【感想】月と珊瑚

上條さなえ / 文学の扉
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
2
9
5
1
0
  • 一人の少女の

    日記帳を読んでいるかの如く綴られた物語。
    書籍原本をスキャンしたのでしょうか? 時々 現れる縦線が気になります(ページの端?)

    投稿日:2020.08.21

ブクログレビュー

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  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    第66回(2020年度)青少年読書感想文課題図書
    小学校高学年の部

    内容:
    「主人公の名前は珊瑚。「沖縄はな、戦後、血と涙とさんごしょうの上にできた島といってもいいくらい、ひさんな戦争を経験したからよ。県民の四人に一人が死んでな。だから、『さんご』は、ぴったりと思ったんや。」祖母の言葉である。沖縄に暮らす子どもたちが、沖縄の悲しい歴史を知り、米軍基地と共に生活している現状に気づいて成長する様子が、珊瑚の日記の形で語られる。転校生の月へのあこがれ、自分の課題や未来への希望も素直な言葉で書かれている。」続きを読む

    投稿日:2023.04.12

  • tpochi0717

    tpochi0717

    沖縄に住む6年生の珊瑚は勉強は苦手。
    一緒に住んでいるルリバーは沖縄民謡歌手で、珊瑚も小さい頃から民謡を教えてもらっている。

    お母さんは九州で働いて、お父さんはいなくて、
    ときどき恥ずかしい気持ちで子ども食堂でご飯を食べさせてもらっていて、珊瑚の家は正直貧しい。

    同級生の詩音にひらがなばかりの作文をバカにされ、珊瑚は漢字の勉強を始める。
    そんな頃に、本土から転校してきた月(るな)のミステリアスな雰囲気に、珊瑚の心は釘付けとなる。

    月のボーイッシュな姿とさりげない優しさ。
    詩音のちょっぴり偉そうだけど相手を思う気持ち。
    くるみの貧困に関係なく付き合ってくれる友情。

    日常の上空を飛ぶ戦闘機の音、辺野古に米軍基地建設の話、
    悲惨な沖縄で起きた戦争、貧しくてジュリとなった珊瑚のひいおばあの話
    6月23日の沖縄で慰霊の日に向けて、沖縄で暮らす子どもたちのそれぞれの思い。

    沖縄が抱えている問題がぎゅっと詰まっていながらも
    重くない感じで優しさに包まれている一冊。
    色んな人がいて良い。戦争や平和について。
    2020年高学年むけ課題図書。
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    投稿日:2023.01.03

  • rien1915

    rien1915

    子どもが読んだので私も読んでみた。
    沖縄の小学生の生活を垣間見たのだと思う。九州にお母さんが出稼ぎに行っているとのこと。珍しい方の家庭なのかもしれないが、そんな設定ということは、そういう家庭がきっとあるんだろう。東京に住んでいる私たち家族は思ったこともない話だけれど、地域格差なんだろうと思う。
    内容自体はそんなこととは全然関係なしに、普通の話だった。というか読んだ直後の今だって何が語られてたか覚えていないくらいの軽い話だった。友達がどうとかの。
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    投稿日:2022.09.30

  • エル

    エル

    現代に生きる沖縄の少女たちの日常。戦闘機が低空で飛ぶのが当たり前になっている世界。慣れすぎて怖いとも思わない。しかし沖縄以外から来た転校生たちに触発されておかしいと思うようになる。住宅地を飛ぶ戦闘機、基地反対の座り込み、遊郭に売られたジュリ、貧困率の高さ、そして沖縄であった戦争のこと。沖縄の小学生たちが、沖縄の未来を考え未来を真剣に想う。その純粋さが眩しい。続きを読む

    投稿日:2022.08.15

  • uesho

    uesho

    小5の娘に薦められて読んだ。

    子供向けの友情ものかと思いきや、沖縄のリアルな話を子供目線で書かれた物語だった。まぁ子供向けの本であることに変わりはなかったけど。

    頑張り屋で、貧乏な境遇に少し劣等感を持つ珊瑚が、華やかな転校生、月に憧れを抱きつつ仲良くなっていく。
    また一緒に二人で住んでいるおばあちゃんの、過去も段々とわかってくる。それを受け止められるように成長する珊瑚。
    物語の途中にそれとなく沖縄の現実や、過去の苦しみも描かれる。なかなか重い。

    うまく文がまとまらなかったが、ちょっとジーンときたり、そうなんだよなー、と真剣になったり、を繰り返した。
    良い話だった。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.06

  • akikobb

    akikobb

    那覇の小学六年生の女の子、珊瑚が主人公。家は貧しい。子ども食堂で食べるカレーがひそかな楽しみ。勉強が苦手。祖母は酒場で歌う民謡歌手。珊瑚も民謡を習っている。
    祖母や曾祖母の過去、地域の人たちの暮らし、育まれる友情、初潮を迎えたときのこと、東京からの転校生をベルばらのオスカルに重ねて憧れる気持ち、等々がつまった物語。
    特に印象に残ったのは、東京からの転校生(ややこしいがオスカルとは別人)である詩音が、戦闘機の音を聞いてパニック状態になるシーン。慣れっこでちっとも怖くないし「戦闘機は落ちない」と信じている珊瑚は、「戦闘機は落ちないからだいじょうぶ」と、その音に負けないように大きな声で言う。戦闘機が去ったあと、詩音は「あのねえ、オスプレイは名護の海岸に落ちたのよ!知らないの?ニュースを見ないの?」と怒ったように言った。珊瑚は知らなかった。ひとりで家にいるときはお笑いやアニメを見る。実をいうと、テロが起きたとか虐待で親が子を死なせたとかそんなことを聞かされるニュースを、怖くてひとりで見られないのだ。そして詩音とのこの会話以降、珊瑚も戦闘機の音が怖いと思うようになる。
    「基地と隣り合わせの日常」については、「そういうことなんだ」と目が開かれる思い。「ニュースが怖いから見ていない」については私も同じで、たまにものすごく恥をかく(あるいは明らかに恥をかかないように口をつぐむ)ことがある。変なところで共感してしまった。
    ちょっと世界が広がる良い読書だった。
    続きを読む

    投稿日:2022.04.16

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