対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD 問題と障害の正しい理解から対処法、接し方のポイントまで
水島広子(著)
/創元社
作品情報
シリーズ第5弾。「トラウマ(心的外傷)」という言葉は今や日常語として、「私にはトラウマがあって」などと話す場面も珍しくありません。けれども、トラウマとは何か、その結果何が起こるのか、どう対処するのが適切なのか、ということについてはまだまだ正確に理解されているとは言えません。本書ではこの障害の正しい理解と、対人関係療法の視点から対処するアプローチをやさしく解説していきます。
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この作品のレビュー
平均 4.3 (8件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
星5つの理由は、比較検討できるほど同一ジャンルの本をよく読んでいないので、
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・情報の偏向や、読者を(治療目的以外での)操作をするような文言があるかどうか?
・救われたい人を適切に導くのではなく、救われた気分にするための本じゃないのか?
で判断しました。
この2点において、星5つです。医学的見地から見たお話、特に専門家個々の異論は、一切関知しません。
今まさに深刻なPTSDに困っている人で、
・身近な人も当てにならず、
・まして何か治療を受けるなんて!
と思っている人には、一読をおすすめしたい良書です。
過去のPTSDや、「なんとなく乗り越えたと思っている」人でも、
・時折すごく自分の感情を扱いづらい
・時折嫌な記憶に苦しめられる
と思っている人にも、一読をお勧めしたい書です。
何故なら、
「私はPTSDなのか、そこまで行かないけどやはり何か後遺症があるのか、あるいは別の精神病ではないか?」
と判断したいとき。
素人の判断は危険極まりない。
新聞のコラム程度の情報量では、判断材料が足りない。
かといって、タイトルに「!」や「?」が踊る本の類は、信用ならない。
この本は、『判断用の背景情報』としてお役に立つと思います。
「回りにいる誰かはPTSDなのかも知れない」
「ちょっと解らないけれど、もしかして」
「でも、聞いていいことなの?どうやって尋ねればいいの?」
と考える際、『友人/知人/隣人は、どんな風に接したらいいのだろう?』と考えることでしょう。
平易な言葉で事例紹介(当然、個人情報には配慮されてますよ!)している本でもあります。
PTSDに苦しむ人の多くは、周囲の『無知・無理解』が二次災害です。
「いやいや、よく知らないし」
「私本当に普通なんで、わからないから」
という世間的には当たり前の反応すら、『拒絶』というカタチになってしまう(こともあります)。
興味本位でも何でもいい、とにかく知って欲しいと願っています。
知らずに『悪意なき拒絶』を突きつけるより、
「知った上で、何をするか。何を言うか。」
とお考えになってみてはいかがでしょう。投稿日:2012.05.12
このレビューはネタバレを含みます
付き合っていく上での否定しない言い方は大変役に立つ。そんな風に感じさせることしてしまって本当にごめんなさい。辛いでしょうね。あなたの言っていることを心から聞きたい。怖いと感じてしまってきちんと聞けない…。距離をとることがありうる。気づいてあげられなくてごめんなさい。そんな気持ちにさせてごめんなさい。本当につらかったね。これからはもっと安心してもらえるようにする。健康な人として扱うことは不適切な言動は不適切とみなす。コントロールできなければ親しい関係を維持することはできない。トラウマを思い出すことは前進。安全な環境基本的な生活を維持する。乗り越えるのが難しい役割の変化であって傷ではないととらえる。新しい役割への適応。
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加害者への怒りは絶望感とのセット。悲哀のプロセスの一部。間違った行為をしたから謝るのではなく、本人に孤独な体験をさせたことを謝る。本人がそう感じた以上、そう感じてよい。それは尊重されるべきだ。そういわれてどう思ったかを聞く。続きを読む投稿日:2023.04.05
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