【感想】死に至る病

キェルケゴール, 斎藤信治 / 岩波文庫
(69件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
14
17
19
6
3
  • 私にとって

    本作は当時最高の知の巨人ヘーゲルの思想に対するキェルケゴールの思想を著したものです。実存主義の始まりを築いたとされるキェルケゴールの思想は、キリスト教徒としての自覚に基づいているため、本作のみでなく、ヘーゲルやその後の実存主義哲学、キリスト教思想といった分野に興味を広げると面白いと思います。

    抽象的な内容で小難しいですが、主体性すなわち私にとってが重要とする内容に勇気づけられました。
    続きを読む

    投稿日:2015.11.12

ブクログレビュー

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  • planets13

    planets13

    なぜそこまでキリスト教を信じ切れるのかが私にはわからないだけに、思索の根幹に疑問を持ってしまう。結局は神を否定したら意味を失うのではないか、と。
    後半は神とキリスト者をどれだけ賞賛したいのかという感じだったけど、思慕だったのかな?続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • ぽ

    宗教観を前提にしているところは宗教だなあと思うだけなのだけれど、自身らをまさに擁護するために対比せられる世間や異教徒への眼差しがなんというか思いのほか俗っぽくて、それのほかにもたとえば自己喪失のくだりなんかも書かれていることがあまりにも当たり前で、まあそのあたりはエッセイでも読むような気で読み進めたけれども、第二編にはいっていよいよ宗教色が強くなるとさすがにどうでもよくなってきてしまった。続きを読む

    投稿日:2023.03.02

  • Fukunosuke

    Fukunosuke

    さて、読み終わったが、かなり分からなかった。キリスト教的価値観についてはこれまでかなり勉強してきた筈だったがそれでもこの本には分からない表現が多かったし、哲学書としてはニーチェのツァラトゥストラのように詩的表現をされている訳でもないにも関わらずそれ以上に難解だった。

    かろうじて私が受け取れた表現で面白かったところをいくつか。

    ◎想像力とは無限化するところの反省である→→自己とは反省である→→想像力とは反省であり、即ち自己の再現であり、したがって自己の可能性である。
    …想像力(ファンタジー)を巡らせることとはつまり自分について反省することであり、逆説的に自分とは反省によって形成されているという考え。直感的にこれはかなり真理に近づいた考え方に思える。


    ◎彼は自己自身であろうと欲しないことを仕事として時間をすごしているのであるが、それでいてその自己自身を愛しているほどに十分に自己なのである。
    …これはとてもアイロニックな考え方で好きだ。人は理想の自分を求める故に今の自分ではないものになりたい、変わりたいと欲して生きているが同時にそれは自己愛であり、十分に利己的な考え方なのだ。


    ◎何故なら異教徒は自分の自己を神の前にもっていないからである→→異教徒は最厳密な意味では罪を犯したことがないというのもまた真なのである、なぜというに彼は神の前で罪を犯したのではないのであり、そしてあらゆる罪は神の前で起こるものだからである。
    …宗教学的にはこの部分が一番興味深かった。ダンテのキリスト教観でいうと異教徒は全員罪人であり決して天国にはいけない。しかし実存主義的キェルケゴールの立場から見た宗教観では、罪という概念そのものが神の前で起こるものであり、(キリスト教的)神の存在しない異教徒にとっては罪という概念そのものがないのである。これはとてもキリスト教主体の考え方で実際には宗教ごとにそれぞれの「罪」が存在するだろう。しかし、罪という概念そのものが何らかの社会的な相対によって生じるもので、本質的に突き詰めてしまうとこの世に存在し得ないのだという考えはザ・実存主義って感じでおもろい。


    今回の読書で読み解けなかった部分もいずれ再読して理解を深めてみたい。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.16

  • ふるえるワカメちゃん

    ふるえるワカメちゃん

    このレビューはネタバレを含みます

    むかし読んだ。たぶん。いや、たしかに目は通した。根拠のない甘ったれた希死念慮から逃げきるために藁をもつかむ思いだった。死が答えではない、という事だけは本能的に分かっていたので、いろんな宗教に答えを求めていた時期。仏教に人の致死率は100%だよね、とサクッと言われて「そうだけどさ、ひゃー」という気分で。イスラム教にはあなたの生存率は神のみぞ知るよね、と言われて「そうだけどさ、ひゃー」となって。そしてキリスト教関連(キリスト教では自殺を宗教として禁じてる)の本書、、、ケムに巻かれた(笑)。とりあえずめっちゃ頭の良い過去の哲学者たちがこんなに真剣に考え尽くして資料残しているんだから、バカな自分が何考えてもだから何なのさー、っていう諦めはついた。人には絶対に勧めない本だけど、必要なひとが必要なときに出会ってしまう未来永劫に必要な本だろうと勝手に思う。

    ちなみに星2つなのは、自分の苦しみを考えるヒマがあったら生きることを考えよ、苦しんでる誰かを支えることを考えよ、と世界中のヒーローたちが悪と戦っている姿をいつも見せてくれているから、だ。しかし世界中の誰も信じられないとき、(それは自分自身を信じられないのと同義だが)この本に出会えたならば、それはなにか大きな力が投げた最後の蜘蛛の糸だと信じ怯まず掴んでいいと思う。

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    投稿日:2022.11.22

  • Katie

    Katie

    「まんがで読破」シリーズで読んだものの、同タイトルが見当たらなかったので原著にて記録。この手の哲学は共感も否定も感情が湧きづらいが、全体的にはふむふむ理解できる、という感じ。

    備忘メモ:
    感性的な生き方=刹那的、外側にあるものに流されるがまま、自分自身に無責任な生き方
    倫理的な生き方=自分の本質について内省する生き方
    死=選択できる意識の自由が死ぬこと

    3つの絶望
    1.自己の本質を知らない絶望
    2.本来的な自己になろうとしない絶望
    3.非本来的な自己になろうとする絶望
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    投稿日:2022.08.04

  • Anony

    Anony

    感想
    絶望が死へと繋がるのは現代も当時も同様。しかし本書で扱われる絶望は、現代のものとは少し様相が異なるのではという疑問を拭うことができない。

    投稿日:2022.07.19

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