【感想】はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児

沖田×華, 君影草 / 本当にあった笑える話
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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7
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  • 子を持つ全ての方、これからを考えてる方向け

    原作者の実体験を、透明なゆりかごの沖田×華さんが描き起こしたマンガです。
    健常者と障害者のハザマである“ボーダー児”とその親の歩みを、実話に基づいて誕生から中学生になるまで収めてあります。

    子を産んでの葛藤や、離婚、公的機関を頼れないツラさ、それらを自分一人で飲み込んで子供を支える主人公。悩みながらも子供に最良の道を模索し続ける様は、子を持つ親やこれからを考えている方なら誰でも共感できる所が多い作品だと思います。
    ハードな内容ですが、沖田×華さんの独特の表現によって、淡々と語られたり笑いに変えられています。なので読後は重い気分にはならず、爽やかで前向きに自分の人生や子供について考えるキッカケになりました。
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    投稿日:2016.08.02

ブクログレビュー

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  • 高坂凪穂

    高坂凪穂

     私は発達障碍の疑いが強く(精神保健福祉手帳も取得しました)、子供もいないので、ヨシ君の立場で読みました。80~90年代に暗黒の小学生時代を送ったのを思い出してしまい、読んでいてとても辛かったです。私の小学生時代は「発達障碍」という概念自体があまり世間一般に伝わっていなかったので、周囲が冷たいのは仕方が無いのですが、今作は1996~2008年までの話なので、ある程度「発達障碍」が世間にも知られるようになった2000年代にもこういう扱われ方をされているのを知って、暗澹たる気持ちになりました。
     母親である君影草さんが大変なのが伝わりました。同じ発達障碍を持っている子供の母親からも理解されないのは辛いですよね。君影草さんを責めている人もいるようですが、ヨシ君の療育手帳を取得しようと頑張ったりして、私からは最善の事を限界までやっているように見えましたよ。私も「何で進学校?」と疑問を持ちましたけれど。「発達障碍者は睡眠障碍になり易い」とよく言われますが、私も睡眠障碍を抱えているので、実感で理解出来ます。家ではリラックス出来ない気持ちは分かるけれど、不倫で離婚する夫は最低。自傷するヨシ君を見るのが辛かった。小児科医や保育士や小学校教師が不勉強なのに憤慨。「ウチの学校に傷が付くので転校させろ」の一点張りの教頭や5年生以降の担任は最悪。「知能指数や発達障碍の事は隠して他所へ行け」という言葉は信じられない。何でそんなに学校がヨシ君を邪険な扱いにするのか理解出来ない。他害といっても友達があだ名を付けようとした時に噛み付く程度でしょ。友達と仲良く出来るし、女の子と遊べるでしょ。他害が酷くて、周囲が迷惑しているなら話は別ですが。それからヨシ君の自信が付くように塾に行くのですが、それはかなり重要な事で、幼少期に適切な教育が受けられるのが重要。子供時代にまともな教育を受けられず、30過ぎても社会不適応状態の人間が言うのだから間違いないです。T健康学校の先生の優しさに思わず涙。東京都発達障害者支援センター(TOSCA)センター長の山崎順子さんのコラムがとても勉強になったので、もっとコラムを読みたかったです。
     立ち読みで済まそうと思っていましたが、あとがきに「この本が売れたら続編が出るかもしれない」と書かれていたので、1冊買いました。続編を希望します。病気のデパートのような君影草さんの体調が良くなりますように。
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    投稿日:2023.11.15

  • マヌルネコ

    マヌルネコ

    「発達障害」という言葉がほとんどきかれなかった頃に教育について学んでいました。
    ヨシ君の幼少期時代よりもさらに一昔前です。
    学生活動の一環で、IQは低くないけれど学校での授業がきちんと受けられない子たちの補習に付き添ったりしていました。
    当時の教育現場では
    「養護学校に行かない(行けない)のなら、いかに普通学校で普通にしてもらうか」
    が重要課題であって、特性に合った寄り添い方をするなんていうのはほとんど考えられていなかった気がするし、私自身も「”普通”にできるように矯正する」のが正しい行いと考えていたと思います。

    「IQ低くないのに色々できないのは親のしつけのせい」と全力で思っている人が教育現場にもそれなりにいたから、この漫画に出てくるムカつく人たち(教頭や5年生の時の担任など)のヨシ君への苛立ちも少しわかって嫌になります。

    だからこそ、ここ数年の発達障害や周辺ボーダーへの理解が少しずつひろがっていっていることに安堵もしますが、今もヨシ君時代(私が学んでいた当時よりは少しはマシになっているように感じた)と大して変わらない問題は数多あるようで、理解と実務はまた別な話になっているんだなと思うとやり場のないモヤモヤをおぼえました。

    個人的には、中学の支援学級でどういうことが行われているのか少しだけ垣間見られて興味深かったです。
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    投稿日:2023.09.03

  • midnightwakeupper

    midnightwakeupper

    ☓華の弟も知的ボーダーだが、彼女はその語を知らなかったと。
    沖田✕華のアシスタント女性の実話。ただでさえ乳児は手がかかるが睡眠障害児を持つ苦労は並ではない。夜も昼も寝られず、安アパートで父親も堪らんが御近所まで「なんとかして」と言ってくる。マンションを購入したが、児には発達障害もあることが判明。父は逃亡、シングルマザーとなる。学習障害も根気よく指導すれば…人名を選択的に不覚/発達障害は「人の立場が理解できない」「言葉を文字通りに受け取る」というアンマッチがあるという。というと、ボーダー児に杓子定規な条文解釈を適用したビューロクラシーは我々の社会の病気ではないか?続きを読む

    投稿日:2022.12.22

  • 永杜

    永杜

    基準に達してくれていれば、話は早いし
    精神的にも楽になるけれど、そうでない場合。

    漫画なのでさくっと描かれていますが
    これが毎日続くとなると…辛いものがあります。
    子供が己でいるため、どう親は手を尽くせばいいのか。
    正解がどこなのかもわからない状態なので
    どうすればいいのか、さっぱりです。

    目指すべきは、親がよかったと思う環境と
    本人の笑顔、でしょうか?
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    投稿日:2022.01.31

  • 茶柱たつこ

    茶柱たつこ

    別の本で知的障害の手帳をもらう基準IQが下がったため、狭間で取り残されてしまう人が増えた、という話を読んだ。
    本人に合った療育がいかに大切か。
    それは本人の将来だけでなく、支える社会そのものにも影響するのだ。
    お母さんは頑張った。
    当事者ではないから全てを理解できるわけではない。だからこういう事例をたくさん知って想像力を働かせていきたい。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.10

  • nakahiyo

    nakahiyo

    ボーダーのことがよく分かりました。
    周囲の無理解の中、本当に過酷な日常だ…と。

    お子さんが大きくなったとのことで、
    心労は絶えないかもしれませんが、
    ぜひご自身の幸福のために時間を使ってほしいな、と心から思います。続きを読む

    投稿日:2021.07.13

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