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1397195番目の読書家
伊藤仁斎、荻生徂徠、本居宣長に重点を置いて、古典研究について解説しています。 伊藤仁斎、荻生徂徠については、論語などの解説書で見かけるものの、朱子学と比べれば傍流の学派だろうと思っていました。 とは…いえ生前から有名な学者なので、何がそんなに人を惹きつけるのか不思議でしたが、本書はそれを大づかみにさせてくれます。 「全体を全体として説いたものは、むしろ糟粕」(204頁)とする彼らの立場からすれば、大づかみになどせず、論語を精読しろと言われそうですが。 宣長について、中国文学研究者の著者が取り上げたのは意外。 国学者本居宣長は漢学に結びつかないイメージがありますが、言われてみれば古事記は基本は漢文で書かれているのでした。続きを読む
投稿日:2021.05.02
重度積読症
漢文の授業不要論がかまびすしい今日この頃であるが、本書を読むと、中国の古典、特に儒学が本当に重みを持っていた時代があったことを、改めて感じた。 古学の徂徠、国学の宣長は今でも相当に名が知られている…と思われるが、著者は伊藤仁斎を高く評価する。理を重視したドグマ的な朱子学の解釈を批判し、孔孟の原文に即した実証主義的な解釈、自然な人間性を尊重する基本的姿勢など、その学問の特色を分かりやすく解き明かしてくれる。 仁斎、その息子東涯の著作を、とても読みたくなった。 ちょうど、著者の『論語』が角川ソフィア文庫から再刊されていて読み始めたところであった。中国の論語註解に加え、仁斎、徂徠の注を参照しながら解釈を進めていくスタイルがどうしてなのかなと思いながら読んでいたのだが、本書を読んで疑問が解けた。 続きを読む
投稿日:2021.04.27
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