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水島広子 / 創元社 (8件のレビュー)
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総合評価:
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mishuranman
このレビューはネタバレを含みます
付き合っていく上での否定しない言い方は大変役に立つ。そんな風に感じさせることしてしまって本当にごめんなさい。辛いでしょうね。あなたの言っていることを心から聞きたい。怖いと感じてしまってきちんと聞けない。距離をとることがありうる。気づいてあげられなくてごめんなさい。そんな気持ちにさせてごめんなさい。本当につらかったね。これからはもっと安心してもらえるようにする。健康な人として扱うことは不適切な言動は不適切とみなす。コントロールできなければ親しい関係を維持することはできない。トラウマを思い出すことは前進。安全な環境基本的な生活を維持する。乗り越えるのが難しい役割の変化であって傷ではないととらえる。新しい役割への適応。 加害者への怒りは絶望感とのセット。悲哀のプロセスの一部。間違った行為をしたから謝るのではなく、本人に孤独な体験をさせたことを謝る。本人がそう感じた以上、そう感じてよい。それは尊重されるべきだ。そういわれてどう思ったかを聞く。
投稿日:2023.04.05
ぽんだな
トラウマを抱えることで独特の発想や防衛反応があることから、本人と周囲の人との通常の会話にずれが生じていって人間関係が壊れていくさまが手に取るように書かれている。このような視点からトラウマの怖さと困難を…鮮やかに書き出している本はほかに類をみないと思う。著者はほかにもトラウマPTSDの本を書かれているが、人間関係の維持の困難さという視点ではこの本が一番秀逸だと思う。 トラウマといえば覚醒亢進症状などに目が行きがちだけども、本人の支援という点では、こうしたトラウマ独特の反応(思考の在り方)によって人間関係の維持ができなくなっていくということが本当に怖いことだと思う。続きを読む
投稿日:2016.11.06
YOSHIKO
すごく参考になった一冊で、トラウマ反応で対人関係に起こりうる問題からのアプローチが詳しく書いてあるので、当事者にも支援者にも読んで欲しい一冊。
投稿日:2015.11.01
tamami
著書の中で紹介されていた「医学モデル」について、トラウマと向き合う心得のようなものを感じました。 ≪医学モデル≫ その人がかかえている問題は、治療可能な病気の症状だとみなす考え方。 「病者の役割…」とセット。 病気の症状には責任を負わない代わりに、自分の病気を認め、治療を受ける義務が生じる。 自分のトラウマが、風邪なのか喘息なのか…それによって治療方法が変わってくると思います。 本来の自分自身の生きるエネルギーを取り戻す作業が治療となります。 もしかしたら、自分でもいやだなぁ~って感じる自分。いつも堂々巡りで同じことで失敗していたりする事があるとしたら。。。 もしかしたら、それはトラウマなのかもしれません。 健全な状態になるために、そういう観点から自分の感情を観察してみるのもいいかもしれないと思いました。続きを読む
投稿日:2012.12.16
kirimisakana
星5つの理由は、比較検討できるほど同一ジャンルの本をよく読んでいないので、 ・情報の偏向や、読者を(治療目的以外での)操作をするような文言があるかどうか? ・救われたい人を適切に導くのではなく、救われた気分にするための本じゃないのか? で判断しました。 この2点において、星5つです。医学的見地から見たお話、特に専門家個々の異論は、一切関知しません。 今まさに深刻なPTSDに困っている人で、 ・身近な人も当てにならず、 ・まして何か治療を受けるなんて! と思っている人には、一読をおすすめしたい良書です。 過去のPTSDや、「なんとなく乗り越えたと思っている」人でも、 ・時折すごく自分の感情を扱いづらい ・時折嫌な記憶に苦しめられる と思っている人にも、一読をお勧めしたい書です。 何故なら、 「私はPTSDなのか、そこまで行かないけどやはり何か後遺症があるのか、あるいは別の精神病ではないか?」 と判断したいとき。 素人の判断は危険極まりない。 新聞のコラム程度の情報量では、判断材料が足りない。 かといって、タイトルに「!」や「?」が踊る本の類は、信用ならない。 この本は、『判断用の背景情報』としてお役に立つと思います。 「回りにいる誰かはPTSDなのかも知れない」 「ちょっと解らないけれど、もしかして」 「でも、聞いていいことなの?どうやって尋ねればいいの?」 と考える際、『友人/知人/隣人は、どんな風に接したらいいのだろう?』と考えることでしょう。 平易な言葉で事例紹介(当然、個人情報には配慮されてますよ!)している本でもあります。 PTSDに苦しむ人の多くは、周囲の『無知・無理解』が二次災害です。 「いやいや、よく知らないし」 「私本当に普通なんで、わからないから」 という世間的には当たり前の反応すら、『拒絶』というカタチになってしまう(こともあります)。 興味本位でも何でもいい、とにかく知って欲しいと願っています。 知らずに『悪意なき拒絶』を突きつけるより、 「知った上で、何をするか。何を言うか。」 とお考えになってみてはいかがでしょう。
投稿日:2012.05.12
asucallbin3
トラウマ体験は 基本的には孤独の体験です。 トラウマ体験そのものの衝撃だけでなく そのときに自分が全くひとりぼっちだと感じることも 重要な特徴です。 そもそもトラウマは過去に起こった体験によって起こっているもので 過去を変えられない以上、トラウマとの折り合うと言うことは その「受け止め方」を変えることによってしかありえません(心的事実の再構成) ■変化の中で起こる感情が強すぎてコントロールできない 自分の感情が強すぎてコントロールできないと感じると 「自分への信頼感」を失います。 自分が大丈夫だとは思えなくなり 自分はどうなってしまうのだろう、と怖くなります。 トラウマは強い恐怖や怒りなどを伴うことが多く、 その圧倒的な感情が怖いために 思い出すことを回避したりすることになります。 思い出すことを回避すると、「慣れる」ということができなくなり、 トラウマ体験を乗り越えることが それだけ難しくなります。 また、「慣れる」という意味だけではなく 「役割の変化」を乗り越えるためには 自分の感情にふれることに 大きな意味があります。 「役割の変化」という「遭難状態」から立ち直るためには 自分の現在位置を知ることが とても大切だからです。 自分の現在位置を知るとは どういうことかというと 「今、起こっていることが、自分にとってどういう意味があることなのか」を 知るということです。
投稿日:2012.04.14
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