【感想】発達障害のいま

杉山登志郎 / 講談社現代新書
(34件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
6
14
5
0
1
  • 2冊目以降に…

    発達障害とトラウマなど、入門書とは違った専門的な内容の本。
    新しい治療法が参考になった。

    投稿日:2013.09.24

ブクログレビュー

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  • morinokazedayori

    morinokazedayori

    とても内容の濃い本だった。発達凸凹はマイナスではなく、得意を伸ばせば独創的な活動のできる人になる。だが、発達障害となると社会や周囲への適応が難しくなり、加害性、被害性を帯びることもある。また、従来の精神科診断では見落とされがちであった「発達」と「トラウマ」の問題の重要性を指摘。発達凸凹を障害にしない、トラウマを作らないための周囲の対処法も説明されている。より理解を深めたい。続きを読む

    投稿日:2023.03.26

  • はーばる

    はーばる

    精神病と自閉症スペクトラムの関係がわかりやすく説明されている本。トラウマ治療の方法EMDRをもっと詳しく知りたいし、簡易的にでも自宅で対処できる方法があれば知りたい。

    投稿日:2022.05.27

  • kamitako

    kamitako

    凸凹理論、ここに。被虐待児童と被虐待経験のある成人を数多く診てきた著者だから語れるものがここにある。ラベルを貼るのではなく、特性として理解し、アセスメントすることが共生への第一歩だろう。システム論を援用した構造的な理解との併用が必要であるが...。続きを読む

    投稿日:2019.07.30

  • ぽんだな

    ぽんだな

    発達障害の人はいじめや虐待などに遭いやすく(相手の気持ちが読めない、特定のこだわりがある、知的障害がない場合は発達アンバランスがあると気づかれることがないのでなま家やサボりと勘違いされて叱責を受けやすい)、発達障害に虐待などのトラウマが加わることで、精神的な障害が発症しやすくなる。続きを読む

    投稿日:2019.04.04

  • fab-lab

    fab-lab

    いままで読んだ3冊の発達障害の新書のうち、2冊はいい加減なゴミだったが、こちらの本はとてもよくて、まともな本だった。真摯に臨床にあたった豊富な経験と研鑽、知識から、叙述されているのはこの先生の本だけだった。

    ・トラウマの解消 EMDRの方法 (P124)
     治療者が患者の目の前に指を2本たて(人差し指、中指)、その指を左右にふる。患者は目で指を追う。その眼球運動とともに、トラウマになっている記憶の想起をおこなうと、なぜかその記憶との間に心理的な距離がとれるようになる。

    ・療育の目標はトラウマを作らないこと。
     体罰を避け、大きな声で怒鳴るのは極力避けたい。強く叱責されたときは周囲の情報が飛んでしまい、叱られたということだけが残る。すると、そのときは止めるがまたやるということを繰り返すことになるだけ。
     できるはずなのにいまくいかないときには、こちらが気づいていないこだわりや、とくに過敏性が邪魔をしていないか、その目で振り返ってみることが必要。
    (P245)

    ・トラウマによるフラッシュバックに対する薬物療法
     神田橋條治 漢方薬
      桂枝加芍薬湯(小建中湯or桂枝加竜骨牡蠣湯)と四物湯(or十全大補湯)の組み合わせ
    (P248)



    自閉症、自閉症スペクトラム障害、トラウマなど脳機能のダメージや器質的な原因から、連続的につらなる発達障害。製薬会社による作られた病、と言われているが、その病名があることや投薬(プラシーボ的なのも含め)により、救われる人もいるのだろう。
    一方でわかりあえない相手を発達障害だ、と決めつけることでスッキリする人もいるのだろう。
    境界を引くだけの、かりそめの平和だとしても。
    清潔で規律ある世界のために、出生前診断で発達障碍児を間引く日もくるのだろうか。空気を読めて、チームワークが上手い人間だけが残った、つるっと平坦な素晴らしい世界では皆が同じ方向に向かって、動物に戻ったり、虫みたいになりそうだ。
    発達障害、という名の商品が、苦しむ人びとの救いとなるところまでの利用であれば、と思った。
    続きを読む

    投稿日:2018.09.27

  • hidekazuasai

    hidekazuasai

    本書は、誤解される発達障害の知識を正しく伝える本である。

    発達障害は、著者によると、それは、発達凸凹とよぶ脳の機能であり、それは正しい支援教育がなされれば、「障害」へ至らないのだ。

    では、昨今、話題とされる「大人の発達障害」とは何か。

    それは発達凸凹が「障害化」してしまって成長してしまったのだ。

    その「障害」の「原因」は、いじめや親の虐待や社会へ出てからの軋轢である。

    発達凸凹が「障害」へと至ると、二次障害が起きてしまう。その二次障害こそが「発達障害」が「障害」と化したその姿である。

    特別支援教育がなされないと、ますます「大人の発達障害」は増えるであろう。
    続きを読む

    投稿日:2018.03.14

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