【感想】終わった人

内館牧子 / 講談社文庫
(179件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
33
83
43
8
2
  • 定年退職予定者のバイブル

    定年退職者の気持ちを、恐ろしい程明確に表現した作品です。特に作品の前半部分では、定年退職者として、共感、笑い、悲哀等をひしひしと感じることができ、思わず「内舘先生凄い、お見事」と叫びたいくらいでした。
    ぜひ、定年退職予定者のバイブルとして一読して欲しい作品と思います!
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    投稿日:2020.01.07

ブクログレビュー

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  • にぐ

    にぐ

    展開が早すぎて結局何の話だったんだろう…という感想。定年を迎えた男性の人生が軸にありながら風呂敷広げすぎてよくわからないまま終わった

    投稿日:2024.03.09

  • riddele

    riddele

     必死に仕事をして、生活を支えて生きてきて、いざ定年になった時どう感じてその先の人生を生きていくのか、考えさせられる一冊でした。

     主人公は岩手の片田舎出身でありながら、東大法学部に現役合格し、大手銀行へと就職したエリート。けれど、気付けば出世街道から外され、出向で飛ばされた先に転籍することになり、そこでも役員に手が届かずに定年を迎えて『終わった人』になってしまったところから物語が始まります。
     仕事に生きがいを見出していたからこそ、それに熱中していたからこそ、突然「はい、それじゃあさようなら」とされてしまえば、その落差に途方に暮れてしまうということはあるのだろうと思います。
     けれど、本作の主人公はそれに加えて『自分はエリートなんだ』というプライドがとても強い。そして、そのプライドは自分を輝かせるものであることもあれば、他者を軽んじて自らの視野を狭める檻のようなものにもなってしまう。
     もちろん、定年退職したあとに預貯金合わせて資産が1億5千万もあるような世帯などまったくもって一般的ではないので、この主人公の家庭は他の大多数の日本人からしたらモデルケースにはなり得ないのだけれど、精神的な部分では、似たような心地になる人もいるのだろうなと感じました。

     私はあまり好みだとは思えない話でした。
     繰り返される『散る桜 残る桜も散る桜』だとか、『散り際千金』といった言い回しが、何度も出てくるにもかかわらず全くその言葉のような行動が伴わないことに、ある種の人間のリアルな矛盾を感じるようで、冒頭から最後までもやもやとすっきりしませんでした。

     ただ、それまでどれだけ一生懸命、夢中に働いていても、定年を迎えた途端に『生前葬』をされたようにそこから居場所がなくなってしまうこと。いつかは来るその日と、そこからの生活のことを、想像するきっかけになったと思います。
     いつか定年退職した時に、私はどうしているのだろうと、考えさせられました。
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    投稿日:2024.02.19

  • はんちゃん

    はんちゃん

    共感!それなりの地位に着き、一生懸命に仕事してきた人間なら、「うん、うん、わかる」と思いながら読み進めることでしょう。そして、ふと自分を振り返り、「危ない、危ない。自分も同じ」と冷や汗をかくことも。
    退職した先輩方からさまざまな話は耳にしていたものの、やはり当事者にならないと実感はできないのでしょうね。
    今後、どんな生き方をするのか、どんな人との繋がりを大切にするのか、改めて考えるきっかけとなりました。
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    投稿日:2024.02.17

  • hiromichan

    hiromichan

    男女の違いかな。
    この年代の女性はね、もっと前に生前葬を味わっていて、そこから生き返っていく術を学んでいますよ。
    ...と思うのは、私だけ?(笑)

    投稿日:2024.02.05

  • K

    K

    このレビューはネタバレを含みます

    タイトルと帯と表紙につられて購入。

    定年を迎えた元銀行員の話。

    少しも自分の環境とは近くないわけだけれど、なぜか感情移入して楽しめた。どこかで「自分もこうなるんじゃないか」とか「こうはなりたくない」とか勝手な想像を読者にさせるような不思議な教訓めいたものがあって楽しめた。

    あとは、少し脚色が強いかもしれないがエリートサラリーマンが定年後に刺激を求めるも徐々に凡庸になる様や突如としてゴールドツリーに顧問として入ったり、はたまた倒産したり、人生の栄枯盛衰が60歳を過ぎてもあるのだと強く思わせる説得力があった。

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    投稿日:2024.01.25

  • 2002723番目の読書家

    2002723番目の読書家

    読了。面白かった。

    20代半ばの自分の周りに飛び交う言葉は、「月曜日が憂鬱」「仕事行きたくない」などが多い。
    (もちろん自分も発してしまう)

    そんな言葉など近くになかったであろう主人公に、尊敬、憧れの気持ちすら抱き、自分を見つめ直した。

    まだ未熟な自分には少し遠い世界線の話ではあったが、自分の着地点がどうであれ、『自分を信じて今を生きること』を大切にしたいと思う。

    それをきっと、終着点の自分も望んでいる。
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    投稿日:2024.01.04

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