【感想】「聴く」ことの力

鷲田清一 / CCCメディアハウス
(29件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 人生≒本×Snow Man

    人生≒本×Snow Man

    他者の他者として初めて自覚させられる「自分」。〈聴く〉ことがそのまま哲学の実践である。考えさせられる論述が続く。メルロ=ポンティ、レヴィナス、フランクルの言葉がつながり、示唆的である。

    ・反方法。エッセイ。
    ・客は今の時代、侵入になってしまう。家父長制の時代はそうではなかった。
    ・苦しみに苦しむ自分。苦しみに目を背けることはできても、苦しみであることは認識せざるをえない人間という存在の不思議。
    ・存在の世話
    ・「どっちつかず」と仲介性
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    投稿日:2022.01.17

  • takeshishimizu

    takeshishimizu

    哲学書は難しい。特に翻訳物は読みにくい。始めの10数ページを読むと放り出したくなる。でも、見栄をはって本棚には並べておきたい。しかし、哲学のイメージも少しずつ変化してきている。哲学書がベストセラーに並んだりする。本書の著者は哲学の前に、臨床ということばをつけてみた。臨床、すなわちベッドサイド。医学に、心理学に、教育学にも冠される。このことば、哲学には似つかわしくない。なぜなら哲学は語るものだから。誰かに寄り添って、話を聞くのは哲学とは呼ばれなかったから。しかし、著者はそこに変更を求める。哲学を、直接人のためになるもの、社会と結びつくものに変えようとする。ただ傍らに座って、相手の話を聴く。そしてそれを受け入れる。説教をするとか、アドバイスするとかいうのでなく、単に受け入れる。それ以上でも、それ以下でもなく。それが途方もなく今にも崩れ落ちそうな相手のこころを和ませる。しかし、著者の思惑とははずれて、本書にもやはり哲学書の難解な文章がちりばめられている。しかし、本書で言いたいのはただ一つ。相手の話を聴くこと。ただ一生懸命に聴くこと。それ以上でも以下でもなく。ただそれだけ、と私は受けとめている。そういう意味で、深くこころに残る本となった。しかし、「しかし」が多い文章になってしまった。ああ、また「しかし」が2つ(3つ?)増えた。続きを読む

    投稿日:2015.11.15

  • radio24km

    radio24km

    哲学が臨床の現場で、どのように関わっていくかについて語られていて、言葉がやさしい本だった。植田正治の写真と、鷲田清一の文章の組み合わせは少し繊細過ぎる印象もあるけど、語られている状況はとても身近に感じた。続きを読む

    投稿日:2015.08.29

  • すう

    すう

    哲学という学問を、「上空飛翔的な非関与的な思考としてではなく、じぶんが変えられるという出来事として」、「臨床哲学」というものを、「他者」をキーワードにして試みようとする。
    哲学という学問分野における「エッセイ」が果たす枠割というものも、たいへんに興味深いものがあった。続きを読む

    投稿日:2014.11.29

  • クトーエタ

    クトーエタ

    非常に読むのに時間がかかった本。話の半分も理解していないが、そもそも理解すること以外にも文章のリズムを楽しむ本ではないかと感じた。聴くことによって、他者を感じているのではなく、自分自身を鑑みているということを学んだ。何回も読むしかない。続きを読む

    投稿日:2014.06.21

  • kurizoh7

    kurizoh7

    聴き方テクニックのような本と勝手に思い込んで読んだところ、聴くということの大事さを臨床哲学の観点から紐解くという、かなり難解な内容で、読み進めるのに難儀しました。あとがきの内容が一番分かりやすかったような気がします。続きを読む

    投稿日:2014.06.19

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