【感想】自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体

本田秀夫 / SBクリエイティブ
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
8
7
3
0
0
  • 特徴がわかりやすい

    発達障害に20余年関わってきた著者の「自閉症スペクトラム」の特徴とその対処の仕方が中心に書かれた本です。

    本は、「自閉症スペクトラム」の特徴と対処の仕方を非常にわかりやすく書いてあるのですが、精神疾患や精神障害は見た目で判断できないため、
    健常者はいろいろ誤解をしてしまうし、周囲にかなりの数の理解者がいないと、協調してやっていくことが難しいと感じました。

    「自閉症スペクトラム」の方は、接客や曖昧な指示が苦手なので、人と関わりの少ない仕事を与え、曖昧な指示をせず、
    できれば図を用いて説明(提案)するといったことは、会社組織の中では一人の理解者がいてもなかなか実現でき内容に感じました。

    しかし何といっても驚きは、この著者自身が「自閉症スペクトラム」(非障害ではありますが)だということを書いていらっしゃる点です。
    医者にまでなって、著書まで出して、発達障害者の治療までしている方までもが自閉症スペクトラムでした・・・というのは、衝撃的でした。
    これは、性格なのか病気なのかわかりやすい本なのに、ちょっとなんだか分からない感じなっています。

    そういう意味では、まだ「自閉症スペクトラム」を理解できていないかな・・・。
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    投稿日:2016.05.21

ブクログレビュー

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  • すみすま

    すみすま

    思春期前の小学生時代は保護的環境で十分に自信をつけさせるのが良い。人に相談して解決したという経験を積ませる。意欲の貯蓄をしていく。特訓(苦手なこと)はこの時期に不要である。

    特別支援教育(支援級や放課後等デイサービス)など普通級以外の複数の居場所があることが子どものためになっていると実感。インクルーシブ教育は皆が皆同じことをするのが良いわけではない。ASDの子にはその子に合った進捗度合いで教育を受けることがよい。

    とても参考になった。
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    投稿日:2023.05.11

  • ナマケモノ

    ナマケモノ

    いわゆる自閉症のみならず、非障害自閉症スペクトラムにも重きをおいて話を展開しており、身に覚えがある人も多いのではなかろうか。
    かくいう私もその一人だったりする。

    特性を知ることは自分を知ることであり、自分がより生きやすく、より幸せになるための最短経路である。
    今困っていなくとも環境が変われば困ることがあるかもしれない。その時のためにも、周りの人への理解という目的でも、本書を読むことには価値があるだろう。

    ✏あるときは仲良くしつつも、別の場面では競争する、という対人関係は、自閉症スペクトラムの子どもたちにとって、矛盾に満ちているのです。

    ✏感覚の異常は、過小評価されがちです。もともと自分の感覚機能を他人と比較することは難しい上に、自閉症スペクトラムの人たちは、他者と自分を比較することへの関心が低いため、他者に比べて自分の感覚機能が異常である、と気づきにくいところがあります。また、周囲の人も、自分にとって平気な感覚がとても苦手な人が存在するということに、ピンとくることが難しいのです。

    ✏自閉症スペクトラムの人は、おそらく潜在的には人口の 10%はいると思われます。ただし、過半数は、成人期には非障害自閉症スペクトラムになる可能性が十分ある人たちかもしれません。典型的な自閉症は、この中のごく一部で、人口の 0・ 3%程度だと思われます。

    ✏幼児期に近い時期の支援者たちがボトムアップで頑張ろうとするのは、目の前の子どもが将来どうなるのかという見通しが持てていないからに過ぎません。

    ✏どんなに小さな年齢であっても、将来どのような状態になる可能性があるか、ある程度の目安を示すことができるのが専門家です。それを念頭に置きながら、トップダウンで育児に取り組んでいく。これが最良の支援です。そして、そのスタートは、早ければ早いほどよいのです。

    ✏自閉症スペクトラムの人たちが物心つくのは、思春期であると考えられます。

    ✏物心がつく前に特訓を強要されると、心の健康を損ねます。

    ✏だから、「一人でできる」ことだけが目標ではなく、「人に報告ができる」、何かあったときに「人に相談ができる」ということが大事なのです。そういう習慣が身につくためには、「何かを人と一緒にやって、よい結果に終わった」という体験をする必要があります。

    ✏子どもが混乱したり、パニックになったりしているときに、「しっかりしなさい」という対応ではなくて、「かわいそうだね」「こんなふうに思っているのだよね」などと共感してあげると、子どもが自分で立ち直る。

    ✏自閉症スペクトラムの人は、うまく育っているとだいたい明るい性格です。
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    投稿日:2023.02.08

  • ラワイル

    ラワイル

    発達障害に関する雑な本があふれているのに辟易していたが、この著者は信頼できる内容を書く。ASDに知りたいが何を読んだらいいかわからない人は読むべき1冊。

    わかりやすく、かつ誠実に当事者をいかに利するかというスタンスで書かれた本。著者の方は自閉症スペクトラムについて実臨床に携わっていらっしゃるので、腑に落ちる説明が多かった。ちょっとだけ気になるのは、IQが低い群の話とそうでない群の話がいったり来たりするところが焦点が分かりづらくなっていたのと、ゲームに対する記述が雑なこと(ネスト・ジャパンの余暇活動にもゲームがあるように、ゲームもまた「共通の趣味」というよりどころになるはず。)。続きを読む

    投稿日:2022.07.18

  • Juri

    Juri

    このレビューはネタバレを含みます

    妊娠中に子どもの個性を学びたくて読み始めました。
    本書は、自閉症スペクトラムについて、この一冊で基本的な知識から考え方まで学べる良書だと思います。
    印象的だったのは、自閉症スペクトラムかどうかに関わらず、多くの人が思春期になれば世の中のことや自分の周囲のことに目を向けられるようになる、ということです。
    以下は、わが子や周りの子どもたちと接する上で、心がけたいと思いました。

    ・物心がつく前の時期に何かを特訓することはしません。その子ども自身が、「苦しい特訓を乗り越えてでもこうなりたい」と思えるような目標や動機を、まだ持たないからです。その時期に特訓などすると、その子の心の健康が大きく損なわれてしまいます。
    ・思春期以降に自発的な動機づけが出てきたら、本人が必要と思うことについては勝手に特訓を始めます。

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    投稿日:2022.07.02

  • おなか

    おなか

    臨床を知ってる人じゃないと書けない内容。特性についてだけでなく、自閉に対する捉え方も深刻さがなくフラットなのがとてもいい。「それ分かるなぁ」っていうあるあるも、「そういうことやったんか!」っていう嬉しい発見も沢山ある。本田先生の本はハズレがない。自閉ならこの先生。続きを読む

    投稿日:2022.02.24

  • 官兵衛

    官兵衛

    人それぞれに意見はあるかと思いますし、障害の特性もそれぞれにあると理解してもいるのですが、駄目なものは駄目でした。どうも、身構えてしまいます。

    投稿日:2021.02.25

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