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エリック・バーカー, 橘玲, 竹中てる実 / 飛鳥新社 (89件のレビュー)
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よし
巷で聞く成功法則をエビデンスを元に解説していくユニークな自己啓発本。なんとなくこうじゃないのと思っていたことや、いやいやこれはこうでしょっていう考えを様々な研究や論文を根拠に解説され学ぶことができた。…少々駆け足で読んだので、もう一度ゆっくりと読み返したい一冊だった。続きを読む
投稿日:2024.03.16
さんく
仕事をゲーム化、コントロール感 勝てること 新しい課題 目標 時間を見積もる 短いフィードバック どこかで見切りをつけることが大切 あることで時間を使うということは、他のことをする時間を失…うということ。機会損失 すべてを検討するのは不可能で、自分が納得すれば良いし、そのほうが幸福度が高い。 楽天主義は、目標達成前に満足してしまう。続きを読む
投稿日:2023.09.03
すいびょう
【感想】 自己啓発本は、本によって書いてあることがバラバラだ。やり抜く力が大事と言ったと思えば見切りをつけろと言ったり、外向的な人のメリットを説いたと思えば内向的な人の長所を述べたりと、まぁ当てになら…ない。どれもこれも言いっ放しで終わるため、結局普遍的な成功の法則なんて学び取れない。 本書は、自己啓発本に書かれた玉石混交の成功法則を、すべてエビデンスベースで検証する一冊だ。つまり、様々な本に書かれたメソッドのうち、科学的に研究が進められ、ある程度の評価が得られたものだけをピックアップし紹介している。 例えば、やり抜く力(グリット)と見切りをつける力のどちらが大切なのか。 これは文句なしに、「グリットが大切」である。何事かを成すには、質よりも方法よりもまず回数を重ねなければお話にならない。時間をかけて様々な物事に取り組んだ人のほうが成功しやすいのは明らかだ。 しかし、見切りをつける力も同様に大切である。それは「グリットに代わり」ではなく「グリットと合わせて」真価を発揮する。「〇〇のために●●を諦める」という戦略的放棄は、その分エネルギーを一番大切なものに回せる。大切なのは2つの兼ね合いであり、見切りをつけることでグリットし続けることができる。同時に、グリットし続けると自然とたくさんのことにチャレンジするため、どれを取捨選択するかという「諦め力」が向上してくる。双方の利点を生かすのが一番効果的というわけだ。 本書の内容のほとんどがこのように、「○○vs△△と言われているが、実際には二つの良いとこ取りをするのが一番効果的だよ」という結論に落ち着いている。「善行vs悪行」、「自信vs謙虚」など、項目自体は二項対立だが、その間でバランスを取るような結論に収まる。 大富豪の成功体験が人によって違うように、成功を収めるための道や手法というのは、100人いれば100通りあるものだ。極論を言えば、本書で書かれている「良いとこ取り戦略」も人によっては当てはまらず、どちらかに振り切ったけど成功したという人はごまんといる。そもそも、大富豪や成功者といった統計学上の外れ値に対して「共通する法則を見つけ出す」というアプローチに無理があるのだから、おのずと手堅くて無難なアドバイスに帰着してくる。 大切なのは、本書を読んで大まかに「堅実なアプローチ」を知ったあと、それを自分に合うようにチューンしていくことだ。そうして自ら活路を切り開いてきた者こそが「成功者」と呼ばれるのだから。 ―――――――――――――――――――――― 【まとめ】 0 まえがき 自己啓発本には2つのタイプがある。 ①著者の個人的な経験から、「わたしはこうやって成功した(お金持ちになった)のだから、同じようにやればいい」と説く本 ②歴史や哲学、あるいは宗教などを根拠に、「お釈迦さま(イエスでもアッラーでも)はこう言っている」と説く本 これらの本には、エビデンスがない。 玉石混交なビジネス本を、エビデンスベースで検証して本当に正しい成功法則を見極めるのが本書だ。 1 天才と優等生の育成環境 カリフォルニア大心理学教授のディーン・キース・サイモントンによれば、「創造性に富んだ天才が性格検査を受けると、精神病質(サイコパシー)の数値が中間域を示す。つまり、創造的天才たちは通常の人よりサイコパス的な傾向を示すが、その度合いは精神障害者よりは軽度である。彼らは適度な変人度を持つようだ」という。 