【感想】はじめて世に出る青年へ

渋沢栄一 / 徳間書店
(1件のレビュー)

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  • 横

    おもしろかった

    人手不足だとか、道徳がなっていないとか、もうけ第一で情けに欠けるとか、今の教育は知識に偏っているとか、明治の世もいまもかわりがない
    人の機微も読んでいて違和感は全くありませんでした。

    ・人間がこの世に生まれてきたのは、何事かを成すべき使命を受けたからである。この使命をまっとうするのが人間としての義務である。
    ・自分が愉快だから働き、不愉快だから休むというのは、使命に対してあいすまないことである。どのような場合でも、自分にあるだけの才能精力を尽くすのが人の人たる道である。

    気になったのは、以下です。

    ・私たち凡人は、志を立てるにあたっても、とにかく、迷いやすいのが常である
    ・工夫としてはまず自己の頭脳を冷静にし、そして、自分の長所、短所をことこまかに比較して考え、自分の最も得意な方面で志を立てるのがよい
    ・すでに根幹となる志が立っているならば、今度は、その枝葉となる小さな立志についても、日々工夫することが必要である
    ・立志のかなめは、よく自分が知り、身のほどを考え、それに応じて適切な方針を決定するという以外にない

    ・日常身辺にひんぱんに起きる出来事は、すべて鍛錬の材料である。かなめは、それを有意義なものとみるか、わざとそらとぼけて見過ごしてしまうか、この2つに分かれることになる
    ・問題の起こる前からそうしたことに準備をしておくという心がけが必要である
    ・ひとつのささいなことのさらに細かいこともおろそかにしてはならない

    ・真の成功とは、道理に欠けず、正義にはずれず、国家社会のためにあるとともに、自分も富貴となるものでなければならない
    ・言い換えれば一時の成敗がどうであったかにかかわらず、その内容に重きを置いて、これを論ずる者でなければならない

    ・誤って改むるにはばかることなかれ
    ・人は何よりもまず道理を明らかにしなければならない

    ・不平は人の心をなまけておろそかに流れさせる
    ・心を厳しく引き締め、どのような逆境に直面しても動じないようにする
    ・順境にあっても驕らず、いわゆる、貧しくてもこびず、富んで礼を大切にする、という先哲の言を実地にいくように心がけることが大切である
    ・私は、青年に向かって、ただひたすら人格を修養することをすすめる
    ・桃李ものいわざるも下おのずから蹊(みち)を成す 役に立つ青年は、人に頼んで仕事を与えてもらわなくても、自分に仕事を惹きつけるだけの力をもっている
    ・仮につまらないと見える仕事でも、これを一生懸命に喜んでする人でなければ、責任を持って仕事をする人ということはできない

    ・今日の教育は主として知識のみに傾いている。精神は、それと反対にかえって退歩しているように思われる
    ・源濁れば、末清まず
    ・人格修養もやはりそれと同じこと。一方に日常のなすべきつとめを持ちながら、一方で人格の修養はどのようにでもできるものである

    ・要するに悪者は教えても学ぼうとしない、善者は教えなくても自分で学ぶ仕方を知っていて、自然とその運命をつくり出すものである
    ・自分で反省してみて悪い点をあらためるよりほかはない
    ・世の中のことは多くは自分のせいであるから、自分からこうしたいああしたいと気力をふるいおこしさえすれば、たいがいは思う通りになるものである

    ・富は一つの力である。国家も富がなくてはならない。しかし、その行為が正義に反し道理をはずれていれば、富もその力を維持することはできない
    ・富を多く積んでも、富者としての修養が足りないとつりあいが取れていない

    ・知行合一 成功しなければならないと知ったら、ただちに実行すべきである
    ・柔順で活発であれ
    ・世の中の仕事に向かっては、どこまでも行動がよくなければならない、行動がよいうえに、心がけがよくなければいけない。行動と心がけはべつのものだ
    ・空論を捨てて、あくまで実行の人となれ

    ・嘘をつかないのが商人の資本
    ・信用は資本なりとも言って、商売上道徳を重んずべきことを教えている

    ・地方の衰微はうち捨てておくことができない問題である

    ・人を観るということは難しいことの中でも、最も難しいことで、決してやさしいものではない。とりわけ、その人の満足するところを見定めるのが、最も困難である
    ・学んで思わざれば即ちくらし、思うて学ばざれば即ちあやうし:学んでも考えなければ、ものごとははっきりしない。考えても学ばなければ、独断におちって、危険だ
    ・之を知るを之を知るとなし、知らざるを知らざるとなせ、これ知るなり:知ったことは知ったとし、知らないことは知らないとこととする。それが知るということだ。

    ・精神はひとつのことに集中すべきである

    ・人間の力には限りがある。無限にそれを使うことはできない。であるから休養ということが必要となる。

    目次

    はじめに

    私の立志観
    意思の鍛錬方法
    克己心の養成
    私の見た功名心
    私の成功観
    私の成敗観
    はじめて世に出る青年へ
    役に立つ青年
    現代学生気質
    人格の修養
    私の処世主義
    楽天生活
    逆境に処する方
    公私の生涯
    政治の根本義
    富強国である我が国の態度
    新富豪に対する希望
    成功の真呼吸
    私の商業道徳観
    労働問題
    地方繁栄策
    私の見た福沢翁
    私の見た塙検校
    人物観察法
    精力の集中法

    渋沢栄一年表

    ISBN:9784198652449
    出版社:徳間書店
    判型:新書
    ページ数:256ページ
    定価:1200円(本体)
    発行年月日:2021年03月
    発売日:2021年03月31日第1刷
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    投稿日:2023.11.04

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