0
有吉佐和子 / 新潮文庫 (14件のレビュー)
レビューを書く
商品詳細ページへ戻る
総合評価:
orincyan
1
考えさせられる秀作
都会と僻地の格差、自然と人間の共存など、いろいろなことを考えさせられる秀作です。 かといって決して暗い話ではなく、明るいタッチで描かれた文章に思わず微笑んでしまうことも。読んだ後に私も黒島に渡ってみた…いなあとふと思ってしまいました。続きを読む
投稿日:2014.10.27
報告する
"powered by"
しん
現在の地方の人口流出や、逆に身近なものも含めての自然への憧れなどと重ねられた。家族や一家について、民俗的な変化を調べているところなので、そことも重なった。つまり親子世帯で二拠点のような世界があったし、…自然の脅威などが第三の現実というか非現実(バーチャル)だった。今はその「第三の気持ち(第三の顔)」がネットの中やキャラ設定などになっている。そうなる前の、自然な私たちの三点世界がどのようなものだったのか、まだその時代にはあったのだろうと感じられた。 60年代に、戦後の発展がまだ行き届いていない昔の暮らしが日本の辺地にあったこと。そこから都市に住み何かを忘れただけでなく、人造構造の中から何かを作り出し続ける、身体が失われた状態の経済社会があぶり出されたように思えた。 余談だが船のシーンは伊豆の踊り子を思い出した。しかし船で帰るからだろう。今の僕は旅に行きなれてしまって、帰るのが名残惜しく思う心を忘れている。そんなところも懐かしかった。続きを読む
投稿日:2024.05.29
0107springsteen
女性と地域というこの作家の特徴(と思われます)ははっきりとありますが、女性が異邦人であるためか、他の作品と比べると濃密さに欠けていて、出来が落ちている気がする。 主人公である女性の土俗的な強靭さとでも…言うんでしょうか、この作品にはそれが不足しているのかなぁ。続きを読む
投稿日:2023.02.02
jooo
ピンクのニューロンのワンピースがキーアイテムとなって進んでいく。 最後の万里子から黒島への手紙がじーんとくる。 時代は違えど都会に住む自分にとって、ブレーキの効かない欲望にまみれた社会や人の流れ…に流されそうになる。 "(都会のわたしたちは)、どうしていいかわからないから、華やかすぎる夢を追うか、でなければ無茶なことでもしでかしてやろうと、血気にはやるんです。" "忘れない、ということは、ただ覚えているということではなく、これでいいのか、と問い続けることであろう。"続きを読む
投稿日:2022.07.06
debuipipi
小説としては上出来とは言えないと思うが,50年前,昭和の半ばの離島のルポとしての価値はある.離島だけではなくて大都市圏以外では多かれ少なかれこういう問題はその当時あったのだろうと推察する.
投稿日:2019.08.18
mcpekmaeda
快作です。明るい筆致でテンポよくストーリーが展開し読後感も悪くありません。高度成長期、変貌を遂げつつある都会に比べて、取り残される地方。郷愁と昔日から学ぶべきこと。分かりやすいセッティングですが若く前…向きで清涼感があります。 長い停滞期を経て価値感も多様化した今日、この本を読むと、この時代の若々しい息吹が妬ましく感じます。続きを読む
投稿日:2019.08.04
haruyato
鹿児島から四日に一度しか船便の無い離島に自棄旅行で来た女優の卵の成長物語。 60年代の離島の現実がエンターテイメント性の高い小説の文章の端々を通じて描き出された、社会派としての有吉佐和子の実力の高さを…垣間見せる逸品。続きを読む
投稿日:2016.09.15
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。