私たちは「最良」になろうとしてあまりに多くの時間を費やすが、多くの場合「最良」とはたんに世間並みということだ。卓越した人になるには、一風変わった人間になり、あなたの個性を開花させねばならない。 統計学的にも、 並外れた能力について考えるとき、平均値は何の意味もなさない。重要なのは分散で、標準からの散らばり具合だ。人間社会ではほぼ普遍的に、最悪のものをふるいにかけて取り除き、平均値を上げようとする。だがそれと同時に、分散も減らしている。釣鐘曲線の左端を切り捨てることは、たしかに平均値を改善するが、同時に、左端と思われながら、じつは右端の素晴らしい資質と不可分一体の特性を切り捨てることになりかねない。 では、先天的特性をこれといって持たない我々は、どうやって能力を成長させるのか? ①あなたがもしルールに従って行動するのが得意だったり優秀な人なら、その強みに倍賭けする。明らかな答えや規定のコースがある整った環境で功績を挙げよう。 ②規格外でアーティスティックなあなたは、自分で道を切り開くことだ。 ①、②いずれにおいても、自分という人間のことをよく知るのがよい。自分が得意とし、一貫して望んだ成果が得られているものはなにかを捉えよう。そして、自分ができることを高く評価してくれる組織・環境を選ぼう。 2 いい人と悪い人はどちらが成功する? 短期的には、いいやつより悪いやつの方が成功する。上司は成果よりもゴマすりのほうを高く評価する傾向にあり、同調性の低い人間のほうが平均年収が高めに出ることがわかっている。 しかし、利己的な人は、彼らが成功するために必要な環境そのものを破壊する。長い目で見れば、組織内で利己主義はうまくいかないのだ。 一方で、いい人間はどうだろうか? ペンシルバニア大学ウォートン・スクール教授のアダム・グラントは、「成功」という尺度で見たとき、最下位のほうにいるのはどんなタイプの人なのかを解析した。するとじつに多くの「ギバー(受けとる以上に、人に与えようとするタイプ)」がいることがわかった。しかし同時に、トップの方にいるのもまた「ギバー」だった。マッチャー(バランス型)とテイカー(多く受け取る)は中間に位置する。 最下位のギバーとトップのギバーの違いはなにか。それは、最下位はあまりに利他的すぎて自らを消耗し、テイカーに付け込まれることにある。無私無欲が行き過ぎているのだ。そのため、ギバー活動に縛りを設ける(例えばボランティア活動の時間を制限する)のがいい。 実社会で有用なのは、ギバーとテイカーのハイブリッドである「しっぺ返し戦略」だ。 ①まず協調する。自分からは裏切らず、相手から好かれるよう行動する。 ②無私無欲にはならない。相手にうらぎられたらそっくり相手に返す。 ③懸命に働き、そのことを周囲に(特に上司に)知ってもらう。 ④相手を許す。 3 粘り強いvs切り替えが早い やり抜く力(グリット)は我々に成功を与えるが、見切りをつけることも時に最善の選択となる。 グリットを貫いて成功した人が持つ習性は、「ポジティブな心のつぶやき」だった。何かがあっても楽観的な目線を持つことで、心身が健康になり、目標達成に向けた継続力が生み出される。 一方で、切り替えの早さのメリットはなにか。それは、限界と機会費用を知れることだ。「〇〇のためには●●を諦める」という戦略的放棄を学べば、その分エネルギーを一番大切なものに回せる。 大切なのは2つの兼ね合いだ。グリットは諦めることなしでは成り立たない。私たちはつねに、より多くのものが必要だと考える。もっと助けを。もっと意欲を。しかし、今日の世界では、むしろその逆が正解だったりする。すなわち、より少なく求めることだ。気を散らすものをもっと少なく。目標をもっと少 なく。責務をもっと少なく。優先事項に最大限のものを振り向けるためだが、肝心なのは「何をより少なくするか」だ。 まず、自分がやり遂げる目標を見つけるために、たくさんのことにチャレンジしてみよう。そして何か興味の焦点が見つかったら、自分の時間の5〜10%を小さな試みに当てよう。次に、目標への推進剤として、「5年後には〇〇になりたい」「死ぬまでに〇〇してみせる」といった有意義なストーリーを作ろう。そして、生活や仕事にゲームの要素を取り入れ、問題を小さな課題として再構成してみよう。 これで、試すことと諦めること双方の利点を生かしつつ、目標に向かって行動できる。 4 外向的vs内向的 外向性は、仕事の満足度、給与水準、生涯における昇進の回数などとプラスの相関関係にある。リーダーとして見られるためには、有能かどうかよりまず外向的に見られることのほうが重要なのだ。 