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トヨタ物語 強さとは「自分で考え、動く現場」を育てることだ
トヨタ物語 強さとは「自分で考え、動く現場」を育てることだ
野地秩嘉/日経BP
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総合評価

19件)
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     第二次世界大戦後の復興から経済成長の過程で日本の製造業は世界市場を席巻した。しかし欧米諸国の反撃や新興国の台頭で家電製品、エレクトロニクス、医薬品、化学製品等々の日本企業の優位性は崩れてしまった。その中で、トヨタ自動車が世界最大の自動車会社の一つであり続けている理由がわかるドキュメンタリーであった。本書の最後のところで、アメリカのケンタッキーでトヨタの工場が地元の誇りと見られていることが語られている。トヨタ生産システムによってトヨタは一日本の企業ではなく世界のトヨタになっている。国内国外にかかわらず工場、協力会社、販売店で現場の人たちが自分で考えカイゼンを繰り返している組織であるからこそ、好不況の波や災害、米国でのリコールに対するバッシングにも耐えて成長を続けられているのだろう。

    0
    投稿日: 2022.01.26
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    知っていることと、実践は全然違う。 トヨタ生産方式は有名だけど、それをやりきることがいかに難しいか。知っていれば出来るというものではない。 そして、トヨタの凄さは徹底的にカイゼンをやり抜くところにあるんだということを書いた本。

    0
    投稿日: 2021.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    トヨタは、中小企業の時から何度も倒産の危機に立ち向かってきて「このままでは潰れる」という危機感が強い。それを忘れずに見事に引き継がれている。 トヨタ生産方式は、中間在庫を無くす事でピンと糸を張った緊張状態をつくる。不良品は流さない、異常があったらラインを止め手を打つ。 リードタイムを短くする=仕入から代金の回収を早くなる。トヨタ生産方式は経営に直結している。 佐吉と喜一郎が考えた思想を指導でうまく繋いている。 営業改革の話では鶏そぼろ弁当と幕の内弁当の話が納得の面白さだった。 トヨタ生産方式の導入は、指導する人により、結果は大きくかわり、間違いもおき誤解もされる。 全体的にエピソードを混じえて分かりやすく表現されていて有意義でした。支えてるのは現場主義!!

    0
    投稿日: 2020.10.09
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    トヨタの生産方式である「カンバン方式」の成り立ちを通して、トヨタを作り上げた指導者目線の思考を学んだ。 自ら考え、行動する。スターバックスでアルバイトをしている私にとって当たり前になってきているこの考え。この意識の大切さを改めて思い知らされた。それと共にトヨタの教育の現場に益々興味が湧いた。 その他にも、戦争や大災害を経験した当時の日本人と日本企業はどうやって逆境を乗り越えたのか。その要因も知れた。 また、この本に書かれていた指導者としての条件のうちの一つは既に私に備わっていると思う。現場と顧客の両方に共感し、寄り添った経営を目指していきたい。

    1
    投稿日: 2020.08.31
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    創業に近い時期は時間が経ち過ぎていて、生き生きとしたやりとりというより、事実が淡々と語られる感じ。それほどドラマティックでもないし、登場人物もあっちからこっちへ飛ぶので感情移入するポイントもあまりなく。カンバン方式を学ぶにしては考察が薄いと感じました。トヨタの社員の方が読まれればいいのではないでしょうか。

    0
    投稿日: 2019.08.19
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    トヨタのものづくりについて学べる本です。 創業時の何もないところからビッグスリーを凌ぐまでカイゼンを継続し続けたトヨタの経営陣、現場、そして生調のメンバーの生き様に大いに学ぶことが出来ました。 是非一読をお勧めしたいです。

    2
    投稿日: 2019.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    トヨタ生産方式を通じて、トヨタ自動車の歴史を振り返る内容。特に喜一郎以降は指導員にフォーカスがあたっており、彼ら、そして生産方式を通じて、トヨタの現場は自分たちで考えることのできる場所に変わっていく、という流れ。 同方式そのものへのフォーカスは多かったが、それを「どう展開するか」、そしてその結果現場は「どうなるか(生産結果という意味でなく内面的に)」に焦点を当てたものはまだ見ていないので新鮮だった。 後工程が前工程に取りに行く、その結果自工程でのきっちりとした簡潔をしていないと、取りに来た人に迷惑をかける。結局渡す流れは同じだが、自分で持っていくと取りに来てもらうということで心理的な変化もあるのだろうか。 また、よくある批評として労働強化であることを否定しており、基本的に身体は楽になる方向に向かうというもの。 当然突き詰めていけば少人化されるものではあるが、そういう中でも当時の大野は眺めておけなど、余計な遊ばせ仕事に工数を割かせていない。 また、同方式の弱点として展開できる人が限られることが挙げられているが、それはだからこそ強みであるし、これだけ世の中に大っぴらに漏れていっても問題がないところの一つだと思う。

