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大城太 / 日経BP (2件のレビュー)
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総合評価:
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植田仁(うえだひとし)
華僑の大富豪に学ぶ ずるゆる最強仕事術 おそらく本書を手にされる方は、華僑の人々がどのような人かはご存知の方が多いと思います。いわゆる世界最大ともいわれる一大民族集団で、その数は5500万人もいると…言われています。日本を含め世界各地に中華街があることを旅行に行った方はお気づきかもしれません。アジアはもちろん、欧米や日本でもコミュニティを形成していて、その影響力は政治・経済など各方面に及び、ビジネスの世界でも大きな勢力を占めています。 華僑がここまで大きくなった理由に、彼らの考え方や仕事術があると、最近注目をあびています。本書ではその一部である、効率よく、肩ひじ張らず、ある意味「”ずる”賢く、”ゆる”-く」仕事をしたとしても、成果が出るくらいの最強の仕事術を伝授してくれています。 著者の大城太氏は、5つの会社の代表を務めるかたわら、ベンチャー投資や不動産投資なども手掛ける。大学卒業後、外資系金融機関、医療機器メーカーで勤務。その後日本で大きな成功を収めた華僑のある大物、「ボス」に師事し、彼の下で修行してから起業し、わずか1年で年商1億のビジネスを展開するようになった方です。 【考え方・行動】 1.歴史は繰り返す 2.やらない選択 3.実践から学ぶ 4.継続力と方向性 【人間関係】 5.人から頼られる 6.謙虚に学ぶ 7.相手を勝たせて勝つ 8.悪口を言わない 1.歴史は繰り返す ~~~ 歴史は繰り返す 時代が変わっても人間の本質は変わらない ~~~ 大城氏が師事した華僑の「ボス」が大切にしていたのが、中国古典でした。中国古典というと、受験で使った漢文・故事といった教養として身に着けておこうといった感じでしたが、世界中で成功を収める華僑たちは、この中国古典からビジネスのヒントを生かして、商売を大きくしています。 ちなみに、歴史は繰り返す、ということは至る所でいわれていることでもあります。最近ではサピエンス全史やホモ・デウスという書籍も本屋に行くと平積みにされており、人々の関心の高さがうかがえます。 2.やらない選択 ~~~ 人生 一分を減省すればすなわち一分を超脱す 人生というものは少しでも減らすことを考えればそれだけ俗世間から抜け出せる ~~~ これは至る所でいわれているので、説明不要だと思いますが、何をやるべきか?という優先順位をつける必要があるということですね。本来の自分の目的に沿った行動に集中するからこそ、”ずるゆる”で仕事を進められるのだとも思います。 3実践・学習 ~~~ 人はすべからく事上に在って磨くべし(伝習録) 自分を磨くならばぜひ実践をして鍛錬すべきだ ~~~ ただ知識として覚えるだけなら簡単だが、それを実践しようとするとなると思うようにならないことも多い。しっかりと身にしたいのであれば、学んだら即実践を心掛けたい。私も当初そうだったが、たまに知識を詰め込んで保証を求める人もいるが、私たちの人生の教科書がないように、字面だけ追っても結局表面的で実用的ではないことが多い(知識があるに越したことはないとは思う) ~~~ イノベーションよりリノベーションが現実的 他の人のアイデアをどんどん活用して効率よく壁を乗り越える ~~~ また、実践する際になんでも「新しいものを!人がやったことがないことを!!」という人もいるが、華僑の考え方としては、「使えるものは使おう!」という感じらしい。結局何を気にしているか、ということで、目標必達が必要であるなら、むしろ既存のものを使えることをありがたいと思うだろう。 たまに、マネすることは悪いこと、のように刷り込まれている人もいるが、現在の世の中のもので全くの新しいものがあるのだろうか、と逆に思ってしまう。 学問は先人の方の上に載っていることはわかりやすいと思うが、実は芸術やスポーツなどの分野でも先人の経験や技法をうまく使うことで発展してきたし、発展している。 ちなみに、かの有名なAppleだが、Appleも別に最初からつくられた純正ではない。模倣の達人とまで言われていたのをご存じだろうか。スティーブ・ジョブズも「素晴らしいアイデアを盗むことに我々は恥を感じてこなかった」と明言している。 4継続・方向性 ~~~ 長い目でみれば成功するために重要なのは才能の優劣よりも努力の継続 力むことなく継続すること やらないことを継続する 自分の意思力を過信しない 自分の感情は言葉を出して操る 批判否定されても落ち込まない やらかしてもいいと割り切って動いて修正を繰り返す 成果は平凡でもやめなければ、その道の一流の人に近づける 楽しむものへの関門停滞期に努力をやめないことが大切 ~~~ ここで、なるほど、と思ったのが、「力むことなく継続する」「自分の意志力を過信しない」ということである。確かに、継続は力なり、ともいうが、それには継続する必要がある。いつも肩ひじ張って力んでいてはなかなか継続しにくいというのは実感でもある。怠けることを承認するわけではなく、ひたすら努力する中に一時の休息を入れるという感じかなと個人的には思っている。 また、人の意思は意外に弱いもので、感情にリンクすることも多い。私も今でこそ色々経験する中であまりブレなくなったとはいえ、完ぺきではない。