【感想】裸者と裸者(上) 孤児部隊の世界永久戦争

打海文三 / 角川文庫
(45件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
22
14
9
0
0
  • 圧倒的な生臭さ

    戦争孤児である主人公のカイトが戦場となった日本で生にしがみつきながら戦い続ける姿を描いた作品。カイトがどういった人なのかをよく表すひらがなだけの独特な会話などぐいぐいと惹きつけてくれる文章もさることながら、生きていくのことの難しい戦場の生々しさは圧倒的。人を選ぶ作品であることは間違いないが、この一作目を読み、気に入ったらぜひシリーズ全てを手に取って欲しい続きを読む

    投稿日:2013.10.28

ブクログレビュー

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  • emarute1208

    emarute1208

    北関東を中心とした適度なスケール感と移動や時間経過などの緻密な構成。経済破綻から来る日本国内の内戦勃発と孤児の参戦。その有り得なくもないギリギリのリアリティに少し身震いしながら、不思議なくらい引き込まれた。
    武器や軍隊構成単位など軍事知識が未熟であったことと、物語の中における各人や各部隊の思惑をもっと深く理解・共感したいとの思いから上下巻通して2回連続で読み返した。
    上巻では、両親を奪われ兄妹弟の慎ましい生活さえも戦争に奪われながら、その妹弟と大切な仲間を守るために自ら戦争に身を投じていく海人が言った『三人が三人とも善人では生きていけない』は悲しいが、っその通りと思えた。それを自覚しながら戦争の狂気の中で冷静さを保てる精神力こそ本当の強さであり、その精神力の源として他人を想う気持ちってのは大切なんだと思った。
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    投稿日:2018.11.11

  • hirohisasakai

    hirohisasakai

    今の日本も今後こうなってもおかしくない。
    内戦状態の日本で、孤児の少年が、妹、弟を守るために力強く生きる。
    暗い時代背景で、置かれた状況は悪いけれど、なにか、わくわくさせてくれる主人公。
    いろんな人と出会って成長していく姿。
    良いですね。

    下巻がかなり気になる感じです。
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    投稿日:2017.09.17

  • 勝手に白熊

    勝手に白熊

    近未来戦争フィクション。日本での悲惨な戦争を舞台に主人公が成長していく物語。
    描写が非常に過激で、読むのに耐えられない人も多いと思うが、戦争の悲惨さを感じるには良いのかとも思った。
    主に関東近辺を舞台にしており、個人的には知っている土地が多くそういう意味で楽しめた。
    あまりオススメしません。
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    投稿日:2015.08.18

  • flatline

    flatline

    おもしろい。
    内乱の戦時下という日本で、少年少女たちが生き抜いていく。
    主人公の海人が、這い上がっていく中で様々な問題にぶつかり、時には残酷な決断も強いられる。性というテーマを戦時下の日本、少年少女たちを通して描いている。
    「裸者と裸者」「愚者と愚者」「覇者と覇者」とシリーズを通して◎
    作者の遺作となった「覇者と覇者」が未完なのが残念でならない>_<
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    投稿日:2014.11.02

  • sota

    sota

    「十八人のうち男はたった二人だ。女の比率が異常に高いのはなぜだ」
    「構造的な差別の問題よ」金髪の女が言った。
    「おまえたちは抑圧された女の組織ということか」中尉が訊いた。
    「基本的にはそうです」黒髪の女が言った。
    「女の解放の彼方に、すべての抑圧された者の、解放を夢見ているのか」
    「理念としてはそのとおり」金髪の女が言った。

    ファルス中心主義的世界観から、徐々に女性の台頭、孤児軍の活躍、マイノリティー武装勢力の抵抗が起こってくる。かなり面白い。海人の活躍は、浅田次郎の『蒼穹の昴』のチュンルを彷彿させる。
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    投稿日:2013.12.28

  • ろせ

    ろせ

    このレビューはネタバレを含みます

    多分今までで最も衝撃を受けた本。
    なにより描写がものすごく美しいと思った。セックスも死についても。
    対してキャラクターの乾いた明るさもすごく魅力的で、みんな自分の足で立って生きているのを強く感じること。
    そしてこれはファンタジーではなく今も地球のどこかで起きているきっと現実の一部であるということ。
    わたしも海人に惚れています。

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    投稿日:2013.06.27

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