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    投稿日: 2019.05.06
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    なるほどこれは実践して失敗して悩んで試行錯誤して成果を上げてその過程を振り返ってみないとトヨタ生産方式を理解できそうにないなあ。 そしてトヨタ生産方式を目指しても良い結果は得られそうにない。結果的に「あ、これはトヨタ生産方式と同じだな」というやり方を自分で築いていきたい。 今ではエクセレントカンパニーに見えるトヨタが、常に危機と直面していたこと、泥臭い細かな努力で生き残ったこと、しかしその危機感がトヨタ生産方式の原動力であったこと。 外からは見られない人間臭〜いやり取りを追体験できて、とてもエキサイティングな読書体験だった。

    0
    投稿日: 2019.03.10
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    【トヨタは、トヨタを超えていく】今で言うところのベンチャー企業としてスタートし、今日では世界に冠たる自動車企業となったトヨタ。その代名詞とも言える「トヨタ生産方式」を軸とし、成功に到るまでの困難続きの道のりを振り返った作品です。著者は、『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞した野地秩嘉。 トヨタという企業に流れるDNAをわかりやすく解説した一冊。「生産方式」と目にすると、どうしても自働化や製造プロセスにまつわることを想起してしまいますが、突き詰めて言えば、一人ひとりの心構えや考え方というところまで降りて考えていくシステムなのかなと感じました。それにもかかわらず、決して精神論に堕してはいないというのが素晴らしい。 〜「トヨタ生産方式とは考える人間を作るシステムです」と付け足した。〜 つい誰かにオススメしたくなる作品でした☆5つ

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    投稿日: 2019.02.11
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    2018年12月10日読了。トヨタの工場を70回以上見学し多くの関係者にインタビューした著者による、機物から自動車にプロダクトを切り替え、日本を代表する企業となったトヨタの歴史とその強さの真髄に迫るドキュメント。「焼け野原からイノベーションを起こした」というとソニーがよく引き合いに出されるが、トヨタもそれと同じかそれ以上に革命的な偉業を成し遂げた会社なのだ、ということがよくわかった。アンドンやかんばんといった目に見える要素を真似しても、「現場に考えさせる」「カイゼン」「ジャストインタイム」といったTPS(トヨタ生産方式)を取り入れることは難しいよなあ…と思う。これを成し遂げたトヨタの社長らと、大野耐一らTPSの推進役は確かに偉大だ。大野の死後もその映像を見て震え上がった、という幹部たちのエピソードが好き。

    0
    投稿日: 2018.12.10
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    何度でも読み返したくなる一冊。アメリカの公聴会のくだりでは、涙が溢れました。毎日がカイゼン!ですね!

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    投稿日: 2018.11.29
  • 反発と危機感がカイゼンに不可欠だった

    意外の連続だった。 ふつう車メーカーの創業の物語といえば、まず造りたい理想のクルマ像というのがあって、それを実現していく話かと思ったら、創業者のジャスト・イン・タイムという生産方式のアイデアをいかに具現化していくかという物語だった。 しかもいまでは全能のように語られる生産方式も、確かにトヨタを強くはしたが、どん底から救い、かつその生産方式の礎にもなったのは、朝鮮戦争と不良トラックに激しくクレームをつけたアメリカ軍だったという事実。 そもそも現場での創意工夫や改善も、裏にあったのは怯えにも似た強烈な危機感だった。 いまではなかなかその危機感を共有することは難しいが、アメリカが本格的に日本で車を売りはじめたら、トヨタはつぶれるという恐れは、是が非でもトヨタ独自の生産方式を会社全体に根付かせなくてはならないという悲壮な使命感につながった。 しかしこの生産方式も、いかにも勤勉な日本人らしい発想から生まれたものだと誤解していたが、その実はむしろ欧米人の方が親和性が高いのではないかと感じるほどドライで、現状維持をよしとする日本社会の風土への挑戦であり、真面目な優等生タイプより要領のいい横着なタイプの方が発想しやすいという。 この本を読んでトヨタ生産方式なるものがわかった気になるのが、最大の錯覚だろう。 これでよしといった終わりのない不断の試行錯誤の繰り返しで、パターン化された公式は存在せず、解決策も現場と指導員の数だけ無数に存在する。 本書にもある通り、社内で幹部から直接研修を受けた従業員が、実際に工場でラインを見るまでは、その真の革命性を理解できなかったというのだから、本書を読んだだけでわかった気になるのがいかに愚かなことかわかるではないか。 その著者も、いわゆるトヨタ生産方式の亜流を見て「これは違う」などと書いていて落胆した。 カイゼンの生みの親である大野耐一のエピソードが強烈だ。 幹部でさえ大野が近づいてくるだけで足がすくみ膝の震えが止まらなかったという。 極めつけはしのぶ会での一件で、当時の現場での大野の姿がビデオ上映されただけで、それまで談笑していた会場の雰囲気が一変し凍りついたというのだから相当なものだ。 それほど厳しい大野を追い返すほどの反発が当時には存在していたが、現在はどうか? 「トヨタがつぶれる」という切迫した危機感が裏返しに使命感を強くしたが、その危機感は現在も共有されているか? 反発と危機感、実は欠かせない要素だ。