逆に感情は行動に連動もするので、感情を操るために言葉を操ることも重要だが、意思が弱まったときにも動き続けられるような仕組みや環境を作っておくことが個人的にはオススメである。 4.方向性を誤らない ~~~ 馬良しといえども、これ楚の路に非らず 戦国策 馬がいいといってもそもそも道が目的地の楚の国へ行く道ではない (進む方向を間違えていれば、能力が高いほど目的から遠ざかる) ~~~ この故事は初めて知ったが、かなり面白い。単に能力が高ければいいわけではなく、その能力を目的のために使えるような状態を作ることを意識する必要があると改めて学んだ。 【人間関係】 ~~~ どんなビジネスでも人と人との関わりがあり、お金も人を介して流通するものです 生産に関しては結局は人間関係の基本であるコミュニケーション力がものをゆうと華僑は考えている ~~~ 人の悩みのほとんどが人間関係に起因する、と言われているように、あらゆる物事のベースには人間関係があると、私も学んできたし、それはその通りだなと実感もしている。人間関係で仕事をすることを嫌う人が一定数いることも確かだが、誤解されることを恐れずにいうと、そういう人はたいてい不平不満ばかりを言う側にいる人が多い気がする。 5.人から頼られる ~~~ 人に利用される=人を利用できる お人好しと言われるほどに利用されて自分の価値を高める 大徳は小怨を滅ぼす 春秋左氏伝 受けた恩が大きければ小さな恨みは消えてしまう ~~~ お人好しと言われるほどに利用されて自分の価値を高める、というのは新しい発想で会った。「利用される」とは自分が下の立場になると思い、どうしても嫌な気持ちになることが多かったが、それも短期的に今を見るからであって、長期的な視点で考えると、また違う見方になる。 6.謙虚に学ぶ ~~~ 智を去りて明有り 賢を去りて功有り、勇を去りて強有り 賢い君主は自分の知恵才能勇気をひけらかさず、部下にそれらを発揮されることによって良い結果を得る 知りて知らずとするは尚なり 知らずして知れりとするは病なり(老子) しっていてもしらないことにするのは尊いことだ 知りもしないのにしているというのは悪癖だ ~~~ 大きな成果を望むのであれば、最終的には自分以外の人と力を合わせていく必要がある。むしろ、自分がいないときにも仕事が回る状態を作る必要があるので、もしあなたが目立ちたがり屋であっても、いつかは敢えてスポットライトを浴びない選択をする必要が出てくる。 自分が一番謙虚に学び行動しているにもかかわらず、部下や仲間をたてるから、人からの信頼も厚くなっていく。 7.相手を勝たせて勝つ ~~~ 己立たんと欲して人を立て 己達せんと欲して人を達す 論語 自分が立ちたいと望めばまず人を立たせ 自分が達成したいと望めばまず人に達成させる ~~~ 華僑の常套手段らしい。普通はまずは自分が!となりそうだが、そういった時ほど相手を優先することで、言い方は悪いが、恩を売ることができる。よくよく考えるとかなり合理的だが、ある程度物事を長いスパンで考えられる必要がある。また、自分が完全に溺れているときに溺れている人を助けられないので、少しは余裕がないとこの選択肢は取れないのかなとも思う。溺れているところから、何とか川岸にたどり着いたときに先に相手に上がっていいよ、というくらいでないと、自分が溺れ死んでは元も子もない。 8悪口を言わない ~~~ 君子は交わり絶ちても悪声を出ださず 史記 立派な人は交友関係を絶っても相手の悪口を言わないものだ 悪口にはありがとうと決めておき、周囲からの評価を高める ~~~ これはもう、仕事云々以前の話である。吐いた唾は自分に返ってくる、と私も教えてもらってきた。結局悪口ばかり言っていると、悪口ばかり言う人が自分の周りに集まってくるし、自分の評判は落ちるし、いいことがない。私の場合、本当に言いたいときにはあえて本人の目の前でちゃんと言うようにしている。そうすることで、コミュニケーションがとれるし、お互いに良くなるような方向で話すこともできる。これは仕事でもそうだが、直のフィードバックや相手の反応を楽しめるようになると、いろいろと捗って面白くなってくるので、ぜひともやってみてほしい。 私自身も、学びを実践し、経験として蓄積していきます。続きを読む
投稿日:2019.01.17
たくぼん
このレビューはネタバレを含みます
著者の書き物は日経ビジネスオンラインで知った。 なるほどなと思うことも多かったので、本書を購入した次第だ。 書かれている事は、よくある自己啓発書のような形ばかりのものではなく、実践しやすい感じで示唆されている。 生産性を上げるには、まずは止める事。これは、そうだし、新しい話ではない。そして、コミュニケーションをとることだ。とある。これは、目が覚めた。なるほど。コミュニケーションを上手くとっておき、良好な関係を構築しておけば、無駄な説明や衝突は最小限に抑えられ、短時間で成果物は出来上がるだろう。 その他の示唆する内容も、コミュニケーションが大事だと言うことが多い。うまくコミュニケーションをとるためには、競争相手に花を持たせよとか、けんかするな、とか。 また、事前のQAなどにも手をかけるな、ということだ。それは、いくら手をかけても、想定外のことは必ず起こるし、それと、やはりとっさの返しなど、経験をつむのがよいとのことだ。 何かと参考になることが多かった。これから会社人生を始める方などが読むのもよいが、ある程度、社会のこともわかってから、30代の方が読むのが、一番、実践できることが多い気がする。
投稿日:2018.10.11
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