【感想】〈狐〉が選んだ入門書

山村修 / ちくま文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 4.8
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  • ただ楽しんだ

    入門書がどうこうとか関係なく、もっと言えばブックガイドとしてでもなく、ただただ面白く読み終えた。逆にいえば、何かの分野での取っ掛かりが欲しい、導いて欲しい、そういう考えで本書を読んでも裏切られるかもしれない。
    というのも、取り上げた本が入門書というには些か程度が高い気がするし、その分野の王道とは言いがたいものもあったし。
    でもその代わり、狐氏のそれぞれの本への思い入れは存分に伝わってくる。本の中にざんぶと飛び込み、底まで潜ってきた人の深い理解がある。それがあるから、開けるには多少力がいりそうな門たちを、しかしそれでもなお入ってみたいと思わされた(とりあえず1冊目挑戦中)。
    即物的に知識や教養を身につけるというより、知らないものを知ることをただ楽しみたい方におすすめ。
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    投稿日:2015.09.18

ブクログレビュー

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  • explorer1048

    explorer1048

    夕刊ゲンダイに長く書評を書いてきた狐こと山村修の本を二冊読んだ。

    うなる他なかった。

    書評という文章のジャンルにおいて、ここまで想定外の表現を駆使した人を知らない。

    書評というのは、本来批判的に書いてもよいし好意的に書いてもよいはずだが、山村の書評は常に肯定的な表現に満ちている。その肯定感が半端なくすごい。このように讃美されたらどのような読者でもその書物を読みたくなるであろう。作品の「宝石」を引き出すということを地で言っている。

    こうした山村の爪の垢でも煎じて飲まねばならぬという思いから、以下に彼の書評の特長を列挙してみる。

    ・ある作品を読んで思い出した別の作品(本とは限らず映画だったり芝居だったりする)を引いて対比させたり関係性を示す
    ・作品が書かれた年代について記し、その観点から時代背景を示す
    ・作家に見出される知性だったり、抒情性だったり、種々の特長を表現する
    ・不意を打たれた、めざましい、等自分の感情がどう動いたかを記す
    ・作品そのものが何に重きをおいているかを表現する
    ・作品そのものが扱っているテーマを作者がどのように料理しているかを独自の言い方で表現する
    ・自分がどのようにその作品を読んだかを記す
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    投稿日:2021.09.20

  • raizox

    raizox

    「狐」さんの文章は、どうしてこうも静かに流れていくような文章なのだろう…と思いながら読みました。国語や歴史関係で読みたい本がいくつか。

    投稿日:2018.10.09

  • kazubook21613

    kazubook21613

    相変わらず素晴らしい書評集。
    的確な批評で、思わず手に取りたくなる。ゲンダイに書いたものと違い、文字数をしっかりとっているので、切れ味は少々鈍るが、その分、一冊を深く掘り下げてるので、これはこれでまたいい。

    早い物故が惜しまれる。
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    投稿日:2013.09.14

  • NORIS

    NORIS

    狐こと山村修という書評家のウワサは聞いていたが初めて読む。
    言葉、古典文芸、歴史、思想史、美術の各分野で出色の入門書を紹介する読書案内。その豊富な読書経験から引き出してくるエピソードによるつかみというか枕がうまくて、どの入門書も読んでみたくなってしまう。紹介された25冊のうち文庫/新書が7割とはいえ、<760円+税>では済まない危険な一冊。続きを読む

    投稿日:2012.09.05

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