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    投稿日: 2018.10.08
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    トヨタの歴史とトヨタ生産方式のお話。トヨタ生産方式に対する巷の間違った批判に対して、著者なりなのかもしれないが反論をちゃんとしているところが勉強になる。

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    投稿日: 2018.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    トヨタの看板方式の成り立ちがよくわかる一冊。トヨタの歴史も振りかえれる内容だが、期待したほど感動せず、何となく長いなぁといった印象。

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    投稿日: 2018.07.18
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    大野耐一の「トヨタ生産方式」より よくわかった。 現場で考える。 上から与えられたシステムではなく、 下から上がってきたシステムが、 トヨタ方式だ。

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    投稿日: 2018.07.15
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    ★2018年4月21日読了『トヨタ物語』野地秩嘉(つねよし)著 評価B+ トヨタの創業期から現代に至るまでのトヨタの生産に対する考え方の源流となる人々をたどって、その生産方式の本質に迫ろうという本。 なかなか丁寧にキーマンにインタビューを行っており、トヨタ生産方式をきちんと書こうとする真面目な姿勢がよい。 P106 大野耐一の言葉 人間は自分がいまやっていることがいちばんいいと思い込んでいる。オレがやることは、やつらに「いまやっていることを疑え」ということだろう。 それは簡単ではない。そんなことが出来る人間はなかなかいない。考える人間を作る。それがオレの仕事だ。 P224 7つのムダ 1.作りすぎのムダ 2.手待ちのムダ 3.運搬のムダ 4.加工そのもののムダ 5.在庫のムダ 6.動作のムダ 7.不良を作るムダ P250 トヨタ生産方式の本質とは、カンバンを使うことでもなく、アンドンを整備することでもない。常識とされている事を疑い、新しい方法を考えることだ。 今やっていることを否定し、新しい工夫を導入することだ。 自動織機から自動車開発 戦時経済統制への対処  倒産危機、労働争議 ドッジライン、原材料高騰、失業率アップ、景気下降 排ガス規制、石油危機 トヨタ生産方式への誤解 1978年日本坂トンネル火災 阪神淡路大震災 東日本大震災 ラインを主体的に攻める 1981対米輸出自主規制 1984ニューユナイテッドモーターマニュファクチュアリング 1986 ケンタッキー トヨタモーターマニュファクチュアリング 530万㎡ 3000人から35,000人へ 現在北米に12カ所 現場を歩いて問題点を探す 現場の人に話を聞く→カイゼン 2009台数世界一 米国 リコール問題 豊田章男公聴会

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    投稿日: 2018.06.23
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    ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/298877

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    投稿日: 2018.04.20
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    会社からの課題図書。 以前、ホンダの創業時の本を夢中で読んでいてその中ではトヨタという会社は重厚な巨人として描かれていたように思うし自分の中でも何か地味なイメージを持っていた。 本書を読んでそのどこか堅いイメージがなぜ自分の中にあったのかを納得した。トヨタでも自分達が破滅しないように日々必死に自分達の仕事を向上していこうという歴史があり、どの会社よりも日々の課題を一人一人の社員の考える力を向上させチームワークで戦ってきたことを知った。 甲子園などが顕著だと思うが人は一人の天才を英雄とみて人気がある。しかし実際に強いチームは一人一人の力に突出したものはないがチームでそれを補えるチームだったりする。 なぜそのチームが強いのかは一人一人が目的のために考える環境があり日々カイゼンをしているからだと自分は本書から読みとった。 使命感と危機感から本気で自分のやるべきことを実行した先達と彼らに育てられた今のトヨタという日本一の会社の歴史と仕事内容に自分の仕事にも活かさなければと襟を正さなければという思いになった。

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    投稿日: 2018.03.20
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    トヨタが、いや日本が誇る「トヨタ生産方式」は、今や日本国内だけでなく、世界中に浸透しています。 その「トヨタ生産方式」とは何か、どのようにして生まれ、育てられてきたのか。トヨタ自動車草創期からの歴史や関わった人物を丹念に取材し、詳細に書かれた本です。 ある別々のメーカーが、同じような部品を使い、同じような機械で車を生産する。でも完成した自動車の品質は違いが生まれる。それはなぜ生じるのかと言えば、生産方式が異なるからだといいます。 限りなく生産性をあげ、品質を高め、コストを下げる。この究極に挑戦し続けるのが「トヨタ生産方式」です。 新しい機械を入れて生産性を高めようという考えを、「トヨタ生産方式」を定着させた大野耐一さんは嫌ったそうです。それはなぜか?人が考えずに機械がやってしまうからだ、とのことです。「トヨタ生産方式」の基本となるのは「自分の頭で考えること」を象徴するエピソードではないかと思います。 トヨタ生産方式は、自動車製造だけでなく、事務作業にも応用でき、本書の内容はとても参考になりました。 「かんばん方式」は、なぜ「かんばん」なのか?本書を読んで初めて知りました。とても興味深い内容ばかりです。

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    投稿日: 2018.03.11