そしてビジネスだけではなく、私生活においても、外向的な人は内向的な人より幸せである。外向性と幸せ、もしくは主観的幸福感 (SWB)との関係は、SWB関連の文献でくり返し強固に裏づけられてきた事実の一つである。じつは、外向的な人は独りでいるときも、内向的な人より幸福感が高い。そしてある調査によると、内向的な人が外向性を装っただけでも、幸福感が増すという。 しかし、外向的な人は素晴らしいネットワークから貴重な資源を活用することができる反面、本当に重要だと思うことに十分な時間を使えなくなってしまう。独りで精勤する時間が侵害されるからだ。内向的な人のとびきりの強みは、それぞれの専門分野でエキスパートになれる可能性が、外向的な人よりはるかに高いことだ。『外向性は個人的な熟達度と負の関係にある』という研究がある。要は、外向的であればあるほど、業績が落ちるというわけだ。 とはいえ、どちらの型の人間にもある程度の人脈は大切だ。ビジネスで「人脈」というとうさんくさく聞こえるが、要は「友達作り」と考えればいい。 ・長年の友人たちに久しぶりに連絡を取る ・スーパーフレンドを見つける ・お金と時間を用意する ・グループに参加する ・常にフォローアップする そして人脈においていちばん大切なことは、良きメンターを見つけることだ。 ジェラルド・ロシュは1250名の企業幹部を対象に調査を行い、被験者の3分の2にメンターがいて、そうした役員は平均給与が高く、また自分の仕事に対する満足度も高いことがわかった。「メンターがいる企業役員の平均給与は、メンターがいない者より平均で28.8%高く、ボーナス平均の増加分65.9%と合わせると、現金報酬の額は平均で29.0%高いことが明らかになった」という。 5 自信があることは成功につながる? 成功する人は同業者にくらべて、自己評価が高い傾向にある。研究によると、人は自信過剰なほうが生産性が伸び、より困難な課題に挑戦するようになり、それにより職場で頭角を現すことになる。 ただし、自信が過剰であることは、妄想や高慢さにもつながり、やがて手痛い失敗を招く。 私たちは、能力がないことを嘆くのに多大な時間を費やすが、自信過剰であることのほうがはるかに大きな問題だ。 なぜか?能力がないことは、経験不足な人びとの問題であり、ほかの条件が同じなら、私たちは未熟な者に権力や権威を委ねたりはしない。一方、自信過剰はどちらかというと熟達者に見られる問題であり、そうした者はしばしば大役を任せられる。能力のなさにイライラさせられるのはもちろんだが、無能な者が深刻な被害をもたらすことはそれほど多くない。むしろ取り返しがつかない事態を引き起こしかねないのは、自信なのだ。 また、自信がないことにはメリットもある。謙虚で他者の考えを柔軟に受けいれるため、組織全体を成功に導きやすい。また、自分自身の欠点に目が向くため、自己改善につながる。 というわけで、自信の有無はあてにならない。代わりに、自分への思いやり(セルフ・コンパッション)を重視するのがいい。 自尊心を煽るのではなく、自然体で自己や自分の能力に満足していられたらどんなことが起こるだろう?ズバリ、人から好かれる。過剰な自信が共感性を失わせるのと対照的に、自分への思いやりを育むと、他者への思いやりも増すことが神経科学の研究に よって証明されている。自分を信じることは素晴らしいが、自分を許せることはもっと素晴らしい。 6 仕事かワークライフバランスか 何事かをなすには、とにかくスタミナと時間、向上心、それに労働量が必要だ。寝食を忘れて仕事を楽しむことができれば、人生のすべてが有意義になる。しかし一方で、働きすぎによるストレスと疲労は命を蝕む。 燃え尽き症候群は自分に適していない職業についたときに起こるという。果たすべき役割が自分に合っていないとき、負担が重すぎるとき、あるいは職務が自分の期待や価値観と一致しないとき、あなたに及ぶ悪影響は、ストレスの問題だけではなくなる。恐いのは、ものの見方が変わってしまうことだ。いくら努力しても自分が進歩しないと感じ、やる気を失い、ついには疑り深くなり、悲観的になる。 2014年のギャラップ調査によると、アメリカ人就業者の39%は週に50時間以上働き、18%は60時間以上働いている。こうした残業がもたらす利益は何か?スタンフォード大学の調査によれば、無に等しい。55時間を超過すると生産性は急激に低下するので、「週に70時間働く者は、余分な15時間で何も生産しないことにな る」という。生みだされているのはストレスだけだ。 また、ストレスや残業を減らし、リラックスしてこそ創造性が発揮されることが数々の研究で証明されている。 ワークライフバランスには、「どこで限界を設定するか」という問題が付きまとう。「さんざん働きまくって目標は達成した、ではそろそろ人生を楽しもう」と、いつ判断すればいいのか? まず、計画を立てよう。 ①時間の使い方を追跡調査してみる ②業務の見直しについて上司と話す ③to doリストではなく予定表を作る。to doは所要時間をまったく考慮に入れていないからだ。不要な活動を控え、優先事項に力を入れ、どうでもいい仕事には「ノー」と言う。 ④自分がおかれた状況をコントロールする。ウェブブラウザを閉じ、スマホは別の部屋に置く。雑音をシャットアウトできる部屋で一人で仕事する。 ⑤プライベートのスケジュールもきちんと確保し、退社時間を守る。 7 本当に人生を成功に導く法則はなにか 成功者となるために、覚えておくべき最も重要なことは何だろう? ひと言でいえば、それは「調整すること(アラインメント)」だ。 成功とは、一つだけの特性の成果ではない。それは、「自分はどんな人間か」と「どんな人間を目指したいか」の二つを加味しつつ、そのバランスを調整することだ。 成功の秘訣は、たとえばあなたの強みであるスキルを最適な職務で活かすこと。周りをギバーに囲まれたギバーになること。あるいは、あなたが前進できる形で社会とつなげてくれるストーリー。あなたを助けてくれるネットワークと、あなた本来の内向性、外向性を活かせる仕事。また、ものごとを習得するときも、失敗した自分を許すときも、たえずあなたを前進させてくれるセルフ・コンパッション。そして、多方面で豊かな人生をつくる四要素間のバランスである。 まずは「汝自身を知れ」に尽きる。あなたの増強装置は何だろう?あなたはギバーだろうか?それともテイカー、またはマッチャーだろうか?あなたはどちらかと言えば内向型だろうか?それとも外向型だろうか?自信過剰か、それとも自信不足のほうだろうか? 次に、そうした自分の特性と周囲の世界を最適な関係に調整しよう。まずは自分にとって最適な環境を選ぼう。あなたの増強装置を活用できる仕事を見つけよう。あなたを前進させ続けてくれるストーリーを作ろう。”小さな賭け”をして可能性を広げよう。 なかでも重要な調整は何だろう?自分が望むような人になっていくのを助けてくれる友人たちや愛する人たちとつながることだ。金銭的な成功もいいが、人生で成功をおさめるには幸福感が必要だ。人間関係は、キャリアだけでなく人生そのものを幸せにする。続きを読む
投稿日:2023.07.01
さくら
巷で言われている成功法則について、エビデンスを用いて検証する一冊。 成功者を分析すると、ギバーが多いことが判明した。しかし、一方で底辺にいるのもギバーが多いことが同時に判明する。 これはどういうこと…かというと、自己犠牲を伴うギバーはテイカーに徹底的に食い尽くされるから底辺に落ちてしまう。 しかし、自己犠牲を伴わないギバーは成功するということを表している。 また、有名な囚人のジレンマ実験の話は興味深かった。 自分が裏切った場合、友人が裏切った場合のシュミレーションをコンピューターでしたところ、最も利益を上げたのは、しっぺ返し戦略。 つまり、一番最初は相手に協力するが、相手が裏切った場合は次回は自分も裏切るという戦略。 実社会も同じで、この信頼ゲームは長期にわたって繰り返される。 初回で協力すると早い段階では貧乏くじを引くが、時間が経つにつれて悪者は協力者ほど大きな利益を得られなくなる。評判を大切にした方が良いという教訓。 成功とは、一つだけの特性の成果ではない。 「自分はどんな人間か、どんな人間を目指しているか」の2つを加味しつつ、そのバランスを調整することが大切。 また、成功の定義も人それぞれ。 価値観が多様化した現代において、単にお金持ちであれば成功者とはいえない側面もある。続きを読む
投稿日:2023.02.24
本好きの社長
巷で言われている成功法則は大方間違っている!? 成功法則に一石を投じる内容の書籍。ギバーであっても成功しない。優等生は成功しないなど。 網羅的に書かれており、非常に読み応えがある。
投稿日:2023.02.15
matsum40
洋書にありがちなエピソードトークのつまらなさは、文化の違いということさ。 だからこそ主張の面白さを引き立ててるのかもね。
投稿日:2023.01.08
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